知事記者会見の概要(平成28年8月12日(金))

最終更新日 2016年8月12日ページID 033444

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平成28年8月12日(金曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

 
H28.8.12知事写真
  

    

 

 

 

 

 

【知事】

それでは、8月の記者会見ということであります。

 ちょうどオリンピック期間中ですから何かとドラマが展開しておりますけれども、今日は4点お話し申し上げます。

 1つ目は、幸福度ランキングの結果と展開であります。

 先月末でありますが、日本総合研究所から『全47都道府県幸福度ランキング2016年版』が発表されました。これは2年ぶりに調査、公表されておりますが、前回に引き続き福井県が、総合で1位になったというものです。

〔資料:「全47都道府県幸福度ランキング2016年版」分析

 こういったランキングで常に上位に位置する東京都が2位でありますので、福井県が地方のあまり大きくない都道府県の中の1つとして1位に連続でなったという意味は大きいのではないかと思います。東京が1位ですと、ああ、そうかということになって終わるのかもしれませんが、そのようなことではないということであります。

 福井県の幸福につきましては、安定した生活基盤や雇用環境、地域のつながりなどが根っこにあり、住民の皆さんの努力、そして、17市町の独自性の発揮、それをもとにした県のいろいろな政策、このようなことが結果として1つの指標の中に入っているのかなと思います。

 総じてこれまでのいろいろな数字を見ますと、東京に割合近接している地域の順番が上がっており、日本海側が割合順位を上げているという状況にあるように思います。

 分野別には、教育、仕事、生活、健康、文化とございまして、それぞれに10項目ずつございます。このほかに基本指標が5つ、追加指標が10個あるわけです。ですから、全部で65項目になるわけです。

 文化の分野が40位台ですが、これは外国人の観光客数や留学生の数がこの中に入っています。それから、図書購入費が入っているのですが、これは、図書館があまりないところと逆相関をするようなところもありますので、次回は図書館の蔵書数とか貸し出し数を入れていただけるとありがたいなと、ともかく文化が課題かなと思います。また、上位の分野は引き続き努力をするということになると思います。

 そのほか、この65項目の中から特定の指標を抜いて、移住幸福度ランキングというのを今回つくっておりまして、移住して幸せになれるか、幸せになれると思うよという指標をつくっておられる。その中で福井県は1位ということであります。子育て世帯が1位、シニア世帯が5位となっております。

 また、今回、幸福日本一のコピー&ロゴとして、「あらかじめ、幸せだったらいいな。幸せ度いちばん福井県」をつくっております。これは仲畑貴志さんという有名なコピーの専門の方にお願いしてつくったものでありまして、非常に微妙な表現になっております。自慢しているわけでもないし、そうかといって幸せではないわけでもない、こういう「あらかじめ、幸せだったらいいな。」ということで、願望と現実を微妙に織りまぜたような表現になっています。

 それでどうするかというお話なのですが、これは特にそれぞれの市町等が頑張っていただいていることが重要でありますので、市町の魅力や取組み、それに県を加えた福井県全体のものを1つにまとめて、県全体を知らせたり、あるいは移住・定住につなげるという方法をどうやってやったらいいか、どんなパンフレットをつくるか、どんなPRをしたらいいかということを、今月中に17市町に集まっていただいて、協議し、具体的な事業につなげることになると思います。9月補正予算でも何か関連するものが議論の中で出てくるかもしれないと思います。

 11月には「ふるさと県民大会」を開きまして、東京に住む本県ゆかりの方約800名にお集まりいただき、この日本総研の理事長であります寺島実郎さんにも講演あるいは勉強会などもお願いしたいと思います。

 また、全国的な雑誌等への掲載を予定しておりまして、大都市圏の子育て世代の約6割の方が読んでおられるという無料配布雑誌『あんふぁん』と『あんふぁんぷらす』で紹介したり、総合雑誌にもこの秋ぐらいには、福井県あるいは幸福全体、これから日本が何を求めるかというような考え方の展開を掲載したいと予定しております。

 

 次に、しあわせ元気国体・大会のその後の準備状況であります。

 ちょうどオリンピックが開かれておりまして、福井県としては過去最多の9名の選手が出場しています。フェンシングでは残念ながらメダルに届いておりませんが、入賞を果たした選手もいました。今日からはバドミントンがありますが、期待をしています。

 9月になりますとパラリンピックが開かれ、福井県からマラソンの西島美保子さんが出場しますので、頑張ってほしいなと思います。

〔資料:福井しあわせ元気国体・大会の準備状況について

 さて、国体でありますが、メイン会場の「福井運動公園」の中の陸上競技場、野球場は完了しております。現在工事中の県営体育館、それから県営テニス場も今年度中に完成いたします。市町も含め改修が必要な43施設のうち、今年度中に約7割の29施設が完成する予定であります。

 それから、今年から国体の競技会場を使用してプレ大会を順次開いてまいります。その第1弾として、来週19日(土)から3日間、サンドーム福井において「第70回全日本学生体操競技選手権大会」が開かれます。この大会には、高校のときに全国優勝の経験もあります鯖江高校出身の川本稜馬選手など、鯖江高校出身の選手が17名参加する予定であります。2年後の活躍にもつなげてほしいと思っております。また、リオオリンピックに出場されました寺本明日香さんなど、全国から470名の有望選手が集まってくることになっております。

 次に、国体に関連いたしまして、ボランティア募集の開始であります。

 9月1日(木)から、国体あるいは障害者スポーツ大会の各会場で活動していただく運営ボランティア、また情報支援ボランティアの募集をスタートします。運営ボランティアを5,200名、また、障害のある方などに手話とか筆記、案内等を行う情報支援ボランティア600名を募集します。それから、各市町が募集するボランティアの登録も県への申込みとあわせてできるようにします。

 募集パンフレットは、市町の役場、社会福祉協議会、ボランティアセンターで配布いたします。また、国体のホームページからも申込みができるようにします。県民一人ひとりが力を合わせて全体で盛り上げてまいらなければなりませんので、積極的な参画をお願いしたいと考えます。

 次は、横断幕の更新であります。既に平成25年度から最初の横断幕を県内約350か所、学校の校庭などいろいろな公共施設でご覧いただいているかと思いますが、今度、新しいデザインに更新し、大きさもやや大き目になります。これまでは幅が3メートル、5メートルのものがあったのですが、新たに7メートルが加わり、全部で3種類になります。9月末には更新が完了すると思います。

 次に、「県民参加プログラム」というプロジェクトです。

 国体等のPRについて、企業の名刺等へのマスコット印刷、あるいは学校体育祭でのはぴねすダンスなど、民間団体あるいは学校などの自主活動が広がっておりますが、民間からの盛り上げをさらに広げていくために、民間団体等が開くイベントを「県民参加プログラム」として県の国体実行委員会が公認する制度を開始しております。デモンストレーションスポーツの体験会やはぴねすダンスの普及など、2つの大会の啓発につながるような事業を認めるというシステムです。公認されたイベントは「県民参加プログラム」の冠イベントとして実施され、チラシ、ウェブサイト等へのロゴ掲示、また、マスコット「はぴりゅう」の参加が可能となるものであります。

 この県民参加プログラムの第1号として、9月10日(土)におおい町において「若狭路ハッピースマイル運動会」が開かれます。これは運動会といいましても企業とかいろいろな団体等が自主的に参加する、独自の運動会であります。民間団体が主催するものに、おおい町とか、あるいは地元のいろいろな町が応援をしているというものであります。また、9月15日にはAOSSAにおいて、福井青年会議所が公開の例会を展開する予定であります。

 

 次に、3点目でありますが、児童科学館(エンゼルランドふくい)のリニューアルオープンについて申し上げます。

児童科学館の展示エリアを従来の観覧型のものから、子どもたちが体験を通して、科学のいろいろな不思議さ、おもしろさを探ることのできるエリアへの改修を進めてきましたが、10月22日(土)にリニューアルオープンすることを決定いたしました。当日は当館の名誉館長でいらっしゃいます宇宙飛行士・毛利衛さんをお迎えし、トークセッションなどを行う予定であります。なお、その際、メンデルの法則のメンデルのブドウの木などの記念植樹も行う予定であります。植樹としては、ニュートンのリンゴの木もありますし、中国の孔子にちなんだ楷の木もあります。

〔資料:児童科学館(エンゼルランドふくい)のリニューアルオープンについて

 今回のリニューアルオープンのシンボル展示として、新たに国内最大級の高さ約7メートルの大型モニターを整備し、ここで福井と同じ地球上の緯度や経度で世界をたどったり、あるいは世界の気候とか動植物などをみんなで見ることができます。また、毛利さんが館長をしております東京のビッグサイトにあります日本科学未来館の地球型のディスプレイ装置「ジオ・コスモス」で放映されている「夜の地球」、「世界の鉄道」、「宇宙から見た地球の自然環境」などをこの福井でも見ることができます。これは全国で初めての試みになると考えております。このほか、子どもたちが楽しんでいただく様々なアイテムを配置し、参加型科学実験教室「コミュニケーション・ラボ」では、講師やスタッフが参加者とコミュニケーションを取りながら学校の授業を発展させた実験ができ、光の実験を体験できる「ひかりドーム」、親子、幼稚園児、保育園の子どもたちでもできる「おやこラボ」など、幼児から小学生まで楽しめる施設とします。

 なお、7月4日(日)にハピリンで行いました「宇宙産業参入促進セミナー」の際に、元JAXA宇宙飛行士の山崎直子さん、またその先生でおられる東京大学大学院教授の中須賀真一さんにメッセージをいただきましたので、児童科学館において明日から展示をしてまいります。

 

 次に、歴史資料の入手であります。

 県では福井ゆかりの歴史資料の蒐集を進めておりまして、今回、橋本左内の自筆書幅、由利公正自筆の扁額および巻軸、小浜城下の景観図、羽柴秀吉氏の書状を入手したのでお知らせします。

〔資料:歴史資料の入手について

 まず、左内自筆書幅でありますが、安政5年(1858年)、ちょうど明治維新になる10年前の事柄だと思いますが、橋本左内の盟友である福井藩士、村田氏寿に左内が宛てて書かれたものです。橋本左内は早く亡くなりましたので、今回のような大きな字の書作は極めて数少ないということであります。世の中にはもっと立派な人がおるから、彼らが活躍する時代が必ず来ると、こんなことが書いてあるということです。

 由利公正の扁額については、「徳教論」、「宗教談」、それに「国利民福に就いて」の自筆の書であります。

 県立歴史博物館では、明治維新から150年となる平成30年に幕末・維新の本県ゆかりの偉人を紹介する展覧会を開く予定ですが、この展覧会において一般公開をしてまいりたいと思います。

 なお、由利公正については大河ドラマなどの働きかけもやっているところでありますが、「国利民福に就いて」は明治25年に福井県に由利が来県した際の講演内容を書に表したものです。そのほか、「徳教論」は、国家制度における道徳の教え、「宗教談」は、宗教団体が社会に与える利益などの考え方を書にしたものであります。

 それから、次は、景観図ですが、江戸時代に若狭小浜藩酒井家の治めた小浜城下、商人町の様子、蘇洞門など小浜湾に面する若狭の名所を俯瞰的に描いた絵図として国内唯一かつ最古のものであります。出所、伝来は明らかではありませんが、小浜城を中心に御座船、塩づくりの様子、全国に知られた若狭の名所を描く説明的な構成になっております。小浜に帰国できない江戸藩邸滞在中の藩主等のために描かれた景観図だと考えられています。

 もう1つは、羽柴秀吉の判物です。この資料は、羽柴秀吉が天正11年(1583年)、北陸を平定した直後、天下統一を進める中で、その年6月1日に発令したものです。若狭地域から琵琶湖水運を使った京都・大阪方面への輸送物資を滋賀県今津浦以外の港には扱わせないという指示書です。中世当時、若狭から琵琶湖へ向かう街道は小浜、熊川が主であり、全て今津港に集約され、積み出されていたわけで、その根拠となるものです。本状は明治時代に東京大学が写本を作成しましたが、その後、行方不明となり、「幻の文書」と呼ばれておりました。今回は原本資料が発見されたということです。

 若狭歴史博物館では、若狭の国主、浅野長吉が若狭から今津へ向かう商人の保護を命じた命令文書を所蔵しておりますが、今回入手のこの羽柴秀吉の判物はその浅野長吉が行っている行動の根拠となるものであるということです。

 なお、この小浜城下蘇洞門景観図と秀吉判物は、あすから若狭歴史博物館において8月末まで一般公開します。

 以上、私からの発表事項を終わります。

 

~質疑~

 

【記者】

歴史資料について、それぞれ購入の金額は明らかにされないのでしょうか。

 

【知事】

個人から購入したものがありまして、具体的な金額は差し控えますが、1つ100万円以内のものが多いと思います。ただ、小浜の絵図はもうちょっと高いです。

 

【記者】

活用について、改めてどのように使っていくのですか。

 

【知事】

 一般的に、福井県の歴史にかかわる大事な資料や、その人物のいろいろな行動をあらわす資料はできるだけ集めたいということが1つあります。ちょうど2年後が明治維新150年でありますし、いろいろな大河ドラマの要請などもしているのがその1つですが、福井県の幸福度のお話もしましたけれども、長い歴史の中で初めてそういうものがなされているわけですので、子どもたちのいろいろな教育にも役立てるということで、主として博物館でいろいろな機会に展示をするというのがメインになると思っております。

 

【記者】

 以前にもこういうものを買われたことがあって、平成30年の展示会で展示するということだったのですが、それまでは公開しないのでしょうか。

 

【知事】

 いや、別にそういうことにこだわるわけではありません。ばっと一遍に出してみなさんに驚いていただくような性質のものではなく、いろいろな機会に必要であれば積極的に見ていただくことが大事だと思います。その辺、気をつけてまいりたいと思います。

 

【記者】

 エンゼルランドについてお伺いします。10月22日にリニューアルということで、目下、工事も進んでいると思いますが、今年の春に福井駅前に「セーレンプラネット」ができました。そこも大きな展示スペースとドームシアター、プラネタリウムが併設されているような施設です。類似する施設のような気もするのですが、改めて役割の違いですとか、どちらも行ってほしいというのであれば相乗効果を狙うための仕掛けですとか、その辺のお考えを改めてお聞かせください。

 

【知事】

 このエンゼルランドはもともと「セーレンプラネット」より先行してできていますし、子どもたちに科学技術を楽しんでいただくという目的でつくっており、いろいろな体験設備などもあるわけであります。

 ですので、「セーレンプラネット」をつくるときに、福井市に対してはこのエンゼルランドの機能やプロジェクト内容をよく伝えておりまして、重ならないように、それから、補完をするようなタイプのものであれば補完ができると、できるだけユニークさを持たないとよく似たものがあちこちできても仕方がありませんから、そのように言ってあります。だから、重複はないのかなと思っているのですが、両方をまだつぶさに見ておりませんからわかりませんけれども、あまり重ならないと思います。

 

【記者】

 本日、愛媛県の伊方原発が再稼働しましたけれども、伊方原発というと半島という特性上、県民避難の問題や活断層の問題があると思いますが、そのあたりも含めてどのようにお考えですか。

 

【知事】

 今回は5基目に当たるのですかね、実際は。もちろん国および電力事業者は事故がないように安全管理、確保を徹底すべきでありますし、一昨日に、世耕新経済産業大臣にも直接お会いしてその旨を申し上げたのですが、福井県内には、再稼働の話以外に40年延長の話、廃炉でありますとか、あるいは中間貯蔵の問題、「もんじゅ」とかいろいろありますから、ともかくこの今の再稼働の話との関連に戻しますと、原子力発電をなぜ再稼働するのか、それはどういう意味だということをもっともっと国民にしっかり説明をする、電力事業者はもとより国が行うべきであるということを強く申し上げまして、大臣もそのとおりだということをおっしゃられたわけでありまして、今回の伊方についても四国の話にとどまらず、よくその意味を理解するようなことが大事かなと思います。

 いろいろなアンケートを見ますと賛成あるいは賛成ではないと、いろいろな方がおられますけれども、どちらかわからないとか、どちらとも言えないという方が非常にこの大事な問題について多いわけです。選挙の投票であればまだ投票日が迫っていないから決めてないのだということはあるかもしれませんが、こういう大事な課題にあまりに物事をよく考え切っていないという割合が多いということは、これは日本にとって課題だと思いますので、国民がしっかり自分で考えたり、あるいは議論して、こうだと思うことが大事だと思います。もちろん伊方は伊方の問題として、愛媛県あるいは地元の町がこの問題に対応するということになると思います。

 

【記者】

 8日ですが、天皇陛下がお気持ちということでビデオメッセージを流されました。知事のその受けとめをお伺いします。また、2年後の福井国体となると天皇皇后両陛下が開会式にご臨席されてということになると思います。2年後に控えたタイミングですので、知事の思いを教えていただきたいと思います。

 

【知事】

 まず、天皇陛下にいつまでもお元気でいていただきたいというのが率直な我々の願いでありますし、先日、お考えをおっしゃったわけで、これは直接政府としていろいろな対応があろうかと思いますが、陛下のお気持ちを大切にしながら適切に対応していただきたいというのが1つの自治体の長としての考えです。

国体につきましては、来ていただく予定でいろいろな準備を万端に整えたいと考えております。

 

【記者】

 原発の40年超運転についてですが、参院選のときに県民向けに世論調査を行った結果、高浜1、2号機の運転延長の是非に関して、40年超運転を否定する意見が5割を超えました。これはなかなか県民理解が進んでいないと思われますが、知事はどう受け止められるのか、お聞きしたいと思います。

 

【知事】

 このような調査ももちろん大事だと思いますが、県民あるいは国民がいろいろなことを真剣に考えていただくことが大事でありますので、ぜひともいろいろな理解の機会を深め、みなさまにほんとうにわかっていただくといいますか、意外と大事な問題だけれどもイエスかノーとか反対、賛成ということしか、論じられていなくて、その話が一体どういうことかという根っこの話ができていませんので、我々行政はもとより、国、事業者、またメディアの皆さんもその内容をわかっていただくようなご努力を願いたいという気持ちはあります。

 当然、あまりどちらかわからない人が多いというのが課題なのですね、バランスとして見ますと。少しずつ理解をされている人がちょっとずつ調査ごとに増えているような感じもいたしますけれども、これはその程度で話がいいのかどうかということが課題ですから、そのように認識しています。

 

【記者】

 県民が真剣に考えるということは確かに大事だと思いますので、その機会を提供するためにも、国や事業者も大事なのですが、県としても改めて40年超運転に対する考え方をきっちり示して県民に考えてもらうという必要もあると思います。国はエネルギーミックス上20~22%ということで、40年超運転が必要だと、重要だと言っているのですが、知事として40年超運転の必要性をどう考えられていますか。

 

【知事】

 行政的な判断をしているわけではありませんが、何と言っても40年超は安全なのかという規制委員会がしっかりした説明をすることがまだまだ足りないと思いますし、我々はそう思ったのだというような話ではいけませんし、最近いろいろな状況を見ますと、ある方がこう言うと、それはどうかななんていうような状況では、国民の理解に影響します。国がエネルギー基本計画で40年超運転が必要だと言っていますが、それだったらこの計画に書いているだけではいけないわけで、なぜそのようなことを行う必要があるのか、地元はどうなのだということのそもそもの入口がまだまだ足りないから、そこをしっかりやってほしいということなのです。それが出発点です。

 

【記者】

 入口の議論がまだ十分ではないというところに関して、40年超運転の一番の難しさというのは、高浜1、2号機に関しても安全対策の工事に時間がかかりまして、これについて知事は、一応対策工事に入るということは関西電力に対して了解したということをおっしゃったのですが、これは事業者の立場からすると、工事を進めて実際安全性の判断というときに、仮に知事が同意しないとなったら経営上の損失も大きいですし、逆に県民理解が前提だということもおっしゃっているので、現時点で改めて県の姿勢というものをきっちり示す必要が、この入口の議論で示す必要があると思うのですが。

 

【知事】

 県が事業主体ではありませんから、何かこれがどうだということではありませんけれども。

 

【記者】

 県民理解が進んでいない中での県の姿勢が必要なのではないかと思うのですが。

 

【知事】

 まだその段階ではないと思います。

 

【記者】

 工事はどんどん進んでいくわけですよね。

 

【知事】

 まだその話は出ていないわけで、そこでどのように議論をするかという話ですね。

 

【記者】

 対策工事が終わったらそこで同意を否定することはできないのではないですか。

 

【知事】

 いや、対策工事を始めるという話がまだきていないわけだから、今しているわけではありませんから、彼らが。それをしたいというときにどのような議論をするかということになります。

 

【記者】

 それは、近々来るということですか。

 

【知事】

 それは知りませんが、来たときにどうなるかということです。

 

【記者】

 北陸新幹線についてお尋ねします。フリーゲージトレインが敦賀開業に間に合わないという状況になっている中で、鯖江市の牧野市長が福井駅までの特急の乗り入れを要望していますが、その件について知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】

 フリーゲージトレインのはっきりとした見通しが立っていないことに原因があるわけですが、大阪まで全線開業するまでのアクセスの向上というのは極めて福井県にとっても重要ですし、それぞれの沿線にとっても、特に敦賀に近い駅ほどその課題が出てくると思います。ですから、県民の利便性が最大限に高まるように与党検討委員会において、これを無視するのではなくて、大きな課題として検討していただきたいというのが私たちの立場です。

 

【記者】

 特急の存続ということになりますと、原則の例外となりますが。

 

【知事】

 いや、まだそこまで議論は進んでいないわけで、フリーゲージトレインをどう扱うか。それがこういう見通しだったらどうやるかという議論をすべきだというのが我々の立場です、今のところの。

 

【記者】

 鯖江市の牧野市長と敦賀市の渕上市長との間でいろいろやりとりがあったみたいですけれども。

 

【知事】

 意見が違っておられるようには思いませんが。

 

【記者】

 その乗換え利便性は大事ですか。

 

【知事】

 乗換え利便性は必要です。鯖江で乗って、敦賀でまた乗換えたりしたときに実質利便性がそんなによくならないというのでは困りますから、そのようなことをどうするかという議論をすることになると思います。もちろん大阪方面もあるでしょうし、名古屋方面の議論もあるということです。

 

【記者】

 先日、関西電力の岩根社長から、美浜の地で永続的に事業をやっていきたいとか、新増設もいずれは必要になると国に申し上げていきたいとか、かなり新増設に関して前のめりな発言が相次いで出たのですけれども、知事の新増設に関するお考えを改めてお聞かせ願いたいと思います。

 

【知事】

 新増設の議論が政府の中でもあまり進んでいないのですよね。いわゆるリプレースというのか、あるいは研究のほうの議論ですね。特に「もんじゅ」などに関連して研究炉をどうするかということを福井県としては今政府に投げかけていますけれども、新増設そのものの議論についてはまだ十分な議論をしていないという状況です。

 

【記者】

 エネルギー基本計画も2014年の策定から2年経って、大体三、四年に1回更新されている。

 

【知事】

 また見直しの時期に来ましたよね。

 

【記者】

そういうこともあるので、それについて、新増設に関して関西電力社長が意見を言うという話もしていましたが、知事としてはどうでしょうか。

 

【知事】

 そのようなものを独立して取り上げないで、先ほどお話もありましたが、国民の理解とか、あるいは40年超とか、そういうものに対する理解としっかりした方針を議論した上で、一部並行的な議論もあるかもしれませんが、それが大事なのではないかと思います。

 

【記者】

 「もんじゅ」に関してご質問させていただきます。国の文部科学省で、あり方の検討を今進めていて、夏には結論が出るのではないかと言われています。知事は先日、経済産業大臣に要望された際に、政府が一丸となって結論を出してほしいとおっしゃっていたと思います。結論を出すのは文部科学省なのですが、政府一丸となって結論を出してほしいとおっしゃっている意味をもう少し詳しく説明してください。

 

【知事】

 「もんじゅ」というのは核燃料サイクルのいわば中心的な場所にあるわけです。現在いろいろなマネジメントの問題で課題が指摘されており、それに対してどう答えるか、それに関連して、さらにこの夏までに主に文部科学省を中心に「もんじゅ」のあり方、方向を明瞭に答えるという宿題を持っているわけです。

 しかし、一方で、ただ「もんじゅ」を安全に管理するというだけでこの問題は全然解決しないわけであり、「もんじゅ」の将来、ミッション、こういうものをどうするか。今、研究のお話を申し上げましたが、どんな役割を担って、どういう計画で物事を進めるのかということがはっきりしない。そうなると、これは一人文部科学省だけの話ではなくて、経済産業省がエネルギー全体の問題として関与しなければならないはずだけれども、なお十分そのような体制にないと。それがまたさらに内閣といいますか、官邸がそのような姿勢をはっきりしておられないから、このようなあやふやな状態でまだ答えが出ていないということになるのではないかと思うのです。

 そこで、まずは、既に官房長官などにも何回か申し上げておりますが、新しく経済産業大臣が世耕さんになられましたので、改めてそのことを強く申し上げたということなのです。それで、大臣としては文部科学省と関係省庁と連携して、経済産業省、政府全体として対応したいというお話は当日されましたが、これをいかに具体的に進めるかということになるのではないかと思います。

 ですので、文部科学省だけではこの話はなかなか解決しないと私は思いますので、文部科学省だけでできればいいけれども、それができないだろうというように思うからです。

 

【記者】

 政府全体ということで、官邸にも「もんじゅ」に関して要請するのですか。

 

【知事】

 そうですね。先日、松野文部科学大臣にお会いする時間がなかったのですが、直接の所管ということですから、早々にまた、申し上げたいと思います。

 

【記者】

 原子力関連で、今月の27、28日に行われる住民の避難訓練について伺います。まず、現段階で関係機関との検討がどの程度進んでいるとか、想定をどの程度まで考えられているのか、お考えを伺わせてください。

 

【知事】

 今回の訓練については国と一緒にやることになりますので、来週15日ぐらいにその訓練内容を発表できるのではないかと思います。概況は申し上げているかとも思いますが、さらにもう少し詳しいものをですね。そして、これは高浜の訓練なのですけれども、あわせて大飯の訓練も続けて行う予定ですので、住民参加の規模とか実施場所、あるいは実働部隊のスケール、こういうものなどについて具体的なお知らせができるのではないかと思います。

 

【記者】

 住民が県外に避難するのは初めてということですが、その辺の難しさといいますか、どの辺に力を入れていきたいということがあればお伺いしたい。また、どうしても熊本地震の教訓を踏まえた訓練というような声も聞かれていますが、その辺のご所見はいかがでしょうか。

 

【知事】

 県外に避難することは難しいというわけではありませんが、先方の例えば兵庫県の具体的な避難先の市、それから施設に関連いたしますので、そのような調整を十分やっておかないと先方も困りますし、また、我々も十分な避難の訓練ができないことになりますので、そのような詰めもいろいろやっております。できるだけ規模感を出したいとは思いますが、ただ、これも一回一回積み上げの訓練ですから、一挙に何百人とかというようなことはできないと思います。可能な限り実効性のあるようにしてまいりたいと思います。また、先方の自治体とのいろいろな意思疎通もしなければなりませんし、災害というのは皮肉なものでありまして、我々が避難するということもありますが、むしろ向こうの方がこちらに避難するようなことも起こることもあるわけで、互いに助け合うという考えをいろいろ出していく必要があると思います。

 

【記者】

 そして、例えば熊本地震などの複合災害・・・。

 

【知事】

 これは屋内退避をどのように実施するかということになると思います。訓練の具体的な内容になりますので、来週に発表ができるかと思います。

 

【記者】

 北陸新幹線について伺います。先日の内閣改造で福井県選出の稲田衆議院議員が入閣しました。これに伴って与党PTの座長を交代すると明言されているのですが、福井県にとって何か影響があるのか、どう考えているのか教えてください。

 

【知事】

 政調会長が代わったということがどうだということではありませんが、一昨日、稲田新防衛大臣にお会いして、直接、後任の政調会長に、福井県または大臣がお考えになっておられることをしっかりお伝えし、継続的にこれまでの既定の路線の話がしっかり守られるように要請をいたしました。また、いろいろな協議の段階の中で、我々としても地元としてしっかりそうしたことを申し上げたいと思っております。

 

―― 了 ――

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