第1回福井県科学学術大賞受賞者

最終更新日 2008年4月3日ページID 006285

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米倉氏

よねくら よしはる
米 倉  義 晴

  福井大学 高エネルギー医学研究センター
    センター長・教授

<略歴>
 昭和23年 滋賀県長浜市生まれ
 昭和55年 京都大学大学院医学研究科
        博士課程修了
  同 年  米国ブルックヘブン国立研究究所留学
 昭和58年 京都大学医学部
 平成 7年 福井医科大学(現福井大学)
        高エネルギー医学研究センター教授


 業績名  『陽電子断層撮影(PET)による機能画像診断法の開発』

 世界で初めて陽電子断層撮影(PET)を用いるブドウ糖代謝の画像が悪性腫瘍の検出に利用できることを報告しました。
 また、一貫してPETによる悪性腫瘍の機能画像診断法の開発研究を行い、診療への導入に貢献しました。

 米国留学中の昭和57年に、標識薬剤フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いたPET検査によるブドウ糖代謝画像が、ガンの検出に利用できることを世界で初めて報告しました。
 福井大学ではPET検査実施のための基盤技術の整備や臨床研究の体制づくりを行い、高度先進医療としての実績を積み重ねたほか、氏などが学術団体を通して行った厚生労働省への要望により、平成14年4月からFDGを用いたPET検査に健康保険の適用が認められました。
 また、氏が中心となって、平成8年から4年ごとに画像医学のこれからを展望する国際ワークショップを開催し、福井県をPET研究の国際拠点とする活動を行っています。

≪開発研究の内容、成果≫
 効果的なガン治療のためには、早期発見による早期治療開始、ガン細胞の性状と浸潤範囲の正確な把握、最適な治療が必要です。従来は、ガン細胞は1~3㎝となる「育成期」でないと発見できませんでしたが、PETでは、数㎜~1㎝のガンも発見できます。
 従来の画像検査(MRIやCT)では、ガンの可能性が高いと思われる部位ごとに検査を行う必要がありましたが、PET検査では、一度にほぼ全身を検査できます。
 PETでは、腫瘍の局在診断(どこにどれくらいの範囲に広がっているか)、性状診断(ガン細胞の活動性)、治療効果の判定、再発の早期診断などが可能となりました。
 全身を一度に検査できる利点を生かして、検診への応用も始まっています。

 また、PETによるガンの早期発見と早期治療開始が可能となりました。
 PETが保険診療として認可されたことにより、福井大学附属病院以外の医療機関においてもPET検査が普及しつつあり、県民は日常的にPET検査を受けることが可能となりました。

PET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)とは

PETとは、陽電子(プラスの電気を帯びた電子=ポジトロン)と擬似ブドウ糖(ブドウ糖に似た組成)を合成した薬剤(フッ素18標識フルオロデオキシグルコース=FDG)を体内に注射し、その集積から細胞の活動状態を画像化する最先端の診断技術です。
PET
「PET」

 

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