福井県科学学術大賞の受賞者(第1~13回)

最終更新日 2018年3月15日ページID 034796

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第1回(平成17年度)
大 賞
米倉 義晴  福井大学 高エネルギー医学研究センター長・教授
『陽電子断層撮影(PET)による機能画像診断法の開発』
世界で初めて陽電子断層撮影(PET)を用いるブドウ糖代謝の画像が悪性腫瘍の検出に利用できることを報告しました。
また、一貫してPETによる悪性腫瘍の機能画像診断法の開発研究を行い、診療への導入に貢献しました。

第2回(平成18年度)
大 賞
山田 英幸  セーレン(株) 開発研究第一グループ長
『セリシンの再発見と事業化』
蚕の繭を絹にする過程で出る廃液に含まれる、セリシンというタンパク質が、保水・保湿効果など有用な機能を持つタンパク質であることを明らかにしました。
また、セリシンの工業的な分離精製技術を世界で初めて開発したことにより、繊維加工などの化成品原料、化粧品原料、バイオ関連原料など多分野で利用できることとなり、絹産業の新しいビジネスモデルの確立に貢献しました。

特別賞
小林 将男  (株)コバード 代表取締役社長
小林 博紀  同社代表取締役専務
吹上   透  同社常務取締役    (3名)
『発酵生地用自動充填成形機の開発』
従来、手包みに頼っていたパンや中華饅頭等の発酵生地の包あん成形を、手包み以上に安定的に高い品質で、かつ低コストで成形する方法、装置を開発し、生産性の向上に貢献しました。

第3回(平成19年度)
大 賞
廣石 伸互  福井県立大学 生物資源学部教授
『アオコ・赤潮原因プランクトンの検出法および防除法の研究』
湖沼や池の景観を悪化させ、水資源、魚介類、野生生物等に被害を与える、有毒なアオコ等の原因となる植物プランクトンを死滅させるウイルスを世界で初めて分離しました。
このウイルスは三方湖水から分離され、有毒なアオコ原因プランクトンにのみ感染し、ダメージを与える新しいウイルスであることを明らかにしました。

特別賞
山田 忠幸  山田技研(株)代表取締役社長
『気象/路面センサーによる省エネ制御とインターネットによる情報提供』
雪をテーマに長年開発研究を続け、冬季の路面状況を自動判別し、融雪装置を適切に制御する「気象/路面センサー」を開発しました。
路面状況を正確に把握することで、道路融雪が効率化され、省エネルギー、コストダウンに貢献し、さらに、冬季の道路の安全確保、地下水の節水など省資源、環境保全にも大きな役割を果たしています。

第4回(平成20年度)
大 賞
杉本 英彦 福井大学大学院工学研究科教授
『液体窒素冷却超電導モータの研究開発』
物質の内部を電子が抵抗なく流れる「超電導」技術を利用した超電導モータは、世界各国で開発競争が行われていますが、世界に先駆けて実用性の高い超電導モータの開発に成功しました。
この超電動モータは従来のモータに比べて効率性の向上、CO2削減による省エネ、地球温暖化防止効果や、低騒音化に貢献する技術であり、船舶用モータでの実用化が目前になっています。

大賞
今  攸 ㈶若狭湾エネルギー研究センター協力研究員
『ズワイガニの生活史に関する漁業生物学的研究』
ズワイガニの生活史に関する研究を長年にわたって続け、稚ガニの人工飼育に世界で初めて成功したほか、生息海域や成長期間などを明らかにしました。
ズワイガニの漁獲量は、乱獲により一時は最盛期の約1割にまで減少しましたが、この研究結果をもとに効果的な資源管理が行われた結果、近年では漁獲量が回復してきており、本県水産業における魚種別漁獲金額は、現在、ズワイガニが最も高くなっています。

第5回(平成21年度)
大 賞
荻原  隆 (福井大学大学院工学研究科教授 )
『バッテリートラムの開発』
新たな電池材料の開発が国内外で様々試みられていますが、これらに先駆け、ナノ粉体製造技術を基に安価なリチウムイオン電池材料の製造が可能となりました。バッテリートラムへの応用、実用化が図られる見込みとなり、運輸部門の省エネルギーや環境負荷低減に大きく貢献するものと期待されています。

特別賞
酒井 良次 (サカセ・アドテック(株)取締役ACM事業部長 )
『三軸織を利用した、次世代宇宙構造技術の開発と、その要素技術の地上転用』
長年にわたって取り組んできた三軸織物の宇宙分野への応用研究が進捗し、新たな宇宙構造物の素材としての可能性が実証されようとしています。またこの技術の地上転用事例として、文化財の保存・修復への利用や冬季五輪用のリュージュそりの開発が進行中です。本県繊維産業を取り巻く環境は厳しさを増していますが、三軸織物の特性を活かし、さらなる科学・文化への貢献が期待されています。


第6回(平成22年度)
大 賞
出原 敏孝 (福井大学遠赤外領域開発研究センター特任教授
『高出力テラヘルツ光源-ジャイロトロン-の開発とテラヘルツ技術への応用』
電磁波の利用は、放送や通信にとどまらず、MRIなど医療や科学の最先端分野から 木材の乾燥、樹脂や食品の加工などの産業用分野まで幅広く行われていますが、光と電波の中間に位置する「テラヘルツ光」は、電磁波を出す優れた装置(光源)がなかったことから、開発が遅れてきました。高い出力の電磁波を安定的に発生させることができる機器の開発により、多様な分野への応用が図られるものと期待されています。

特別賞
福井県立大学北東アジア研究会
 坂田 幹男(福井県立大学副学長、北東アジア研究会 会長)
 唱    新(福井県立大学経済学部教授)
 Andrey Belov(福井県立大学経済学部教授 )
 南保   勝(福井県立大学地域経済研究所教授)
 福山   龍(福井県立大学経済学部准教授 )
 桑原 美香(福井県立大学経済学部准教授 )

『東アジアと地域経済に関する研究』
福井県立大学は、開学(1992年)と同時に、韓国、中国の研究者を迎え、「北東アジア研究会」を発足。以来18年間、研究成果を蓄積すると同時に、その内容を日本の内外に向けて情報発信を行なってきました。今後、地域の大学として地元経済に対する貢献がますます求められる福井県立大学ですが、今回の受賞をきっかけにさらなる飛躍が期待されています。 

第7回(平成23年度)
大賞
廣田 晃一(信越化学工業(株)磁性材料研究所第二部開発室主任研究員)
 『高耐熱性Nd磁石の開発』
「磁石が地球環境保全に役立つ。」電気自動車や省エネ家電の普及に伴い脚光を浴びているのが、その心臓部で働く高性能磁石の存在です。高温の中で強い磁力を保つためには、ほぼ全量が中国で産出される高価な希少金属が欠かせません。その金属の使用量の削減と耐熱性の向上が可能となる新たな磁石の製法が発見されたことにより、私たちの暮らしのエコに直結する製品がより身近になりつつあります。

大賞
村松 郁延(福井大学医学部教授)
 『α1アドレナリン受容体の表現型薬理学の確立と排尿障害治療薬への応用』
薬は、注射や皮膚への塗布、口からの飲み込み等、さまざまな形で体内に吸収されますが、その効果が発揮される部位は様々です。このうち、細胞表面にある受容体と呼ばれる分子を標的とした薬は、薬と受容体の組合せが正しいかどうかが効き目の大きな鍵を握ります。今回、新たな受容体が発見され、適切な薬と正しく組合せる道が開かれたことにより、病気で悩む多くの患者の症状の改善に寄与することが期待されています。


 第8回(平成24年度)
大賞
本田 和正(福井県立大学看護福祉学部教授)
乳汁射出反射の視床下部内統合機構に関する研究
母乳は、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激が脊髄を通って脳に達し、脳内からホルモンの」種であるオキシトシンが放出され、血液を介して乳腺に作用することで出るようになります。授乳時のオキシトシン放出メカニズムの一端が明らかになり、授乳期の生理機能を考える際の重要な基礎データが得られました。 

特別賞
岩堀一夫(株式会社シャルマン取締役専務執行役員)
三好英世(株式会社シャルマン生産技術部技術開発課マネージャー)
多田弘幸(株式会社シャルマン生産技術部技術開発課エキスパート) 
中村 浩
  (株式会社シャルマン 生産技術部技術開発課エキスパート) 
『チタン製眼鏡フレームのレーザ微細接合技術の開発』
微細な金属の部品をレーザで接合する技術が開発され、眼鏡フレームの製造過程において実用化されたことで、従来の眼鏡フレームの常識を打ち破るデザイン性と機能性を兼ね備えた製品の製造が可能になりました。このデザイン性と機能性を兼ね備えた眼鏡フレームは、低価格志向が強かつた業界にあって高価格帯の市場を開拓しています。この技術は眼鏡フレームにとどまらず、医療機器等でも優位性が認められ、地域を牽引する産業創成として期待されています。 
 
 

 第9回(平成25年度)

大賞

濱野 吉十(福井県立大学生物資源学部准教授)

『ペプチド系抗生物質の生産を担う新奇微生物酵素の発見』

微生物から合成される抗生物質のストレプトスリシンとポリリジンの遺伝子を初めて特定し、これまでにない合成酵素によって合成されることを解明しました。さらに、動物への毒性が強いストレプトスリシンの構造を改変し、抗菌性を保ったまま毒性を下げることに成功しました。発見した合成酵素をさらに改良することにより、新たな医薬品やバイオプラスチックの開発が期待されます。

特別賞

河合 国昭(永平寺サイジング株式会社代表取締役社長)

『多層構造織物によるクッション材の研究開発』

素材にリサイクル可能なポリエステルを使用しながら、耐久性に優れた多層構造織物クッション材を独自の技術により開発しました。このクッション材は軽量で薄く、優れた通気性と体圧分散性を有しており、寝具用マットレスとして主に西川産業を通じて百貨店等で販売されている製品は高い評価を受けています。この技術の応用により医療分野、スポーツ分野への用途拡大が期待されます。
 

第10回(平成26年度)

大賞

宮本 薫(福井大学医学部教授)

『幹細胞からのステロイドホルモン産生細胞の創出』

副腎などの形成に必須の遺伝子を用いて、間葉系幹細胞を、ステロイドホルモンを作り出す細胞へ変化させる方法を開発しました。併せて、万能幹細胞であるES細胞を、ステロイドホルモンを作り出す細胞へ変化させる方法も開発しました。将来、ステロイドホルモンを作り出す細胞を先天性ステロイドホルモン欠乏症の患者に移植することで、根本的な治療を行うことが期待されます。

特別賞

下村 昭夫(株式会社下村漆器店代表取締役社長)

『越前漆器の多層コーティング技術を応用した超耐久性食器の開発』

越前漆器の重ね塗り技術を応用し、150℃の耐熱性を実現しながら、食器洗浄機に使用可能な漆器調の超耐久性プラスチック製IH対応食器を世界で初めて開発し実用化しました。開発された食器は、内側を効率良く加熱でき、外側は手に触れても火傷しない構造で、食品色素が付着しない表層加工も実現し、高い評価を受けています。加熱カート製造の大手企業との連携により、今後の売り上げ増が期待されます。
特別賞

清川 肇(清川メッキ工業株式会社代表取締役社長)

清川 卓二(清川メッキ工業株式会社専務取締役兼品質保証部部長)

畑中 太郎(清川メッキ工業株式会社品質保証部課長)

笠原 めぐみ(清川メッキ工業株式会社品質保証部主任)

『めっき皮膜中の環境規制物質微量分析の開発』

極小の電子部品に含まれる環境規制物質検査において、これまでの全溶解による分析に対して、めっき層ごとに速く、安く、正確に分析する技術を世界で初めて開発し実用化しました。この技術は、日本のものづくりの土台であり、日本の産業を支えるナノテク分野では欠かせないものです。今後、この分析方法が、国際的に標準的な分析法として広く採用されることが期待されます。

第11回(平成27年度)

大賞

葛原 正明(福井大学大学院工学研究科教授)

『窒化物半導体トランジスタにおける電圧分散型電極構造の研究』

省エネ性能を向上できる窒化物半導体トランジスタの新構造を開発しました。その効果を高める研究を進め、電力変換時に電流の流れを阻害する要因をほぼ完全に抑制できる技術の開発に成功しました。現在、窒化物半導体トランジスタは、携帯電話基地局など私たちの生活を支えるインフラ分野で普及していますが、今後はさらに、ハイブリッド自動車や家電機器などの電力制御機器にも応用が進み、小型で高温にも耐える新たな省エネ性能の実現が期待されています。

特別賞

宮台 俊明(福井県立大学海洋生物資源学部教授)

『DNA鑑別手法を用いたトラフグの雌雄判別法の開発』

本県の冬の味覚の代表であるトラフグの雌雄を決定する特定遺伝子を世界で初めて発見しました。この成果をもとに、トラフグ稚魚の体表粘液を極微量採取してDNAを抽出・増幅し、魚体を傷めることなく2時間で384個体の雌雄の判別に成功しました。雌雄判別法により、市場での本県トラフグの付加価値を高めるとともに、嶺南を訪れた観光客の求めに応じたトラフグの提供を可能とするなど、本県のさらなる観光誘客の拡大が期待されます。
特別賞

髙﨑 文香(日華化学株式会社化粧品研究部基礎研究G員)

亀岡 郁雄(日華化学株式会社化粧品研究部基礎研究Gリーダー)

谷口 優子(日華化学株式会社化粧品研究部基礎研究Gサブリーダー )

天谷 美奈子(日華化学株式会社化粧品研究部基礎研究G 主任)

『育毛と抗白髪に効果のある植物エキスを配合した化粧品の開発』

育毛および抗白髪効果を有する特定の植物エキスを発見し、組み合わせ配合した機能性化粧品の開発・製品化に成功しました。製品は、全国の美容室においてシャンプー、トリートメント、エッセンスとして販売され、抜け毛、細毛、白髪で悩む多くの方々の症状の改善を図るとともに、引き続き若々しい気持ちで毎日を過ごせるよう、生活の質の向上に寄与することが期待されています。

第12回(平成28年度)

大賞

老木 成稔(福井大学医学部教授)

『イオンチャネルの分子メカニズム解明のための一分子研究』

神経の情報伝達や心臓の拍動リズムの発生を担う、イオンチャネルの動的なメカニズムを分子レベルにおいて初めて解明しました。また、チャネルを人工的な細胞膜に埋め込み、実験を行う方法を開発しました。今後、医学分野においては、チャネルの異常に起因する高血圧や糖尿病などの診断や治療、腎疾患の治療のための透析膜の開発、工業分野においては、燃料電池の水素イオンを通す膜の開発・性能向上などに寄与することが期待されます。

特別賞

坪川 翼(武生特殊鋼材株式会社技術部長)

河野 通亜(武生特殊鋼材株式会社代表取締役会長)

河野 通郎(武生特殊鋼材株式会社代表取締役社長 )

山本 工(武生特殊鋼材株式会社取締役副社長)

『コアレス刃物鋼の開発と業界発展』

性質が異なる金属の複合材料を圧延・圧着する技術を生かし、金属炭化物の粗大化を解消・均一に分散させることにより刃物鋼の耐久性と切断性能の向上を実現しました。また、従来の刃物と比べ、刃先までダマスカス模様や墨流し模様などを表出させ、意匠性の高い刃物鋼を実現しました。機能性と意匠性の両方を実現した刃物鋼として実用化が進み、越前打刃物業界の発展に大きく貢献しています。

第13回(平成29年度)

大賞

山田 和則(セーレン株式会社研究開発センター商品開発第一グループ長)
吉村 不二陽(SEIREN Viscotec MEXICO S.A. de C.V 生産技術課長)
吉田 憲彦(セーレン株式会社研究開発センター商品開発第一グループ 主任)
梅田 博之(セーレン株式会社車輌資材部門生産技術部 主任)
鈴木 由香利(セーレン株式会社研究開発センター商品開発グループ員)
『本革を超えた車輌内装用新素材の研究開発と事業化』

材料や工程の研究開発を行い、これまで両立が難しかった高い耐摩耗性とソフトな触感を両立させた合成皮革「QUOLEⓇ」(クオーレ)の製造を実現しました。さらに、これまでの製造工程に比べ有機溶剤を半減、CO2を65%削減するなど、環境に優しい製造工程を実現しました。カーシートとして、トヨタ、レクサス、日産等多数の自動車メーカーに採用され、50車種以上、年間生産約600万台を誇り、県の産業界にも大きく貢献しています。
 大賞表彰

特別賞
法木 左近(福井大学医学部准教授)
石田 久哉(いしだ皮膚科クリニック院長)
『免疫クロマトグラフィー法を用いた新しい白癬菌検出方法の開発と実用化』

数種類ある白癬菌全てと反応する抗体を世界で初めて開発し、その抗体を用いて白癬菌を判定する試験紙を作製しました。また、皮膚片や爪等から、加熱処理なしに抗体に反応する抗原を抽出する方法を世界で初めて開発し、これらを用いた「白癬菌検出キット」を実用化しました。これまで白癬菌を検出するには、専門医による熟練した技術を必要としましたが、短時間で簡単に白癬菌の有無を判定することが可能となりました。

特別賞表彰

※受賞者の所属・役職は、受賞当時のものです
 

 

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