知事記者会見の概要(平成17年7月22日(金))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002782

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平成17年7月22日(金)
10:30~11:25
県庁 特別会議室

記者会見
 

 

【司会】

 おはようございます。

 それでは、ただいまから、7月の知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 初めに、知事のほうから発表事項がございますので、よろしくお願いいたします。

【知事】

 初めに、きょうは何点ございますかね、約10項目ぐらいありますので。ちょっとまとめて。

 1つは、国民保護計画であります。

 国民保護計画の閣議決定でありまして、これまで県においては、国民保護計画の作成について国と協議を進めてまいりましたが、本日、全国で最初に国民保護計画として、閣議決定により福井県の計画が正式な計画となりました。本県では、過去に拉致問題、不審船事件等ございますし、また何といっても、原子力発電所が集中立地するということで、こうした問題に対する県民の関心が高いということであります。

 県では、法律施行前の昨年7月に準備会を設置いたしまして、関係機関が参加をいたしまして、計画を公表しました。昨年末に計画を公表しているところでございます。そして、国の基本指針が本年3月に確定いたしましたので、正式に、今年の4月に、福井県国民保護協議会を開催し、諮問案どおりの答申を受けまして、直ちに内閣官房や消防庁などとの協議を開始しましたが、大分時間が途中かかっているようでございますが、このほど国との協議が整い、本日、閣議決定ということでございまして、これによりまして正式な計画になりましたので、この計画をもとに県民の安全の問題、また安心につながる保護計画になるように努めてまいりたいと思います。

 これから、どんなことが起こるかということでございますが、国民保護計画は、昨年来、何回かシンポジウムなども県内で行ったり、関係者もお呼びしたりして広報に努めておりますが、何といっても広報・啓発というのは重要でありますし、これから、早期に市町村の計画が作成できるように応援をしていく必要があります。モデル計画というのをつくりまして、応援をする必要があると思いますし、また県自体も、より細かいマニュアルのようなものもさらに加える必要があると、このように思います。

 何といっても、国民保護計画といいますか、こういう計画が考えておるいろいろな災害というのは、通常は起こらないわけでありますし、起こっちゃいかんことでありますし、これまでも起こったことがないわけでありますので、訓練を通じていろいろな問題点を把握する方法が一番いい方法かなということでありまして、この11月に国と合同で実動訓練、実際に動く訓練ということでありますが、住民の皆さんに参加していただくという意味がその中に入っておりますけれども、それを福井県で実施したいと思っておりまして、先日、石川県知事との懇談や、中部圏の知事会議で申し上げましたが、他の県も参考のためにといいましょうか、参加をしていただく方法もありますし、見学をしていただく方法もあると思いますので、そういう呼びかけを今のところ行っております。

 次に、エネルギー研究開発拠点化のための推進組織の設置であります。

 きょうは22日でありますから、2日後になりますが、24日、今月でありますが、若狭湾エネルギー研究センターにエネルギー研究開発拠点化計画の推進組織を設置いたします。組織には、所長以下3つのチームを設けます。1つは産学官連携、2つ目に技術支援・相談、3つ目は人材育成・交流でありまして、総員13名でありまして、組織の所長は、エネルギー研究開発計画を担当しております総合政策部の来馬企画幹を充てることになります。

 なお、電力事業者などにおきましても、この計画を推進するために、それぞれ独自に体制を整備することになっておりまして、国をはじめ、産業界、電力事業者、大学、研究機関、関係機関と一体としてこの計画を進めてまいりたいと、このように思うものであります。

 関西電力などの本部移転をこちらに――あれはいつでしたっけ、間もなくでしたっけ。25日か。25日ですから1日後になりますが、もちろん電力の推進本部、拠点本部でありますが、こうしたエネルギー研究開発組織の応援といいますか、当然、事業者の組織の中に入ることになると思います。この中の組織ではなくて、ここにも参加しますが、事業者としても行うということになると思います。

 なお、24日には開所式ということでありますので、国のほうからは、最近ご就任になりました文部科学省の研究開発局長であります森口さん、それから、エネルギー庁次長の細野さんがお見えになる予定になっております。

 なお、この問題の説明は、きょうの午後1時に、これは副知事から説明しますか。

【飯島副知事】

 私が、はい。

【知事】

 飯島副知事が午後にもっと詳しくご説明しますので、さらにお聞きを願いたいと思っております。

 それでは、3点目でありますが、この3月に「ふくい2030年の姿」というレポートをつくったということはご記憶にあるかと思いますが、来月、8月22日に国の内閣府との共催によりまして、「2030年の日本と福井を考える県民フォーラム」というのを開催いたします。その際、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)の竹中平蔵大臣もお招きして開催をしたいと思っております。

 ご承知のとおり、昨年4月から県庁の若手職員がこの問題についていろいろレポートをつくり、3月には「2030年の姿」ということになったのでありますが、国においても、構造改革の実現によって日本がどうなるかということでありまして、4月19日に経済財政諮問会議において「日本21世紀ビジョン」が公表されたところでございまして、それぞれ、ほぼ同じようなタイミングで物事ができているわけでございまして、いろいろレポートを見ますと、問題意識も共通的なものがございます。もちろん、国と県ということで範囲も違いますし、局面も違う場合もありますが、根っこには多くの共通点がございますので、ぜひ福井でそういうことをしようということで、内閣府もそういうお考えを持っておりますので、ご一緒にやりたいと思います。今のところ、8月22日の午後、福井商工会議所で行うという予定をしております。

 なお、当日、竹中さんの講演の後にパネルディスカッションを行う予定にしておりまして、いわゆる21世紀ビジョンの委員の人もお見えになるかもしれませんが、ちょっとまだ不確定なところがありますけど、一応そういう予定です。

 それでは、4点目でありますが、次に、先日、記者発表いたしました例の由利公正の五箇条の御誓文の件であります。

 例の五箇条の御誓文の草稿を取得したということで、これを記念して県立図書館等で特別展を開催しまして、県民にまず1回、皆さんに公開をしたいというふうに思っておるわけであります。開示といいますか、まず県立図書館で8月12日から9月4日まで、ちょうどお盆前から夏休み中の開示になりますが、県立図書館で。それから、9月10日から9月末ぐらいまでを若狭図書学習センターで公開する格好になると思います。

 この開催に当たりましては、木戸孝允加筆版――この版はどこにありましたかね。木戸さんのは御所のほうにありましたな。御所の御文庫だったか、入れ違っているかもしれませんが。それから、有栖川宮が揮毫されましたもの、これは宮内庁の……。後で確かめますので。それの複製ですね。五箇条の御誓文の草稿は本物ですが、あとのほうは複製ということで、いろいろ変遷がわかるように展示するとともに、幕末に活躍した偉人たちのいろんな書簡とか肖像写真、由利公正の伝記なども展示して、前々から言っております、郷土の先人たちが近代日本をつくった意欲とか気概をいろんな方に感じ取っていただきたいと、このように思います。木戸孝允筆のものは本体は宮内庁書陵部というところにありますし、それから、有栖川宮幟仁親王揮毫は京都御所東山御文庫というところにあるということであります。

 なお、特別展示後は、いろいろ品物は、いつも展示するというのはなかなか、損傷とかいろんな問題がありますので、技術的には一定の期間に限られるようでありまして、複製のものを常時、それ以外のときは展示し、また折に応じて原本を展示すると、こういうスタイルになると思います。

 なお、学校教育での活用については、小中学校の授業に活用できるよう、五箇条の御誓文の複製品とか、あるいは副読本を学校の授業で直接見れるように何か工夫をしてまいらなければならないと、このように教育委員会は考えております。現在、小学校では6年生、中学校では2年生のときに大体習うようであります。

 次に、5点目でありますが、原子力安全基盤機構の福井事務所の設置であります。

 県におきましては、美浜発電所の3号機の事故を受けまして、原子力発電所が拠点的に立地する地域の安全規制強化の要請をしてまいりました。昨年12月に中川経済産業大臣が県にお見えになった折に、現場の安全規制をより効果的にするために、安全基盤機構の事務所を福井に設置することを考えているという旨の表明があったところでありますが、その後いろんな検討が進められまして、今年の10月1日、敦賀市に開設するということになるという連絡がございました。

 なお、詳細については、近日中でありますが、まあ、今月中だと思いますけれども、今度はその機構の理事長である成合理事長から説明を受ける予定になっております。

 それから、6点目でありますが、日本道路公団の事務所の開設でありまして、日本道路公団は民営化をするわけでありますけれども、現在の区分は、小浜までが西、小浜から敦賀の部分は中日本になりますので、所管が一部分かれることになりまして、特に小浜の部分について、これまで敦賀工事事務所が所管しておりましたが、用地取得とかいろんなことがございますので、今度、福知山管理事務所という事務所に所属をし、そして、小浜分室というのをつくると、こういう所管の話でありまして、そういうことで、分担をはっきりしてやると。できるだけ地元でいろんなことをしてもらわなければならないということで、この小浜分室の誘致を図ったものでありまして、そういうことで、その対応をしていただいたことになりますから、今度は力を合わせて用地買収などに努めると、こういうことになります。

 7点目でありますが、県立大学ビジネススクールの開設であります。

 県では、マニフェストにも書いてあるわけですが、平成18年4月の開設を目指して、県立大学へのビジネススクール設置の準備を進めておりましたけれども、今回、文部科学省とビジネススクールの設置届出に向けての協議が大体整いまして、8月上旬に届出書を出すことになります。そして、来年度の募集が行われることになります。

 なお、このビジネススクールの概要、募集等については、本日午後に県立大学のほうから、記者会見といいますか、そういうことでご説明いたしますので、その際に、恐縮ですが、あわせてお聞き願いたいと、このように思います。

 8点目でありますが、足羽川の災害復旧、激特事業という事業です。

 いわゆる激甚災害対策特別緊急事業、略して激特事業の問題でありますが、今月25日から川床、河床の掘削を行い、8月上旬から土砂の搬出を行う予定になっております。河床掘削を行いますと、河川水の汚濁の問題とか、いろいろ土砂の運搬などの問題もございますので、そうしたことができるだけないように、環境対策を行いながら順次進めます。

 下流、川の下のほうから行うものでありまして、桜橋付近から下流区間については、この冬の間までに川の左岸、南側の掘削を終え、引き続き、右岸、北側の掘削に着手し、18年度、来年度中に終了するという予定になります。

 桜橋から上流につきましては、橋の架け替えがございますので、平成20年度までに順次掘削を終了するということになります。

 今の橋の問題ですが、1つは、泉橋については、7月22日、きょうのことになりますが、仮歩道橋の移設工事に着手いたします。それから、その後、8月24日には現在の橋の取り壊し工事を行います。

 次に、木田橋については、この秋から新しい橋の下部工に着手するという計画であります。そして、こういうものとあわせて、河床の掘削を行うということになると思います。

 9点目でありますが、少子化対策であります。

 ともしますと、仕事中心ということで、お父さん、お母さん、いろいろありますけれども、父親の家事・育児の参加というのはなかなか大変だということで、今年度から父親の子育て応援をする企業についていろいろ調査をし、そういう企業について応援し、また表彰もするという事業を7月20日から募集を開始しております。現在、企業訪問、またいろいろな応援の制度、その説明会を通じて働きかけているところでございます。募集は9月20日までとなっておりまして、企業の皆さんの積極的な応募を期待いたしておりますので、また応募のほう、皆様方にはいろいろな情報もあるかと思いますが、いろんなことを通じまして、そうした機運を盛り上げていただければありがたいと思います。

 それから、子育てマイスターという制度を今回つくったわけでありますが、地域においていろんな資格を持っておられる方が子育てのボランティアとして活躍していただく子育てマイスターについては、5月から募集を行っております。目標200名ということで、予算や計画を立てておりますが、これを上回って355名の方から応募をいただいております。これは7月21日現在であります。

 大勢の応募をいただいたことは、自分たちが社会全体で子育ての応援をしようというお気持の方が非常に多いということかと推察をいたしておりまして、こうした方に登録いただきまして、児童館、公民館など、身近な場所で子育て中のお母さんたちなどに、いろんな相談や応援、話し相手等々をしていただくことになっております。我々も、こうした子育てのお母さん、お父さん、マイスターの皆さんをしっかり支えていくいろんな継続的な努力が必要でありますので、そういう意識を持ってしっかり仕事をやらなければならないと考えております。

 最後でありますが、きょう、新聞に、嶺南地域でありましたか、コウノトリというのが飛来したのか、見かけたという状態でありました。あれは若狭町でしたか、そういうことでありますが、コウノトリ「武生」、兵庫県立コウノトリの郷で34年間飼育をしていただいていたところでありますが、先月20日に天命まっとうということで亡くなったわけでありますが、コウノトリ「武生」については、昭和45年に武生市白山地区に飛来し、保護されるまで3カ月間、地元の住民や白山小学校の5年生が中心となっていろいろな世話をしたということで、当時、大きな話題になりましたけれども、県では6月25日、先月でありますが、コウノトリ「武生」の保護に携わった方などとともに、兵庫県立コウノトリの郷公園を訪れまして、できればコウノトリ「武生」が福井へ戻ってもらうといいますか、一時的に戻ってもらうということでいろいろ要請をしておりましたが、今回、そういうことをやろうということで、県のほうからの了解が得られましたので、そのいろんな準備や相談をしたいと思います。今後、時期は未定でありますけれども、武生市とか地元の白山地区の意向を踏まえながら、兵庫県と相談をしてまいりたいと考えます。

 現在、兵庫県立コウノトリの郷公園では、コウノトリ「武生」の剥製の作業に取りかかっておりまして、10月の初めごろには完成をするといいますか、こういうことのようでありますので、そういう時期がいいのかなと思います。

 勝山で恐竜博をやっておりますが、ちょうど鳥の前といいますか、翼のようなものを持った恐竜の展覧会をやっておりますので、豊岡とかあの辺の子供たちにああいうものをこちらで逆に見てもらうといいのかななんて、今ふと思いましたので、この場で申し上げたところであります。うまく時期が合わないと難しいですが、合うといいかなと思っております。

 以上であります。

【司会】

 それでは、質疑に移りたいと思います。

 まず、幹事社のほうから質問をしていただきまして、その後、適宜、各社からお願いをいたします。

 では、幹事社からまずお願いします。

【記者】

 幹事社から3点ばかりお聞きします。

 最初の国民保護計画、閣議決定についてなんですが、去年の7月に準備会立ち上げということで、ほぼ1年経過でようやくということなんですが、全国に先駆けてということを当初から打ち出されて、早目早目に準備を進めてこられたんですが、ここまで時間がかかったという部分があるのかなと……。

【知事】

 ちょっとお待たせになりましたね。

【記者】

 鳥取と同着ということで……。

【知事】

 そうみたいですね。

【記者】

 率直なご感想を伺えればと思います。

【知事】

 もう少し早くやっていただくとありがたかったんですが、いろいろ都合もあったのかなと、あまりその辺の事情は深く詮索はいたしておりませんが。

 ただ、計画自体は、中身としてはもう備わっておりましたので、万が一、何かありましても、正式な計画ではないけれども、それに基づいていろいろ対応もできたと思いますし、我々が早目に、昨年中につくってあったということは、他の県がいろいろ計画をつくる参考にもなりましたし、また、国が計画をつくる前にいろんな提言もいたしましたので、現在の国のガイドラインといいますか、指針にもその中身が幾つか生きていますので、それはそれとして、いいのかなと思います。

【記者】

 もう一つ、その関連で、県の細かいマニュアルも加える必要があるという話が今ありましたが、その辺をもう少し、見通しといいますか、中身的な話も含めて……。

【知事】

 これは、国民保護計画の中に、マニュアルに書くべきところはすべて明示がしてありますので、それをさらに具体化しなければならないと思いますから、できるだけ早くつくり、今もほぼできているものもあると思いますし、付録みたいにして、順番に加えていくという格好になっています。

【記者】

 完成の目途とかは特に……。

【知事】

 手元にないんだけど、何かありますかね。後ほど、中身がございましたら、付加的に説明をいたすようにいたします。

【記者】

 もう1点、原子力安全基盤機構の事務所の話なんですが、今月中に理事長が来県されて説明を伺うという話でしたが、今月中というのは、これは来週ということでしょうか。この週末ということもあり得るという話か、日程はどの程度……。

【知事】

 きょうは22日ですね。普通は来週になるんじゃないかと思いますね。来週じゃないかと思います。先方さんのいろんなご都合があると思います。今月中だと思いますから、来週ではないかなと思います。できるだけ早くお伝えできるようにします。わかりました。

【記者】

 あと1点なんですけれども、美浜3号機の事故から間もなく1年になるんですけれども、安全対策への感想と、再開に向けた目処というか、再開に向けてどういうふうな手順が必要かというのをお聞きしたいんですけども。

【知事】

 関西電力自体のいろんな取り組みの状況もございますし、それから高経年化のレポートも、あれは8月でしたか、出る予定でありますので、そうした中身をいろいろ見ながら、また捜査などのいろんな状況もあるんでしょうか、そういうことを総合的に判断して、もちろん事業者や国もいろんな議論をしていると思いますが、そういうものがまだ残っているように思います。

【記者】

 捜査というのは、判断の一つになるんですか。

【知事】

 そこは直接ということではないですが、どんな状況か、まだあまり様子がわかりませんので、と思って申し上げました。

【記者】

 じゃ、各社、お願いします。

【記者】

 県教委が8月に予定している夏季講習に関してなんですけれども、知事のマニフェストに沿う形での実施を予定しているということなんですけれども、もう一度、知事にマニフェストの、高校生の全国10位というのがありましたが、これについてどう考えるかお聞きしたいという意味で、3月にうちの記者が記者会見で尋ねたときに、象徴的な数字ということでシンボリックという言葉を使っていらっしゃいますが、マニフェストということで、検証する際には、シンボリックな話はできないと思うんです。例えばセンター試験だとか、ある程度の指標を示してやるべきだと思いますので、その辺のことをどう考えているかというのを具体的にお尋ねしたいということであります。

 きのう、マニフェストの中間評価委員会は、今、便宜上、県教委はセンター試験の5教科の平均点というのを基本として出していたと思うんですが、それではちょっと狭いんじゃないか、もっとこういう点が必要なんじゃないかということで、できれば具体的に答えていただければと思うんですけども。

【知事】

 マニフェストはすべてのものを網羅的に指標化はできませんし、この前も申し上げましたのは、シンボリックというか、象徴的な山の姿みたいな感じに、極端に言いますとなりますけれども、ただ、それはそれとして、学力の問題を向上させるという大きな目的がございますから、これはもちろん高等学校だけじゃなくて、小学校、中学校からの議論でありまして、これを総合的にやる必要があるだろうということなんですね。

 教育委員会が具体的にどういうような事柄をこの夏におやりになるのかというのはまだ十分聞いておりませんけれども、できるだけこうした機会に平生できないようなことをやろうというお考えかと推察はいたしますが、できるだけ効果の上がるような方法がいいと思いますね。

 単なる受験勉強に物事が終わってはいけませんので、学習全体の学力といいますか、それをいかに実質的に高めていくかという、そういうことを夏休みにできるのであれば、そういうことをやるというのは教育委員会の1つの考え方かなと思っておりますが。

【記者】

 具体的に学力といった場合に、例えば、こういう指標が大事なんじゃないかというのは知事にはあるんでしょうか。

【知事】

 学力はなかなか難しいですね。一筋では表現できないと思います。いろんな学力がありますし、いろんなレベルで、小・中・高とありますし、さらにはどういう人たちのどのレベルの学力かというのもいろいろありますけども、それから英語の学力もありましょうし、全体の普通の科目の学力もあるでしょうしですね。ですから、そういうものを総合的に教育の場で向上させるということが必要だというのは、基本的な精神であると私は思っております。もちろんスポーツなんかで、甲子園とか、いろんなことで、今、試合、予選というのか、いろいろやっておりまして、いろんな学校が切磋琢磨するということがそこにあらわれる。いろんな学習の場でも、いろんな学校が皆集まって、これまで習ったことのないような先生に習うとか、そういうことは非常に刺激が生じていいのかなと、一般的には思いますけれども。

【記者】

 教育委員会が実施を今検討しているということなんですけども、期日は8月4日からということなんですが、まだ、主催がどこでやるかだとか、内容についても検討中ということで、生徒のほうにはその内容とか、実施の計画とかのビラというか、そういうのがまだ渡っていない状態ということで、すごく混乱していると思うんですね、8月4日からということで。

【知事】

 教育委員会にちょっとお聞き願ったほうがいいのかなと。私は直接どのレベルで具体的にはどうするのかと聞いておりませんので、今の段階では。一般論として、夏の時期のいろんなそういう問題、あるいは学校間の問題、それから、学習全体の方法論といいますか、そういうことについて今申し述べたということです。

【記者】

 関電さんが25日に原子力事業本部をこちらに移転されますけども、今回示された最終的な体制というのは、70人ぐらいを大阪から移されたりとか、こちらに、福井に39人を置かれるというような形で、知事のほうにもご報告がいかれていると思うんですけれども、率直にどう評価をされているのかお伺いできれば。

【知事】

 福井の地に軸足を置いて、いろいろな判断をし、原子力のいろんな管理をするということでございますから、望ましいことであると考えております。何と言ってもこれから社員の方が地域に溶け込んでもらって、ほんとうの意味で原子力発電をしている地域のことをわかり、地域の事業なんだということを考えてもらって仕事をするというのは非常に大事なことでありますから、これからそういう地域へのいろんな溶け込みといいますか、こういうことを重視してほしいと思います。本部もこちらへ置き、気持ちもこちらにちゃんとあり、生活もこちらにあるんだというような、そういう方向を目指してほしいと思います。

【記者】

 改めてという形になるんですけれども、そのあたり、今まで関電さんと福井県の関係というのはどうだったのか。地域とのあり方ですね。やっぱり異動で福井に来て単身赴任でというようなケースなんかも多かったと思うんですけれども、そのあたりの福井としての物足りなさというのか、あるいは、不足している点といいますか、事業者さんとの連携とかの中でですね……。

【知事】

 いろんなご都合もあると思いますけれども、本部をこちらに置いて、そして、地域に根差した企業の経営をやろうということでありましょうから、これから具体的にいろんなことをお進め願えるんじゃないかと、このように思います。

【記者】

 建築設計監理協会の問題についてお聞きしたいんですけども、今月、7月1日の予算特別委員会の中で議員の方が質問されまして、知事も答弁の中で、一度見てみたいということをおっしゃっていたと思うんですけども、その後、ご覧になられたかどうかも含めまして、建築設計監理協会の問題について、どういうふうにお考えになられているのか、教えていただきたいんですが。

【知事】

 議会でのご質問もありましたので、主に土木が中心でありますが、他のいろんな入札とか、そういうものにも関係しますけども、今、検討を進めているところでありますので、その経過といいますか、そういうものを見た上で、何が問題なのか、何が問題でないのかとか、要するに、議会でいろいろご質問なりご指摘があったことは、すべて県としてそれを受けとめて検討して、その結果はこうであったということを報告するような基本的な姿勢でおりますから、その中で対応したいと思います。

【記者】

 福田部長は、その答弁の中で、独占禁止法には当たらないと思っているとおっしゃったと思うんですけども、知事もやっぱりそれは独占禁止法には当たらないというふうにお考えなんでしょうか。それとも、今まだ調査中なので、まだそこまではわからないということなんでしょうか。

【知事】

 中身を、急におっしゃられましたので、もちろん法的な議論はないと思いますけれども、事実をよく調べて対応するということになると思いますね。

【記者】

 1点だけ。県議会議事堂の耐震工事についても建築設計監理協会に何か委託されているみたいに聞いたんですが、それについてはどうするかということもまだ今の段階ではわからないですか。検討……。

【飯島副知事】

 今のところ、そういうことが決まっているとは聞いておりません。

【記者】

 美浜の事故の関連に戻るんですけども、事故から1年余り、関西電力のほうは行動計画をまとめて取り組みをしてきましたけども、この再発防止に当たる関西電力の取組みというのは、現時点で知事はどう評価されていますか。

【知事】

 一つ一つお取り組みだと思いますが、要は、いろいろなものが実効性が上がらなければいけませんよね。先日もいろんな検出器の管理がいろいろあったというようなことがございましたが、やはりこれからの問題、また、日々の安全対策、そういうものをしっかり進めなければいろんな議論は進まないと思いますから、今、行動計画とかいろんなお考えを示していますから、それが時間の経過の中で一つ一つ、しっかり頑張っているんだということを国民の目にわかってもらえるような実績を、また、実績の方向付けをしていただかなければならないと、このように考えます。

【記者】

 まだその上では……。

【知事】

 また、高経年化対策などのいろんな基本的なシステムもいろいろこれから出ますから、いろんなものを見ながらこれからの対応が要ると思います。

【知事】

 今のお話に関連するんですけども、今、もう1年経つということで、関電さんはいろいろ安全の石碑を建てるとかいろんなことを考えているみたいなんですが、県として、その一連の1つの区切りとして何か考えていらっしゃるのかということと、ここまで県が国に対していろいろ要望もしてきたし、国もいろいろ対応してきたと思うんですが、その辺、今の国の対応の状況をどう考えられているか。

 それと、今、県としても、事故を受けていろいろな体制を変えたと思うんですが、今後、原子力行政というのは、この事故によって県の役割というのは変わるのかということをちょっとお聞きしたいんですけど。

【知事】

 今回、こうした問題は、基本的に高経年化の議論に起因しているんじゃないかということがありましたので、その問題提起をし、また、国もそのことの問題について意識を共通にされまして、委員会をつくり、また、地元でもいろんな委員会も行うということで、それはしっかり進めていただいていると思いますが、問題は、単に原子力発電所を長持ちさせて使うんだという意味じゃなくて、日々、原子力発電所が高経年化の中で安全がしっかり確保されるというのが一番の目的ですから、そういうことが今回のレポートなどではっきりしなければならないというふうにまず思っています。

 それから、事業者自身も、いろいろな拠点をこちらに置いて、仕事をこれからまさに始めようとしていると。我々も、何かあった場合に、原子力の停止などについて安全協定の改定をし、要請をすると。いろんなシステムは一つ一つ、今回の事故を契機に出ておりますから、そうしたことを受けて、全体として、これからどう判断するかと、こういうことだろうと思います。

【記者】

 例えば1年で何かやられるのか、県としてやるようなことというのは別に……。

【知事】

 安全の問題は、別に1年がどうだということではなくて、それは1年を経過したということですよね。ですから、物事が速く進めば速く進むし、物事ができなければなかなか進まないということになると思います。

【記者】

 足羽川ダムの問題なんですけれども、19日にあった流域委員会で、春に行われた住民説明会で、美山本川でも、もう一度ダムがあり得るのかどうか考えてみるというような意見が一部出たことをとらまえて、委員さんから、もう一遍考えてみたらどうかという意見が出て、国交省なんかは、もう一度足羽川本川で整備があり得るのかどうか再検討してみるというような空気もあるんですけれども、そうなると、時計の針がかなりぐるぐるぐるっと何回転も過去にさかのぼるようなことになると思うんですけども、県として、そういうような意見が出ていることをどういうふうにとらえられているのか、お聞きしたいんですが。

【知事】

 前回の九頭竜川流域委員会において、住民の意見を踏まえまして、今回、昨年、福井豪雨がありましたので、住民の皆さんの気持ちが変化しているというようなことがあるかもしれませんし、また、利水ということがなくなりましたので、ダムの計画が変わってきたというような、いろんな事柄があると思いますが、そういうことで、いま一度、現在の計画の場所を含めて妥当性を整理、確認する必要があるだろうという意見が出されたとは聞いておるんですが、以前の旧計画を含めて、一からダム計画の妥当性を議論し直すものではないという方針であるというふうには一応聞いております。そういう状況です。

【記者】

 先ほどのコウノトリの話、今、タイミングがいいということでお話がありましたけど、これは、10月中旬以降に、武生のほうに戻るというようなことで、今はもう武生ともお話はされているんですか。

【知事】

 はい、そういうことです。

【記者】

 10月中旬以降ということですね。

【知事】

 時期はまだ不明ですが、まず剥製ができないといかんですから、それが10月の初め頃には完成するという予定です。それから後になると思います。

【記者】

 国民保護計画なんですけども、今後、住民への周知、それと、市町村レベルの計画への落とし込みなどが課題になるかと思うんですけれども、そのあたり、今後の課題みたいなところでの知事のご見解などは。

【知事】

 先ほど申し上げましたように、ご指摘もございましたが、国民といいますか、県民への周知徹底も限りがいろいろありまして、これまで以上に計画が確定しましたので、個別具体に、あるいはいろいろな問題について議論してもらう必要があると思います。

 それから、先ほどは申し上げませんでしたが、何といってもその前提に、国の安全とか、国民の生命や身体をしっかり守っていくというための国の外交的努力というのが大前提にありまして、国民保護計画にもそう書いてあるんです、県の基本的な考え方として。そういうようなことも、県民にわかってもらう際の前提にしなければならないと思いますし、それから、県はもちろんですが、さらに市町村レベルの計画を全市町村がつくらなければなりません。今、市町村合併とかいろんなことが行われておりまして市町村も大変なんですが、これはつくっていただく必要がありますので、個別具体的に相談したり、ある意味では指導をすると、こういうことが重要かなと、このように思います。

 それから、こういう事態は他の災害と違って通常は現実に想定されておりませんから、なかなか実際の物事によって経験が踏まれませんから、これは、日本で最初に福井県で原子力に関連して訓練をするということを国と一緒にやると、そういうことで、そこでまた問題ができれば、今の計画を見直していくと、そういう基本的な姿勢ということなんです。

【記者】

 その11月の実動訓練までの課題があるとすれば……。

【知事】

 その準備をせんなならん、相当な準備が要るんです。どういう被害想定で行うか、どの範囲でやるかですね。非常に課題が多くて大変な作業ですし、作業だけやなくて、実際、訓練をやらなあかんですから、その仕事に、これからかなり労力をそこへとられると思いますから、その中でいろいろ今の計画の、文章として書いたものについてですね、ここはやはり違うやないかとか、いろんなことが起こってくると思いますね。そこで、その段階でも1回直せますし、1回訓練をしてもまた見直しができると思います。

 これはまだ計画をつくっていない他の都道府県の参考にもなるだろうと、このように考えます。他の県も今、おそらく今年度中にはおつくりになるのかなと思いますけれど、その際にはお使いいただければいいわけですから。かつ、見学とか視察もしてほしいと。場合によっては、近県の場合には参加をしてもらおうと、こういうことです。

 さっきマニュアルをどのようにということでしたが、マニュアルの中で3本は既にできているんですが、県避難マニュアル、要援護者マニュアル、市町村モデル避難マニュアル、これはできているんですが、これから、情報マニュアル、救援マニュアル、輸送マニュアル、補償マニュアル、証明書手続マニュアルなどがありますので、今年中あるいは来年1月頃までにこれを一つ一つさらに細かくいろんな書類とか図表なども入れてつくっていくということになります。

 市町村の計画につきましては、できるだけ本年度中にいろいろ作業してやっていただかんなあかんかなと思っております。

【記者】

 足羽川ダムのことで、今ちょっと話を戻しますが、ダム計画を見直すものでないと聞いているというのは、これはどこから聞いているということなんですか。

【知事】

 土木部から。土木部が参加していますので。土木部が参加しているというのは、国がメーンになって、県も参加している。

【記者】

 じゃ、土木部からそういうことを聞いて、やっぱり一番こういう計画に振り回されるのは住民だと思うんですけれども、そういう今の計画を一から見直すものではないという報告を受けて、知事としては今どのようなお考えをお持ちですか。

【知事】

 まず、この手続というのは、国の法律の制度で、流域委員会で国が中心になり、県も付随的に参加をして、いろんな、もう30回近いですから、方向を出そうということですので、それを受けて、まず国が考え、そして県はどうだというシステムになりますので、もちろんそれに前もって何かいろいろああだこうだという議論はあるのかもしれませんが、それはそういうやり方、システムはそうなっておりますので、その中で議論すればいいんじゃないかと思っております。

【記者】

 ある程度、住民というのは、勝手な意見がいっぱい出ると思うんですね、それが住民ですから。そういう場合に、国から言われたというか、この流域委員会でいろいろな議論が出てくると思うんですけれども、仮に、住民のそういういろんな思惑、そういう国の流域委員会の意見が合致しないときには、県としてもやっぱり何らかの発言なり対応をしていくことはあり得るんですか。

【知事】

 まず、国のダムですので、国が考えなあかんことですね、どうやるのかと。それについて県がどうするかということになると思います。

【記者】

 国の考えと相入れないときは県も……。

【知事】

 県は県で、自分のことですから、県としては最終的にはいろんな判断が要ると思います、そのときには。

【司会】

 ほか、ございませんか。

【記者】

 国民保護計画についてなんですが、11月に実動訓練を県内で行いたいということなんですが、これは国とということでよろしいんですか。

【知事】

 はい、国と共同で行うと。

【記者】

 詳しい場所については。

【知事】

 これは、美浜町を中心に行うということでいいんでしょう。まだ決まっていないんですけども。

【広報課長】

 美浜町を中心に行うということ、美浜町の原子力発電所……。

【知事】

 今そういう方向で国と協議をしております。

【司会】

 ほか、ございませんか。

 ないようでしたら、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

── 了 ──

 

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