知事記者会見の概要(平成28年12月28日(水))

最終更新日 2016年12月29日ページID 035137

印刷
平成28年12月28日(水曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

H28.12.28知事写真
 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【知事】

 平成28年最後の会見になりますので、よろしくお願いします。

 この1年いろいろなことがありまして、改めて皆様のいろいろなご支援とご協力に感謝申し上げます。ありがとうございます。

 それでは、この1年を振り返っての所感を申し上げます。

〔資料:平成28年 福井県の一年

今年は、福井県の将来の発展に向けて次のステップを大きく踏み出せた年ではないかと思います。特に北陸新幹線敦賀以西ルートにつきましては40年来の大きな課題でしたが、福井県がずっと主張してまいりました小浜から、できるだけ寄り道、回り道をしないで京都、大阪に向かうルートに決まりました。改めて御礼を申し上げたいと思います。

 こうして大きな道筋ができましたので、次のステップとはどのようなことかということになりますが、1つは、5年余り後の敦賀までの新幹線開業により、北の玄関口があわら、南の玄関口が敦賀になり、南北のゲートウェイがはっきりしてくると思います。

 一方で、今回小浜京都ルートが決まり、西の玄関が大きく開かれるであろうということです。文字どおりこの玄関は京都に19分の距離感になるわけであり立地条件が驚異的に変化することを見据えたまちづくりの展望が開けてきつつあります。

 また、敦賀の新幹線開業と相前後したころには岐阜県境までの中部縦貫自動車道の方向性が出ますので、東の玄関口が開かれます。これは北陸自動車道や舞鶴若狭自動車道、東海北陸自動車道とつながり、中京、東京へ向かうルートでありまして、高速交通体系の方向も大体出るであろうと思います。年明けには大野まで開通しまして、あとは予算を確保しながら進めていくということですので、極端に言いますと福井県の戦後あるいは明治以来の大きな地理的立地条件の構造を変えることができる見通しが立った中で次の政策を進めるということになります。

 幸福度日本一については3回目の幸福度日本一に輝きました。

 また、スポーツ面では、リオ・オリンピック、パラリンピックに10名の県ゆかりの選手が出場し、バドミントンの山口選手の国際大会2回連続優勝、福井商業高校のチアリーダー部の全米選手権4連覇のほか、ホッケー、ボート、陸上などでもいい成績を残してくれておりますし、文化面では、お正月になりますと福井県勢同士の決勝対決があると思いますが、競技かるたでの県勢初の川﨑文義八段の名人位獲得、宮下奈都さんの「本屋大賞」受賞、津村節子さんの文化功労者顕彰などがありました。また、子どもたちがそれぞれ、フルートのコンクールや和太鼓、あるいは珠算などでも好成績を残しておりますし、電気工事技能競技大会最優秀賞や、剣舞、作曲、作詩などでも全国大会で頑張ってくれた女性もいます。また、恐竜博物館の職員がつくりました映像資料が、科学技術映像祭の文部科学大臣賞を受賞しています。

 県都のまちづくりについては、福井鉄道・えちぜん鉄道相互乗り入れがこの3月に実現しました。福井駅前でハピリンがオープンし、福井鉄道の駅前延伸、バスターミナルの開業などで結節点ができ上がりました。また、駅東口には福井の先人である岡田啓介氏と松尾傳蔵氏の銅像なども、故人のゆかりの地を臨む方向で再配置し、福井駅周辺ではホテルなどの建て替えのプロジェクトも動きが出始めています。

 このほか、県都の整備と相前後してそれぞれの市町で、小浜市であれば「まちの駅」、高浜町では「ハーバルビレッジ」、池田町では「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ」、永平寺町では「道の駅 禅の里」がオープンし、越前町では「越前がにミュージアム」がリニューアルしました。また、大みそかには、大本山永平寺の唐門が鎌倉時代の開山以来初めて一般公開されることになっています。

 エネルギー政策につきましては、年末までいろいろとございましたけれども、「もんじゅ」について廃炉の方向の議論が出ておりますが、安全かつ将来性のある原子力機構のしっかりした体制を強く求め、政府もこれに応じた形でさまざまな協議組織もつくりながら対応していくことになるのかと思います。

 また、40年を超える運転延長についての慎重なる対応のほか、仮処分による運転差し止めの問題がありました。これは、年明けに上級審での判断があるかと思います。さらに廃炉の問題、そして使用済燃料の県外搬出などの関係もありますので、原子力については5つか6つの課題を一度に並行しながら進めていくということでしょうか。再稼働、廃炉、プルサーマル、40年超運転、「もんじゅ」、使用済燃料の中間貯蔵の6つですか。そして、原子力全体の嶺南地域をどうするかをあわせ、7つの課題が並行して進むということかと思います。

 原子力防災訓練については、8月末に高浜・大飯発電所を対象に5,500人の住民が参加し、900名が県内外に避難する訓練を行ったわけでありまして、これは一年一年、1回ごとにそれぞれの積み重ねが必要かと思います。

 人口減少対策の一環として、「ふるさと県民大会」を11月に東京で行いました。850名の皆さんが参加したわけでありまして、本県にゆかりのある県外在住者である「ふるさと県民」のみなさんが気持ちの面でも、また様々なビジネスやつながりの面でも福井との関係を深めるシステムをつくっていきたいと思います。また、結婚、子育て、U・Iターンなどの支援も進めてきました。

 大学連携センターについては、「Fスクエア」を開設し、県内5つの大学がいわば1つの大学のようにして、駅前で教養、語学、あるいは恐竜なども含まれますが、今1,200名の学生が大学の枠を超えて学ぶという動きを始めています。

 また、10月には、県立大学の進士学長が「オープン・ユニバーシティ構想」を発表されまして、福井キャンパスの名称も「永平寺キャンパス」に変更し、アピールを行い、大学の活性化を図ろうという動きが出ています。

 農業関係ではポストこしひかりについて、年末から1月にかけまして、ブランド米としての名称を募集しています。

 恐竜については、11月に恐竜化石として全国で初めて天然記念物に指定される見込みとなりました。

 伝統野菜のGI(地理的表示保護制度)に、吉川ナス、谷田部ねぎ、山内かぶらが登録されました。

 「越前がに」は漁の様子をドローンも活用してダイナミックな動画にし、東京都内の大型ビジョンで放映しました。

 11月は「伝統的工芸品月間全国大会」をサンドーム福井で開き、また、この大会の開催に合わせ、サンドーム福井に伝統工芸や地場産業の商品開発や人材育成等を支援する「福井ものづくりキャンパス」を整備しました。

 農林水産業については、九頭竜川下流域のパイプラインが完成し、いよいよここでお米や野菜など新しい農業を展開することになると思います。全国の子どもの教科書に載るような場所にならなければならないだろうと思います。

 このほか、農林水産業ではそれぞれ人材育成のためのカレッジをつくりまして、県内はもとより、県外からも予想以上の人たちに、Iターンという格好で来ていただいて、学び、そして福井の地で農業をやる、水産業や林業に励んでいただくという動きが出始めています。

 福井国体については、改修等の必要な会場が43ありますが、約7割に当たる29の施設が今年度中に完成し、予定どおりに進んでいます。

 成績の問題はかなり難しい課題ですが、岩手国体では18位でありますので、来年の愛媛国体ではぜひ上位の結果を出したいと思っております。競技力の向上については、ジュニアアスリートの養成、「スポジョブふくい」、「ふるさと選手」を活用し、競技力を強化していきます。

 なお、福井しあわせ元気国体・大会については、いわゆる国体と障害者スポーツ大会ができるだけ融合する形の最初の国体にしようと、今から工夫していきます。

 ふるさと教育について、「ふるさと福井の先人100人」を作成しました。学力・体力日本一でありますけれども、福井で学びながら、東京や大阪などに出てしまってなかなか戻らないという人口減少問題もありますので、小さいころから長期的に福井のことを、保護者とともに知ってもらい、福井がどのような地域なのだということを本当に理解していただく必要がございますので、先人のいろいろな業績や考え方を学んでいくためのものです。

 さらには、10月には白川文字学の室(へや)や児童科学館もリニューアルしました。東京ビッグサイトにある日本科学未来館と連携し、そこの映像を放映し、福井に居ながら、宇宙で起こっている気象や人間の活動が一目でわかるようなこともしています。

 最後は、食べきり運動でございます。10月に自治体ネットワークとして初めて、福井が提唱した「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」がつくられ、現在44都道府県、230余りの市区町村が参加しております。おいしいものを適量つくり、残さず食べるという運動を全国の自治体と協力しながら進めたいと思います。

 28年の主な話ということでご報告をいたします。

 私からは以上であります。

 

~質疑~

 

【記者】

 北陸新幹線の今後の展開について、国土交通省は北海道新幹線を優先的に考えているようですが、北陸新幹線を札幌開業の前に開通するということを目標に掲げますと、国の方針転換や国費の相当の増額が必要ですが、今後の戦略についてお考えをお願いします。

 

【知事】

 ルートが決定しましたので、できるだけ早期に事業着手し、完成しなければならないということであります。実務的には国政レベルで財源を確保するということになるわけですが、新幹線の財源というのは大きなスケールの仕組みをつくるという財源づくりです。一年一年どうだという話ではありません。大きなスケールをつくった上で一年一年の話になるわけですし、いわゆる公共事業費の国費の投入もぜひ必要だと思います。年間700億円余の国費というのはJR各社が納めておられる法人税を勘案してつくられたものですが、その基本的なスキームをつくった時期には現在の半分ぐらいの法人税の中でお決めになったわけで、今は2倍を超えていると思いますので財源は確保できるのかななどと思っておりますし、北陸新幹線は非常に利用度が高いので、貸付料をもっともっと確保したり、あるいは年限を延長したり、いろいろな工夫があるのかなと思います。これは国のレベルで早々にお決めいただくことであります。

 実務的にいろいろな調査も要りますけれども、できるところから早く事業を進めるのが大事かなと思います。特にこの11月、12月にかけて関西の知事や市長にもお会いしましたが、むしろもう大阪のほうから始めるとか引っ張るとか、そのようなことが事業の進め方として大事ではないか、ぜひ頑張っていただいて、いつまでも北陸から押していくような調子では東京に負けてしまうというお話をしましたし、北陸3県の意見が完全に一致しましたので、共同して、3県で力を発揮できるのではないかと思います。また、特に今回は、念願の小浜を経由するわけであり、嶺南地域、小浜を中心に皆さんが喜ぶと同時に頑張っていただかなければなりませんので、いろいろな働きかけもしっかりやっていただくというのが大事かなと思います。

 

【記者】

 21日の原子力関係閣僚会議で国が「もんじゅ」については正式な廃炉を決定し、昨日、文部科学大臣も県庁を訪れてこれまでの経緯なども説明されたと思います。閣僚会議の前のもんじゅ関連協議会の後に、知事が記者団に対して廃炉については容認していないという発言をされましたが、現時点でのお考えは変わりがないのか、聞かせていただきたいと思います。

 

【知事】

 特に変わっていません。いろいろなことをきちんとしていただく。しっかりとした体制を整えてやっていただくことを強く要請し、実行していただきたいといったところに力点を置いていただいたほうがいいと思います。

 

【記者】

 知事はこれまで実施主体について、地元の安全安心の観点から納得できるような体制を再三国にも伝えられていますが、その中で機構任せにならないような体制にしてほしい、それを具体化すべきだということも常々言われています。一方で、国は機構を外すことは難しいと主張されていて、知事がおっしゃられている安全安心の体制がどのようなものをイメージされているのか、具体的に教えていただければと思います。

 

【知事】

 これは原子力機構が全員全くいなくて別の人がやるというような意味はないと思いますが、いずれにしても4月までには青写真を描きたいということのようですし、新しいいろいろな廃炉の問題などが入ってきますと、単に商業炉を廃炉にするような話とは全く局面が違いまして、新しい事柄ですよね。経験のないことですから、よほどそうした体制を整えなければなりませんし、また、国がいろいろ言っているお話を伺っていると、原子力機構、また新しい体制はその他のこともおやりになるような目論見も抱いておられるように聞こえますので、そうなるといよいよ国がもっともっと関与した、誰でも安心できるような、なるほどそうだという組織にならないといけないと思います。現状のままでもいけませんし、単なる看板をかけかえるというわけにもいかないということです。

 

【記者】

 そこに機構が入っていようといまいと、しっかりした体制であればそこは問題ないですか。

 

【知事】

 そんな抽象的な話にはならないけれども、原子力機構であるのだとは思いますが、そういう人たちがいるから。しかし、原子力機構そのものは、単に外から監督するとか、評価するとか、チェックするということではいけないと思います。プレーヤーがはっきりしていないと。

 

【記者】

 もんじゅの新しい体制の話で、4月に出てきたものに納得できない場合はさらにより具体的なものを求めていくのですか。

 

【知事】

 そのようなことよりも、文部科学省が今回、廃炉措置に移行するという決定をしたような、唐突に出してくるやり方ではいい体制もつくれないと思いますから、考え方を十分国民の前にも示さないといけないと思いますし、我々にもこういうことで動いているとか、いろいろなことが必要なのではないかなと想像します。これですというような、そのような資料1枚だったら国民は納得しないと思います。

 

【記者】

 もんじゅについて、来年4月を目途に国が体制を示そうとしている中で、知事は早め早めにいろいろと示していくことが大事だとおっしゃられましたが、具体的には例えばまた関連協議会が開かれたりとか、いろいろなレベルでのやりとりがあると思うのですが…。

 

【知事】

 それは並行してあると思います。

 

【記者】

 どのような形を望まれますか。

 

【知事】

 今、両大臣がおられますが、大事なところでは官房といいますか、そういうことも昨日文部科学大臣はそのようなつもりだというお話があったように聞こえましたが、協議の体制も全政府的に責任を持っておやりになる。実際、地元に責任を持ってやりたいということをおっしゃっておられるわけだし、あとはいろいろな議論の詰めを。単なる限られた役所だけでやっているのではなくて、いろいろな専門家の意見も聞かないといけませんし、電力関係の話もあるだろうし、大学の人たちもいるだろうし、様々あると思いますので、これから大事な新しいことをやることですから、体制を整えてやるし、やりがいのあることだなと私は思います、文部科学省として。

 

【記者】

 21日のもんじゅ関連協議会の中で、西川知事は「もんじゅ」について、廃炉の具体的な作業に入るには地元の県の了承がなければ入ることができないということをおっしゃったと思います。確認したいのが、具体的な廃炉の作業というのは何を指すのか。例えば核燃料の抜き取りをイメージすればいいのか、そのあたりはいかがでしょうか。

 

【知事】

 「もんじゅ」についてはいろいろ新しいことがあるから、どこからをいうのか、これからの議論です。普通の商業炉と違って先例がないから。ふっと抜くような簡単なものではないみたいです。安全を第一にしながら、新しい視点というのは、わりと大変だと想像いたします。

 

【記者】

 地元の了承がなければというところで、その了承というのは例えば「もんじゅ」の改造工事や…。

 

【知事】

 あまり手続的な、止めるとか止まるとかそういう議論をしているのではなくて、福井県としてよく協議をしながらやりたいということ。相談しながらやりたいと言っているから、そこが大事なので、何かオール・オア・ナッシングでどうだああだということを言い合う事柄では全くないのです。実体的にきちんとやることが基本にある。もちろんその背景にはいろいろな協定がどうだなどということはあると思いますが、あまりそのような話を前面に出してやるタイプの話では本当はないということです。

 

【記者】

 国の信頼という意味で、信頼が損なわれたと知事は協議会の場でも昨日の文部科学大臣との話の中でもおっしゃっていたと思いますが、来年は軽水炉の再稼働が出てくると思います。知事が再稼働を容認するに当たって、軽水炉と「もんじゅ」の今回の件は別と考えているのか、それとも、軽水炉の再稼働においても国の信頼が知事の中で揺らいでいて、それが軽水炉の再稼働にもかかわってくるのか、もしお考えがあればお聞かせください。

 

【知事】

 大ざっぱな話というか概略の話になるかもしれませんが、福井県の原子力に果たしてきている役割というのは、さっきいろいろ課題が今6つか7つ出ていると言いましたが、量的にも質的にもあらゆる問題を、福井県が抱えてきておりますし、何十年にわたってその役割を果たしてきた。かつ、日本にいろいろな原子力の立地地域がありますが、これほど大都市との結びつきが強くて、日本列島のど真ん中で安全を第一に厳しくやってきている地域はないわけです。そのような地域での原子力の全体に対する国の福井県に対する信頼がなければ我々も十分な信頼感を持って仕事ができないわけですから、これからプルサーマルなどいろいろなことがありますけれども、そのようなものがうまく動くことができなくなる要因になりますから、ここをしっかりやってほしいと国に言っているわけです。これはとりもなおさず国民や、何といっても県民、市民の皆さんがこれをどう受けとめるかという大事なところで、その大もとのベースがないとあらゆる問題は動かないと、その場限りで何かああだこうだとやっている事柄では全くないということを言っているわけです。

 

【記者】

 「もんじゅ」について、今日、原子力規制委員会で文部科学省が規制委員会の勧告に対する回答を出して、今後はもちろん政府のみならず規制委員会としてもあり方が問われてくるかなと思いますが、かねがね新規制基準の高速炉バージョンもつくれという話をおっしゃっていますが、いざ廃炉の段に至って規制委員会に知事として求めたいことはどういうことですか。

 

【知事】

 原子力機構は今の体制で運転を到底できる条件を備えていないということを言っていたと思います。今の運営体制が不十分だから、不満足だから、いわんや運転などあり得ないというようなことですから。ということは、今の状態がそのような状態ということなのですよね。かつ、さっき廃炉のお話をしましたが、単に撤退をして静かにやるという話ではなくて、いろいろな新しいことが出てくるわけですから、そのようなことを今の体制でどれぐらいできるのかということを、規制委員会はもとより、政府としてどんな体制でそれをやっていくのかというのは示さなければならないだろうということですので、それを解決してもらわないといけないだろうと。

 

【記者】

 それは規制委員会としても…。

 

【知事】

 規制委員会の考えももちろん大事だと思います。

 

【記者】

 政府が廃炉の体制を詳しく出してくるとすると、規制委員会としても、その体制が廃炉作業するに値するかということをきちんと評価すべきだと思いますか。

 

【知事】

 どのような手続があるのか、詳しくはわかりませんが、そのようなことが必要だろうと思います。

 

【記者】

 今回の「もんじゅ」問題を受けていろいろな人の反応を見ていると、知事が安全というのにこだわって政府と折衝しているこの姿を見て、少なからずの人が「補助金目当てでしょ」、「最後は金目でしょ」といった言い方をするような反応も多々見受けられます。このような図式になってしまうのはどこかに根本的な問題があるような気がするのですが、どこにこのような原子力の問題があるとお考えですか。

 

【知事】

 今のその図式はよくわからないけれども、無関係だと思います。そのような物とりというような話とは全く無関係だと思います。

 

【記者】

 どこかで曲解されてしまうというのは……。

 

【知事】

 それは、「もんじゅ」に対するいろいろな評価とか原子力のエネルギー政策に対する国民理解が進められていないからだと私は思います。それをしないで、ただあらゆる世の中にある普通の話のように捉える人が若干いるのかもしれませんから、そのようなことかなと思いますね。一部の話を今言われたのかなと思います。そんな話は全くない。

 

【記者】

 今回、政府は「もんじゅ」を廃炉にするとした一方で、「もんじゅ」抜きで高速炉の開発は進めるということを決めているのですが、これについてあまり広く議論をせずに進めたようにも見えます。知事としてどのように受け止められていますか。

 

【知事】

 これも「ASTRID(アストリッド)」がどうだとか、「常陽」であるとか、あるいは「もんじゅ」も何か使うのだというようなことを言っています。わかりにくいですね。1年ぐらいかけてやるというお話のようですが、ここもはっきりさせないといけないと思います。

 

【記者】

 まだはっきりさせる部分がちゃんとあるという…。

 

【知事】

 はっきりしていないですね。あやふや。要するに話がややこしくてわかりにくい、あるいは誤解を生んでいる人もいたりするのは、何十年も放っておいて十分な対応をせず、そして突然こうだというようなことを地元に持ってくると、そのようないろいろなこと、それから、将来の方向もあやふやだということに主な原因があると思いますね。

 

【記者】

 エネルギー研究開発拠点化計画を県と一緒に進める、また、「もんじゅ」内の試験用研究炉を設けると国は言っていますが、それに対してどのように評価されていますか。

 

【知事】

 まだそのようなレベルの話ではないですね。拠点化計画というのはこれまでずっと進めているし、その中に一部、「もんじゅ」の役割はありますが、拠点化計画というのは原子力などエネルギー関連の技術や研究についてどう進めるか、それから、人材育成をどう進めるかというのがメインですので、その大きな流れは大事だと思いますが。

 

【記者】

 「もんじゅ」が廃炉になったことは地元への影響があるので、地域振興をいつの時点かでは固めるべきだと思いますが、その進め方というのはどのようになってくるのでしょうか。

 

【知事】

 それは国がいろいろお考えになるところではないのですか。我々は拠点化計画はしっかり進めますが、地域振興というのはどのレベルの話なのか。

 

【記者】

 昨日、敦賀市長が文部科学大臣と面談したときに、ハーモニアスポリス構想に絡んで、滋賀県の高島市と敦賀市をつなぐトンネルを整備したいという、より具体的な要望を伝えているのですが、それはいわゆる地域振興策になるのだというように評価できると認識しています。知事のお考えはいかがですか。

 

【知事】

 敦賀市とよく連携しなければなりませんが、敦賀市長の話はかなり地域振興に近い話には聞こえますけれども、ただ、県全体としては今そのような段階の話ではありません。敦賀市がそのようなことをお考えだというのは大事なことかとは思っております。

 

【記者】

 「もんじゅ」関連で、昨日も大臣に内閣官房の関与等を求めているようなところもありましたが、内閣官房というのは、今後4月にも廃炉体制計画をまとめるという中で、重要な局面では菅官房長官との協議も求めるというお考えというところではないのでしょうか。

 

【知事】

 これはまた国でいろいろお考えになってからのことです。

 

【記者】

 現時点でのお考えとして…。

 

【知事】

 そのように投げて、そのように受け止められている段階で。

 

【記者】

 エネルギー研究開発拠点化計画について、予算はある程度継続でついているのですが、新年度の推進方針がまだ出ていないので、それを拠点化の予算と呼んでいいのかというそもそもの議論があったりします。推進方針というのはいつごろまでに策定して…。

 

【知事】

 これはまだちょっと国のいろいろな考え方が出ないといけないでしょうね。継続的にやれるものももちろんあるでしょうし、やれないものもあるでしょうから、これをこれから検討していかないといけないのでしょう。

 

【記者】

 そうなると、運営体制が4月までにという話になると、そこから、拠点化の推進方針…。

 

【知事】

 拠点化計画はずっと継続しているものもありますからある程度できると思いますけれども、新しいことをどうするかということは、いろいろなことが決まるとまた新しいことができるであろうと。

 

【記者】

 年度内には1回推進会議を開きたいという思いですか。

 

【知事】

 どうかな。ちょっと状況を見ないといけません。

 

【記者】

 先ほどの不信感というキーワードの話に戻るのですが、今、国がこういう姿勢でやってくると、地元に唐突に一方的に答えを持ってくるというような段階で、先ほど知事は7つ原子力で課題がいろいろあるとおっしゃいました。いわゆる原子力政策にこういう体制でやられると影響が出るというお考えだということでしょうか。

 

【知事】

 いろいろな影響が出ますので、国は、そういうことがなくなるようにしなければならないということです。

 

【記者】

 そうすると、国がきちんとした姿勢を示せば知事としては原子力政策に協力していくという思いだということですか。

 

【知事】

 裏表の話をされるといけないけれども、まずそちらをきちんとしていただかないといけないということを言っているということです。

 

【記者】

 新幹線について、先ほど知事の言葉の中に関西から引っ張ることが大事であるということがあったのですが、同盟会の中には大阪と京都が入っていると思います。それとは別に何か具体的に…。

 

【知事】

 それは彼らが考える話だろうということですね。大きなパワーを持っているのだから。人口も多いし、経済界も大きいし、政治的にも力があるはずですから、みずからの問題として大阪あるいは京都の復権のために頑張ってほしいということですね。

 

【記者】

 滋賀県や京都府が地元負担について異論を唱えていますが、整備新幹線は国家プロジェクトであるのでそのような考え方というのはどうなのかなという思いもします。その点について知事のお考えはいかがですか。

 

【知事】

 東京から信州、北陸を通って関西へ行くわけだから、それを関西が、あれぐらいのパワーを持った地域がどう受け止めるかということなのではないですか。北陸はきちんと負担をしてきているわけだから。

 

【記者】

 滋賀県知事が、湖西線が並行在来線になるというのは認められないということもおっしゃっているのですけれども。

 

【知事】

 それは滋賀県の考えをどう受け止めるかで、私がそれをどうだという話にはならないです。

 

【記者】

関西がもっと頑張っていただかなければいけないということで、今までは北陸新幹線というのが関西にとって大きい関心だったのですが、リニアが通ることになると関西の関心はそちらに移行してしまうのではないかという不安があります。そのあたりについてはどうお考えですか。

 

【知事】

 それは早い形で進まないようにしないといけないということです。要するに、リニアはこれから10年余り後に名古屋開業でしょう。それから、20年余り後が大阪開業。それは可能かどうか知りませんが。札幌が15年後で、我々は札幌よりも早くと言っていますから、ちょうど名古屋と札幌の間ぐらいになるわけです。北陸新幹線もできないようではリニアだってできないのではないですか。

 

【記者】

 そうさせないようにしなくてはいけない。

 

【知事】

 そうですね。はい。

 

【記者】

 新幹線の関係で今、基本計画路線の話が話題として出てきています。次に整備計画化すべき路線として知事はどの路線が格上げされるべきだとお考えですか。

 

【知事】

 まだかなり遠い話、遠いというか、また新しい話ですね。いずれにしても名古屋へのルートはどんな方法があるかは知りませんが、北陸3県がこぞって考えているのは、あそこの便益や快速性を高めないといけないということであり、そこは強い関心を持っているということです。

 

【記者】

 北陸・中京新幹線がそれに当てはまるのではないかなと思うのですが、知事もそのようなお考えでしょうか。

 

【知事】

 言葉がまた難しいのだけれども、この年末の段階ではそのようなことはちょっと置いておいて。

 

【記者】

 北陸と中京のアクセスを向上させるために、福井県として何かお考えはありますか。

 

【知事】

 いろいろ北陸3県で考えていかないといけないということです。今言ったような言葉に大体代表されると思います。

 

【記者】

 知事は次のステップを大きく踏み出した年というように今年を振り返られましたが、来年はどういう年にしたいですか。

 

【知事】

 年が改まってから申し上げます。こたつに入って、雪が降ったら雪なども眺めながら、また発表させていただきますので。

 

【記者】

 わかりました。

 

【知事】

 来年もよろしくお願いします。

―― 了 ――

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)