知事記者会見の概要(平成18年4月5日(水))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002746

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平成18年4月5日(水)
10:35~11:30
県庁 特別会議室

記者会見

 


  

【司会】  それでは、ただいまから年度初めの知事記者会見を始めさせていただきます。

 初めに、知事から発表事項がございますので、よろしくお願いいたします。

【知事】  おはようございます。

 平成18年度がいよいよ始まりました。せっかくの機会でございますので、18年度開始に当たりまして、県政の運営の方針といいますか、課題などについて現段階で考えておりますことを申し上げたいと思います。

 既に、年の初めに当たりましても、本年は固めの年ということを申し上げておりますし、また、4月3日にも県庁職員に対しましていろんなことを申し上げておりまして、そうした点については大きく変わるものではございませんけれども、いずれにしても、本年度はマニフェスト「福井元気宣言」の最終の年次でもございますので、いろいろな政策合意によって仕事を進めておりますが、その中身、また、新年度についてもそういうことで進めたいと思いますし、また、マニフェスト、いろいろございますが、それ以上のことをいろいろこれから進めていく必要もございますので、目標を超えるといいますか、そうした議論についてもいろいろ仕事を充実させる必要があるだろうと思っております。

 それでは、まず、冒頭、17年度の政策合意の達成状況でありまして、「福井元気宣言」、マニフェストの年次計画に相当するものとして、毎年度、各部局長との間で政策合意を取り交わすことにしておりまして、17年度の取り組み結果につきましては、年度末に報告を受けたところであります。この中身につきましては、お手元に資料が配付してあります。また、後ほど総合政策部長から詳しく説明がなされると思いますのでお聞きをしていただきたいと思いますが、項目が348項目ございまして、そのうち、継続して取り組むことが必要な項目が52ありますので、これを除きますと296項目、約300項目あるわけでありますが、数値的には目標を上回って達成した項目が28の10%、目標達成した項目が243件で82%ということで、大体9割程度は達成しているかなと。一部達成していなかったもの、目標達成していなかった項目が約20項目ぐらい、8%ぐらいあるだろうということであります。後ほど、いろんな中身についてはご説明ができると思います。全体としては、「実行・行動」の年ということで17年度を位置づけたわけでございまして、一応、一定の成果を上げることができたのではないかと思っているものであります。

 それから、概要だけ少し申し上げさせていただきます。

 全部局による取り組みという資料の中で、例えば、安全環境部の1、2ページにあります子供の安全・安心などを含む治安回復の状況、それから、産業労働部の1ページにございますが、企業誘致の展開、それから、同じく、産業労働部の3ページにあります再就職支援の取り組み、こうしたものについては目標を達成しておりまして、一例でございますが、さらに高い目標を掲げて一層の充実を図る必要があるだろうと思います。

 それから、達成できなかった例を一例挙げますが、まず、各部の取り組みの中の安全環境部の7ページを見てください。

例えば、低公害車の普及につきましては、17年度は250台ということになっておりまして、過去2年間(15~16年度)で420台ということですから年200台程度でありましたが、それは上回っておりますが、目標の300台には達成しませんでした。これは、CMをしております自動車の車種が、国外輸出が非常に増えまして、国内供給が前年度比で7割も減ってしまいまして、その結果、契約待ちといいますか、そういう状況がございまして、達成できなかったような例があります。

 こういう点については、新年度は、自動車のディーラーといいますか、販売店に対して、車を早い時期に買えるような、そういうことまで言うかな、まあ、そんなことがございます。新年度、政策合意で「LOVE・アース・ふくい」温暖化対策運動なんかもやっておりますが、そうしたことで十分指示をしたいと思います。

 それからもう1つ、産業労働部の9ページにありますが、これは、語り部ですけれども、600人を予定しておりましたが588人であったとか、そんなことが書いてありますが、もとより全体の8%程度の議論を今ちょっと申し上げているわけで、全体は達成しておりますので、その辺はお含みおき願いたいなと思っております。また、全体のご説明は後ほど関係部長から説明いたしますので、大体そういう話の資料になっていることをお含みおきいただければと思っております。

 それで、18年度、今年度の政策合意につきましては、現在、各部局長が検討を進めているところでございまして、今月中に、いろいろ議論した上で整理をし、公表したいと思います。

 それで、先ほど述べたことにも関連しますが、政策合意も4年目を迎えまして、目標については既に達成されたものも出ているところでございますので、今回の政策合意につきましては、政策合意に掲げた政策にとらわれることなく、その目標を超えて、各部局長により一層の創意と独自性を求める内容にしなければならないだろうと思います。

 以上が、政策合意の項目であります。

 次に、ちょっと話題が変わって恐縮ですが、憲法問題についてお話しいたします。

 私が委員長を務めております全国知事会憲法問題特別委員会の報告書が、3月29日に正式にまとまり、知事会として公表いたしました。既に配ってあると思いますが。そして、これは東京でやったものでありますが、各報道の論説の方などにいろいろご説明し、またご意見をいただいたという状況であります。

 報告書におきましては、憲法改正ということがあった場合には、基本的人権がよりよく保障される社会をつくるためのいろいろな憲法上の規定を備えることが重要でありますので、憲法前文において、地方自治の保障、地方分権の確立を宣言するよう求めておるものでありまして、各報道の代表の方も、やっぱり前文にはっきり書くことが大事だろうなという意見を述べられる方が多ございました。

 また、現在の憲法92条では、地方自治は、地方自治の本旨に基づくということで、この言葉自体がおかしいわけではございませんが、抽象的でわかりにくいということで、いろんな意味での地方自治権の明瞭な基準としては、住民の自治、またそれを保障する自治体の団体の自治、これを具体的に明記することが大事ではないかなと、こんなことも述べているところであります。今後、この報告書をもとに、これから各政党との意見交換会を行う必要があると思っておりますし、また、全国市長会、町村会など、他の団体との連携も大事かなということであります。

 今後、国政の場でも憲法改正の論議があると思いますが、地方自治の充実が大きな柱であるということについて、国民的な機運を盛り上げていく必要があると思います。

 今、憲法改正については、一番大きい問題は、いわゆる安全保障といいますか、憲法9条にかかわる方面の問題、もう1つは基本的人権ですね。この中には従来の人権もございますが、環境の権利とか、知る権利とか、プライバシーとか、いろんな新しい権利の議論も出ているわけでありますが、それと並んで、この地方分権の自治権、こういうものを3本の柱といいますか、そういうことが大事だなと思います。

 今、国政の場では、憲法改正の提案をするための投票のためのいろんな法案が議論されているところでございますが、自民党あるいは民主党の中で、まだ必ずしも合意がとれていなくて、どういう扱いになるかは、現在ではまだ不明な状況であります。

 それから、当面する重要課題につきましてお話を申し上げたいと思います。

 まず、雇用などの問題につきましては、幸いにいたしまして、失業率も昨年、一昨年と、連続して全国一低いような状況になっておりますし、後ほどお話もあると思いますが、1万5000人雇用についても、既に、17年度中に92%の達成の状況でありまして、計数的にはそういう方向になっておりますが、雇用も含めましていろんな問題について、先般の30日に開催しました経済社会活性化戦略会議におきましても、こうした量的あるいは平均的な物事についての分析、さらに質、そういういろんなレベルの議論も重要ではないかと、こんなふうに議論が出ているところでございますので、こうした問題にも積極的に取り組む必要があるだろうと思っておるものであります。

 これにつきましては、県庁の中で実務的にも、また民間の企業のいろんな皆さんのご意見も直接聞きまして、いろんな雇用あるいは経済の状況、計数的には悪くないんだけれども、ほんとうにどうなんだろうかということ、何をこれからどう直したらいいんだろうかということが議論になると思いますし、それを十分把握した上で仕事を進める必要がありますので、そういう作業を進める必要があるだろうと思います。どんな体制でどうするかというのはこれから考えたいと思いますが、そういう問題意識を持っております。

 それから、教育の問題であります。

 教育につきましては、小人数学級の推進、先生方の研修あるいは学力のいろんな向上対策などを進めているところでありますし、一方で、昨年は『五カ条の御誓文』でありますとか、『茶の本』の初版本の購入など、福井の歴史、文化等々、こういうものについてのいろんな充実ということもしておりますし、県立歴史博物館、県立図書館、音楽堂など、子供たちにももっともっと使ってもらうようないろんな予算も組んでいるところでございますが、今の子供たちの問題、例えば少子化の問題を考えますと、実際議論しておりますのは、子供の数がどうだという議論なんですよね。それから、学校の問題にしますと、今申し上げましたように、学校の学級数がどうだとか、1学級何人だとか、そういう数の問題は、ともすればやりがちでありますし、また、治安回復プログラムということで、子供たちの安全とか安心について今一生懸命やっておりまして、その成果が全国的にも高い水準で来ておりますが、これからさらに子供たちの教育とか中身、こういうものをもう少しいろいろ充実しなければ、ほんとうの人材とか人づくりというのはできないように思います。

 子供の教育は、学校教育の現場で行われているものばかりでなくて、家庭、あるいは今申し上げましたように社会全体の関わりも多いし、さらには文化、観光、福井県のブランドとか、自信とか、郷土をどう思うか、こういうことがいろいろありますので、新年度におきましては、いろんな意味で子供たちとの問題を、教育委員会と我々行政の立場でもう少しいろいろ、教育委員会のご意見も、単に予算の時期だけではなくて、平常からお聞きして、より県民の期待にこたえられるような人材育成といいますか、こういうことを我々行政の立場からも必要ですし、教育委員会でもそういうご希望を持っておられますので、そういう場を設ける必要があるかなと思うものでありまして、そういう方向を充実してまいりたいと思います。これは、先ほど言った、いろいろな政策の量から質という事柄にも関係をするように思っております。

 そのほか、新幹線の問題あるいは高規格道路整備の問題などについて全力で取り組んでいるところでございますが、新幹線あるいは高速道路などについては、年度末までにいろんな方向も出ているところでございますので、全力でそうした問題に取り組ませていただきたいと思っております。

 大体以上でございます。

【司会】  以上で発表事項を終わらせていただきます。

 次に、質疑に移りたいと思いますが、幹事社のほうからまずご質問をいただきまして、その後、各社のほうからお願いしたいと思います。

 では、幹事社のほうからお願いします。

【記者】  それでは、幹事社のほうからご質問させていただきます。

 まず、美浜3号機の運転再開の問題についてなんですけれども、国のほうから、関西電力に対する再発防止の取り組みを、自発的に進んでいるような形で国が確認しているという報告を受けられたと思うんですけれども、知事としては、関西電力の取り組みということを改めて県民に目に見える形で示したいというお考えだということを県議会のほうでいわれたんですけども、今後、具体的にどういうようなステップを考えていらっしゃるのか、また、国のほうとして事実上の運転再開に向けての手続きは終了したというふうに考えられますので、県として今後どういう取り組みが必要なのか、また、その時期などについて具体的な流れがまとまったのではないかなと思うんですが、運転再開を判断する時期というのはどのぐらいなのか。また、県議会などでの議論を踏まえてもう一度判断する必要があるのか、その点のところをまずお聞かせいただきたいと思います。

 それから、4期目、4年目ということですので、政策合意も含めて、継続的な部分も含めて新年度で完結させる必要があるというふうに思いますけど、非常に4年目というのは大事だと思うんですけれども、改めてその辺についての知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

【知事】  まず原子力でありますが、美浜3号機ですね。3月28日に国の事故調査委員会が開催されまして、国の確認・評価結果が報告されました。その内容につきましては、翌日でありましたが、3月29日にご報告を受けると同時に、私は2回、経済産業大臣から直接説明を受けました。その際、関西電力の再発防止対策が着実に実施されてきているということのお話があったところであります。それで、県といたしましては、県の原子力安全専門委員会での審議あるいは立ち入りの調査などにより、再発防止対策の実施状況をチェックすると同時に、原子力事業本部、地域共生本部の活動状況も確認していきたいと考えているとお話し申し上げましたが、そのために、まず今月、きょうは5日ですから、あさって4月7日に原子力安全専門委員会を開きまして、国からの確認・評価結果について説明を受けるとともに、県としての再発防止対策の確認方針などについて審議をお願いすることになると思います。

 それから、なお、そのほか、関西電力においても間もなくいろんな検証の報告もお出しになると思いますし、また、今申し上げましたように、現地でいろんな我々の調査もあると思いますので、そうしたことを一つ一つ確認しながら、この問題についての結論を出したいと思います。

 それから、もう1つは、4年目の問題でありますが、今年は物事をしっかり固めていかなければならないということを年初に申し上げましたところでありますが、年度末までのいろんな政策合意の結果を見ますと、ほとんどのものは目標を達成いたしておりますし、福井県を取り巻く経済情勢あるいはいろんな安全・安心の問題など、一定の成果は出ておると思いますが、なおこれからいろいろ新しい課題も出てくるところでございますし、先ほど申し上げましたようないろんな量的な水準といいますか、まあ、必ずしも量だけではないんですが、さらに質的な水準ももちろん上がっているとは思いますが、さらに上の段階、レベルアップといいますか、そういうことが必要でございましょうし、これからさらに発展する分野というのももちろんあるわけでありまして、先ほど申し上げましたような福井県の全体的な経済状況の検証とこれからの方向づけ、あるいは人づくりなど教育の問題など、こうした問題に取り組む必要がございますし、さらに福井県全体の基盤の基本になります新幹線のこれからの努力など、また、高速道路についてもほぼ9年間でできるということになっておりますが、これもさらに1年でも一月でも早く物事が整備されなければなりませんので、地元の対応など、あるいは、それぞれの市町村合併も進みますので、福井市は駅の東西をどうするかとか、敦賀市はどうだ、あるいはほかの町はどうだというふうな個々のまちづくりの問題、こうしたことをそれぞれの町あるいは市と具体的に十分個別に相談しながら、互いに力を合わせてやるべきものについては積極的に進めていく必要があると思います。

 それから、福祉とか教育の問題などにつきましては、これは市町村と協力してやる必要がございますが、市町村の中には進みぐあいもさまざまあります。もちろんすべて横並びでなければならないというものじゃありませんし、特色が必要ですが、そうした特色の問題、あるいは全体の水準の問題など、全体的にいろんな相談をしながら、総合力福井県としてのよさといいますか、水準を上げていくしかありません。そういう方向も目指すべきであろうと思っております。

【司会】  各社、ご自由に。

【記者】  今のところで、4年目のところで、まちづくりを個別に進めていきたいということがあったと思うんですけども、福井市ですが、東村さんが合併しようとして、行かれまして、新しい市長も誕生しますし、また新しい展開があると思うんですけども、県としましては、今後、新しい体制となった福井市とどういうふうに接して、向かい合っていきたいというふうにお考えでしょうか。

【知事】  福井市に限らず、市町村の合併がほぼ終了いたしましたね。ますます市町村としての新しいまとまりというのをこれからさらに強化していく必要があると思いますね。ですから、これまで以上に、さっき申し上げました、その地域にとっての大きなプロジェクトについては十分連携をして、協力していくと。昔の言葉で言うと、単に陳情を受けるとか、そういうようなタイプのことではなくて、一緒になって物事を進めなければいけないと思いますし、また、市町村のほうでもそういう体制がすぐには整わないかもしれませんが、何年かのいろんな経験を重ねますと、さらに整ってくると思います。特に福井市の場合には、もともと県庁所在地でありますし、組織的にも、また人材的にも十分対応のできる市でありますので、一層協力して、お互いに協議をしながら、また、物事の期限を、いつまでに市のほうはこうしてくれ、我々はその準備をこうするとか、そういう期限を明示しながら互いの協議、また、これからの事業は、例えばJR等の対応とか、いろいろ共通に当たっていく問題がありますね。そういうものを十分意思疎通をよくして、さらにやりたいと思います。

【記者】  そうしますと、まさに一日の、待ったなしの状態だと思うんですけど。

【知事】  特にJR西日本との問題、あるいは第三セクターをつくる際の、これについて市にお話を実務的に今やっておりますので、一定の段階でそういうご相談を早目にできるようにしたいと思います。

【記者】  最後に、連携して一緒にやっていくというお話で、その他、県都問題懇談会というのか、福井市長と知事が特に話し合うのもしばらくないと思いますが、今後そういうふうな会議を開くご予定というか、そういうのはいかがでしょうか。

【知事】  あまり形式にとらわれる必要はありませんが、各市町村と、それぞれそういう問題がこれから出てくると思いますね、さっき申し上げたように、個別に。今、敦賀はやっているでしょう、プロジェクトチームとか、ああいうような形で、みんなプロジェクトチームでなければならないとか、検討は検討であるとか、いろんなタイプがあると思いますので、そういう一種のスタイルを入れて仕事を進めたいと思うんです。

【記者】  まだ具体的にという段階ではないですか。

【知事】  話が少しまとまらないとね。年1回やるようなものでもないですね、形式的になりますので。話をできるだけ早くまとめて、ある程度の節目の段階でいろいろ相談をしていくということかなと思うんですが。

【記者】  美浜の確認ですけれども、美浜の3号機の部分なんですけども、専門委員会を7日に開かれるということなんですけども、立ち入りというのはその後というイメージでよろしいでしょうか。

【知事】  そうでしょうね。

【記者】  だから、別に7日のところで立ち入るわけではないと。

【知事】  7日は立ち入りじゃなくて、主に報告、書面あるいは口頭の説明が中心になると思いますね。

【記者】  まだ別に、7日の専門委員会で安全性についての評価、専門委員会としての評価が出るわけではないと。

【知事】  すべて話がそこで終わるわけはありません。

【記者】  まだ、立入検査が終わってという形ですね。

【知事】  そうですね。

【記者】  まだしばらくかかるということですか。

【知事】  そのように思います。

【記者】  先ほど、めどの話もあったと思うんですが、質問の中で。

【知事】  3号機?

【記者】  今の美浜3号機のことなんですけど、手順的に、残るステップというのは、今、専門委員会を7日に開くのは決定していますけど、あとは立ち入りが残って、その後の専門委員会ということですか。

【知事】  あと、関西電力のいろんな検証のものがまだ出ていませんね。それから、共生本部等のいろんな状況をお聞きするのもまだこれからですね。

【記者】  めど的には特に持っていらっしゃるわけではないんですか。

【知事】  ありません。

【記者】  どれぐらいのスパンでお考えですか。

【知事】  特にありませんが。

【記者】  これは、議会での議論を経ているという問題は、さっきの質問もありましたが、答えておられませんけども、それはどういうことになりますか。

【知事】  議会ではいろいろ議論しておりますけれども、それは我々の……。

【記者】  6月議会とか、そういうタイムリーな話ではないんですか。

【知事】  必ずしも議会との関連は今考えておりませんが、我々の調査の進みぐあいとか、そういう状況で事柄は起こるんじゃないかなと思いますけれども。

【記者】  関連してなんですけども、よく目に見える形で再発防止策の効果なりを示していただくことが必要だということをおっしゃっていましたけれども、変化というのはあったんですか。例えば、先日、関電が拠点化のプロジェクトチームを立ち上げたという話とかもありましたけれども、そのあたり、ここ最近の変化というのはどのようにお考えですか。

【知事】  そうですね、共生本部あるいは本部などもできておりますし、いろいろな事柄について明示し、目標を立てると。今回の共生本部についても、具体的にこれから何をするのか、いつごろまでに何をするのか、そういうのがわかるというのがより目に見えるわかりやすさなんですね。すべてが100%今の段階でわかるわけではないですから、より可能な限り、お互いにわかりやすく物事を進めるということの努力、そういうことを求めなければならないと思うんです。

【記者】  関西電力のいろんなそういう検証結果の報告ですとか、共生本部の取り組みぐあいを確認したりというのとは別に、改めて国のほうからもう一度何か説明を求めるとか、ここには国は関与しているという形……。

【知事】  いや、7日に国から確認あるいは評価結果について説明を受けるんです、原子力安全専門委員会を通じて。我々は一度聞いております。

【記者】  そうすると、この前、大臣ともお会いになっていますし、ある程度国からの説明というのは、原子力安全専門委員会……。

【知事】  何もなければ、それ以上、さらに大臣から何かお聞きすると、そういうことはないと思います。特別なことがあれば別ですよ。なければ。

【記者】  先ほど、新幹線の話もちょっとされましたが、今、いろいろ政策合意なんかがあって、進めているという中で、目標を達成したものについてはさらに高い目標を設定してというお話もありますけども、新幹線とか高速道路で、改めて新年度、例えば目標を立ててやられるとか、どういう形で進めていかれるようなお考えなんでしょうか。

【知事】  例えば新幹線の問題などについては我々だけでできる事柄じゃありませんので、事業そのものが国の事業ですから、昨日も上京しまして、新幹線のいろんな、与党といいますか、代表の方といろいろお会いして、我々の前々から言っているような、見直しを早くしていただきたいとか、そういうことをやっておりますが、これからまたさらに、我々県議会あるいは地元選出国会議員の皆さん、沿線市町村、経済界とか、いろいろ早目に相談をする必要があると思います。これは5月中ぐらいにはやらなければいけないでしょうし、これからいろんな作業を決めないといけないと思いますが、そして、一日も早い随時の見直しを行う必要があると思います。

 現在、福井駅部だけがいわゆるスポットといいますか、飛び地の状況になっているわけで、これは必ず白山車両基地と結ぶんだという認識のもとでやっているわけですから、いろんなチャンスがあれば、絶えずその途中において利用ができるような、いろんな段取りができるのかできないのか、全体の、他の北海道や九州などの状況がどうだという要望をよくとった上で対応する必要があると思いますし、要は、日本全体として新幹線が予定されているものが少しでも早く利用されていくことが大事でありますので、そういう方向でこれから地元の作業も進めたいと思います。きょうの段階でいつ何をするというのは申し上げにくいんですが、せっかくの機会でありましたので、昨日の様子を申し上げました。

【記者】  先ほどおっしゃった5月中というのは、例えば国会議員なんかとの今後の……。

【知事】  ふと5月ごろまでじゃないかなと思ったんですが、あまり遅くなって議論する話ではない。できるだけ早く。

【記者】  先日、江守商工会議所会頭の会見の中で、江守さん、非常にスキームの見直しの前倒しを、今年中にも可能性がありそうな発言をされていましたけれども、知事、きのうお話しされて、その感触はいかがなんですか。また、今年中に見直しを図ることができそうなんですか。

【知事】  していただきたいですけれども、私の立場としては、あまり希望を述べるわけにいきませんので。希望というか、希望と実際とはまたギャップがあるといけませんから、できるだけ希望は実現したいと思いますが、どんなふうになるかまだ今の状況ではわかりません。いろんな工夫なり、客観情勢がありますから。

 いずれにしても、こういう問題は、国の政治とかいうものにも物事の出発点は深くかかわりますので、そういうものを十分に見きわめるのと、できるだけそういう中でそういうものが、新幹線などが位置づけが明瞭になるようにしないといけないと思いますので、そんなことを思っております。

【記者】  新幹線についてなんですけど、実際問題としては、知事が国におっしゃられておることは、富山と金沢と同時開業ということですね。

【知事】  そうですね。

【記者】  同時開業をするには、例えば見直しであったりとか、工事の着工であったり、日にちとか、大体どのぐらいになるのかなと。そろそろそれも気になってくる時期ですが。

【知事】  今度、いろんな用地買収とか、そういう土木関係の職員といいますか、体制も整えておりますので、地元のスケジュールなり、そういうものも、我々としては、それは義務としてやらなければいけないわけですので、並行して進めると。そして、国のいろんな方針ができるだけ早くできるようにということですね。

【記者】  原子力の問題で、ちょっと途中になってしまったんですけれども、美浜3号機の件で、プルサーマル計画なんですけれども、知事は、美浜3号機の事故以来、事柄とかレベルは違うけれども、関西電力の信頼性が確認できるまで、プルサーマル計画もあわせて凍結という状況になっていますけれども、そういう知事のこれまでの発言からいきますと、逆に、美浜3号機の運転再開を認めたときには、プルサーマル計画も認めるような形になるんでしょうかというのを確認したいんですけれども。

【知事】  認めるというか、これは関西電力がいろんなことがありまして、事柄をみずからとめておられるわけです。ですから、プルサーマルといいますか、3号機のいろんな対応、そうしたことが今進みつつありますが、それを受けて関西電力がお考えになるんだと思います。今、全国でいろいろやっております、あれは何というんですか。いろいろ県によってスタイルが少しずつ差はある言葉で走っておる。事前了解といいましても、意味が違ったりしますけれども、多少差はあるにしても、そういうものは福井県では既に行われた経緯があるんですね。その中で事故あるいは災害でのことがありましたので、そういうものをどんなふうに思われるかということだと思います。

【記者】  それと、プルサーマル計画は、西川知事が、ちょうど知事にご就任になられるのを前後して一定の前進をして、県としてはもう既にプルサーマル計画については一度ゴーサインを出してますし。

【知事】  その手続は、そのまま存在すると思います。

【記者】  プルサーマル計画の凍結については、あくまでも関西電力の側がどう考えるんだということになりますか。

【知事】  そうですね。

【記者】  足羽川ダムのことで2点お聞きしたいんですけれども、流域委員会で先に出された案では、ダムの高さがこれまでの規模を大幅に上回るような96メートルになって、コストも1,500億円と示されたんですけれども、ダムの規模とコスト、あと、前提となる治水安全度について知事のお考えをお聞かせいただきたいのがまず1点と、もう1点は、流域委員会でもダムの規模とかコストをめぐっていろんな意見が出されているんですけれども、国のほうが原案を示す際には、知事は判断を固める材料として何を重視されるかということをお聞きしたいと思います。

【知事】  足羽川ダムは、一度、国から考え方をお聞きしないといけないと思っているんです。これが今月中になるか、あるいは早い時期に行くか、足羽川ダムについて国からもおそらくご説明をしてというか、協議をしていただけると思いますので、それを受けていろんなスケールなり時期なり整備の方法ですね、国として考えていること、それをお聞きすることになると思います。その際、我々としても、その段階で考えられることを申し上げたいと思います。

【記者】  新幹線のことに戻るんですが、先ほど、県議会、国会議員、経済界などとの相談を早目にして対応したいということですが、富山県、石川県と今後どのように連携して一体となった運動を進める戦略をお持ちなのか、今のお考えをお聞かせください。

【知事】  これは、各県とも同時期での開業ということについては、共通の意識は持っているわけです。しかし、問題は、いろんな財源とか、見直しの時期などにも関わりますので、もともと北陸3県でのそういう組織もありますよね。それをさらに強化しなければなりません。かつ、福井県としていろんな考えといいますか、新年度でどういう働きかけなり仕事をするのかという考えをまとめて、そうした上で、また北陸3県と相談をしたいと思います。かなり同時並行的になると思います。

【記者】  今のところ、知事は、どんな感触をお持ちですか。

【知事】  問題は、しかし、随時見直しがどうしてできるかということに関わると思いますので。各県が自ら全て決められるわけじゃありませんので、問題は国に……。

【記者】  同時開業について、危機感みたいなものを福井県としては、まだ今の段階ではお持ちでないですか。

【知事】  絶えず危機感は持っております。いつも、ずっと。

【記者】  運動で熱が少し冷めているなとか、そういう感触は、今のところはないでしょうか。

【知事】  それはないですが、絶えず福井県民、県自らがやらなければいけないということの意識をしっかり持っていないといけないですから、他がどうだということはともかく、自分でやれることはやることだと思います。

【記者】  先ほど政策合意の説明があって、目標を達成しなかったものとして9項目挙げられているんですけれども、先ほどご説明いただいた中では、達成できなかった項目の理由が、ある程度やむを得ない理由という感じはするんですが、全部9項目、今見ていないものですから……。

【知事】  やむを得ないものではないのがあるかということですか。

【記者】  そうです。知事としての9項目の評価というのをお聞かせ下さい。

【知事】  1つは太陽光です。1万キロワットというのが7600キロワットになったということ。これは県民の皆さんの気持ちとか意識にかかわることが主体ですね。ご負担も要りますから。それから、今の低公害車はご説明しましたね。それから、知的財産の特許とかセミナーの参加数が若干少なかったということですね。それから、伊藤忠商事との共同支援案件が、10件のところが7件であった。それから、語り部とかボランティアの話は、600人のところが588人であった。それから、県管理道路における落石対策工の実施状況、24カ所を予定しておりましたが、15カ所であったと。それから、図書館の入館者数、これは70万が53万、これは2月末現在ですので、3月を入れるともう少し増えるかもしれません。それから、幼児の読書研修参加、ブックスタート、子供たちが読書を始めるあれですね。これが、400人のところが335人であったということが今の9項目です。

 特にこの中で、かなりいろんな人に参加を求めているものは、相手の気持ちもありますので、これが完全に目標を達せなかったことだろうと思います。そんなにかけ離れてはいないと思います。

【記者】  そういう意味では、これは達成できていないので、達成しなきゃいけないとかというほどのものでは……。

【知事】  どうでしょうかね。全体に9割方はやっておりますので、いいかなとは思うんですが。別にそれがどうでもいいという事柄ではありませんが。

 全体の傾向というか、大勢を見ていただければと思います。それで数値を入れておりますので、いろいろできなかったものはすると。

【記者】  それでいくと、先ほど、政策の評価、実現というお話があったんですが。

【知事】  特に気持ちとしては、子供の読書なんていうのをもっとどんどんやってほしいんですが、ちょっとこれは残念だったなと思っているんです、気持ち的には。幼児の読書なんか、やろうと思うともっともっとできると思うんですけどね。そんな感じはしております。

【記者】  それで、先ほど政策を量から質へ変えるという話があったんですけど、これはある意味、今まで知事がマニフェストを掲げられて、目標達成を第一義としてやられていらっしゃったんですけど、その後、若干転換、例えばマニフェストを変えていこうと思われているんですか。

【知事】  これは変えるつもりはありません。当初は、それができるかどうかよくわかりませんでしたので、大体できそうかなと思うんですが、それで安住してもいけませんので。それだけをするのが私の仕事じゃありませんので、マニフェストは代表的な部分ですので、それ以外のことをもっとやらなければいけないと思っています。

【記者】  4年目に向けた1つの抱負というお話ですか。

【知事】  そうですね。そういうことです。

【記者】  冒頭におっしゃられた2点、ちょっと確認させていただきたいんですけど、雇用とか経済情勢の、そういうものを実感できるように何か新しい戦略会議的な何か、懇談会をお考えですか。

【知事】  戦略会議まではちょっとまだ考えておりませんが、実務的にいろいろチェックする必要があります。つまり、有効求人倍率は高い、失業率は2年連続1位であると。現場でほんとうに何が起こっているのか、それをもう少し見きわめる必要があるだろうと。

【記者】  昔、景気ウオッチャーというのが国のほうでありましたね。

【知事】  それはあくまでも数字上の話ですね。ほんとうにどうなのかという話がやっぱり気になるんですね。皆さん方も、ほんとうにどうなんだろうと思っておられると思うんですけど、そこを押さえる必要があります。何が不都合で何がいいのか、平均的な議論なのか、そうでないのかとか、格差はあるのか、ないのか、そういう話ですね。

 安全・安心の問題でも、事件は起こっていない、そして刑法犯認知件数は少ない、検挙率は高いというけど、それじゃ、いろいろ問題はないのか。みんな、そういうところが1つあると思いますので。

【記者】  教育委員会、教育庁サイドとも定期的に何か懇談の場を設けるとかお考えですか。

【知事】  そうですね、どんな方向にするかは、今、教育委員会とも相談したいと思いますが、いろいろそういうご意見もいただいておりますし、やはり教育、学校だけですべてが解決できないという認識はお持ちでしょうし、学校もオープン化しているものでありますし。もちろん安全の問題はありますが、いろいろ機能的に、やはり行政との深くかかわる問題がものすごく増えておりますから、そういう問題を適切に我々もお伺いして、バックアップできるものはバックアップしないと、やはり、教育全体の基盤を上げていくといいますか、そういうことはできないと思いますね。

 食育なんかもそうでしょうね。学校だけですべて解決できないで、農業もありましょうし、あるいは健康長寿的な福祉、あるいは環境的なものがあるでしょう。やはり相当総合的にやらないと、教育委員会もなかなか自分だけでやろうとすると大変だと思います。そういう応援、それからむだがないように、あるいはすき間がないように、そういうことの重複は避けなければなりませんし。

【司会】  ほかにご質問はございませんでしょうか。

 それでは、これで記者会見を終わらせていただきます。ありがとうございました。

── 了 ──

 

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