第11回福井県科学学術大賞特別賞受賞者

最終更新日 2016年2月15日ページID 031737

印刷

 

 

本田氏

みやだいとしあき
宮 台 俊 明

 福井県立大学海洋生物資源学部教授  

<略歴>
昭和56年   農学博士(名古屋大学)取得
昭和57年   福井大学医学部助手
平成3年    福井大学医学部講師
平成4年    福井県立大学生物資源学部助教授

平成19年   福井県立大学生物資源学部教授
平成21年   現職



 



 業績名 『DNA鑑別手法を用いたトラフグの雌雄判別法の開発 』

  本県の冬の味覚の代表であるトラフグの雌雄を決定する特定遺伝子を世界で初めて発見しました。この成果をもとに、トラフグ稚魚の体表粘液を極微量採取してDNAを抽出・増幅し、魚体を傷めることなく2時間で384個体の雌雄の判別に成功しました。雌雄判別法により、市場での本県トラフグの付加価値を高めるとともに、嶺南を訪れた観光客の求めに応じたトラフグの提供を可能とするなど、本県のさらなる観光誘客の拡大が
期待されます。

≪研究の内容≫
  高級魚市場においては、現在、発達した白子を持つ雄のトラフグは高値で取引されています。そのため、雄だけを選別して白子の生育効率を上げることができれば、生産者の利益に直結するだけでなく、需要の拡大にも貢献することが期待されていました。

  宮台教授は、DNA鑑別手法により、トラフグの雌雄判別の研究に着手し、トラフグ約1千匹のDNA染色体を1年がかりで分析しました。その結果、雄と雌のトラフグの違いは、44本ある染色体のうちの19番目の染色体にあるDNAを構成する塩基が異なることによるものであることを世界で初めて突き止めました。

  これまで、魚の性決定遺伝子は、メダカにおいて発見されていましたが、メダカは外観上雌雄差が認められることや、経済的価値のある養殖魚での、雌雄判別が可能となったことは画期的な成果です。

  この成果をもとに、トラフグの背部体表の粘液を爪楊枝の先で極微量を採取し、DNAを抽出・増幅する仕組みを考案し、魚体を傷めずに2時間で384個体の雌雄を判別することに成功しました。(平成27年特許取得)

  海外からの輸入品や遺伝子組み換えによる養殖魚が市場に出回る中、今回の研究成果を活用することにより、消費者の求める安全・安心な養殖が可能となり、嶺南の養殖業者では試験的な養殖が開始されています。

  トラフグは、本県養殖の主要魚種であるとともに、嶺南の民宿、旅館において、確実に雌雄に判別されたトラフグの提供をアピールし、県内外からのさらなる観光誘客が期待されます。
クッション構造体 

 

                                                                                            
 

 
  
 


 

関連ファイルダウンロード



※PDFをご覧になるには「Adobe Reader(無料)」が必要です。

Adobe Readerのダウンロードサイトへリンクダウンロードはこちら

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、daishi@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

大学私学課

電話番号:0776-20-0248 ファックス:0776-26-0632メール:daishi@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)