知事記者会見の概要(平成30年11月21日(水))

最終更新日 2018年11月22日ページID 040225

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平成30年11月21日(水曜日)
15:30~16:35
県庁 特別会議室

H30.11.21知事写真
 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

【知事】  

11月の定例記者会見の発表事項として、まず最初に、県が開発した新たな酒米品種の名称決定について申し上げます。

〔資料:県が開発した新たな酒米品種の名称について

 福井県では平成22年度より農業試験場において、大吟醸酒に最も適した酒米の開発を福井県酒造組合と共動して取り組んでまいりました。今回、新たな酒米の名称を7月31日から8月31日まで、1か月間募集した結果、県内外から2,778件の応募があり、福井県酒造組合とも協議し決定いたしました。

 名称は「さかほまれ」と決定をいたしました。今年から本格的に発売を開始したブランド米「いちほまれ」と並び、全国にアピールができ、日本一おいしいお酒になってほしいという願いと、この酒米で造ったお酒をいただいた人が栄えるという思いがこもっています。

 この酒米と食品加工研究所で新たに開発する酵母を用いて、来年の冬に酒造りを行い、再来年、2020年には県内の蔵元がお米、酵母、お水、全てが福井県産の原料を使用した最高級のおいしい地酒を商品化する予定であります。

 県としても、この最高級の地酒を売り込み、米どころ、また酒どころとして知名度を向上し、販路拡大を図りたいと思います。

 なお、酒米の命名者への認定証授与、賞品授与を11月29日、木曜日に行う予定でありますのでよろしくお願いいたします。

 また、本日は福井県酒造組合の水野直人会長もお越しいただいておりますので、一言ご発言をいただければと思います。

 

【福井県酒造組合 水野会長】  

ただいまご紹介に預かりました福井県酒造組合の会長をしております、水野と申します。

 まず、県知事様、また農林水産部の皆様方に深く感謝を申し上げたいと思っております。特に福井県農業試験場の皆様には、500種余りの中から長年にわたり選別と栽培を繰り返していただきまして、兵庫県の「山田錦」に勝るとも劣らない、すばらしい酒米を今回造り上げていただいたと思っております。本当にありがとうございました。

 さて、新しい酒米が誕生したということで、私ども酒造メーカーも県からバトンを受けまして、いよいよこの酒米で酒造りをさせていただきたいと思っております。高品質なお酒ができる酒米ですので、ぜひ福井の「ほまれ」となるような、そんなお酒を造っていきたいと思っております。

 酒造組合としましては、これから品質向上委員会という委員会を設けまして、この新しい酒米をどのように仕込んでいくことができるのか、最善かを意見交換しながら、また、蔵元同士、交流をしながら、高品質な酒造りに臨んでいきたいと考えております。

 来年の春に作付できるのは、種もみの関係から秋の収穫量が500俵程度分と聞いております。将来的にはできたお酒を、県内はもとより世界へ売り込むために、農家の皆様方には、今、無理を承知で特別栽培米をお願いしているところでございます。

 福井の米で造った酒を広く知っていただくために、農家の皆様、JA、経済連、そして県の皆様と連携して、新しい酒米をこれから大切に育てていきたいというふうに考えております。

 今後とも県知事様をはじめとしまして、県の職員の皆様方に、ぜひご指導、ご鞭撻をいただきながら進めていきたいと思っております。以上、組合の会長としての感謝の言葉とさせていただきます。

 ありがとうございました。

 

~質疑~

 

【記者】  

「さかほまれ」という名前は、これはお1人からの応募でしょうか。

 

【知事】  

「さかほまれ」の命名者は、あわら市在住の高山定子さんという女性であります。

 

【記者】  

 例えば、「さかほまれ」と最後まで選定を悩んだ、という名前はありますか。

 

【知事】  

 あまりいろいろな名前を申し上げるのもいかがかと思いますので、控えさせていただきます。

 

【記者】  

 来年に「さかほまれ」500俵を特別栽培米として作り、2020年度に商品化ということですが、一升瓶で何本ぐらいできるのでしょうか。

 

【福井県酒造組合 水野会長】

 一升瓶で1万本くらいはできると思います。この酒米を使って醸造したいという蔵元が、今、挙手をして、来年いよいよ醸造を開始するということですので、それぞれの蔵元がどのような酒をつくるかによって、本数が少し変わってきます。例えば、大吟醸で本当に高精白の酒を造るとなると本数は少なくなりますし、ある程度の大吟醸規格、例えば精米歩合50%のお酒ですと本数は多くなりますので、それは蔵元によって趣旨がそれぞれ分かれると思います。ただし、今、私が組合として考えているのは、やはり最高級の酒米ということで、最高級のお酒の分類で造りたいと考えておりますので、おそらく1万本くらいは一升瓶でできるのではないかと考えております。

 

【記者】  

「さかほまれ」の特徴を教えていただきたいと思います。

 

【福井県酒造組合 水野会長】  

 この酒米は、兵庫県で育成された「山田錦」という全国で非常に高い評価をされている高品質の酒米と、2000年度に福井県で育成された「越の雫」という酒米を掛け合わせた酒米です。高精白が可能な酒米ですので、大吟醸酒向けの酒米として、香りがふくよかで、そしてきれいにすっきりとしたお酒ができるということです。この酒米に合わせた酵母を今、開発している段階ですので、大吟醸酒向きの酒米になると考えています。

 

【記者】  

 水野会長にお聞きします。「さかほまれ」という名前をお聞きしての感想をお願いします。

 

【福井県酒造組合 水野会長】  

 みなさんに非常に分かりやすい酒米の名前だと思っております。この「さかほまれ」という名前は、今までなかったのかなと思うぐらいの感想を持ちましたし、全国でも酒の米だということがすぐに分かる名称だと思います。また、「いちほまれ」の兄弟のような、酒米として非常にいい名前が選ばれたと思っております。

 

【記者】  

 品種登録の関係はどうなっていますでしょうか。

 

【食料産業振興課長】  

 品種登録につきましては、現在、商標と合わせて出願中です。

 

【記者】  

 今のところ、「さかほまれ」を使った酒造りにどれぐらいの蔵元が手を挙げられているのでしょうか。

 

【福井県酒造組合 水野会長】  

 酒造組合には30社の蔵元が加盟しているわけでございますが、そのうちの14社が造りたいと今、手を挙げているということでございます。

 

【記者】  

 来年の冬に醸造するということですが、我々が飲めるようになるのは、早くていつになりますか。

 

【福井県酒造組合 水野会長】 

 新酒としてお出しするのであれば、早くて2020年の春です。それを熟成して秋とか、例えば2年、3年寝かせた後ということもあるかと思います。この「さかほまれ」は、熟成向きの酒米ですので、もしかしたら、蔵元によっては少し熟成して出されるかもわかりません。まずは、2020年の春に発表したいと思っており、新酒として皆さんにお披露目できるんじゃないかなと期待しております。

 

【記者】  

 2020年度の商品化ですが、これはひとつの共通した新しいブランドをつくるなどではなく、各蔵元のブランドでこの酒米を使った商品をどんどん造るということでしょうか。

 

【福井県酒造組合 水野会長】 

 酒造組合としては、それぞれの蔵元のご意見を聞きながら、共通したブランドをつくるのか、もしくは、それぞれの蔵の特徴を持った酒を造るのか考えていきたいと考えております。

 福井県は嶺北・嶺南で文化も分かれておりますし、特徴を持った手づくりの小さい蔵元が非常に多いので、それを逆に特徴づけていきたいと思っています。ですから、それぞれの蔵元の考え方の中で、その蔵元が守っているポリシーを踏襲しながら高品質なお酒ができたらなと思っていますし、新幹線がこれから福井に来ますので、その前に「福井県のお酒って、やっぱりおいしいよね」と全国の人に言っていただけるような販売戦略やPR戦略を考えていきたいなと思っています。

 

【記者】  

 最初の年は福井県内の蔵元ということだと思いますが、その先、県外の蔵元にこの「さかほまれ」を販売していきたいというお考えはあるのでしょうか。

 

【福井県酒造組合 水野会長】 

 それぐらい有名になるといいなと思っています。福井県の酒米を、県外からオファーがくるような、そんな酒米に育てていくことがこれからの我々の務めではないかと思っています。元となる種は福井県から出さないと思いますが、その2世、3世というお米でも欲しいと言われるような、そんな酒米になってほしいと思います。「山田錦」も実際、原種という元々の米は兵庫県から出していません。ですから、そこはやっぱり守らなくてはいけないと思っています。福井県の特有の酒米としては守っていきたい、いくべきでありますけど、そういうオファーがあることは非常に望ましいことだと考えています。

 

【記者】  

 「さかほまれ」を使ったお酒の完成は来年度ということですが、試験的に製造したものというのはあるのでしょうか。

 

【福井県酒造組合 水野会長】 

 選定するに当たって、最終的には3社で試験醸造をしておりまして、ここでは、麹のできやすさ、お米の蒸しやすさ、発酵のしやすさなど、そういったことも全部それぞれの蔵元で研究をしています。その試験醸造をした結果として、最終的に1種にまとめさせていただいたという形で、今回決まっております。

 

【知事】  

 それでは、次に、道路の整備について申し上げます。

〔資料:原子力災害制圧道路の整備箇所

〔資料:一般県道竹波立石縄間線の供用開始について

 原子力災害制圧道路の供用開始についてであります。県道竹波立石縄間線の一部区間、敦賀市明神町から立石の間、延長約620メートルが12月22日、土曜日に供用を開始することになります。

 今回開通する区間は、日本原電敦賀発電所1、2号機において、万が一、事故が発生したような場合に、原子力事業者による迅速な初動・事故制圧のため、また、立石地区にお住まいの方の避難ルートとして、平成25年度から整備を進めてきたものでありまして、原子力災害制圧道路として最初の供用開始になります。

 さらに、今回の開通によって、これまで海沿いの見通しが悪かった区間約1.6㎞がトンネルによりほぼ直線で620mになりますので、地域住民の日常生活の面でも、快適で安全に走行できるようになります。

 なお、現在整備中の他の原子力災害制圧道路のうち、県道佐田竹波敦賀線の一部区間2.1㎞および県道音海中津海線の全線約1.6㎞についても、来年3月頃に供用を開始する予定であり、今後、日程が決まり次第お知らせをしたいと思います。

 

 次に3点目でありますが、全日本シニア・マスターズ体操競技選手権大会の本県での開催であります。

〔資料:第52回全日本シニア・マスターズ体操競技選手権大会概要

 県では、国体・障スポで高まったスポーツ機運を承継し、本県のさらなるスポーツ振興、また、東京オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成の一環として、各競技団体と協力して、国体・障スポの準備をしながら、全国大会等についても誘致を進めてきたところであります。

 このたび、第52回全日本シニア・マスターズ体操競技選手権大会が来年8月30日から9月1日まで、県営体育館において開催されることが決定いたしました。

 シニア大会は、国内の男子18歳以上、女子16歳以上のトップ選手、約100名が出場し、日本一を決める大会であります。したがって、東京2020オリンピック日本代表選考の第1次予選大会にも位置づけられています。

 マスターズ大会は、全国の青年から高齢者まで幅広い年齢層の体操愛好家、約400名が競う大会です。

 ぜひ、県民の皆さんに会場に来ていただき、オリンピックを目指す選手たちの世界レベルの体操や体操愛好家の演技をご覧いただきたいと思っております。

 

 それから、4点目でありますが、テオ・ヤンセンというアーティストの作品による越前和紙のPRであります。

〔資料:テオ・ヤンセン作品比較・越前和紙×テオ・ヤンセンコラボレーション作品

〔資料:プロフィール

 来年9月中旬から10月下旬に、サンドーム福井を会場とする「国際北陸工芸サミット」の開催を予定しております。そのメイン企画として製作を進めてきました、越前和紙が現代のレオナルド・ダ・ヴィンチとも称される国際的アーティストテオ・ヤンセン氏とコラボレーションした2つの作品が完成いたしました。

 テオ・ヤンセン氏は、「新しい生命体をつくる」というコンセプトのもと創作活動を行い、自然の風を受けて生きているように走り出す作品、「ストランドビースト」が国際的に高い評価を受けています。

 今回の越前和紙とのコラボレーションでありますが、風を受けるための帆の材料について、通常はパラシュート生地を使うそうでありますが、これを越前和紙に代えるという提案を福井県がしたことから始まり、作品には、越前市の若手職人が約半年かけて製作した和紙が使用されています。

 県の提案を快諾されたことにより誕生した世界初となる日本の伝統工芸とのコラボレーション作品は、高さが3メートルという大型のサイズでありながら、耐久性、芸術性を高める作品として成功しています。

 テオ・ヤンセン氏からも、越前和紙については、「Beautiful and Strong!」との評価を得ることができました。

 越前和紙を使用したテオ・ヤンセン氏の作品が実際に風を受けてオランダの海岸を走る姿を撮影したのでご覧いただきたいと思います。今後は、この映像を国内外に発信するとともに、作品そのものについても、例えば、恐竜博物館等における展示などを検討しながら、他の場所もいろいろ候補があるかもしれませんが、広く越前和紙の魅力や技術の高さをPRしてまいります。

 

(映像再生)

 

【知事】 

 それから、もう1点お話ししたいと思います。

 国体・障スポの成功を受けまして、県全体がその成果やレガシーとして生かしていくために、市町、競技団体が参加する会議を12月半ばから下旬にかけまして、県内4ブロックで開催したいと思います。つまり、国体・障スポ意見交換会の開催ということになります。

〔資料:国体・障スポ意見交換会日程

 会議には、市町の首長または副市長、副町長のほか、競技団体からは実務を担う専務や理事長クラスに出席を願いたいと思っております。

 各市町における今後のスポーツ振興、ホッケーやサッカーあるいはボート、体操など、今回の国体の成功を受けて、それぞれの町でどんなお家芸あるいは新しい国体・障スポ融合の展開がなし得るのか。それから、国体・障スポに向けて整備した施設の今後の利用など、いろいろなことがあるかと思います。

 それから、今回の国体・障スポの融合全体の考え方を行政や市町、いろいろな団体の事業にどう展開していくのか。今後のまちづくりへの活用、それから観光、宿泊、おもてなし、ボランティア人材の活用などについて意見交換をし、これを具体的に市町や団体、県の政策につなげてまいりたいと、このように思っております。

 今回のいろいろな成功の記憶が薄れないうちに、良いところや悪いところ、いろいろあるかもしれませんが、そういうものについて意見交換をしたいと思っております。

 その他、「はぴりゅう」をどうするかについてはいろんな意見もあると思いますし、これから新県民歌をどういうときにみんなで歌っていくのかなど、さまざまな課題があると思います。また、ダンスをどのように使っていくのかなど、いろいろなことにみなさんのご関心があると思います。そういうものを受けて、共通した、あるいは多様性を持った展開をしていく必要があるだろうということでございますので、補足して申し上げたいと思います。

 

~質疑~

 

【記者】  

 テオ・ヤンセン氏の和紙の作品は、来年9月に福井で開催される北陸工芸サミットの直前にオランダから作品を持ってくるということでしょうか。

 

【地域産業・技術振興課長】  

 開催直前となる来年の8月、9月頃搬入する予定でございます。

 

【記者】 

 新幹線の話をお聞きします。昨日の財政制度等審議会において、麻生太郎財務大臣に対し新幹線の建設費の上振れ分について、JRの支出増を視野に入れるよう提言されているようです。今、JR貸付料の見直しという話が出ていますが、上振れ分に対するJRの支出増についてどう思われますか。また、28日に与党PTの会合があり、同じように、上振れ分の検討をされると思います。その場に知事が出席された場合、上振れ分の確保について、もしくは敦賀開業が遅れないようになど、いろいろ言いたいことがあると思いますが、どのようなことを言おうと思われているのかお聞かせください。

 

【知事】 

 今月13日に、北陸新幹線の中央要請を沿線5県の知事が揃って行いました。今おっしゃる約2,000億円への増加分の財源は、まず、十分な国費を確保するというのが大前提です。その上で地方に過度の負担が生じないようにということで、貸付料の活用などの財政措置を講じてほしいという申し入れを、各県知事の共通の意思として行いました。

 それから、安倍総理は国会の答弁で、開業目標時期である4年後に合わせて、確実に開業できるよう、財源を確保し工事を着実に進めていくとおっしゃっていますので、国費増額について国土交通省と財務省との調整が要ると思いますし、貸付料の増額についてJRと協議を進めることになると思います。こういう動きを今、与党でやっていただいているのは、私たちとしては大歓迎であります。

 28日に与党PTの会合がありますが、敦賀開業の確実な実現、地方の負担が過度にならないための財政措置をしっかり求めていきたいというのが今の私のスタンス、姿勢です。

 

【記者】 

 昨年の11月末、大飯再稼働に知事が同意された時に、関西電力が2018年中に中間貯蔵施設の計画地点を示すと知事に返答されています。もう11月半ばで、あと、1か月少々と期限が切られていると思いますが、見通しや目途など、あらためて知事の中間貯蔵施設、関西電力へのメッセージも含めて考え方を教えてください。

 

【知事】  

 これからの長期にわたる大事な課題でありますので、関西電力でいろいろな検討が進んでいると思います。いずれにしても、中間貯蔵施設の県外立地については、関西電力において、年末に向け、現在精力的に取り組んでいるという状況でありますので、我々としてはこれを十分見極め、待ちたいと思います。

 それから、国でも、使用済燃料の協議会において、世耕経済産業大臣があらためて、事業者との連携を強化し、官民挙げてこの問題を積極的に進めたいと発言されていますので、国もしっかりリーダーシップをとって進めていただきたいというのが今のところの私の立場です。

 

【記者】

 知事が先月末に出馬表明した数日後に前副知事の杉本氏が出馬表明されました。かつての部下が知事に弓を引くような形になったのですが、そのことについてどのように受け止めておられますか。

 

【知事】

 かねてから申し上げているように、いろんな候補予定者がいらっしゃるのだと思いますが、誰がどうということではなくて、あくまで県民の皆さんに私がこれまで行ってきた政策およびその実績を十分ご理解、また評価もしていただきたいと思っています。そのうえでいろいろな皆さんが判断すると、県民の皆さんにお訴えをするという立場で臨みたいと思います。

 

【記者】 

 総務省のOB同士で、現職対前副知事という異例の対決構図になったことについて、県民から戸惑いの声も聞かれています。政策発表はこれからだと思いますが、二人の間に明確な対立軸がないと思われますし、政党や業界団体、首長の会も混乱している状況かと思います。そのことについてはどのように受け止めていますか。

 

【知事】

 それは私の方で何かそういうことをしているわけではないのでありまして、県民の皆さんがいろいろなことをご判断されるのかなと思います。

 

【記者】

 杉本氏が11月2日に出馬表明され、その席上で知事の実績を高く評価したうえで、この15年間、上意下達で、県と市町の関係が冷え込んでいて、県庁の職場環境も息苦しくなっていると。閉塞感を打破して、福井に新しい風を吹き込みたいとおっしゃっておられますが、そのことについてはいかがでしょうか。

 

【知事】

 そういういろいろな話が正しいのか、成り立っているのかということです。そうおっしゃっている方も県庁で一緒にお仕事していたわけですから。共に県民のために県庁職員が頑張って仕事を進めてきたということですので、そういう話題がこれからの議論のメインになることなのかなという感じがいたします。

 

【記者】

 杉本氏からは、県庁職員が育っていないという発言もあったのですが。

 

【知事】

 県庁職員は一生懸命、これまで県民のために頑張ってきているわけですから、育っていないとか、そんな判断をされるのはどうかなと、私はよく分かりません。一生懸命やってくれて、国体なども少数精鋭でしっかりと成果を出してくれていますから、やはり県庁職員の仕事ぶりを評価してほしいと思いますし、私はそういう考えを持っていません。

 

【記者】

 自民党県連が杉本氏の推薦上申を決めましたが、党本部の方では議論は十分尽くされていないとして、上申書の受け取りを拒否しているような状況になっています。そもそも県連の協議の場で、知事の推薦願が議論の俎上にのっていないことに、県会の先生方も異論を唱えておられます。知事としてはどのような議論を望んでおられますか。

 

【知事】

 いろいろなご判断の方も増えているということですから、私としては私が行っている政策や実績をよく判断していただきたいと思います。これをよく分かって、判断していただいて、これから、新幹線の問題もありますし、国体のレガシーをどう展開するのか、あるいは東京一極集中をいかに打破し、地方を盛り上げていくのか。非常に難しい仕事で一つ一つ抽象的な議論で解決はできません。そういう中で私自身をどう理解願うかということになりますので、現状の様子は県民のご理解のためには決してプラスな状況ではないのかなという感じを受けます。

 

【記者】

 先ほど、政策や実績を評価してこの先のことを見てほしいとのことでした。杉本氏は明日にも新しい政策を出すように聞いていますが、知事はいつ頃新しい政策を示されますか。

 

【知事】

 私は現職ですから、当面の仕事をしっかり進めなければなりませんし、これまで進めた仕事をある程度まとめて、新しい方向を出す必要があるだろうと思います。月末の県議会での正式表明の時にもある程度申し上げなければなりませんし、実際の政策というのは、そんなにいい加減に出すものではありませんから、しっかりいろいろな皆さんのご意見を伺い、私が進めた事業をどうこれから展開するか、現状はどうか、それをお示しすることが大事かと思います。

 

【記者】

 当然現職でいらっしゃいますので、当面の仕事があるという上で、選挙の当事者としてではなく、一首長、知事としてお聞きします。自民党県連や経済界もどちらを支持するかで分裂して、県内の随所でも混乱の様相があると思いますが、この状況をどのように見られているのでしょうか。

 

【知事】

 これは、私自身がどうということではなく、私がしっかりと知事としての仕事を進め、実績を積み重ねていくということによって、今言われたいろいろなご指摘などを皆さんにご理解願って、落ち着くところに落ち着くという期待もしているという状況です。

 

【記者】

 今後、県政の運営上、今の混乱というのは影響しないだろうということでしょうか。

 

【知事】

 世の中いろいろなことがあります。災害があったり大雪があったり洪水があったりいろいろな自然災害があり、いろいろな出来事があると思います。そういうものに対して県政としてしっかり取り組んでまいりましたし、こういう状況についてそういうことを気にして行政が停滞するわけでもありませんし、それこそ県庁職員一丸となって県民の負託にしっかり応えるというのが、私を先頭にした県庁の大事な仕事だと思っております。

 

【記者】

 杉本氏は、政策について明日会見されて発表されるということですが、知事としての政策の発表はいつぐらいまでにとお考えですか。

 

【知事】

 私はこれまで主にマニフェストを中心にやっております。これは県政全般の多岐に渡るものです。もちろん大きな流れというものはありますが、こういったものをある程度しっかり踏まえなければ、県民の皆さんに対して責任を持った政策や発言ができませんので、それらをじっくり考えながら対応したいと思います。

 

【記者】

 現在は「福井ふるさと元気宣言」を掲げていらっしゃいますが、それを踏襲されるのでしょうか。

 

【知事】

 十分考えてやらせていただきたいと思います。今は大きな転換点であります。大きな流れとしては、新幹線が4年後に敦賀まで開業するということです。これは、必ず勝ち取らなければなりませんし、開業するだけではいけないわけで、いかに便利さを確保するか、これは容易なことではなく、JRや国土交通省やいろいろなところと協議をして、県民の利便に応えられるような成果を出さなければなりません。

 これまでは夢のようなことでありましたが、敦賀開業までに小浜経由の若狭ルートを確保し、3年の短縮を勝ち取ったわけです。そうしたことを踏まえて、敦賀開業するまでに、さらに大阪までの着工の議論、方向を北陸3県の知事とも連携し、また関西広域連合の方たちとも十分意思を疎通して実現しなければならないわけですから、これもなかなか大変な仕事です。

 こういったことをまず全力で取り組み、その他、高速道路などいろいろなことがありますし、まちづくりも言葉だけで解決できる問題ではありませんので、そういったことをしっかり取り組みます。そして大きな流れとして、東京一極集中や地方創生、10年前にはふるさと納税などいろいろなことを提案しましたが、なお課題が多いわけです。それから、国体ではみんなで頑張った成果を次の県民のさまざまな運動や活動に生かしていかなければならないと思います。これがまた、産業や観光、農業、水産業、中小企業対策などいろいろなことにつながらないといけませんので、こういうことを考えて対応するということだと思います。

 もちろん、人づくりの教育なども、学力体力日本一であるけれども、これをどう実質を高めるかということも大事な仕事だと思っています。

 

【記者】

 知事ご自身の政策を県民がどう評価されるかというお話ですが、対決構図になってしまった一番の理由はどこにあるのか、知事はどのようにお考えですか。

 

【知事】

 政治的ないろんな動き、背景がありますし、一通りの説明ではないかもしれません。誰と誰ということではなくて、いろいろな人のつながりの中で起こることでしょうから。

 

【記者】

 ご自身の16年に渡る県政運営の中で今回の事態を招いた自省みたいなもの、こうすれば良かった、至らなかったということはあるのでしょうか。

 

【知事】

 特にそういうことは無いと思います。

 

【記者】

 中村政策幹がお辞めになって、理由を聞くと、心情的には杉本氏を応援したいと言われています。知事の秘書も務められていた方がお辞めになって杉本氏を応援するというのは異様に映ります。知事は、政策幹がお辞めになられて痛いのか、辞める人は辞めるという感じなのか、心情的なことをお聞かせください。

 

【知事】

 こうしたいろいろなことが起こるということですが、県庁でいろいろな仕事をした方ですから、できるだけちゃんとしてほしいと思っておりましたが、いろいろな考え方の人がいらっしゃるのかもしれません。これからどんなことをされるのかということでしょう。

 

【記者】

 何故、杉本氏を応援してしまうのかと思われることはないですか。

 

【知事】

 そんなことをされるのかどうか、私には分かりません。

 

【記者】

 12月定例県議会の開会が26日ですが、その冒頭のどういう場面で正式に出馬表明なさるおつもりですか。

 

【知事】

 通常は所信表明の場であると思っておりますが、時間や県議会とのいろいろな関係もあります。いずれにしても12月の議会で表明をする予定であります。

 

【記者】

 前回の定例会見でも出馬に意欲を示されて、先日、2か所であった県政報告会でもその場で知事は出馬表明されたという前提で会場の方はお話をされています。

 

【知事】

 それぞれのお気持ちの中で発言しておられるのかと思いますが、そういう意味ではそうだし、正式には県議会でということです。

 

【記者】

 ご自身の中では議会の表明はどのような区切りにするとお考えですか。

 

【知事】

 あくまで県民の皆さんの代表で、従来もそこで正式にお話をしております。そういう方法をとるのが良いだろうと思っているわけです。

 

【記者】

 同じ組織の中で西川知事がいいと言う方もおられるし、対抗されている杉本氏の方がいいという方もいらっしゃいます。同じ組織の中でも推薦やどちらを支持するかを協議をすると意見が分かれるという場面が見られます。国体で県民の団結力が高まったと言われている時に非常に残念だと思います。「私にはどうすることもできません」と先ほどおっしゃっていましたが。

 

【知事】

 「どうすることもできない」というか、私は私のことをやらなければなりませんし、寂しい気持ちはしますけど、それはまたそういうことかと思います。

 

【記者】

 二人の戦いが県民にとって良い結果を生んでいるのか疑問に思うところもあります。

 

【知事】

 それはそういうお考えをお持ちいただいているということです。

 

【記者】

 先ほどの政策幹の話で、初めに配置する時に必要性をいろいろ説明されていたと思いますが、中村政策幹がいなくなってその後の人というお考えはあるのですか。

 

【知事】

 今のところございません。年度末に差し掛かっておりますので。

 

【記者】

 今後も予定は無いということですか。

 

【知事】

 それはまた別です。

 

【記者】

 杉本氏が出馬表明された時に、福井県で長期計画というものが必要だと思うとおっしゃっていました。あらためて、知事として福井県の長期計画というものが必要かどうかについてお考えをお聞かせください。

 

【知事】

 一緒に仕事をしていた時にはそんなお話は無かったと思います。ちょっと意味が分からない。常に変動している時代ですから。もちろん、そういうタイプのものがたくさん、何十本もありますが、全体の計画を作るのが適当かどうかというと、そういう状況はないのかなと思います。個別の計画や産業政策などいろいろなものがありますから、それで十分に相互に連動しながらカバーしていると、私は一応思っております。

 

【記者】

 知事ご本人に聞くのもどうかなと思いますが、いろいろな所から一本化してほしいという声が挙がっています。それについて可能だと思いますか。

 

【知事】

 どうでしょうか。先方にお聞きになった方がよろしいかもしれません。

 

【記者】

 昨日、連合福井の会合で推薦されましたが、その受け止めは。

 

【知事】

 こうしたご支援をいただくことは大変ありがたいことであります。何といっても、福井県民が真面目に力を合わせて、小さい県ではあるけれども一生懸命、男性も女性も、老若男女働いているわけです。そういう働いている人たちの仲間といいますか、皆さんが応援していただくことは非常に力強いことでありますし、これを合わせてそうして働いている人たちを雇用している企業や団体の皆さんの大きな力もあるわけです。働く人たちと雇用する人たち、俗に言いますと労使ですかね、そういう皆さんが一体となっていろいろなことを応援していただくと私も訴えをしやすいと思いますので、県民のみなさんにとっての利益に通ずるかなと思います。

 

【記者】

 今までの県の労働政策が評価されているとお考えですか。

 

【知事】

 はい。

 

【記者】

 今後の政策づくりにあたり、連合から評価されたわけですが、労働政策を今後も重視していくのですか。

 

【知事】

 人材育成やみんなが働くことが、県民の豊かさのあらゆる分野につながるわけですので、そうした皆さんがそういう認識を持っていただいているというのは大変嬉しいことであります。

 

【記者】

 先ほどご質問がありました、一本化してほしいという声が挙がっているということで可能かどうかという質問に対して、知事は「さあどうでしょうか。先方にお聞きになった方がいいのでは。」というお答えでした。知事選は、県民にとって非常に大事な機会だと思います。政策論争をして相応しい人を選ぶのが良いのか、もしくは一本化して県内全体が同じ方向に向かっていくのが良いのかというのは多分、県民の判断基準になると思います。選挙になった方が良いのか、一本化した方が良いのか、知事ご自身がどのようにお考えになっているのかというのをしっかりお答えしていただきたいのですが。

 

【知事】

 これからどうなるのかということは分かりません。まだ期間が長いですから。ああだこうだということを申し上げるのはどうかと思います。国体が成功に終わって、みんなで力を合わせて、次をやっていこうという矢先のことでありましたので。そういう大きな流れはできるだけあった方が良いと思いますが、いろいろなことをなさる人がいらっしゃいますから、それをどうだということを私の方から今申し上げる状況ではないです。

 

【記者】

 大きな流れがある方が良いというのはどういう意味ですか。

 

【知事】

 国体・障スポがまとまって、県民が成果を上げたわけです。そうして小さい県でもみんなで頑張れば大きな方向が出る。次にいろいろな課題があって、みんなで力を合わせていきましょうという状況でした。そういう中で今回、あなたがいろいろ懸念されているようなことが良いことかどうかというのはあると、私は申し上げたわけです。これはいろいろなお考えがあるから、私がこうしないといけないというような議論ではないでしょう。

 

【記者】

 当人といいますか、正に当事者でおられるので、どういう考えなのかなと。

 

【知事】

 それはそういう動きをされた人がお考えになることかなと思います。

 

【記者】

 杉本氏の場合、長期的なビジョンを掲げて、マニフェストではなく、もう少し緩やかな感じで政策・公約的なものを示したいと言っています。明日、出てくると思います。知事はそれに対して、今までのマニフェスト、今までご自身がやられた政策的なやり方を続けたいという信念があると受け止めればいいですか。

 

【知事】

 マニフェストや計画と言っても、執行の実際の場ではマニフェストは一番トップの峰のところを軸として、全体を象徴してリードするものです。個別具体には計画的なものなのです。ですから非常に変わるものではないけれども、いずれにしても県民の皆さんにお約束をして訴えをし、そうして実行するという手法は引き続き、取りたいと思います。

 

【記者】

 政策的な対立軸が見えにくいという話がずっとあります。

 

【知事】

 見えにくいとか見えやすいというのは、私のせいではありません。それは私の知るところではありません。

 

【記者】

 農政連の幹部研修会があわら市で先日開かれましたが、知事はその席上で中川平太夫さんから三代続いている県人知事であるとそんなこともおっしゃっておられました。県人という言葉に込めた思いというものをあらためてお聞かせください。

 

【知事】

 それは福井県で生まれ育ち、福井県の事を一番愛し、よくわかっている人たちであるという意味です。

 

【記者】

 それはやはり、岐阜県出身の方を意識されているわけですか。

 

【知事】

 特に意識はしておりません。

 

【記者】

 昨日、JAの田波会長の会見の中で、組織としてどう決定しようが、個人の心の中の問題みたいなことをおっしゃっておられました。それもそうかなと思いますが、次への意欲を表明されて1か月間の知事としての手ごたえというか、県民に自分の訴えが届いているかという感触をどうお感じなのか、率直に聞いてみたいのですが。

 

【知事】

 なかなか微妙なご質問ですね。十分感じています。

 

【記者】

 どういうところに感じているのですか。

 

【知事】

 さまざまなところに。

 

【記者】

 もうちょっと具体的に。

 

【知事】

 いろいろなことが直前にありましたしね。国体とかいろいろなことがありました。障害者団体の皆さんからも本当に良かったとかいろいろなことを言っていただいています。ぜひこういう動きを止めないで、しっかりやってほしいというようなお手紙などもいただいております。一例ですけど大事なことかなと思います。

 

【記者】  

 関西電力の中間貯蔵施設の話ですが、知事としては、年末にというお考えでしょうか。

 

【知事】  

 そういう方向になっていますので、そういう方向で取り組んでいただいているものだと思うという状況です。

 

【記者】  

 それは社長から直接、報告を受けるのでしょうか。

 

【知事】  

 そうですね。一定の段階でそういうことが起こると思います。

 

―― 了 ――

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