知事記者会見の概要(平成23年7月28日(木))

最終更新日 2009年9月16日ページID 015200

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平成23年7月28日(木曜日)
10:30~11:40
県庁 特別会議室

 
知事記者会見
 

【知事】
  今日は、まず、平成23年度の政策合意について説明いたします。

    〔資料〕「福井新々元気宣言」推進に係る平成23年度の「政策合意」

  政策合意につきましては、私と各部局長との間で、毎年度、1年分の仕事の具体的な目標あるいはやり方を協議して、これを県民に示すものであり、知事就任以来、マニフェストに基づいてずっと続けております。今回で9回目になります。
  これまでも毎年、中身の工夫をしているところですが、今年度は、3回目となる「福井新々元気宣言」を実行に移す最初の年でありますので、幾つか特徴があります。
  第1に、今回は100項目の4年間の目標数値を設定しました。「新々元気宣言」の進捗管理と政策効果を測るための数値指標です。この100項目の中で新しい項目が65項目ございます。内容も予算を使うとか、あるいは事業を行うというようなレベルの項目ではなくて、成果目標を設定するようにして、すべてアウトカム(成果)になっております。
  それから、この4年間の目標数値については、1年でも前倒しして達成できるよう、組織の力を高めて努力したいと思っています。目標達成の時期が早まれば、目標の更なる修正も行ってまいりたいと思います。
  それから、平成23年度中に各部の営業努力によって成果をあげている分野については、特に観光営業部などを中心にチャレンジ目標を設けておりまして、今回は28項目です。企業誘致あるいは東アジアへの食材の輸出などです。
  それから、2つ目のポイントとしては、3月に東日本大震災が発生いたしましたので、国内でもこの4カ月間で大いに状況も変わっておりますし、また、国際的にはいろんな課題も出てきているわけですので、マニフェストに掲げた政策以外も合意項目に盛り込んでおります。これは7項目あり、津波マニュアル、防災訓練、エネルギー源の多角化、クールライフプロジェクト、集落単位での被災者受け入れモデル地域づくり、被災地農業者の受入れ、食の安全の確保、これは焼き肉店の監視などがあると思いますが、そういうものがマニフェスト以外に入っています。この7項目ですが、特に防災面では、津波や地震に対する地域防災計画の見直し、新しい津波マニュアルに基づく訓練、こういうものが大きなものだと思います。
  そういうこともありまして、今回の合意項目は、全項目で219項目でありまして、昨年よりも6項目増えております。昨年が213項目でした。
  なお、特に、部局の枠を超えた総合的な政策の実現を図らなければなりませんから、政策幹を中心にこういうことを進めたいと思っております。政策合意の達成状況については、年度末を目標に公表し、成果を上げてまいりたいと思っています。
  なお、目標の中には、特に福井県は学力・体力とか、さまざま全国トップの項目があるのですが、それ以外にも、県立恐竜博物館の来館者数とか、あるいは、失敗しても挑戦したいという生徒が日本一高い割合になるなど、全国最上位を目指す項目もこの中に入っております。

   発表事項の2つ目は、敦賀港の日本海側拠点港への応募、エントリーについてです。明日、29日に計画書を国に提出することになると思います。
  日本海側拠点港については、政府において、アジアの時代ということもございますので、主だった港を特定して、そこに重点的にバックアップしようということですから、福井県としても、申し込みを行うということになるわけです。
  募集の対象となる項目は主に5つに分かれております。福井県はその中で、「国際海上コンテナ」、「国際フェリー・国際RORO船」、「国際定期旅客」の3つの分野に応募したいと思っております。
  昨年から機会あるごとに、国土交通省を中心に、大臣や副大臣、また、国会議員等を通じて要請をしておるわけです。来月には国への説明の機会があると思いますので、敦賀港の優位性を大いにPRをしてまいりたいと思っております。
 
    次に、最近の話題を順に申し上げます。
  まず、観光の状況についてです。舞鶴若狭自動車道の小浜インターチェンジが、今月16日、土曜日に開通いたしました。翌17日、日曜日の小浜インターチェンジの利用台数は5,000台を超えるという状況で、その次の日曜日の24日には、3,000台の利用があったということです。ちなみに、北陸自動車道敦賀インターチェンジは、約2万台くらいの乗り降りがあります。
  なお、最近、あまり天気がよくないのですが、海水浴客の状況についてですが、主な海水浴場は、昨年並みあるいは1割増という状況です。松原海水浴場(敦賀市)、鷹巣(たかす)海水浴場(福井市)が1割増、水晶(すいしょう)浜(はま)海水浴場(美浜町)、若狭和田海水浴場(高浜町)が昨年並みという状況になっています。
  それから、その他では一乗谷朝倉氏遺跡(福井市)が5割増しです。これから8月に入りますと、花火大会などいろんなイベントがありますので、また大いにPRをしてまいりたいと思います。

  次に、明日から9日間の予定で福井市海岸部の殿下(でんが)地区で、福島の子どもたちとお父さん、お母さんなど保護者42名がショートステイをすることになっております。福島市から24名、白河市8名、郡山市5名、相馬市3名、伊達市1名、南相馬市1名ということです。
  殿下地区が受け入れ委員会をつくり、バックアップするということです。県庁にも立ち寄られるということですので歓迎をしたいと思います。
  今回の取組について、県としては、バス送迎の応援、借り上げですね。それから県内でのいろんな見学などの移動についての応援、県立恐竜博物館への招待、こういうことを考えているわけです。
  なお、県内には現在、東日本大震災で被災された約500名、200世帯の方が避難しておられますので、引き続き、応援をしてまいりたいと思っております。

  それから、もう1つ話題を申し上げます。台湾においては、昨年、農産物などの販売について営業活動を行ったところですが、今回で4回目となる「福井県物産展」が7月22日から月末まで行われているところでして、明日29日から31日までの3日間は、PR活動のための「ふくいの夏祭り」を、大型スーパー「裕毛屋」で行うということになっております。彰化県と台中市の店舗で行います。彰化県というのは人口が約130万人、台中市は約265万人のまちです。
  具体的には、福井県の様々なもの、もちつき、ポン菓子(米ふかし)、上庄里芋コロッケなどを作ったり売ったりし、その様子なども含めて、台湾のケーブルテレビを利用してコマーシャルを行うという予定です。

~ 質 疑 ~

【記者】
  日本海側拠点港への応募の経緯などを含めて、もう少しご説明をお願いします。

【知事】
  日本海側の北海道から九州までの港が、日本海側拠点港に選定されることにより、おそらく重点的に投資されるだろうということで申し込むということです。申し込んで、こういう港だという敦賀港の位置付けがないと、お金がそこに入らないだろうということです。これによって、敦賀港としては、別の岸壁をつくったり、あるいは防波堤を伸ばしたりいろんなことをやっていこうということです。
  敦賀港は、何といっても、国内の東北地方や北海道苫小牧との内航航路が発達していますし、釜山との航路もあります。これから大連とかあるいは韓国経由でウラジオストクという航路をつくり、中京あるいは大阪とも近く潜在の貨物量が非常にあり、これから貨物量を数倍に増加することができるだろうという立地条件に恵まれていますから、これを大いに売り込もうということです。
  「国際定期旅客」については、舞鶴港と共同で行い、ほかの2項目については、福井県だけ、敦賀港だけで行うということです。ですから、金沢港、伏木富山港、新潟港とは競争関係があると思いますけれども、負けないようにアピールをして、日本海側拠点港の決定を受けたいと思います。

【記者】
  8月に国に説明する機会があるとのことですが、トップセールスをされるのですか。

【知事】
  8月に国へのプレゼンテーションがあります。熱意を強く示さないといけないと思います。これから全国的に、地方の日本海側の地域に公共投資をもっと投入しなければならないというのが今回の災害の教訓でもあるでしょうから、それは、また別の事柄として要請もしないといけないと思います。

【記者】
  アピールするのは、どちらかというと実績以上に潜在的需要をということでしょうか。それには需要が大阪や中京圏で控えているという点を強調されるのですか。

【知事】
  そうですね。特に敦賀港はしゅんせつがほとんど要りません。よその港でしたら、毎年何億も土砂のメンテナンスの経費が要ります。敦賀港は、全くそういう経費は要りませんし、実質は、14、15メートルぐらいの深さのある港で問題はないと思います。

【記者】
  政策合意について伺います。100項目のうち新規が65項目ですが、この中で、特にこれまでの8年間で数値目標が達成できなかったものや、今後、特に強化していきたいものは幾つぐらいありますか。

【知事】
  特に新幹線、あるいは駅前、都市改造、鉄道の乗入れとか相手があるというものが実行しにくかったです。それについては、今回、新しい都市改造のデザインとかをいっておりますし、新幹線については、今いろんな議論もありますけれども、さらに積極的に働きかけていくということになると思います。

【記者】
  福井駅西口再開発もこの中に入るのでしょうか。

【政策幹】
  前回の政策合意にも載っています。数値目標はありませんが、項目としては、毎年やっていこうということで、福井市に協力をしていくというものと、西口広場の整備をしていくものになっております。

【記者】
  政策合意の中では、あくまで今までどおりで、まずは福井市が調整役をして、それを手伝うというスタンスですか。

【政策幹】
  基本的な事業主体は福井市にありますから、まず、細かい事前の整理をしていただかないとできない部分もありますので、そういう中で我々は協力をしていくということです。

【知事】
  今回の政策合意では、これは総合政策部長との政策合意の中で、「西口中央地区の再開発については、再開発事業を中心となって進めている福井市等関係者と、事業の再構築に向けて、にぎわい創出や利便性向上等の観点から議論し、応援していきます。」としており、ことの性質上、いつまでにいくつつくるとか、そういう言い方はできません。

【記者】
  つまり従来と変わっていないというか、継続しているということですね。

【政策幹】
  そうです。

【記者】
  日本海側拠点港について伺います。国は、コンテナとかRORO船などの機能別に選定するように思われますが、敦賀港についてプレゼンする際、国際海上コンテナ、国際フェリー・国際RORO船、国際定期旅客の3つの項目の中で、一番力を入れるもの、選定してほしい機能はあるのでしょうか。

【知事】
  国際フェリーとか国際RORO船というのは敦賀港の強みですから強調したいと思います。国際定期旅客については、舞鶴との共同申請を両県名で行います。これが作戦としては違うということになると思います。

【記者】
  内航航路の充実を特徴として出していくとおっしゃいましたが。

【知事】
  充実というよりも実績としてあります。専門用語で言うとフィーダーというのでしょうか。国際的なこういう物流・人流があって、これを充実するための今回の申請なのですが、その根っこには国内の物の動きがありますから、これと結びつけて、より発展できるだろうという材料に使わせていただければと思います。

【記者】
  将来計画を出すことになっていると思いますが、海外の部分では、将来、敦賀とどこの国を結びつけようと絵を描いているのでしょうか。

【知事】
  主には中国それからロシア。ロシアについては韓国経由というようなことも考えられます。

【記者】
  ロシアからは何を輸出入したいと思われていますか。

【知事】
  いろんなものがあると思います。向こうの様子もありますし。

【記者】
  政策合意について伺います。1期目は、マニフェスト自体が新しい考えで、それ自体注目されましたし、県政課題として、福井豪雨や大きな原子力事故があり、危機管理で知事がリーダーシップを非常に発揮されました。2期目は、子どもの学力・体力日本一、健康長寿などの全国的にも注目を浴びるいろんな施策が打ち出されました。3期目になり、知事は、活力とか行政の質を上げるとおっしゃっています。そういうものを上げたとして、アウトカムという言葉がありましたが、県民が成果をどういうふうに実感していけばいいのかという課題が次にあるという話がありますが、どのようにお考えですか。

【知事】
  技術的には2期目に県民アンケートをやり、1期目も一部そういうことがありましたが、そこで、それぞれの分野についての県民の意見と、どういうところに期待を持っているか、評価しているかというようなことを伺いました。
  今回も、4年間いろんな手法を考えなくてはならないと思います。こうした方法なのか、または新しい方法なのかというのがありますし、そういう方法以外に、日常的にもいろいろとる必要があると思います。
  今回は、特にマニフェストをつくり、あるいは選挙の状況の中で、大震災、原子力事故があり、福井県民のみならず国民の気持ち、あるいは国の安全、あるいは生活に対する不安とかいろんなこともあると思いますから、世の中の状況が大きく変わりました。
  さらに、これから数年のうちには舞鶴若狭自動車道が全線開通するとか、金沢まで新幹線が来るとか、いろいろドラスティックな状況が出てまいりますから、そういうものをいかに政策合意その他でうまく活かしていくかということです。
  これだけではちょっと全部をまかないきれないと思いますので、これはマニフェストとその他の中でいかに着実に仕事を進めていくかということの基本にありますけれども、そのほかについてもこれだけにとらわれないで、仕事を進めながら、いろんなことを考え出していくというように思います。

【記者】
  マニフェストに掲げた項目以外に7項目を入れたという説明でしたが、これらがマニフェストに入っていなかったのは、災害発生直後で、まだ整理できていなかったからであり、今回の政策合意の中で、改めて整理したという考え方ですか。

【知事】
  そうですね。全体の安全等の問題については、マニフェストにいろいろ書いてありますが、具体的なプロジェクト、個別に評価していく項目としては明示していなかった部分があります。そこをはっきりさせ追加したということです。

【記者】
  先日、関西電力が美浜2号機の40年超運転に向けて国への申請を行い、県にも説明に来られました。3月に福島原発事故があった後、県は、国に対し改めて高経年化炉の新たな基準を要請されていますが、今回の関西電力の申し入れについての所見を伺います。

【知事】
  40年を超えての運転を継続するかどうかの判断は、今後、国の審査を踏まえて行われるものでしょうから、40年超の運転継続をこれからどうするということをはっきり言ったものではないと思いますけれども、我々としては最終的ないろんな判断を加える場合には、今回の福島の事故もありますから、我々もいろんなことを言っていますけれども、高経年化のいろんな新しい福島の事故を踏まえた基準を、新しい形で示していただくということが前提になると思います。

【記者】
  今月、原発の再稼働に向けてストレステスト導入が発表され、先週、ある程度内容がつめられて各事業者に対して実施方法が示されました。ストレステストの導入方針が明らかになった際には、知事は、まだ具体的な内容が明らかでないというお答えだったと思いますが、今のところストレステストをどのように評価されているか伺います。

【知事】
  いずれにしても福島の原発事故を反映できているというチェックでないといけないです。ストレステストで全部それをやるというわけではないのかもしれませんが、それがなければこの問題の解決はできない。ストレステストはまた別の議論かもしれない。安全の何か1つの方法かもしれないとは思うけれども、今回、日本の原発の安全性とか福井県の原発の安全性を確保するためには、そうした福島の事故の教訓を生かさなければならない。つまり、ストレステストというのはヨーロッパのものだと思いますけれども、そして、いろんな国があって、いろんな条件のもとで共通したある程度のチェックをするというもののようであるけれども、これも福島のいろんな事故なども受けてヨーロッパでいろんな見直しをしながらやっているということでしょうから、日本でこうした事故が起きて、まさに日本の原発の安全を守り、日本の原発の今回の事故の教訓を踏まえて、原子力の安全の強化をどうしようかというときに、自分の国そのものの教訓を得ないでヨーロッパの話をそのまま使うわけにはいかないと思います。それで解決はできないということだと思います。

【記者】
  福島原発事故を反映したチェックでないといけないとのことでしたが、現状わかっている範囲で、福島原発事故が反映されている内容だと評価されますか、それとも反映していないとお考えですか。

【知事】
  中身がわからない。もともとストレステストが、どういう発想のものかですね。福島の事故を反映させようとしたものなのかどうか。

【記者】
  福井県が求めている安全対策が含まれていた場合は、どう評価されるのでしょうか。

【知事】
  何か役に立つことがあれば、それなりに評価をしたらいいと思います。

【記者】
  ストレステストに関して、新潟県の泉田知事は、ストレステストは再稼働とは全く関係なく、どういう評価が出ても判断材料にならないと発言されていたと思います。福井県としては、これは判断材料にならないのか、もしくは要請をしていた内容が反映されていれば判断材料にするのか、まだ要請内容が盛り込まれているかどうかも現状では判断できないとか、どういった姿勢なのでしょうか。

【知事】
  直接聞いておりませんが、新潟県知事の発言は、我々福井県が事故発生直後からずっと言っていることを言っておられるような感じがします。

【記者】
  ストレステストの結果自体を考慮するかしないかということは、まだ決めかねているということですか。

【知事】
  それは安全を確保するための多くのワンオブゼムだと思いますが、我々が前から言っていることは、福島の教訓をいかに日本の原発の安全にいかすかということで、暫定的な基準に新しいことがわかったらそれを反映し、そして中期的にはこうだ長期的にはこうだということに尽きると思っています。

【記者】
  ストレステストが、例えば福島のある程度の知見が入っているので、高経年化にも対応できますというようなことを言明すれば、それは判断材料にもなり得るということですか。

【知事】
  詳しくは聞いておりませんが、そんなふうにはちょっと見えないのだけれど。

【記者】
  今の時点では、どういう立場というかポジションにあるテストかわからないので、ワンオブゼムではあるけれども、これをもってとは、今の段階では言えないと。

【知事】
  ちょっと系統が違うのかなと思います。そういう安全思想の系統とはちょっと違うのかなと思いますが、よくわかりません。

【記者】
  今月13日に、ソフトバンクの孫社長の呼びかけで、35道府県などが集まり自然エネルギー協議会が設立されました。福井県は参加を見送られていますが、最初、呼びかけがあったときには参加を検討されていたと思います。今回、参加を見送られた経緯と今後どういうことがあればコミットしていくのか伺います。

【知事】
  福井県としては、これまでもエネルギー研究開発拠点化計画の中で、新エネルギーあるいはメガソーラーとかいろんな動きはしております。今回のあのような方法が、中身は具体的にどういうものなのか、福井県の考えているようなことにうまく合っているのか、あるいは地元の負担とか、あるいはこれからのエネルギーの多元化にうまく合っているのかどうかというのが、よくわからないので、なお勉強しているという状況です。

【記者】
  基本的に、知事がこれまでおっしゃっていたエネルギーの多元化を目指すという方向自体は、協議会の方針と何か食い違う部分というのはないでしょうか。

【知事】
  つまり原子力発電所について、より安全な技術やシステムをつくって、今回の福島の事故の教訓を踏まえてそれを確立することは、日本の責務でもあろうし、また、世界からもそのことが注目されています。そのことをしっかりやることがどうなっているかというのがある一方で、新しいエネルギーの研究というのがありますから、それをどんなふうに進めているのかということになると思います。
  さらには、福島の原子力発電所については、福井県の「ふげん」の廃炉技術がいろいろありますけれども、どのように活かせるのかとか、さらには、これから廃炉とかが議論になってくると思いますから、そうなると、いろんな材料をどう活用するかとか、その活用の仕方はどんな方法があるのか、安全を確保しながらどういう材料を活かしていくか、いろんな極めて高度な性質の材料が使われているはずですからそんなものをいかに活かしていくか、そういう資源の利用とか研究とかいろんなことを福井県としても先頭的にやらなければいけないのではないかとか、いろんなことは考えておりますけれども、そういう中でどういう対応が位置づけられるかといったら、なお十分見えないところがあるから、今回はまだ参加していないということです。
  むしろ電力会社などとも、直接もっといろいろそういう議論もしないといけないのではないかと思います。全国の電力事業者もいろんなことを考えているはずですから。エネルギー研究開発拠点化計画では、むしろそういう方向なども進めてきたということです。

【記者】
  先ほどストレステストに関して、安全思想の系統とは違うのかなと思うとおっしゃいましたが。

【知事】
  安全思想のいろんな系統があるけれども、それはどういう流れのものかという意味です。安全思想の中にはあるとは思うけれど、その系統ですね。チェックのやり方とか思想がどうなっているのかということです。
  つまり、福島のいろんな事故で何が問題だったのかというのを直接受ける形できていないでしょう。やはり思想が違うのだと思います。我々は、そういうことをきちんとやって欲しいといっている。国民もそうだと思います。あれはどうなったのだと言っているのに違うやり方だというのではいけないだろうということです。

【記者】
  政府が示しているストレステストのやり方には、福島事故の知見が反映されるようになっていないとお考えですか。

【知事】
  わからないです。ちょっとはしているのかもしれないが、わかりますか。わからないでしょう。ヨーロッパ系統のものだと思いますから、いろんな国のいろんなことがある中で、EUとかで、これは最小限度やろうとかそういうタイプのものかもしれないから、わからないです。それが全てではないでしょうね。急に出てきたものだから、それに変に時間がかかってもまた意味がないだろうし、中身が生煮えでもよくないだろうし、いろんな問題がある。前から議論があったものなら詰めてくるから、いろんな人たち、日本の学者とか、あるいは危機管理の専門家の頭に入るものかもしれないが、そうでないと何か別のものになってしまうといけないということがあるだろうと、それが安全に何も関係ないという意味ではありません。

【記者】
  現時点で、ストレステストが運転再開にどのように影響しているのか改めてお聞かせください。

【知事】
  我々が要請している内容が実現することが、原子力発電所の再開といいますか再稼働の条件になると思います。

【記者】
  ストレステストは、知事の運転再開の判断には現状では影響しないと。

【知事】
  少しは役立つかもしれないけれど、よくわからないです。中身がわからないですから。かつ、今、政府がこういう状態ですから国際的な信頼関係も失いがちですし、原発地域のいろんな不安とか、方向性が見えない状況に置かれていますから、そういう中で何を一体ここで持ち出すのかというのは極めて重要だから、そういう問題もその背景にあると思います。

【記者】
  牛肉の話ですけれども、汚染わらを食べた牛の肉であるとか、疑いのある地域の肉が流通して県内にも入っています。この状況を見て、国の対応も含めて、何か国に対する思いや感想はありますか。

【知事】
  原因が原子力発電所の関係で起こった問題であり、これこそまさに、被災地以外の全国の消費者、畜産農家にも影響がありますから、全国知事会でも、国の責任において徹底した対策をするように言っているわけです。福井県としては、早い段階からいろんな情報を公開し、今月25日からは県独自に販売前の牛肉の放射能検査を要請があれば無料で行っています。これは全国で初めて行ったものです。
  そういうものを並行して、県民の安心安全につなげていきたいと思っています。いろんな放射能のような基準の知識も消費者の皆さんに持っていただかなければいけないだろうということです。ほかの県も大体このようなことを、ここ数日で始めようとしている動きがあると思います。

【記者】
  美浜2号機についての確認ですが、高経年化の新しい基準が出てこなければ、40年を超える運転は認められないということでしょうか。

【知事】
  国に対して、つまり早く高経年化基準を出したらどうかと言っているのです。まだ出ていないですけれど。

【記者】
  それが出てこないと判断できないということですか。

【知事】
  早く出すべきだと言っているのです、何か全然見えないですから。もっと信頼のある対応をしてほしいということです。みんながそう思っています。

【記者】
  現行の枠組みで、例えば、国が技術的にはオーケーと言っても、それだけでは不十分と考えればよろしいですか。

【知事】
  技術的なオーケーということを、きちんとはっきりしていただければいいのです。一生懸命やっておられるのかもしれないが、全然、そういう姿が見えないのです。

【記者】
  とにかく示してほしいということですか。

【知事】
  そうです。敦賀1号機のときにも、いろんな考え方を国に言って、あれは3年間でチェックしてということだったでしょう、あのようなことをきちんと、もっと真剣に何かやってほしいということなのです。

【記者】
  原発安全協定について伺います。関西広域連合が関西電力や日本原電と協定を結びたいという意向を持っており、その内容がそろそろ固まるということです。立地県以外の都道府県が安全協定を結ぶことに関しての見解をお伺いします。

【知事】
  中身ではないでしょうか。立地地域とその他の地域は、安全の面で全然違うのです。
  それは当たり前のことです。だから、その違いとか、ある場所には、どういう情報を提供したらいいのかとか、そういういろんなものがありますから、一般的にそういうものを論ずるようなものではないと。

【記者】
  中身は同じものにはなり得ないということですか。

【知事】
  違うと思います。物が違うのだから違うということです。

【記者】
  報道では、関西広域連合が電力事業者との間で結びたい内容の中に、脱原発に向けた協議の場みたいなものを設けてほしいという内容が盛り込まれるとあるのですが、それに対してのご見解は。

【知事】
  原子力の問題というのは、国家的な問題ですから、もちろんいろんな地域が関心を持つのは悪くないけれど、国としての基本的な議論をしないと。

【記者】
  電力事業者と都道府県でやるものではないと。

【知事】
  国家的ないろんな方針がないと、ある地域が進めたいといって、ある地域が進めたくないという協議をして、そんなものは調整できないというふうに思います。そういう論じ方が、この問題の論じ方として適切なのかということです。論ずることはできるけれども、要は、国民の安全とか世界的な課題の論じ方として、政府がきちんとした論じ方をしていないから、こういういろんなことが起こるわけです。

【記者】
  国の姿勢にすべてつながってくると。

【知事】
  そうだと思います。きちんとしていないからだと思います。

【記者】
  原子力の再稼働と地域振興について伺います。先日の北陸新幹線建設促進同盟会総会で、川田県経団連会長が、先月下旬、経産省首脳が来県し、原子力の再稼働について協力要請を行ったと発言しました。県議会が開会したばかりの時期に、経産省首脳が経済界に要請に来ることの感想を伺います。また、その席上で新幹線の早期県内延伸を要望した川田会長の発言について、どのようにお感じになっていますか。
 
【知事】
  民間と私たちは直接関係した話ではありませんし、中身は聞いておりませんから、言いようがありません。もちろん今回の原子力のいろんな問題といわゆる新幹線というのは全く別の事柄ですから、これまでも申し上げているとおり、そういう基本的な立場です。

【記者】
  仮に新幹線の要望とかが前進すれば、再稼働に向けた協力も考えないことはないというような発言が報道されていますが、そのあたりはどうですか。

【知事】
  それは民間の人たちの話で、私は言いようがないです。

【記者】
  あくまでも民間の経団連と経済産業省の話し合いだと。

【知事】
  そうだと思いますね。

【記者】
  国が、知事周辺に根回しをするということ自体については、どういうお気持ちですか。

【知事】
  どういうことを言っているのかわからないから、言いようがないです。

【記者】
  表立って県が交渉するのはやりづらいので、彼が国と交渉の窓口になったということではないのですか。

【知事】
  全くそれは関係ないです。

【記者】
  今日の会見で、知事はキーワード的に、国が何をしたいのかわからない、ストレステストについても内容がわからないとおっしゃるし、保安院が高経年化についていろいろやっているのかもしれないけれども、中身がなかなか見えてこないとおっしゃいます。国がどういうふうに何をしたいのかを、知事がわからないと言わないといけない状況になっているのは、なぜだとお考えでしょうか。

【知事】
  政治が真剣に取り組んでいないからではないでしょうか。

【記者】
  原子力の安全という問題に対してですか。

【知事】
  福島のいろんな教訓が何かというのを把握して、わかった限りからそれを実行に移していくという行動力、これを発揮していないことではないかと思います。

【記者】
  西口再開発についてお聞きします。地権者でつくる準備組合が、今までの分棟計画を1棟型にする方針を示しています。そうなると県がサイエンス体験型施設の整備方針を決めたときと枠組みが変わってしまうことになると思いますが、県として今後の対応等、市に求めたいことをお聞かせください。

【政策幹】
  我々も、報道でしか見聞きしておりませんが、基本的に、今は福井市と準備組合がしっかり中身を詰めており、その1つの案として、準備組合の皆さん方は、そういう案を出されているのだと思っています。今、市としてどういうふうにするのか全体としての検討をされており、NHK問題もあるという中で、そういうところを総合的にいろんな検討をされていると判断しておりますので、それをもとに、県としてどうするかというのをさらに判断していくことになると思います。

【記者】
  事業委員会なり福井市から、正式にこういう方針でいくという姿勢が示されないと、県としても検討が始められないと。

【政策幹】
  NHKをどうされるのかが1つありますし、準備組合といろんなことで問題点があると思うので、そういうところをまず解決していただく。大きい方向性は、もう一度検討したいということであれば一緒に検討していく道もありますし、1つの案を出されれば、それについて、またご意見を言うなり、いろんな形があると思います。どういう形でご相談があるかは、その前の段階なので、今、こういうふうにとは言えません。大きな意味では、ぜひ協力はしていきたいのですけれども、まず前のところをきちんと整理していただきたいということです。

【記者】
  核燃料サイクルについて、国では、いろんな大臣から検討対象にはなる旨の発言がありますが、基本的に、今、福井県の立場で核燃料サイクルをどう考えているかをお伺いします。また、核燃料サイクル、エネルギー政策全般、原発の再稼動等について、国が何かを示さないと福井県としては何もアクションができないという状況なのか、例えば、安全対策検証委員会もずっと開かれていませんが、何かアクションを考えておられるのでしょうか。

【知事】
  核燃料サイクルも含めて、地震直後から何度も、ほとんど一貫して共通したことを言い、より具体化したことも言っているわけですから、それを実行してほしいということです。それが出ていないです。
 一方で、いろんな方が、どういう立場で言っておられるのか知らないですけれども、個人の意見なのか、あるいは政府の意見なのか、あるいはまた違う意見なのかわかりませんが、いろんなことをおっしゃるようだけれど、一体それは何を意味しているのかということだと思います。政府としての信頼のある一貫性のある立場をとって、それを実行できないと物事は進まないということです。

【記者】
  コウノトリについて伺います。去年秋の会見で、生まれて間もない幼鳥を持ってきて育て、早ければ今秋にも放つということだったと思います。7月になり、幼鳥が大分、大きくなっているとの話も聞きますが、現状認識と今秋に実施できるのかどうかを教えてください。

【知事】
  コウノトリの成長の具合や雌雄というのがまだ明瞭でないようなところもあるやに聞いていますが、そういうのをできるだけわかるようにして実行する、長い事業ですから1回ぽっきりではうまくいかないです。生き物ですから、与えられた条件の中で、粘り強くできるだけ早くやっていくというふうに思います。

【記者】
  生まれた2羽が、ちょうどオスとメスで、こっちに持ってこれるお墨つきがとれれば、この秋にやりたいという方針はどうですか。

【知事】
  全く変わりません。そういう気持ちは持っています。

―― 了 ――
 

 

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