知事記者会見の概要(平成16年9月14日(火))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002800

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平成16年9月14日(火)
10:30~11:35
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【司会】

  おはようございます。それでは、時間になりましたので、9月補正予算案についての知事記者会見を始めさせていただきます。

  初めに、知事のほうから、予算案の概要について発表させていただきます。

【知事】

  おはようございます。きょうは、9月補正予算案についてご説明をいたします。

  今回の9月補正予算案でありますが、8月の補正予算に引き続きまして、1つは、福井豪雨から一日も早い復旧・復興ということで、その関連の予算が1つですね。それから、災害復旧・復興は一日も早く行うと同時に、本来の「福井元気宣言」に掲げた施策をおくれることなく取り組まなければなりませんので、そのための予算、大きく分けますとこの2つということになります。

  特に、災害関連につきましては、復興段階に入りましたので災害復興の推進、もう一つは、災害の将来対策といいますか、災害ボランティア活動をどうこれから普及し広めていくかという、そういう2つのお話があると思いますし、マニフェスト関係ではブランド発信、それから安全・安心、それから観光、福祉、それから環境問題、それから県と福井市の活性化ということがあるように思います。

  今回の予算についても極力政策の議論を重視しまして、そうした中から予算措置を行ったつもりでございます。

  また、現場主義といいましょうか、そういうことで、災害の関係については、土木や農林の職員はもとよりでありますけれども、財務企画課、例の一件審査ということもございましたけれども、直接現場へ出向いて、また、河川の復旧などは専門家の先生方のいろんな意見も必要ですから、一緒になって見た上で、どこまでやるかとか、そういうことをしたということであります。

  それから、今申し上げました災害ボランティアにつきましては、お手元の資料でいいますと、資料3(資料1~4については財務企画課のホームページに掲載していますのでご参照ください。)で見ていただいたほうがよろしいでしょうかね、12ページにございますけれども、災害ボランティア活動先進県ということで、今回の災害では行政と民間が一体となって活動ができたこと、それから、早く活動が次の日から具体的な作業ができましたし、大勢の皆さんが参加していただいたとか、いろんなことがございましたので、こういうスタイルを全国に広めたいということで、ここに書いてございますような予算を今組んだわけでございます。

  それから、お手元にも資料があると思いますが、予算編成過程から県民参加ということでいろんな意見をいただいておりますが、我々で十分気づかなかった点について予算の段階で反映をいたしました。

  1つは、12ページにございます災害ボランティア活動推進事業、1,21万5千円の事業でありますが、初めは県内だけということを考えておりましたが、全国のボランティアのリーダーも研修してもらってはどうかなということで広めました。そういう意味で予算が増えていると思います。

  それから、次のページでしょうか、「福井は元気です」というイメージ発信事業がございますが、県外のボランティアなどに対して、協力いただいたお礼状を作成する、そして福井のことも知っていただくということですが、せっかくですから、お礼状に越前和紙を使ってはどうかという意見もいただいておりますので、そういうふうにして修正をいたしておりますが、あまり予算が増えるようなことはしていないというふうにして、和紙のことをわかっていただくと同時に、あまり無駄がないようにしたと、そういうことがございます。

  それでは、全体のご説明をいたしたいと思います。

  まず、資料のNo.1ですが、これは基礎的なデータが書いてございますが、今回の補正では121億円余の一般会計、特別会計18億円、企業会計3億円ということで、特別会計は例年9月に行いますいろんな貸付金の年度間のいろんな調整などの金額が多うございますので、基本的には一般会計、あと一部企業会計ということになると思います。

  以上の結果、一般会計は累計で5,543億円余りでありまして、前年度の9月補正に比べますと7.1%ということで、高い伸びになっているものでございます。

  次に、資料3で、個別の事業の考え方について幾つか申し上げたいと思います。

  1ページに全体の数字が書いてございまして、黒く枠で囲った部分が今回の9月補正であります。7月の専決あるいは8月の補正予算では、被災者に直接応援するような事業については緊急にする必要があるだろうということで、目に見える格好で復興ということでございますので、ごらんいただきますと、被害を受けた方々への生活住宅支援、こういう予算は大体7月、8月に組んであります。それから、産業関係も大体7月、8月で組ませていただいたということであります。

それから、社会基盤の早期復旧、3番目の欄でありますが、これにつきましては、7月、8月の予算でも組んでおりますが、一部、特に今回は河川、道路などが中心でありますが、県の単独の予算を、追加的に33億円余りの予算を追加しているという執行関係にあろうかなと思います。その他、農林関係もございます。

  それから、4項目めの再度災害の防止ということで、これは、7月、8月でも当然確定したものは、いろんな事業が組んであるわけでございますけれども、特に激甚災害ですね、特別緊急事業、いわゆる激特事業ということで、足羽川の下流域の事業が中心であります。これを8億円。全体ではもっと金額が200億あるいは300億円の大台になるものでありますけれども、今年度中にできるものをということで、今段階で計上するのがいいだろうということで緊急に組ませていただいたものが新しいものでありますし、それから、災害関連の公共事業につきましては、これは再度災害防止ということで、後ほど説明いたしますが、特に河川の中流域の整備などを中心に追加してここに計上をいたしておるものであります。という関係にあるというふうに思います。

  累計としては、予算額としては、表の一番右上端といいますか、508億円の予算であります。融資等がいろいろありますので、対策としては670億円余りの事業として全体になると、このように思うものであります。なお、この508億円の財源でありますが、国庫補助金が287億円財源があります。

それから、我々が借り入れるお金、地方債が141億円などでございまして、地方税など一般財源の使い方としては17億円に一応とどまっているということで、基金は取り崩しませんし、いろんな県の財政の健全性をコントロールする指標、経常収支比率、起債制限比率の影響は軽微といいますか、あまり大きくないということで、今後、行財政構造改革プログラムがございますが、これを見ながら健全性が維持されるよう努力したいと思います。多少、数字のちょっとした基準の出入りはあるかもしれませんが、できるだけそのようにしてコントロールができるように努力したいと考えます。

  それから、借金する地方債141億円は、その3分の2を後年度地方交付税で措置をされますので、災害関連の事業としては、財政負担はそう多くなくて済むのではないかなと今のところ思っておるものであります。

  それでは、具体的な事業のご説明をいたしますが、1つは、2ページでございますか、生活再建のための支援。これは、ほとんど7月、8月で組んでおりますが、一部福祉関係の予算をここに計上しております、370万円でございますか。

  これは、高齢者の方で特別養護老人ホームなどに避難されている方、ほんとうでありますとショートステイということで1週間の料金で済むということなんですが、ずっとおられますと費用がかさみますので、それをそのようにかさまないようにということで措置したものでありまして、これは、これまで国にそういう制度がなかったんですが、厚生省に強くお願いをいたしまして、全国で初めてこういうものにも国が2分の1の、災害関係として介護保険の制度の拡大といいますか、こうしたことをしてもらえたという制度になっておると思います。

  次は、産業の再生は、この2ページの下は、美山町の金融の特例措置が激甚災ということで講じられたというものでありますので、説明は略させていただきます。

  次、3ページ以降になると思いますけれども、1つは、先ほど申し上げました河川・道路・砂防施設の事業関係でございますが、まず、(1)の河川・道路・砂防施設等の復旧ということですが、これは国庫補助の対象とならない小規模な被災箇所、これはなかなか箇所数の確定と事業量の確定に時間を要しましたので、8月でなくて今回計上をいたしておるものでございまして、ごらんのような箇所で43億円であります。

  なお、特にこの中で、堆積土砂等の処理というのが一番下に書いてございますが、この問題は、お金をできるだけかけないようにして仕事をするというのはなかなか難しゅうございまして、そういう工夫が要ります。どこへ捨てるかとか、できるだけお金を払わないで済むような方法が大事でありますので。こういう予算は組んでありますけれどもね。それで、9月10日に土木部に土砂処理対策チーム、これは部長がトップになっておりますが、関係部いろいろありますね。捨てる立場と受け入れる立場とか、そういうことで、できるだけお金をかけなくて済むような方法を講ずるということで、チームを設置して対策を講じてまいりたいと、このように考えております。

  それから、農林水産関係につきましては、ごらんのとおり、8月の末以降、精査した結果、残っておるあとの災害復旧箇所について若干の金額を計上いたしております。特にこの中で水産業関係は、池田町の渓流域にアユとかアマゴとか、いろんなそういう淡水魚ですね、内水面漁業の養魚施設がございますね。これについての復旧経費をここに2カ所計上しておるものでございます。

  それから、その他の施設復旧としては福鉄ですね。福井鉄道について、水に浸かった部分のいろんな機械装置の復旧の予算でありますし、もう一つは発電所です。これは企業局の予算でありますが、いろんな発電施設の取りかえを行わざるを得ないと。こういうものでございます。

  それから、4ページになりますが、一番上は先ほどの激特事業でございます。この激特事業については、足羽川の板垣橋から日野川合流点までの6キロについて、河川の大規模な改良工事を集中して実施するものでありまして、それで、8月11日に県の準備室を雪対策事務所、破堤した近くにありますけれども、そこにつくっておりますが、早期採択に向けて協議を行っているところでございますが、今年の11月にも採択されるめどがつきましたので、今回、本年度から平成20年度までの5カ年間で、堤防の強化、それから河床の掘削、しゅんせつ、こうしたことを内容とした激特事業を今の段階で8億円計上いたしております。この事業は、8割が国の財政措置がなされる事業でありまして、こういう事業は本県では初めての事業ということになります。

  なお、足羽川の治水全体の問題としては、足羽川洪水災害調査対策検討会を8月4日に第1回目の会議を設けておりまして、基本的な問題についても並行して調査をすることになっております。

  また、もう一つ山間部の土砂災害、これにつきましても激特事業というのがあるのでありますが、これは17年度の採択に向けて、今、調査費は既に8月予算で計上しておりますので、そうしたことをやりたいと思いますし、このデータをもとに別途の検討会で山間集落の豪雨災害対策の委員会を設けておりまして、その中でいろんな提言もいただくように考えております。

 それから、次は(2)でありますけれども、災害関連公共事業ということで、1つは河川等災害復旧助成事業。これは足羽川、これは先ほど申し上げました激特事業のさらに上流、安波賀の周辺の足羽川、それから鞍谷川、これは鯖江市と今立町にまたがります浅水川の上流になるものでありますが、この地域について4年間の事業になります。激特は5年間ですが、この事業は4年間、1年短いんですが、行います。これにつきましては、災害復旧とあわせて大規模な改修を実施することになるものでございます。国は10分の5ということですが、激甚災害の指定によりましては補助率のかさ上げが行われる予定であります。

  それから、河川等災害関連事業、その下にありますが、これは規模が今の事業よりさらにちょっと小さい事業で、これは3年間の事業になるものでありまして、ごらんのとおり、足羽川、三万谷川、一乗谷川、金見谷川、こういう地域で事業を行うことになります。

  それから、その下は災害関連の治山事業でございまして、これは8月でも一部計上いたしましたが、さらに精査をいたしまして、新しい治山ダムの建設が必要な箇所8カ所について予算を盛ったものであります。

  なお、がけ崩れ対策、5ページでございますが、これは市町村の事業でございますが、これに対して県が5分の1、20%の追加的な補助を加えて、市町村でやっていただくということで、美山町ほか9カ所、こういう事業を新たに設けておるものであります。

  それから、その下の農業関係は、田んぼ全体が土砂で埋没をしてしまいましたので、新しくこの地域全体の区画整理をすると同時に、営農集団といいますか、これを再編成するという事業でございまして、村ごと農地の再編、農業の仕方を変えていくと、こういう予算であります。

  以上が、災害復旧関係の主なものでございます。

  次に、一般的な「福井元気宣言」に基づく事業であります。これは単位が百万円でございまして、億円ではございませんので。予算としては3億8千4百万円と、こういうことになります。

  下のほうに、ちょっと小さい字でこれまでの取り組みが書いてございますが、マニフェストでは、200億円の一般財源を使って4年間で新世紀政策推進事業を行うということでございましたけれども、下のほうの小さい字の上の欄でございますが、これまでの取組み分と書いてございますが、これまで、昨年の6月補正、9月補正、今年の当初予算までで235の事業について、予算としては272億円の事業を推進しております。これに使った一般財源が82億円ということで、例の200億円のうちの82億円を既に今の2年までで使っているということなんですが、これに加えて今回9月補正でさらに新しい22事業、そして3億8千万円、そして一般財源は2億7千万というのが追加的に加わると、こういうことであります。

  事業の内容でありますが、多少、順不同になって申しわけないんですが、12ページをお開き願います。

  先ほどボランティアのお話をいたしましたので、やや詳しく申し上げますが、福井的なやり方をいろいろ知っていただいて、またさらにこれを進化させる必要があるだろうということであります。

  全国のボランティアのフォーラムを開きまして、これは11月予定でありますが、いろんな関係者に参加いただこうということが1つであります。また、県民に広くこうした勉強もしていただきたいということで、次の事業になりますけれども、県内を6地区に分けて、毎年、2地区ごとにボランティアの基礎知識やノウハウを学んでいただく事業をやりたいと考えております。また、全国のボランティアにも、先ほど申し上げましたような予算の県民参加をいただいて、こうした意見も入れたということであります。

  それから、3つ目の事業でありますけれども、これは、NPO、あるいは社協、社会福祉協議会、あるいは自治体関係者からなるボランティア活動促進懇話会というものを設けまして、これからの活動の新しい方法、あるいは県独自の条例制定などについて検討をしていただこうということで、そういう懇話会開催の予算を設けているものであります。

  それから、ちょっと飛んでいただきまして、同じく災害関係でございますので、14ページでありますが、今回の豪雨で池田町の下池田地区、それから美山町の下味見地区について、電話が切断されたとか、停電で携帯電話が通じなくて、発災初日は大体連絡できたんですが、夕方になって、どうなったのだろうということで、翌朝、夜明けと同時にヘリコプターなどで様子を見て、ようやく皆さん大丈夫だったということでありましたが、ああいうときに双方向に連絡する通信機があると便利だということで、今回、携帯電話で衛星装置を─衛星というのは宇宙衛星ですが─経由した衛星携帯電話を40機余り設置するということで、全市町村、それから消防本部において、衛星に向けて現場と我々とで通信ができるようにしたいということで、大体30万円くらいの機械だと思いますけれども、そういうことでやりたいと思います。IT機器は日進月歩でありますので、さらにいろいろ議論はあると思いますけれども、全国初めてこういうやり方をすると。これは、しかし、現地にこれがないといかんわけですね。例えば、赤谷地区ということになりますと、ヘリコプターで落とすか、落とすというかだれかが静かに置くか、あるいはだれかが1回持っていかないと通信はできないという制約はあると思います。

【副知事】

  向こうに置いておくんじゃないんですか。

【知事】

  部落ごとには置けませんから、今の段階ではちょっと難しいかなと。

【政策幹】

  各役場に置いて。

【知事】

  という状況でありまして、1機27万円だそうです。基本料金は5千円かかると。通話は1分120円ということです。ですから、まずそこへ持っていって、通話を途絶えさせないというか、そういう機能を持った装置ということです。万能ではありません。

  なお、今ほど申し上げました、避難指示、避難勧告、あるいは情報の伝達など、いわゆる情報関係の課題はたくさんありまして、数限りなくありますので、今回9月6日に県の防災会議を設けまして、あらゆる情報問題についてまとめてチェックしようと、こういうふうにしているものでございます。

  それから、14ページの下のほうでございますが、安全・安心の関係であわせて申し上げますが、「身近な知能犯罪」の抑止ということであります。

8月25日の記者会見でも申し述べたところでございますが、昨年、治安回復プログラムということでいろんな取り組みを行いまして、刑法犯の認知件数が10%減少した。また、1年間でマイナス率が全国第1位だということで、成果を上げているところでございますが、一方で、最近、いろんな電話の詐欺とかインターネットのいろんな詐欺など新しい案件も福井県で大変増えておりますし、隣県でも最近、非常にそんな話が出ておるようなことがありますので、「身近な知能犯罪」防止プログラムを、今回、公安委員会、警察本部と8月に設けまして、その予算もここで組んでおるものでございます。主に教育用の啓発ソフト、そうしたことの予算でございます。講習会なども行うということであります。そういうことで治安の回復に努めたいと考えます。

  次に13ページを見ていただきます。

「ビジットふくい」ということで観光などの対策であります。昨日も観光倍増のための委員会を設けて検討いたしておるところでございますけれども、特に中国との関係で、この9月15日には、ずっと友好関係にございます浙江省をはじめ、江蘇省、山東省、遼寧省、天津市の訪日ビザ発給が認められるということで、また、11月25日には小松・上海の定期便が就航する予定と理解をしております。こういうことで、アジア地域との観光対策が重要であります。そのため、今年11月に上海で開催されます中国国際旅遊交易会に、石川県と共同で観光ブースを出店いたしまして誘客を行うと。また、小松空港に福井県観光紹介コーナーを設けまして、観光ポスター、パンフレットの掲示を行うということで、小松空港を福井県として活用いたしたいというのが2つの事業であります。

  次に、資料がまた戻りますが、10ページをお開き願いたいと思います。

  福祉関係でありますけれども、マニフェスト、あるいは座ぶとん集会、女性会議などでいろいろお話を聞きますと、お子さんの急病に対して適切に対応できると大変安心し助かるという声が強いのでありますけれども、病児のデイケア、病気のお子さんを預かるという事業については、現在、福井市、敦賀市、勝山市の3市において4つの施設がこの実行を行っております。福井市では済生会乳児院、福井総合病院、勝山市ではクリニカ・デ・ふかや、それから敦賀市ではさみどり保育園がやっておられるわけでありますが、しかし、病児デイケアに必要な保育室とか観察室、安静室を設置すると多くの費用がかかるということがありますので、当初予算では全国で初めて運営費の助成をいたしましたが、今回の補正予算においては病児デイケアのための施設の整備を対象としたいという事業でございます。病児デイケア施設整備事業というのがこの事業でございまして、武生市の野尻医院さんでこのことをやっていただくということになるかと思います。

  なお、下の事業は、先ほど申し上げました運営費についての、さらに具体化した施設について拡大をするものであります。

  それから、その下の障害者の皆さんの関係でございますが、障害者の雇用を促進するために、IT等の活用というのは非常にスキルアップが大事でありますが、今回、民間の教育訓練校でその受け入れが可能になりましたので、来年の当初予算を待つことなく今回の補正で対応したいということで、この予算を計上いたしたものであります。ハローワークのいろんな実態を見ますと、10年前でありますと240~250人のいろんな求職があったんですが、現在は500人近くということで、倍増のいろんな事業がありますので、そうした皆さんの期待にこたえたいというものであります。

  次に、13ページをお開き願いたいと思いますが、一番下、環境関係でありますが、現在の廃棄物処理計画は18年度までの5カ年計画でございますけれども、その間、国のリサイクル法、これは建設リサイクル、あるいは自動車リサイクル、いろんな法律も変っております。それから、私どもでいろいろ民間のリサイクル推進センターなどの意向調査も行っていたところでありますが、なかなか実態に合った計画になっていないということでありますので、18年度の計画改定を1年前倒しして本年度に計画見直しの基礎となる廃棄物の排出実態調査を行った上で、新年度に計画を改定することにいたしたいと思いまして、そのための実態調査予算経費をここで組んでおります。

  それから、同じく環境に関係しますので、あわせて、ページがあっちこっち行って申しわけありませんが、8ページにちょっと戻ってください。

  鳥獣被害の関係であります。鳥獣被害につきましては、本年度から全国に先駆けまして、住民の皆さんが協力して、電気さく、おりの共同管理、農地のパトロールを行う、また、牛の放牧、あるいは駆除を県下一斉に行うということでいろんな努力をしておりまして、鳥獣害のない里づくりに取り組んでおりますが、その成果が幾つか出ておりますので、それを受けまして、本県の取り組みを全国の皆さんにまた紹介しながら新しい知恵も得たいということで、シンポジウムを来年の2月に開催いたしたいという予算であります。成果が出ましたので、補正で急いでやったほうがいいなということであります。

  次に、またちょっと先に進んでいただきまして、13ページを見ていただきたいと思います。

  先ほど大きな項目で県都の活性化ということを申し上げましたが、その1つでありますが、フレンドリーバスであります、この中ほどにございますが。これは、昨年といいましょうか、1年間、フレンドリーバスの状況を見ながら、今後どうするかといろいろ県議会の中であったものでございますけれども、現在のところ6万人の方に利用をいただいております。それで、一部、夏休みの期間がございましたが、水害がありまして、ボランティアの送迎に使ってもらいましたので、そういう間の利用客がちょっと抜けておるのでございますが、そういうことであります。それで、我々としては、11月以降も、1年たちましたが、児童・生徒などを中心に県立図書館を無料で利用できる環境を整備するため、引き続き運行したいということで、議会にお諮りをし、ご理解を願いたいと思っているものであります。

  それで、県立図書館との連携ということで、福井市の美術館がすぐ近くにありますので、ここも経由をすると。そして、美術館のいろんな特別展と県立図書館の図書との連携といいましょうか、相互に紹介し合うとか、そういうことも考えながら、できるだけ役立てたいということであります。

  それから、この経費は、民間の車を利用しますと償却費というのがかなりかかりますので、県有のノンステップバスを、宝くじ助成金を活用して1台購入する等で、実質的にコスト削減といいましょうか、そういうことを加えたいということと、運行に当たって、これまですべて民間委託をしておりましたが、2台のうち1台は県職員が一部運転をするということで経費の削減を図りたいと、このように考えております。もちろん、民間の方ももう1台やってもらうということがありますが、このように工夫したいと思います。

  それから、同じく県都の活性化、14ページの右上になりますが、手寄地区の市街地再開発事業であります。

これにつきましては、これまで長い期間、いろいろ議論がございました。いよいよ福井駅の駅整備も日の目が見れるということで、来年はいよいよそうした方向が出てきているところでございますが、そうした中で、福井市あるいは開発組合等、県の立場で鋭意協議を継続した結果、当初計画からワンフロアを縮小し、県としては事務的なフロア1階分とホール、これを取得するということでやりたいと。それから、1階から3階までの商業フロアについては、できる限り需要を見込める他の用途にも転用を図ると。それから、フロアの需要確保に対しては、将来的に県に負担を及ぼさないということで、福井市、組合、事業パートナーとの合意に至ったものでありますので、今回、40億円の債務負担行為を、将来負担の金額の上限をここに定めるものでありまして、この協議結果を踏まえまして、県民の交流、活動の場となる新しい都市型複合施設の整備のための予算をここに計上ができるということになるものであります。

  なお、この債務負担行為と別途に、県が購入する床部分の鑑定を行って、この鑑定の結果、この購入価格が問題ないかを並行的に評価すると、こういうことにいたしたいと思っております。

  次に15ページ、その他の施策でありますが、1つは越前鉄道でありますが、これは、立体交差事業によって越前鉄道は高架化することになりますが、福井から福井口間の高架化工事について、事業者の負担金の一部を助成するということが必要でございますので、そのようなことを行うものが1つであります。

  それから、真ん中にございますが、敦賀の民間最終処分場の対応でございますが、これは国の特別措置法もできておりますけれども、今後の進め方として、敦賀市と協議した結果、下流域に漏水が生じないようにということ、また、生活環境の支障を除去するため、敦賀市と共同でこの事業を進めるということで、今年度中に技術的、総合的な対応策をここで検討したい、そして、来年度以降の事業につなげていくと、こういうことを考えているものであります。

  それから、その下の県立病院関連施設再整備事業でありますが、県立病院については、本体の事業はこの春、整備をいたしましたが、これと相並んで、小児療育センター、看護専門学校、養護学校、それから特殊教育センター、行政教育的な施設が中心でありますが、このたび実施設計を終えましたので、平成18年度の完成を目指して本年度内に建設工事に着手をしたいということで、継続費を設定するものであります。金額はかなり大きいものでありますが、そういうことで全体の対応をいたしたいと。

  以上が今回の9月補正の概要であります。

【司会】

  発表は以上でございます。

  それでは、質問をお受けしたいと思います。

【記者】

  今回、激甚の指定を受けた上で、それで、また豪雨災害について聞きますけども、今の段階で、この豪雨関係が一段落ついた、まあ、予算措置を含めた行政の支援のようなのですが、一段落ついたという考えなのか、その辺の今のとらえ方をひとつお聞きしたいのと、今回の豪雨による予算措置、これで、例えば新世紀枠なんかの額はかなり少ないとは思うのですが、その辺はどういうふうにして……。かなり苦労なさったと思うんですけども、影響はあったとお考えなのか、その辺をお聞かせ願えますか。

【知事】

  一段落ついてはまだいないんです。というのは、激特事業、足羽川については、さらに、どうでしょうか、200億円とか、あるいは300億円近い事業が追加的に出てきますし、先ほど、砂防関係の激特事業もあるということですが、これもやはり、まだわかりませんが、100億円を超えるかもしれませんし、そういう事業など、数百億円の事業がまだ追加的にあり得ると思いますので、もう一山あると思います。

  ただ、財源的には、先ほど申し上げましたように、激特だったら8割方は国の財政措置ですね。これは国庫負担金、それから地方交付税での、あとのそちらのほうがありますので可能だと思いますけれども、しかし、これだけの事業をやりますとやはり一般財源に影響いたしますので、いろんな面で工夫といいましょうか、そういうことをしないと、例えば経常収支比率とか、そういうものに多少影響すると思いますので、そこは既存の事業などの運営・運用なども考えながら、しっかりやっていく必要があるだろうと、私自身は今思っております。

  なお、借入金の返済などというのは全体を一度に返すわけじゃありませんので、そういう意味では急激に負担が生じるものでもありませんし、いろんな財政措置もありますので、いろんなケース、細かい議論はありますけれども、やっていけるというふうに思っている状況です。

【記者】

  先ほど、新世紀枠のところの額というのは、やはりかなり影響はあったと。

【知事】

  それは、影響させないようにいたしたいと思いますが。この200億円ですね、一般財源。これは約束したことですので、実行するという基本的な立場で臨みたいと思います。

【記者】

  足羽川の激特事業のことなんですけれども、大体全体で200億円から300億円かかるという見通しなんですが、今年度中だけでも8億といいますと、例えばどういったものなんですか。

【知事】

  基本的には、板垣の破堤部分をまず常識的には真っ先にやらなければならないのではないかと思います。それで、11月についても、できるだけ一日でも早く仕事の作業ができるように国にもさらに働きかけてまいりたいと。そういうことが皆さんの安心につながると思いますので。11月といっても、かなりスピードを上げて努力してもらっているんですが、それでも、一日でも早く着手できるように。

  いろんな、どういうふうに工法をやるのか、難しいんですね。どこの部分までで仕切って、いろんな土砂土の入れかえ、それから、どんなふうにして新しい土を入れて安全にするかと、いろんな技術的な議論がおそらくあると思いますので、そういうものをできるだけ早くやる必要があるかと思います。

【記者】

  そのほかの河川についても、特に一乗地区、美山町あたりは、かなりもう、ばたばたということで……。

【知事】

  そうですね。ですから、あの事業、今の堤防をもとに戻すということではなくて、堤防を引くとか、それは、左岸を引くのか、右岸もちょっと引くのかとか、あるいは、しゅんせつをどの程度やるとか、いろんなことをすべて加えなければなりませんし、その際には、周辺の皆さんの用地買収とか、あるいは基本的な考え方、それもいただかないといけませんので、できるだけ急がないと、皆さんのお気持ちもそこに集中できないと思いますから、これは大事だと思っています。

【記者】

  先ほどおっしゃったもう一山というのは、このあたりの……。

【知事】

  事業量もまだこれから……。先ほど申し上げた、5年の事業もありますし、4年の事業もありますし、3年の事業もありますし、まだこの予算ではその一部を計上しただけですので。考え方は、みんな、大体出ましたけれども、具体的に現実化するものは金額的にはこれから出てくるという意味です。

【記者】

  今回の補正予算案から離れて、議会を前にということでちょっとお伺いしたいんですけども、美浜の事故の話なんですけれども、2点あって、1つは、国の事故調査委員会が6日に行われた中で、西川知事も福井県としての要請というか意見を述べられたと思うんですけれども、国が今月中に中間報告をまとめるということを言っていまして、中間報告の取りまとめに向けて、かなり福井県の意見を反映させていくために、どんなことをするおつもりであるのかということ、それから、中間報告がまとまったことを受けて、福井県としてはどのような対応をとられるかというのを、どのようなまとめをとられるのかというのを1点、お伺いしたいんですけどね。

  あとは、9月議会では、当然、原子力政策の議論をされることになると思うんですけれども、プルサーマルにせよ、「もんじゅ」の改造工事入りの判断にせよ、そういった原子力の議論というのは、まだできる段階にないという認識で、まだ変化がないのかどうかという、そこの2点をおしえていただけますか。

【知事】

  事故調査委員会を今月中旬ぐらいという、そういう情報は聞いておりますが、できるだけ我がほうの意見としては既に文書で提示をいたしておりますが、その後のいろんな項目についても、可能であれば、できるだけ申し述べたいと思っております。今、ここでどの項目を詳しくという話にはちょっとなっておりませんが、そのように事務的には仕事をしております。

  それから、きょうの報道でしたか、火力発電所のいろんなチェックの問題などもございましたが、そうした問題について、どうでしょうか、福井としてどのように考え、我々としてどのように述べるかということについても、いろんな状況を確認した上で申し述べないかんと、このように思っております。

  それから、プルサーマルなどの問題については、特に今の段階でそういう議論を進めるということではなくて、まずは、現在、実際運営し、運転をしている原子力施設の、1次・2次系を含めて、安全をいかに確認し、安心してもらえるかということが基本ですので、それなしには、そうした次の議論というのは関西電力としてもお考えになっていないというように私は思いますけど。

【記者】

  まだ議論できる段階でないという状態は変わっていないと。

【知事】

  変わっていないと思います。

 なお、どのような中身が出るかは、ちょっと拝見してみないとわかりませんが、今お聞きした段階ではそのように思いますけど。

【記者】

  また災害関係に戻るんですけれども、越美北線なんですけれども、先ほどお話もありましたけれども、JR西日本とまた協議を進めていくということなんですけれども、一体いつごろまでに、具体的には、復旧を完了したいと考えていらっしゃるか、もしお考えがあればお聞かせください。

【知事】

  昨日も垣内さんにお電話しまして、当面、一部ついたということについての結果について、我々の気持ちをお伝えすると同時に、さらに残っている部分について協議を進め、やってほしいという要請をいたしましたが、県民生活分野のJR越美北線復旧対策チームというのは県民生活部長を責任者にしてJR西日本と協議を進めるという体制にいたしております。

JR越美北線復旧対策チームということで行っておりますので、一日も早く、まあ、負担のいろんな議論はございますけれども、結論といいましょうか、復旧をまず急がなければなりませんから、そのように思っております。もう少し協議が進むと、いろんな問題が明らかになると思いますし、何をお互いにやるべきかということが出てくるんじゃないかと思いますが。

  いずれにしても、何とかなく協議をしているような状態にはしないということで、県としては、責任者を置いて対策チームを設けて、絶えず進行管理を行うということに、私としては思っているんですが。

【記者】

  また話がもとに戻るんですけども、プルサーマルの話になりますが、「もんじゅ」の話、それと、エネルギー拠点化構想の話があるんですが、それも、敦賀市長なんかは、遅れるのは仕方ないというような言葉も出たようなんですが、知事として例えば、今の事項の中間取りまとめなり、区切りがどこかでついた時点で判断といいますか、今後の進め方を判断されるのか、その辺は、今、お考えはどうなんでしょうか。例えば議論も、当然、今、決まっていますよね、拠点化も。その辺はどうでしょうか。

【知事】

  特に拠点化については、これは実務的な検討ですから、一定の節目というものはあるわけじゃありませんから。ただ、今、実際上、対応ができる状況ではないということですが、ある程度の方向が出た段階で、さらにこうした拠点化構想というのは進めていく必要があると私は思っていますが。

 特に今回、医療の問題とか、いろんなことが原子力との関係で出てきたと思いますから、そういう問題も課題かなと思っていますけど。ただ、研究のみならずですね。

【記者】

  例えば、11月ぐらいに骨子をまとめるという話がありますけど、今、スケジュール的には非常に厳しくなっているように思いますが。

【知事】

  そうですね、ちょっと作業的にはきついかもしれませんが、できるだけそういう勉強なり研究というのは並行して必要ですので、そういう問題については進めたいと思っているんですけれども。今、そういう作業に取っかかれないという状況がまだちょっと続いていると。

【記者】

  例えば、11月めどというお考えには変わりはないのか……。

【知事】

  それはちょっと難しいかもしれませんけれどもね。どうか、ちょっとまだわからないです、今のところ。ちょっと体制をいろいろ整えないといけませんので、我々としてもですね。

【司会】

  ほかにはございませんか。ないようでしたら、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

【知事】

  どうもありがとうございました。よろしくお願いします。

── 了 ──
 

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