第13回福井県科学学術大賞特別賞受賞者

最終更新日 2018年3月15日ページID 037931

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のりきさこん
法木 左近

福井大学医学部腫瘍病理学准教授

<略歴>
平成2年   福井医科大学医学部大学院医学研究科修了
平成2年   福井医科大学第一病理学講座助手  
平成4年   福井医科大学付属病院検査部助手
平成13年 文部科学省在外研究員(イタリア共和国パヴィア大学留学)
平成14年 福井医科大学第一病理学講座助教授
平成15年 福井大学医学部腫瘍病理学講座助教授
平成19年 現職
 
いしだひさや
石田 久哉

いしだ皮膚科クリニック院長
福井大学医学部非常勤講師

<略歴>
昭和62年 富山医科薬科大学医学部医学科卒業
昭和62年 福井医科大学付属病院皮膚科助手 
平成4年   湖北総合病院皮膚科医長 
平成6年   福井医科大学附属病院皮膚科助手
平成13年 福井医科大学附属病院皮膚科講師、副科長
平成16年 現職 

業績名 『免疫クロマトグラフィー法を用いた新しい白癬菌検出法の開発と実用化 』
 数種類ある白癬菌全てと反応する抗体を世界で初めて開発し、その抗体を用いて白癬菌を判定する試験紙を作製しました。また、皮膚片や爪等から、加熱処理なしに抗体に反応する抗原を抽出する方法を世界で初めて開発し、これらを用いた「白癬菌検出キット」を実用化しました。これまで白癬菌を検出するには、専門医による熟練した技術を必要としましたが、短時間で簡単に白癬菌の有無を判定することが可能となりました。

≪開発研究の内容、成果≫ 

 白癬(水虫)の診断は、皮膚科専門医が病変部の皮膚片や爪等を採取し、水酸化カリウム溶液で角質を溶かして、残った白癬菌の菌糸の有無を顕微鏡で観察する方法により行ってきました。この診断法では、顕微鏡などの設備が必要であり、また菌糸とほこりなどとを間違えることがないような皮膚科専門医が行う必要がありました。

 法木氏と石田氏は、インフルエンザなどの診断で用いられている免疫クロマトグラフィー法という手法を応用し、白癬の新しい診断方法の開発に取り組みました。

 最初に、数種類ある白癬菌全てに反応するモノクローナル抗体を世界で初めて作製し、特許登録も行われました。さらに、このモノクローナル抗体を用いて、免疫クロマトグラフィー法による試験紙を作製しました。当初、皮膚片や爪等から、抗体に反応する抗原を抽出するのに加熱する方法を用いていましたが、加熱せずに抗原を抽出する方法も世界で初めて開発し、特許登録も行われています。

 これらの技術を用いて白癬菌の検出キットを作製しました。キットを用いた検出方法では、図のように、ラインの有無で判定すればよく、専門医の熟練した技術がなくても短時間で白癬菌の有無を判定できるようになりました。

 また、このキットは性能試験を経て、平成28年3月に厚生労働省から「爪白癬体外診断用医薬品」として認可されています。今後市販薬として販売されることとなれば、一般の人が白癬かどうかを判定できるようになることが期待されます。

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