知事記者会見の概要(平成16年8月25日(水))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002801

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平成16年8月25日(水)
10:00~10:55
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【司会】

 おはようございます。 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 初めに、1点だけ県警本部との報告事項がございますので、そのことについて発表を済ませまして、その質疑を終えた後、引き続き発表事項を続けたいというふうに進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、知事、お願いいたします。

【知事】

  おはようございます。

 この1カ月間は、福井豪雨あるいは美浜発電所の事故の対策などございまして、報道関係の皆様にもお互いいろんなことがございましたが、特に県民の安全とか安心、また平常の業務もございますが、いろいろな面でご支援をいただきましてありがとうございます。さらにスピードを上げて県政の諸課題に取り組み、文字どおり「元気な福井」をつくるように全力で取り組みたいと思います。

  きょうはいろんな課題がございますが、1つは、冒頭、「身近な知能犯罪」抑止プログラムについてご報告したいと考えます。

  まず、「身近な知能犯罪」抑止プログラムでございますが、私は、本県の治安情勢の回復を県政の最重要課題と考えまして、マニフェストにおきましても安全・安心な県民生活の実現を掲げまして、昨年8月に全国で初めての取り組みとして、きょうは警察本部長がお見えでございますが、県の公安委員会、警察本部と共同で優先的に取り組むべき治安対策として福井治安回復プログラムを策定し、実行しております。

  このプログラムに基づき、15年度は空き交番の解消、また、警察官によるパトロールの強化を図るために「臨時交番相談員配置事業」、さらに地域の問題としては、地域住民の皆さんによる自主犯罪活動支援のための「ふくいマイタウン・パトロール隊支援事業」、こうした全国的にもあまり例のない取り組みを進めたところでございます。

その結果、平成15年における本県の刑法犯の件数でありますが、前年比で10%の減少ということで9年ぶりにマイナスに転じました。一定の歯止めをかけることができたと思います。また、本年ですが、16年上半期における本県の刑法犯認知件数は、前年同期比マイナス23%ということで全国第1位の成果を上げていると、このように受けとめております。

  そこで、その一方で、いわゆる俗に言うオレオレ詐欺でありますとか、架空の請求詐欺、それからインターネットオークションといいますか、電話あるいはITあるいは手紙といいますか、そういう情報などを中心に、文字どおり姿が見えなくて各家庭に忍び込んでくるといいますか、新たな身近な知能犯罪が今年に入って急増いたしております。

後ほど本部長からもお話があるかもしれませんが、従来の侵入犯とか街頭犯といいましょうか、そういうものとはまた性格が違う犯罪が相当増加傾向にございまして、このため、全県的にこうした犯罪の抑止あるいは検挙対策を展開していくことが必要だと考えました。

  それで、この「身近な知能犯罪」抑止プログラムを、福井治安回復プログラム、これは昨年のプログラムでございますが、これを補完するものとして改めて県警察と共同で作りまして、策定をいたしまして、県民はもとよりでございますが、金融機関、市町村などと幅広く連携しながらこの防止に取り組むことにしたいと思います。

  本年、これから9月の補正予算編成があるわけでございますが、このプログラムを踏まえながら県として独自のいろんな対策を予算化するなど、抑止・検挙対策の事業を積極的に計上したく考えております。こうした施策を着実かつ強力に実施することによりまして、さらに治安回復の率を維持するだけでなくて、確かな治安の回復軌道といいますか、文字どおり、一番治安のよい福井県に誇れるようにしたいと考えています。

 まず、私から冒頭申し上げまして、駒野本部長から・・・。

【警察本部長】

  ただいまの知事のコメントにもございましたように、このたび福井治安回復プログラムを補完する形で「身近な知能犯罪」抑止プログラムを県と共同で策定し、県民の自主防犯意識の向上や、捜査活動の強化などに向けた施策を強力に展開するようにいたしました。

  県警察といたしましては、警察官を大量に動員いたしまして、集中的に抑止するとともに、検挙対策を講じまして、平成17年3月末をめどにこの種犯罪の増勢に歯止めをかけてまいりたいと考えております。

  安全で安心できる社会の早期実現を図るために、引き続き、県民をはじめ市町村や関係各位のご理解とご協力を切にお願いする次第でございます。よろしくお願いいたします。

【知事】

  以上でございますが、本部長のご都合もございますので、まず、この点について何かお尋ねがございましたら、冒頭承っておきます。

 特によろしゅうございますか。じゃ、そういう方向で頑張っていくということで……。それでは、よろしくお願いします。

【司会】

  それでは、引き続き発表事項をお願いいたします。

【知事】

  それでは、2点目でありますが、福井豪雨、また、美浜原子力発電所の事故の問題でありますが、これについては、それぞれ災害対策本部、また復興会議といいましょうか、事故対策本部でそれぞれの時期にご報告をいたしておりますので、改めてあまり追加することはございませんが、福井豪雨については1カ月余りを経過いたしまして、この間、被災者の皆さんに一日も早くもとどおりの生活に戻っていただくように、また、生産活動も頑張って再開していただくように全力を尽くしてまいりました。

  初動といいましょうか、災害が発生した直後は人命救助を最優先にいたしました。その後、ライフラインあるいは生活再建、そして社会基盤ということで、応急復旧へと進んできたところでございます。

  現在は一日も早い災害からの本格復興ということで、住宅・生活の再建、産業の再生、また道路や河川、農林施設、そして社会福祉関係などの本格的な復旧、それから、再度の災害の防止、台風が次々と列島に襲来をいたしておりますので、そうしたことにも注意しながら、今、取り組んでいるところでございます。

  災害時には皆さんに元気を出していただくことが何よりも大切と考えまして、できるだけ早くスピーディーに支援策を被災者の皆さんに目に見える形でお示しすることが重要だということで努力をしてきたところでございまして、それについては既に臨時の県議会などでいろんな施策もご承認を願ったところでございます。大体、県の予算の約1割に当たる事業規模で583億円、予算で申し上げますと421億円でありますが、そういうことで対策を講じたところでございます。

  ただいま申し上げましたように、8月17日には福井豪雨災害復興推進会議を設置いたしまして、生活支援、産業再生、社会基盤の整備を総合的に進めていくということにいたしました。各市町村におかれましても、災対本部から、こういう復興の関係の体制にほぼ移行しつつあると、こういう状況でございます。

  今後、激甚災害の指定などの作業がございますが、防災担当の井上大臣からは、8月中には激甚の指定を終えたいということを伺っておりまして、県としても一日も早い指定に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

  なお、今月27日に、先般、新潟でございました全国知事会議の決定を受けまして、緊急にこうした住宅・生活支援の新しい国の支援制度、また激甚災害の早期の指定、また、これは今回、全国的にも問題となっておりますが、災害の場合の市町村への情報の伝達、また住民の皆さんへの通報、緊急避難の勧告・指示などのいろんな問題、こうした問題について、国としても統一的な基準、また必要ないろんな装備などの議論も出てきますので、そうしたことを要請したいと、このように予定をいたしておるものでございます。

  なお、原子力の関係につきましても、改めて要望・要請を行いたいと、27日にこのような予定をしております。既にこうした内容につきましては、経済産業大臣がお見えになった際、また保安院長を含み、こちらへ来ていただいた際にも申し上げていることでございまして、国の責任における2次系配管の管理の実施の有無の調査結果の速やかなチェック、それから、国の責任における、現在一部停止しておりますが、そうした点検内容及びその結果の妥当性の確認、それから2次系設備の管理・点検に対する国の基準の明示、管理体制に対する指導など、2次系設備に対する全般的な国の関与を強めていくこと、それから、1次、2次を問わず、原子力発電所全体における作業者の保安対策の徹底、それから、原子力安全・保安院の独立性の問題について十分な対応など、いろんなことがございますし、さらに今、要請内容を精査しておりまして、できるだけ具体的にこうした要請をさらにいたしたいと思いまして、とりあえずは27日に、今回の水害とあわせまして、こうした要請もしてまいりたいと、このように考えております。

  それから、3点目は防災会議の開催であります。

  今回の福井豪雨を振り返りますと、各市町村長から出された避難の指示や勧告など、住民への周知方法、あるいは高齢者や障害者など災害の場合に被害を受けやすい人たちへの対応等々、行政機関相互の連携など、いろんな点の課題がございますので、こうした点について8月27日に地域防災に関する連絡会議をまず開催いたしまして、被災市町村、国や県の機関、電力・電話等のライフライン関係等の防災関係機関と意見交換をいたしまして、これを踏まえて、今のところ、来月の9月6日になりますけれども、福井県防災会議という、これは正式の法律に基づく会議でございまして、それぞれ都道府県ごとにございます。国であれば中央防災会議というのがございますけれども、福井県としての防災会議を開催し、これからの福井県の地域防災計画の改定、これに反映するための協議を進めてまいりたいと、このように考えております。

  それから、4点目でございますが、国民保護計画の点であります。

  国民保護法の成立を受けまして、既に県におきましては、水害の前でありましたが、7月12日に県民保護計画策定準備会を開催したところでございます。その後、福井豪雨への対応が途中でございましたが、現在、国が基本指針の策定の作業を進めておるところでございますが、これと並行して、福井県としても県民保護計画の策定を予定どおり進めているところでございます。

福井県の準備会としては、住民の避難、それから避難住民の救援、それから警報等――警報というのは、どう避難したらいいかという意味の警報でありますが、警報等の情報の伝達、この3つの部会を設けて、国民保護計画の重要な分野を集中して審議していただく予定にしておりまして、今のところ、9月3日、それから9月22日にこの部会を行う予定にしております。

  それで、国民保護法は、法律は成立しておりますが、施行が9月中旬になる予定でありまして、それから国民保護協議会、従来は県民保護協議会と言っていましたが、名前を統一的に、全国すべて国民という名前にしたほうがいいのではないかということで、国民と言っておりますが、国の国民ではなくて都道府県ごとの国民という意味で、福井県という意味なんですが、福井県の国民保護協議会、それから福井県の国民保護対策本部の条例を、これは全国に先駆けて9月の県議会に提案できればというふうに、今、作業を進めております。

  10月には、先ほど申しました準備会を福井県の国民保護協議会に移行いたしまして、引き続き計画案を審議すると。その経過を国に提案し、12月の県の協議会で県版の国民保護計画を策定する、今、準備をしているところであります。国においては、年内に基本指針の骨子を策定する予定でありますので、年明けから国との事前協議にかかることになると思います。

  なお、この点については、県民の皆さんへのご理解、広報関係が重要であります。PRが重要であります。そういうことで、今回、福井豪雨により延期しました国民保護フォーラム、ちょうど水害の瞬間に当たってしまったんですが、改めて10月30日に福井市内で開催したいと考えております。なお、嶺南地域は11月13日に小浜市内で予定しておりましたが、これは予定どおり進めたいと、このように考えます。そうしたことで、この法律の制度や、有事の際の住民の皆さん、また国や自治体のいろんな役割の理解を深めていただきたいと思います。

  なお、昨日のお話でありますが、8月24日には、福井市の県民会館で国民保護中部ブロックの会議を消防庁との共催で開催いたしたところであります。これは、本県が従来から中部7県の幹事役を務めていることから、中部ブロックの会議を行ったものでございまして、担当者も参加し、国の内閣官房、あるいは消防庁から説明を受けたものでございます。

  なお、このほか、総務省において、8月27日、数日後になりますが、地方公共団体の国民保護に関する懇談会というのがございまして、これを開催する予定でありますので、オブザーバーとして本県に参加の要請がございまして、参加いたしたいと思います。本県以外には東京、静岡、岐阜、鳥取県もオブザーバーとして要請がありましたので、担当者が参加することになると思います。

  それから、話題が変わりますが、福井県、京都府、兵庫県との知事会議の件であります。

  5月の定例記者会見で発表し、7月中に開催する予定でありましたが、例の水害、また、発電所の事故で、実務的に延びておりました3府県の知事会議を8月31日、月末、火曜日でありますが、県立大学小浜キャンパス(小浜市)で開催することにいたしたいと考えておりまして、3府県による知事会議は今回が初めてということになります。

  この3つの県でありますが、嶺南地域、丹後、あるいは丹波と言ったほうがいいんでしょうか、高速道路など社会基盤がおくれている地域を抱えておりますし、いずれも日本海に面し、防災や安全面などの共通の課題もあわせて持っております。県域を越えて連携するする意味が非常に大きいと思います。

北陸3県といいますと、従来、日本海側で、連携といいますか、文字どおり地域的な一体性もありますが、こうした兵庫や京都については、これまであまりそういうものがなかったわけでありますので、そういうことで連携を強めたいと思っております。

  今回の豪雨災害でも問題になりましたが、ボランティア活動の支援でありますとか、国民保護計画の問題、県域を越えた住民の避難誘導などの問題が1つのテーマとしてありますし、3つの府県とも情報スーパーハイウェイをつくっておりますが、例えば今回の水害で申し上げますと、福井の水害の様子が、直ちに兵庫県知事が瞬間的にほぼ同時点で、ヘリコプターからの情報がすぐ見えるとか、そういうやり方を互いにすることによって、応援に行くといっても、どういう状況なのかと把握しながら実感を持ってお互いに応援をしないとそういうことができませんので、そういう情報スーパーハイウェイによる、リアルタイムによる細かい明瞭な情報の通信、それから、平生からのいろんな情報の集積を行っておりまして、互いに使えるとか、そういうことをやってまいりたいと、このように考えております。

  そのほか、例えば県立大学などの問題でありますと、福井県から兵庫県や京都府に出張して、県立大学に学生の皆さんは応募してくださいと、こんなことをやりますが、こうしたスーパーハイウェイを使って、兵庫県の高等学校と互いに双方向で説明をして、県立大学の様子を伝えると。まあ、逆のこともありますが、そういうことを、教育面でも利用が可能ですので、そういう協議もあわせてやれるんじゃないかなと。そのほか、東アジアからの観光について、3府県が共同して議論するなどが考えられるかなと思っております。

  いずれにしても、3つの県でいろんな面での情報交換をすることは意義があると考えておりますので、そういう協議をやらせていただきたいと、このように思います。

  それから、地村さん夫妻のお子さんたちの状況でありまして、地村さんからも記者会見などがございましたが、ちょうど3カ月が経過するわけであります。

お子さんたちの日本語の習得、勉強につきましては、6月28日から嶺南振興局内の生活学習ルームにおいていろんな学習を開始し、この点については約2カ月になります。県立大学小浜キャンパスを中心とした県立大学の学生のサポートなども得て、毎日熱心に勉強しておられると聞いております。

  学習の進みぐあいについては、お子さん3人のいろんな出発点の違いなど、また、年齢も違うことから一概には比較はできないようでございますが、それぞれ勉強の成果があらわれているようであります。

  また、ご家族との日常生活を送る中で、日本の生活、仕組み、体験ということで、徐々になじんでいただいていると聞いておるのでありますが、ちょうど、この自立支援のためのプログラム、これは名前が「県帰国被害者等自立支援プログラム」という名称になっておりますけれども、このプログラムが最初の3カ月を1つの節目としたプログラムになっておりますので、この8月31日に地村さんと面会を予定しており、今後のことをいろいろ、状況なども含めてお伺いしたいと、このように考えております。

  今後とも、ご家族の自立支援のため、子供たちに必要な学習の機会、これからの就職あるいは進路等の情報提供を行い、積極的に支援してまいりたいと、このように思っております。

  さらに、話題がまた飛ぶんですけれども、第1回のローカル・マニフェスト検証大会ということについてお話ししたいと思います。

  来月、9月8日でありますが、東京の早稲田大学で、早稲田大学大学院公共経営研究科、また、早稲田大学マニフェスト研究所が主催する第1回ローカル・マニフェスト検証大会というのを催されるということであります。

  これは、早稲田大学の北川正恭教授、前の三重県知事でありますが、中心となって進めているものでありまして、前回の統一地方選挙などで当選した知事のマニフェストの進捗状況を検証し、マニフェストの意義、課題、今後の展望などについて検討することを目的とすると聞いております。

  お誘いを受けましたので、私も、岩手県・増田知事、埼玉県・上田知事、神奈川県・松沢知事、佐賀県・古川知事とともに参加する予定であります。

大会では、私自身のマニフェスト「福井元気宣言」の進捗状況を報告するとともに、マニフェストの検証方法、国との関係、県民との連携などの課題について意見を述べ合い、マニフェストのさらなる進化といいますか、今後の展開、そうしたことを議論できる契機にしたいと、このように考えているものでございます。

  以上が主なものでございますが、そのほか、ちょうど今、稲刈りといいますか、収穫のシーズンになりましたけれども、例の「コシヒカリのふるさと・福井」ということで、全国のいろんなコシヒカリ一族大集合という事業を進めておりますが、8月28日に、例の、この春田植えをしましたあの田んぼで稲刈り体験を実施することになる予定をしております。

  なお、さかのぼりますが、8月8日には、金田農林副大臣、また国際コメ年日本委員会の会長であります木村尚三郎先生に来ていただいて、「コメを考えるフォーラム」を既に実施しているところでございまして、これからも、コシヒカリを中心に、ブランド、福井県の知名度アップなどについて努力したいと思っております。

  また、よく似たといいましょうか、類似のお話になりますが、きょう8月25日、今やっている最中かもしれませんが、「日本海大型クラゲフォーラム」、エチゼンクラゲのフォーラムを昨年に続き福井県で実施しておりまして、国からの支援も決まりましたので、国、それから11の他の関係府県と情報交換を行うとともに、これからのクラゲがどのようにして日本海にあらわれるかという予測システムとか、あるいはクラゲをどう利用するかとか、そんなことも広域的に議論したいということでありまして、これからの調査研究の進捗状況、また、水産大学校における対馬周辺海域の最新情報の提供も行うと、このようなことを聞いているものでございます。

  それから、最後でありますが、福井県の労働・雇用状況の調査、失業率がどれくらいだとか、あるいは若い方の失業の状況はどうだとか、そういう調査を、国の調査とプラスして本県独自の福井県労働調査を今月から毎月行いたいというふうに思っております。今年の2月に策定いたしました福井県雇用創出プランでは失業率を2%台に回復したいということでありますが、残念ながら全国のいろんな失業が都道府県ごとにわかっていないというような、こういう統計上のいろんな課題があります。本来国がなすべきことかもしれませんが、それを待っていることはできませんので、そういう調査を並行して行いまして、今後の雇用対策に役立てたいと思います。

  第1回目の公表は、この8月から10月までの3カ月間の平均について、11月末に公表を予定いたしておるものであります。そして、継続的に年度末まで続けるといいましょうか、こういうことで、福井県の男女別あるいは年齢階層別の就業状況、また、よく議論になりますフリーター問題、こういう問題にも役立ててまいりたいと、このように考えておるものでございます。

  現在、国は25の調査区で調査をしておるんですが、これに福井県の55の調査区を新たに加えるということで80の調査区にするということに実務的にはなるようでありまして、そんなことをやっていくということであります。以上であります。

【司会】

  発表は以上でございます。それでは、質問をお受けしたいと思います。

【記者】

  原発関連で3点ほどお聞きしたいんですけれども、今、県の強い要請で、点検のため3基で、プラス、問題の見つかった高浜、合わせて4基止まっているんですけれども、大体、問題になっています原子力発電の点検ももうほぼ終えるような段階に入ってきて、関電としても報告なりを持ってきて運転再開を求めてくるんだろうと思いますけれども、これについて、県として、安全をどう担保するか、それから運転再開をどういうふうに見ていくのか、その辺の対応をまずお聞きしたいと思います。

  それから、もう一点は、先日、関電の社長がおいでになったときも、知事のほうから、まあ、おっしゃってはいないんですけれども、知事としては、プルサーマル、関電自身が考えるべき問題だということで、実質的には、関電としては、ストップして先送りするなり保留すべきだという意向を示されているんですけれども、関電側としては、プルサーマルをどうするか、今の時点で明言していないわけですけれども、その点、どういうふうにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。

  それから、もう一点、事故の原因というか、タービン建屋に作業員の方がいらっしゃったということで死傷事故が起こるということになったわけなんですけれども、関電側は定検前倒しではないというふうに言っているわけなんですけれども、県として、運転中に建屋の中に人がいて人が亡くなる、そういう事態をどういうふうに見ていらっしゃるのかとか、それから、やっぱりこういう状況は改善されるべきだとお考えなのか、その点をお聞きしたいと思います。

【知事】

  既に、事故対策本部など、また別途の記者会見などを通じて基本的なことを申し上げているところでございますけれども、特に今回、具体的に原子力プラントを、書類というのも重要かもしれませんが、直接チェックするということが重要だろうということで、そのためには原子力プラントを停止してやらなければなりませんので、今、そういう作業を進めているということでありまして、しっかり立ち入った調査をやると同時に着実に一つ一つ点検をすると。また、保安院等で追加的にいろいろ今回の書類調査の中であればそれを加えて、実地に調査をして、しっかり調査をすると。その結果、グループごとにそれで大丈夫だといういろんな心証が得られれば、さらにグループごとの点検を順次行っていくと、こういうことかと思っております。

  それから、次は、プルサーマルのお尋ねでございましたが、プルサーマルについては、当面は今回の事故の原因、原因には技術的な原因もありますし、2次系の管理上のいろんな原因なり、そういうものもございますから、その究明と抜本的な再発防止策の確立を最優先に考えるべきであると考えておりまして、いずれにしても、あらゆる問題は安全確保が最優先でありますので、今回の事故によってその大きな前提が崩れておるわけでございますので、これを解決して、県民の信頼といいますか、こうしたことが重要かなと思います。

  今回、4人の方が亡くなり、また7名の方が厳しい闘病で頑張っておられるということでありますし、1次系、2次系といういろんな議論がございますけれども、原子力発電所の安全の基本にかかわる事故であると思っておりますので、そうしたことは、関西電力が、当然自らの問題としてプルサーマルの問題をまず自分で考えられるのが基本じゃないかと思っておりますので、そういうことをこれまでも申し上げているところであります。

  それから、今回の問題は、定検そのもののいろんなシステム、それから定検、その前後における、あるいは2次系全体に対する労働安全といいましょうか、これは単に労働だけではないかもしれません。一般の人も接近する可能性はあるわけですので、そうした基本的ないろんな問題について対策、改善が必要だということで、こうしたことは国に対しても、いろんな基準の問題なり、企業の運用について改善を要請したいと、このように考えております。

【記者】

  先ほど知事はたしか27日でしたか、美浜の事故の件と豪雨の件で国に要請されるということですが、これの要請先と、特に美浜の関係については、どのような要請をどこにするのかというのをもう一度教えていただけますか。

【知事】

  今、先方といろいろ、ご都合がつくタイミングもありますし、今回だけで済むものでもありませんので、主に官邸ですね。それから、水害の関係は防災担当の内閣関係方面、それから経産省、そのほか関係省庁になると思っておりまして、今、調整中であります。

ともかく、27日にはそうしたことを行うということで、なお具体化した場合には、お知らせをしたいと考えます。

【記者】

  関連なんですけれども、水害に関する豪雨の要請というのは、全国知事会で採択された……。

【知事】

  あの項目です。

【記者】

  あの項目を持っていかれると。

【知事】

  はい。それは全国知事会から代表して要請してくれという依頼を受けておりますので、そのようにいたします。

【記者】

  ちょっと確認なんですけれども、現在止めている4基の再開なんですけれども、点検はほぼ終わっているようですが、さらに再開を求めてきた場合、何か会議を、例えば事故対策会議か何かを開かれて、何らか、もう再開していいかどうかを判断されるのかどうか、その辺を……。

【知事】

  それは当然ですね。当然そうやりますし、そのようにしなければなりませんし、中川委員長を中心とした福井県の原子力の安全専門委員会、その見解もお伺いしなければならないと考えます。

  もちろん、国のいろんな前提として、今回の実地で調査したものについての結果についての考え、関西電力が調査した結果の考え方、それから書類上、いろいろチェックして、指示をしておる国の事柄とそれが合っているかどうか、そのものを十分し終えないといかんと思います。

そして、調査をし終わったということであれば、次のグループに行くということです。

【記者】

  地元の意見を特段聞くような話ということは考えてはいないんですか。

【知事】

  それは最終段階で、ご意向は踏まえてやらないかんと思います。ただ、条件というか、そういうものではなくて、よく意見を賜って、事柄を順次計画的に行うということだと思います。

【記者】

  最初のグループの検討が全て終わった段階で、一応、地元の意向も聞いていくと。

【知事】

  意向を聞くというか、それを踏まえて行って……。

【記者】

  踏まえて判断すると。

【知事】

  はい。そういう事柄だと思います。

【記者】

  今のと関連があるんですけど、プルサーマルのことにせよ、結びつけていいのか分かりませんが「もんじゅ」の判断の問題ですけど、知事は日ごろから、原子力の安全ということが確保できないと、なかなか次の議論はできないという考えを示されていますけれども、具体的にどういった条件がそろったら、逆にそうした議論する環境が整ったと判断をされるおつもりなんでしょうか。

【知事】

  あまり先走った議論をするのはどうかと思いますけれども、要するに、今回のいろんな実地の点検、あるいは書類上の点検、それから関西電力のいろんな管理体制、国の1次系、2次系を含めた、特に2次系ですが、管理の基準、それから、それをどう具体的な運用といいますか、そういうものがある程度方向が見えないと、県民の皆さんは今回の問題について大丈夫だとか、安心できるということには、常識にはならないのではないかと思っておりますので、そういう努力が必要だと思います。

【記者】

  わかりやすく言うと、保安院が中間取りまとめをされるという話なんですけれども、原因究明及び再発防止策に関してですね、それが出た段階で考えられるということなんですか、それとも、より関西電力自身もこういう取り組みをするというのを明示されて、それで、専門委員会のほうで審査して、それでOKだという太鼓判をもらって、すべてOKという形になるんでしょうか。

【知事】

  中間というのはどういうものか、どの程度のものかわかりませんので、具体的に見ないとわからないですね。

それから、関西電力の事業者としての努力も並行していると思います。2つあるんですね。電力会社とか国のですね。と、考えます。

中間というのはどんなものなのかまだわかりませんね。

【記者】

  今現在行われている点検で安全が当然確認できるということが大前提になると思うんですが、それに加えて、国の対策、それから関西電力そのものの対策、そういったものが整わないと……。

【知事】

  そういう見通しが得られていないと安心できないと思いますね。

【記者】

  話が全く変わるんですけれども、先日、新潟で全国知事会議があって、三位一体のところに知事がずっとお出になって、非常にロングランで夜遅くまでやっていらっしゃったと思うんですけど、きのう、経済財政諮問会議でも知事会議の案を出して、国と地方の協議機関を設けるということでは非常に前向きのようですけれども、実際の税源移譲とか補助金の削減という点においては、財務省並びに関係省庁は大分抵抗がきついような雰囲気なんですけれども、こうやって地方の側から提出にこぎつけたということに対する知事の率直な感想等、それから、今後の対応として、国、地方、それぞれどうあるべきかというのを、あらためて知事として何かありましたら……。

【知事】

  今回の全国47の都道府県知事の中には、いろんな考えもお持ちですが、十分意見を出し尽くし、賛否を問うことまでして、意見を統一したということは意味があるというふうに思いますね。

それを受けて、今度は、知事の代表、まあ、会長だと思いますが、それと、総理大臣、関係の閣僚もいらっしゃるかもしれませんが、政治家といいますか、政治の立場で、国と地方、議論する場もできそうですから、そこで大いに議論していただくと。

もちろん、関係省庁といいますか、役所としてのいろんな考えがあるけれども、それはやはり、政治といいますか、大臣あるいは総理大臣、地方の場合は知事、そういう人たちが、政治的な決定、賢明なる日本の将来、地方の仕組みなり、あるいは財政制度をつくるというのがこれからの新しい姿だと思いますから、ぜひそういうことで実現すべきでありますし、我々も47都道府県の知事の一人ですから、そういう努力をしなければならいと考えます。

【記者】

  美浜3号の件なんですけれども、社長も来られて直接知事もおっしゃられているんですが、まあ、改めてちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆるプルサーマルの件では、99年のデータ捏造問題があって、品質保証体制を改めて関西電力は作った。このたび、関空の火力発電所の問題があって、このようなことは原発では起きない、データの捏造ですね、ということを豪語していたわけですけれども、それにもかかわらず、検査データから漏れが起きたと。いわゆる品質保証体制は万全です、このようなことは原子力発電所では起きませんと言っておられて、改めて今回起きたということに関して、関西電力に関して率直なお気持ちといいますか思いというのをお伺いしたいんですけれども。

【知事】

  社長さんにも申し上げましたけれども、要するに、企業としての、あるいは原子力という非常に大事な国家プロジェクト、それを扱っておられる事柄について、大きな事業ですから、いろんな局面はありますし、プラントも違ったり、あるいはそれぞれ物事は違いますけれども、それぞれ全体を責任を持って経営するといいますか、こういうことが非常に大事なことでありまして、これが欠けていますと、これは基本にかかわる問題だと思いますね。

これは、関西電力自体の問題でもあるし、企業といいましょうか、事業者をどのように、日ごろから、あるいは制度としてチェックしていくかというのは、またこれは国の責任でありますので、そういうものをもう一回この機に見直して、安全の、あるいは信頼性のレベルといいますか、これを上げていくかということが大事じゃないかというふうに思います。

  ですから、こういう安全の問題は、どんなに努力しても努力し足りないということはないわけで、そういう点を、企業としてさらにやってもらわないといかんと思います。言葉ではなくて、実行なんですよね。

【司会】

  ほかにございませんか。ないようでしたら、時間も来ましたので、これで終わらせていただきたいと思います。よろしいですか。

 それでは、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──


 

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