知事記者会見の概要(平成14年11月12日(火))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002849

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平成14年11月12日(火)
10:30~11:05 
県庁 特別会議室

 記者会見

  

○質疑応答

 

 

 

(記者)

 

 質問は5点です。

 1点目が「拉致問題についての状況認識と今後の県としての対応」。

 2点目が「敦賀3、4号機の『事前了解願い』の判断時期についてはどのようにお考えでしょうか。」ということ。

 3点目が「京福越前線が『えちぜん鉄道』に引き継がれることになったが、今後の運転再開の見通しなどについて」何かお持ちでしょうか。

 4点目が「敦賀市の民間最終処分場問題の行政代執行に着手されましたが、今後、敦賀市との負担についてどのような考え方をしているのか」という点。

 5点目が、「最近動きが急になっております市町村合併についての現状分析と今後の県としてのお考え」を伺いたいと思います。どうかよろしくお願いします。

 

(知事)

 

 それでは、順次、お答えさせていただきます。

 

 まず、拉致問題についての状況認識と県としての対応ですが、10月24日に政府が「被害者本人を今後とも日本に滞在させ、現地に残っている家族について、その安全の確保および早期帰国とその日程の確定を北朝鮮に対して強く要求していく」という方針を出したわけでありますが、これに対しまして、地村夫妻の親族の方をはじめ関係者は、安堵し、喜んでおられます。

 

 また、政府は、10月29日、30日に行われた「第12回日朝国交正常化交渉」において、政府方針に基づき交渉に当たりましたが、家族の帰国問題について、全くの物別れに終わりまして、子どもたちと電話連絡さえもできない、いわば家族離散の状況がしばらく続くことになったわけであります。地村保志さん、富貴恵さん夫妻にとりましては、非常に厳しく辛いことであり、この交渉における北朝鮮の態度に強い憤りを覚えております。

 

 県では日朝正常化交渉に先立ちまして、10月28日に、私自身が、内閣官房中山参与にお会いいたしまして、子どもたちができるだけ早く帰国できるように、要請いたしました。

 

 また、この問題につきまして、全庁体制で総合的に対応するため、従来ございました「拉致被害者支援連絡会」に代えまして、11月8日付けで「拉致被害者・家族支援会議」を設置することにいたしました。そして、国際課内に「拉致被害者・家族支援室」および「拉致被害者・家族支援チーム」を設置し、組織の強化を図りました。

 

 今後とも、地村さん夫妻および子どもたちが、我が国において安心して生活できるよう、就職の問題、教育の問題、それから長い間日本を離れていたわけですし、特に、子どもさんたちは初めての日本での生活ですので、地元の受け入れ態勢などについて、地元小浜市と緊密に連携を図りながら、万全の支援態勢で臨みたいと考えております。

 

 2番目に日本原電から提出されております敦賀3、4号機増設計画の「事前了解願い」について、判断時期はいつ頃になるのかというお尋ねでございます。

 

 日本原電敦賀発電所3、4号機増設計画につきましては、今年8月2日に、経済産業大臣がこの計画を組み入れた平成14年度の電源開発基本計画を決定しました。しかしながら、その後の東京電力に端を発した一連の不正問題は、原子力発電所に対する国民、県民の信頼感を著しく損なうものでございまして、誠に遺憾であると考えております。

 

 現在、すべての原子力事業者において、自主点検作業の総点検を実施しておりまして、今月15日には、中間報告が出される予定になっております。また、国におきましても、我が国の原子力安全規制行政の在り方における極めて深刻な問題であるとして、電気事業法の改正、あるいは原子力安全規制行政の体制の充実など、再発防止策に取り組んでおります。

 

 このような状況を踏まえまして、「事前了解」をどうするかにつきましては、今年6月に提出いたしました知事意見に対する今後の国の取組み状況、また、今回の東京電力の不正問題に対する国の対応、それと日本原子力発電株式会社の調査結果等を十分見極めながら、地元敦賀市と協議を行い、県民の立場に立って、慎重に対処してまいりたいと考えております。

 

 それから、3番目に京福越前線が「えちぜん鉄道」に引き継がれることになったわけですが、今後、運転再開などの見通しはどうかというお尋ねであります。

 

 えちぜん鉄道株式会社と京福電気鉄道株式会社は、今月7日に、国に対しまして、来年2月1日を譲渡予定日とする鉄道事業譲渡譲受認可申請を行いました。

 

 現在、えちぜん鉄道株式会社におきましては、安全に関する事業改善命令による必要な措置をどのように実施していくのか、経営計画をどのようなものにするのかについて、具体的な検討を行っております。

 

 また、事業改善命令による再開前の工事につきましては、近く現地調査等を実施して、工法あるいは工期等について検討することとしております。

 

 そこで、運転再開の時期でございますが、こういう状況を踏まえまして、できる限り早期の運転再開を目指して、えちぜん鉄道株式会社の取締役会で、部分再開も考慮しながら、総合的に検討することにしております。

 現時点のえちぜん鉄道の考え方は、今申しましたこの調査を12月中に終えまして、1月中旬にはこの譲渡譲受認可の免許が下りるものと考えられますので、1月中旬までには部分再開も含めて運転再開の時期を明らかにしたいということで、えちぜん鉄道株式会社では取り組んでおります。県といたしましても、運行再開に向けて引き続き支援をしてまいりたいと考えております。

 

 次に、敦賀市の民間最終処分場問題で、行政代執行が行われておりますが、敦賀市との負担割合はどうするかというお尋ねでございます。

 

 県と敦賀市は、県民、市民の生活環境を守る立場から、これまで協力してこの問題について対応してまいりました。去る8月26日に、敦賀市長からの処分場対策の要請に際しまして、市長からは「経費負担については、市議会と相談し対応する。」という意向が示されました。また、10月21日に敦賀市に対しまして、改めて協力要請を行いました。

 

 現在、経費の具体的な負担割合につきましては、事務的に協議をしているところでございまして、県会でも「12月の県会には敦賀市との負担割合をはっきりお示ししたい。」と言っておりますので、それまでに、ぜひ解決するように努力していきたいと思っております。

 

 5番目が市町村合併についての現状と考え方でございますが、市町村合併につきましては、法定の合併協議会あるいは任意の合併協議会を設置し、具体的な合併協議を開始する地域がありますが、その一方で、住民の側から合併の枠組みを提示する住民発議の動きもあるということで、いろいろな取組みがされております。

 

 ご案内のように、法定の合併協議会は、芦原町、金津町が今年10月1日に設置しております。また、南条郡の南条町、今庄町、河野村が11月1日に設置いたしております。

 また、福井市、鯖江市、美山町、越廼村、清水町が任意の合併協議会をつくっておりまして、今年10月8日に設置されております。

 

 そのほか準備会としまして、丹生郡の町村合併協議準備会、これは朝日町、宮崎村、越前町、織田町で、今年7月3日に設置されております。また、春江町と坂井町の合併準備会が今年10月10日に設置されております。

 

 いずれにいたしましても、平成17年3月末の合併特例法の期限を踏まえますと、来年の春頃までには、それぞれの地域において、合併の方向性を決めなければならないと考えております。

 

 それから松岡町の住民投票の結果は、ご承知のとおりでございます。

 

 そこで、合併はあくまで市町村長や議会、住民が地域の将来像を見据えながら、十分に話し合って進めていただくものでございますが、私としましては、自主的な合併を進める議論の過程、あるいはそれぞれの地域の熟度を見極めながら、合併がスムーズに前進するように、必要に応じ、県として積極的な調整役を果たしていきたいと考えております。各市町村にこういった県の考え方を示しておりまして、その段階、その段階で調整役を果たしていきたいと考えております。

 

 

 

 

 

(記者)

 

 市町村合併の件ですが、松岡の住民投票、それから住民発議も鯖江・武生で3万人もの署名が出されるということで、行政サイドと住民発議の動きと両方あり、ねじれ模様というか、かなり混乱気味で、少し交通整理が必要になってきています。

 知事は積極的に調整役を果たしていきたいとおっしゃっていますが、今の状況ですと、例えば福井と鯖江あたりが一番調整が必要なのかと思いますが、具体的にどういった段階でしていくことになるのか、その辺をお聞きしたいのですが。

 

(知事)

 

 今、お話がありましたように、福井市、鯖江市についてどうするのかというのが1つ。

 それから坂井郡で、春江町、坂井町に、今、丸岡町が入っていませんね。その辺をどうするのかということで、この2つについては、ぜひ調整役を務めたいと思っております。

 

 坂井郡の春江町、坂井町、丸岡町につきましては、もちろん郡民会議の6町一本化という動きもありますが、とりあえずは南部3町をどうするかということでの調整役を務めたいと思っております。

 

 それから、鯖江市が福井市と一緒になることについて、丹南での住民発議が、今おっしゃった3万を超えたということで、これはその後の関係市町村の動きをもう少し見極めて、必要な時期に調整役を務めるということで進めていきたいと思っています。

 

(記者)

 

 そうしますと、地元の動きを見て必要な時期に調整役を務めるということですが、具体的に言うと。

 

(知事)

 

 やり方としては、関係市町村長、あるいは議長も呼ぶこともあると思いますが、関係市町村長、あるいは関係市町村の長と議長を呼んでそれぞれの考え方を聞く、県としてはどういうところに問題があって仮にこうした場合にはどうなるか、といったようなことを、県の立場で話をするということをぜひ進めていきたいと思います。

 

(記者)

 

 県都福井市が中核市を目指すという考え方については、知事自身はどのように考えておられますか。

 

(知事)

 

 それは望ましいことだと思います。それだけ強化されるわけですから。

 

(記者)

 

 敦賀3、4号機の方ですが、原電の調査結果を基にして敦賀市とも協議するということですが、この調査結果というのは、今月15日に出る中間報告をもってということですか。

 

(知事)

 

 はい。中間報告が出た段階で、県としては、事業者である日本原電の考え方というものを確認したいと思います。

 

(記者)

 

 最終報告までは待たないで、了解の判断を。

 

(知事)

 

 ええ、中間報告を基にして中身を確認する。ただ、中間報告から最終報告がいつになるのか、もちろんそれも中間報告の段階で確認はしたいと思っています。

 

(記者)

 

 3、4号機について、これは従来からなのですが、いわゆる6月の知事意見に対する国の対応というのを繰り返しておっしゃられたのですが、やはり例の近敦線の問題とかは、非常に慎重に見極めたうえで対応するということでしょうか。

 

(知事)

 

 基本的にはそういうことですが、近敦線にしても北陸新幹線にしても、ある程度時間がかかりますから、場合によっては仮に事前了解を与えた後において、今の近敦線なり北陸新幹線の状況如何によっては待ったをかけるということもあるということで、事前了解願いと即、結びつくかどうかは今の近敦線なり北陸新幹線の進捗状況によります。

 

(記者)

 

 近敦線に関し、いわゆる第三者委員会は、遅くても12月初めぐらいまでには最終報告が出てくるのではないかという情勢になっているのですが、とりあえず、それを見極めてから事前了解の判断をという、そういうリンクのさせ方はしないということですか。

 

(知事)

 

 民営化推進委員会の結論が出ても、今度はそれを受けて政府がどうするかということですから、そうすると、恐らく12月の予算編成、それから、場合によっては法律案ができてその法律案を今度また国会で審議するわけですから、そういう一連の流れの中で、どこで判断するかというのは考えなければならないと思いますね。

 

(記者)

 

 原発関係で、国が再発防止策に取り組む中で、維持基準、つまり少しぐらいは傷があっても、それが安全性に問題がないのなら運転を認めていいだろうということで、そういうものを盛り込んで電気事業法などを改正しようとしているわけですが、そういう点については福井県としてはどういうスタンスで臨むのですか。

 

(知事)

 

 国が今考えているようなことが、技術的に仮に可能だとしても、それについての国民の理解が得られるような国の努力がないと、ただ技術的に可能ですということでは、やはり国民・県民の不安、あるいは逆に保安院に対する不信感も出てくるわけですから、そこのところは慎重に取り組んでほしいと思います。

 

(記者)

 

 拉致問題の地村夫妻への支援ですが、県としても体制を非常に強化して、これから国と小浜市と連携していろいろ考えているようです。地村さん、ご家族の希望さえあれば、こういうことは対応できるのではないかというような、もう少し踏み込んだ具体的なお考えがありますでしょうか。

 

(知事)

 

 子どもさん3人が帰ってこられることになった場合に、地村さんの方から子ども3人、それから地村夫妻を含めて、こうしてほしいという具体的な要望を受けて、それを地元の小浜市でできること、県ができること、それから国へ要請していかなければならないこと、それはやはり具体的な要請を受けてということなると思います。もちろん、どういうことが考えられるかということは、支援室で検討はさせますけれども。

 

(記者)

 

 原発の維持基準の話で、国が国民理解を得られるよう努力する必要があると言われましたが、知事は具体的にどんな努力が国に必要だとお考えになりますか。

 

(知事)

 

 保安院の問題は、保安院が例えば基準をある意味では緩和するのでしょうけれど、緩和することについて、例えば国会での議論、それから、それについての説明会を開くとか、「もんじゅ」の後に円卓会議等を開きましたが、ああいう国民合意の形成、あるいは国民の理解を得るための努力をしてもらわないと。

 悪い言葉ですけれど、独り善がりで「これはいいんだ」と言っても、なかなか国民・県民の理解を得られないのではないかと思いますね。

 

(記者)

 

 今の説明会などの取組みがなかなか見られないようだったら、県としても国に対応を求めていくということですか。

 

(知事)

 

 そうですね。県として、国にそういう対応を求めていくということです。

 

(記者)

 

 拉致に話が戻りますが、今日の新聞紙上などでは、子どもとの面会の場所、もしくは、今、被害者の帰ってきているのを外務省職員立ち会いの下で、北朝鮮に一回帰してほしいというように北朝鮮が言ってきているのですが、それについて、どのようにお考えですか。

 

(知事)

 

 地村さん夫妻、あるいはご家族の気持ちを考えると、お二人を再び北朝鮮に戻すというのはいかがなものか。政府も本人を日本に置いておいて、子どもを呼び寄せるという方針ですから、私はその政府の方針を堅持してもらうようにしてほしいと思います。

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

 

〈 総務部広報広聴課 編集 〉

 

 

 

 

 

 

 

 

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