第12回福井県科学学術大賞特別賞受賞者

最終更新日 2013年3月1日ページID 034772

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岩堀氏

つぼかわつばさ
坪川 翼

 武生特殊鋼材株式会社技術部長


<略歴>
平成18年  国立福井工業高等専門学校環境システム専攻科卒業

平成18年  武生特殊鋼材株式会社入社
平成27年  現職

 


 三好氏

こうのみちつぐ
河野 通亜

 武生特殊鋼材株式会社代表取締役会長
 

<略歴>
昭和43年  中央大学法学部卒業

昭和52年  武生特殊鋼材株式会社入社
平成26年  現職

  
 

  多田氏

こうのみちろう 
河野 通郎

 武生特殊鋼材株式会社代表取締役社長
 

<略歴>
平成12年  富山大学経済学部卒業

平成20年  武生特殊鋼材株式会社入社
平成26年  現職


  

 中村氏

やまもとたくみ

山本 工

    武生特殊鋼材株式会社取締役副社長
 

<略歴>
昭和44年  関西大学工学部卒業

昭和44年  武生特殊鋼材株式会社入社 
平成24年  現職   
 

業績名 『コアレス刃物鋼の開発と業界発展 』

 性質が異なる金属の複合材料を圧延・圧着する技術を生かし、金属炭化物の粗大化を解消・均一に分散させることにより刃物鋼の耐久性と切断性能の向上を実現しました。また、従来の刃物と比べ、刃先までダマスカス模様や墨流し模様などを表出させ、意匠性の高い刃物鋼を実現しました。機能性と意匠性の両方を実現した刃物鋼として実用化が進み、越前打刃物業界の発展に大きく貢献しています。
≪開発研究の内容、成果≫
  包丁などの刃物には、高い切断性と耐久性が求められます。一般的に、刃先を硬くするほど切断性能は向上しますが、刃が欠け易くなり耐久性は低下します。このため、従来の刃物は、比較的柔らかい素材を母材として硬い鋼(コア素材)を挟むことにより、切断性と耐久性を高めていました。

  武生特殊鋼材(株)のグループは、独自に開発した2種類の炭素の含有量が異なる鋼(コア素材)を、交互72層に重ね、加熱しながら圧延・圧着させた鋼板を開発し、コアレス刃物鋼と名付けました。

  このコアレス刃物鋼が優れた点は、まず、微細な金属炭化物が素地に細かく分散しているため、切断性と耐久性が従来比の約2倍と、大きく向上しています。

  次に、刃先までダマスカス模様や墨流し模様が表出し、意匠性の高い刃物鋼を実現しています。(特許取得)

  さらに、片刃包丁の場合、右利き用、左利き用に応じて刃先を研ぐ必要があり、従来の鋼材では刃先にコア材がくるように加工する必要があるのに対し、コアレス刃物鋼は全て硬いコア材で、全てが刃先となり得るため、その必要がなく、産地メーカの製造工程の簡略化に貢献します。

  コアレス刃物鋼を使用したステーキナイフが、切れ味の良さと意匠性の高さから、世界で注目を集めるなど実績を着実にあげており、越前打刃物産地の活性化に大きく貢献しています。

  また、理美容業界でのはさみ試作開発が進められているほか、微細な金属炭化物を素地に細かく分散させる技術を生かし、金型、シャフトなど耐摩耗性能が求められる自動車部品などへの応用も期待されます。

  

 チタン合金製眼鏡フレーム包丁外観比較




 

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