ブルセラ症について

最終更新日 2010年4月3日ページID 000391

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 ブルセラ症は、人畜共通感染症(zoonosis)の1つで、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌなどに感染を起こすことが知られ、世界各地にその分布が認められています。特に地中海地域、アラビア湾、インド、中央および南アメリカが好発地域です。

 わが国では、ヒトブルセラ症はほとんど発生していません。家畜ブルセラ病は、過去にウシで流行しましたが、徹底した対策(摘発・淘汰)によって現在では散発するにとどまっています。近年では2001年にウシで1頭の発生が報告されました。イヌブルセラ病については、国内のイヌの数%が感染していると考えられます。

1 病原体

 ブルセラ属菌はグラム陰性の球形に近い小桿菌で、莢膜、芽胞、鞭毛をもたず、細胞内寄生性を有しています。主な病原性は細胞壁のリポ多糖で、これが好中球などの貪食に耐性を示し、そのため、脾臓、リンパ節などでの細胞内増殖を許すこととなります。
 ヒトに感染を起こすものとして、次の5菌種で報告がある。
  1) Brucella abortus(ウシ、スイギュウ、シカなど)
  2) B.melitensis(ヤギ、ヒツジなど)
  3) B.suis(ブタ、イノシシ)
  4) B.canis(イヌ)
  5) B.maris(海産哺乳類)

 

2 感染様式

 ヒトへの主な感染経路は、家畜などの動物との接触(わが国の家畜では本症の発生はほとんど見られません)、非加工乳製品の摂取(上記好発地域にて、ヒツジ、ヤギなどの乳製品の摂取)、海外旅行、汚染エアロゾールの吸引、および実験室内での感染事故があります。
 特に動物の取扱いに従事する人では、動物の死体・流産時の汚物などへの接触が原因となります。
 また、ヒト-ヒト感染は、授乳、性交などによりますが、極めてまれです。

3 症状


 ヒトの場合、潜伏期間は通常1~3週間ですが、ときに数ヶ月の場合もあります。

 症状は、特異的なものはなく、軽症では単に風邪様の症状を示します。他の熱性疾患と似ていますが、筋・骨格系への影響が強く、全身的な疼痛、倦怠感を示し、間欠熱、波状熱といった特徴的な発熱を見ます。
 

4 診断方法、治療方法

確定診断  ・血液培養による菌分離が有効。
 ・血清診断は試験管凝集反応。
 ・特異的遺伝子のPCRも可能。
鑑別診断  インフルエンザ、野兎病、リステリア症、トキソプラズマ症など、その他の不明熱との鑑別が必要です。
治療法  成人の急性ブルセラ症に対するWHOの推奨治療法は、リファンピシリンとドキシサイクリンの6週間投与、小児にはリファンピシリンとコトリモキサゾールの併用を推奨しています。
 心内膜炎、骨髄炎などでは外科的処置も必要なことが多く、再発は抗生剤の服用期間が短かかったり、外科的処置が適切になされなかった場合に起こることがあります。

5 予防方法


 ヒト用のワクチンはありません(研究中)。

 感染動物の淘汰、家畜へのワクチン接種など獣医学的対策が有効です。生乳・乳製品の加熱(殺菌)も効果が高いです。感染動物、その死体・流産時の汚物などは直接触らないなどの注意が必要です。
 

6 ブルセラ病の動物について


 感染した動物には一般症状はほとんど認められません。雌では胎盤での本菌の増殖による胎盤炎、妊娠後期(ウシでは妊娠6~8ヶ月、イヌでは45~55日)に死流産(常習的)、子宮内膜炎、乳汁中への排菌が認められます。雄では精巣炎、精巣上体炎が認められます。季節繁殖する家畜・野生動物では感染に季節性が認められ、死流産に伴って群れの中に感染が急激に広まります。

 本病は、感染症法4類および家畜伝染病予防法の監視伝染病(家畜伝染病、対象動物は牛・めん羊・山羊・豚・水牛・しか・いのしし)に指定されています。

 法律に基づき家畜に対しては治療は行わず殺処分します(摘発・淘汰)。イヌでは抗生物質の投与を行うこともあるが、細胞内寄生菌のため根治は難しい。

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