知事記者会見の概要(平成18年12月27日(水))

最終更新日 2008年3月11日ページID 002701

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平成18年12月27日(水)
10:30~11:20
県庁 特別会議室

記者会見

 


 

【知事】  12月ですから今年最後の会見になると思いますが、この1年間、皆様にはいろんな面でご指導、ご支援をいただきまして、お礼を申し上げます。ありがとうございました。

 きょうは、五、六点ぐらい、まず、年末の所感といいますか、今年を若干振り返って申し上げたいと思います。


 昨年の暮れからは記録的な積雪ということで、死傷者、家屋の倒壊、交通の混乱など大きな損害をもたらしましたが、今年は幸いにも平穏な暮れを迎えられそうな状況です。エルニーニョにより、いわゆる西高東低の冬型が弱いということのようで、暖冬になるかもしれないという状況かと思います。

 平成18年も残りわずかになりましたが、今年は9月に安倍新内閣が発足し、教育基本法の改正や地方分権改革推進法の成立など、今後の人づくりや国と地方の関係を方向づける新しい動きが出てきたところです。

 また、9月には、秋篠宮妃紀子様が悠仁親王をご出産されるという喜ばしいニュースがありました。経済面でも、平成14年2月から始まった景気拡大が、本年12月で戦後最も長い59か月に達するということで、成長の伸びはともかく、期間的にはいざなぎ景気を超えるなど、明るさも見えているということです。

 福井県におきましても、18年第3四半期の完全失業率は2.4%ということで、平成18年1月以来、3期連続で全国一低い水準を維持しています。

 また、合計特殊出生率ですが、お手元の資料に書いてありますが、毎年連続した統計では、平成16年から17年にかけ1.45から1.47の伸びであります。それから、国勢調査の5年ごとの比較は、平成12年の1.60から平成17年の1.50になります。

この違いは、「毎年の統計」では日本人と日本におられる外国人の女性の方とが分母になっていますが、「国勢調査に基づく5年毎の統計」では、分母が日本人だけということです。分母の数字が異なりますので、「毎年の統計」の16年と「国勢調査に基づく5年毎の統計」の17年の数値を比べるのは適当ではないということです。いずれの方式にしても、10位前後から、沖縄に継ぐ全国第2位になったということです。

 全国平均が5年連続低下する中で、本県は16年から17年にかけて、唯一、上昇しており、明るい希望の持てる話題が多かったと考えています。

 これから他県もいろいろな政策を進めてきますし、国においてもいろいろな手当の充実とか、子育ての政策が充実してくると思いますので、福井県のやっているものが国の政策に溶け込めばそれで幸いですし、また、新しい施策をどんどん加えていって、たえず先頭に立たなければならないという気概で臨みたいと思います。

 それから、残念かつ悲しい出来事としては、10月末に福井出身の漢字文字研究者で文化勲章を受章されました白川静先生が亡くなられました。今月16日に追悼フォーラムを開催しましたが、まことに残念なことで、心からご冥福をお祈り申し上げます。また、一方で、先生の業績を子供から大人まで福井県としてしっかり引き継いでいくことが我々の務めではないかと思います。


 さて、例年、その年の県政を振り返りながら年末の所感を述べるところですが、今年はこの時期に4年間の県政の成果を資料として取りまとめましたので、その資料に則してご説明しながら所感を述べたいと思います。詳細は記者会見終了後、総合政策部長から改めてご説明をしたいと思います。

 〔参考資料〕「福井元気宣言」に基づく4年間の県政

 これは、毎年、年度末に1年ごとにやっていますが、今回は4年分を入れています。ただ、本年度は12月までの速報値を最後の欄に書いてあります。

 また、「4年間の県政」というのは、今回、特別に本年末でつくりました。これは、マニフェスト検証大会などで、「こういうご報告は非常にわかりやすく詳しいけれども、県民の皆さんにもっと端的に、易しく、あるいは象徴的に説明できるものが福井県として要るのではないか。」という指摘もございましたので、今回、「福井元気宣言」に基づく「4年間の県政」というものを便宜的に取りまとめて、県民の皆さんの参考に供したいと思い、本日、ようやくつくらせていただいたということです。

 ですから、今日、お手元には「「福井元気宣言」実施状況」、それから、いわゆるベンチマークと言われる「元気指標の達成状況」、これは50項目あり、代表的な指標を経年的にチェックしているものです。それから、「4年間の県政」がこれから概略説明するものです。

 それから、17年に「福井元気宣言」の中間評価を学識経験者4名の方にしていただいた際に、小林慶應大学教授が代表でしたが、今回のとりまとめに当たって、ちょっとご意見をもらいましたので、直接このレポートとは関係ありませんが、参考につけ加えてあります。せっかくの機会ですので、4年間の様子をいろいろご説明してご意見を聞いたということです。

 さて、「福井元気宣言」の実施状況については、これまで毎年、年度末に公表してまいりました。今年度は「元気宣言」の最終年次に当たりますので、これまで公表してきた実施状況が途中経過的なものとすれば、今年度の実施状況は事実上、4年間に実行した施策の全体像を最終的な成果としてあらわすものとなるわけです。

このため、「元気宣言」に基づく県政のトータルな姿については、成果にかかわる各種データもある程度そろったところですので、年度末にお示しするのもどうかと思い、県民の皆さんに早い段階で開示するのが望ましいと考えて、最終的な確定値が出る前に、達成あるいは達成見込み状況を本日に公表することにしました。

 また、これとあわせて「元気宣言」の政策効果を測るため、県政の各分野の取組みを50の指標、ベンチマークといいますが、12月の状況で取りまとめております。

 以上の資料は、これまで公表してきたものの前倒しの公表に当たるわけですが、今回は、今申し上げましたような要約資料をつくり、この4年間、15年度当時と比較して何がどう変わったかなどを取りまとめたものです。

 小林先生からのコメントについては、最終的な成果がどんなものであるかというご関心を持っておられましたので、資料の公表に際し、特にコメントを寄せられたものです。


 それでは、4年間の成果について、特に主なものをご説明します。

 まず、景気雇用対策ということで、5ページ、6ページを見ていただきたいと思います。

 4年前、本県の景気や雇用情勢は非常に厳しい状況にありましたが、「挑戦(チャレンジ)ふくい」や「雇用創出プラン」に基づき、新規創業支援や企業誘致、観光、雇用創出を推進しまして、本年の第3四半期の完全失業率は2.4%と、全国1位の低い水準を維持しております。景気雇用対策を「元気宣言」の中では、「元気な産業」ということで、その当時、最初に掲げるべきテーマであるということで掲げましたが、この分野で全国1位の成果を維持することができましたので、4年間の成果の中でも最初にあげるべきことかなと思います。

 なお、最近の動きとして、昨日発表された11月の有効求人倍率は1.47ということで全国2位です。これは、前年同期比で0.15ポイント上回っており、44か月連続のプラスです。

 また、若者の雇用の促進ですが、「ふくいジョブカフェ」の就職支援について、本年11月までの累計の来所者数が約9,300人となりまして、前年同期比1.3倍に増加し、就職者数も1.6倍と成果を上げております。その一方で、ニートやフリーターの問題がありますので、引き続いて取り組まなければなりません。

 それから、来年1月5日には、Uターン就職をはじめ本県への就職を促進するため、県内外の学生、保護者を対象に、「ふるさと企業魅力発見フェア」を県営体育館で予定しています。また、2月には、東京、大阪、名古屋において本県出身の学生を対象に企業説明会を予定しています。

 なお、この5ページ、6ページには、1万5千人雇用達成とかの状況がグラフにかいてあります。

 次に、21、22ページをお開きいただきたいと思います。

 冒頭申し上げましたように、17年の本県の出生率は、全国が過去最低となる中で、全都道府県の中で唯一上昇し、2位となったということです。本県の少子化対策は、「厚生労働白書」において、子育てマイスターの活動が、全都道府県の中で唯一紹介されています。また、今月1日に閣議決定されました「少子化社会白書」においても、様々な保育サービスの充実や子育てと仕事を両立できる職場環境の整備、3人っ子応援プロジェクト、結婚対策などが取り上げられています。

 今後とも、先ほど申し上げましたように、子育てについて頑張らせていただきたいと思います。また、NICU(新生児集中治療室)の増床など、充実を図っており、子育てや健康長寿に取り組みたいと思います。

 次に、31、32ページをお開き願います。

 この4年間に多くの皆さんといろいろ長年努力して成果を上げたものとしては、北陸新幹線の福井駅部の着工、また、南越・敦賀間の工事実施計画の認可申請の決定などがあったと思います。まだ、道は半ばすが、多くの方々と一緒に粘り強く努力した成果だと思いますので、さらなる努力をしたいと思います。また、年末には、平成19年度政府予算案において、福井駅部について30億円の予算が確保されております。今日の午後、県議会とも今後の方向づけについて協議することとしており、遅滞することなく、次の事業を進めてまいりたいと思っております。

 次に、37、38ページですが、治安問題についてです。

平成14年度当時の本県の治安は、刑法犯認知件数が8年連続して増加するとか、3年連続して戦後最多を更新するということで、刑法犯件数の増加率は全国ワースト6位という、あまりいい状況ではなかったわけです。そこで、警察本部との間で全国初めての「治安回復プログラム」を作成しまして、「子ども安心3万人作戦」などを行うことにより、刑法犯認知件数の減少率は全国1位、検挙率が5割を上回るようになりました。これも、5割を上回っている県は福井県以外にはおそらくないと思いますが、このように、幸いにして成果が上がっていると思います。

 その主な理由は、警察官が取り締まる検挙活動もさることながら、自分の町は自分で守るという防犯活動が功を奏しているのではないかと思います。本県の警察官の数は約1,600人ですが、これを人口数で単純に割り算しますと、1人の警察官が520人の県民の安全を守っている計算になります。一方で、自主防犯活動団体「ふくいマイタウン・パトロール隊」の参加者は約9,000人であり、1人当たり県民約90人を守っているという計算になります。いろんな意味で、警察本部、ボランティア、地域の皆さんが力を合わせて進めていくことが重要かと思っております。

 なお、今年平成18年も、11月末現在の刑法犯認知件数は、昨年同期に比べて12.9%減少しておりまして、減少傾向にあります。とはいうものの、治安が比較的よかった我が日本の昭和50年代の水準にはまだ遠いわけですので、さらに、治安回復から治安の向上というレベルを目指さなければならないと思います。

 以上、目次の23項目のうち数項目申し上げましたが、細かくは後ほど見ていただければありがたいと思います。

 また、39、40ページにも掲げてありますけれども、第20番目の項目ですが、4年間を振り返りますと、マニフェストでは想定しなかった突発的な災害や事故もありました。こうした事態に対応しながらいろいろ成果を上げてきたわけですが、これも、県民の皆さんをはじめ、議会、各界の方々のご支援によるものと思っておりまして、改めて感謝を申し上げます。残された期間、その仕上げのために全力を挙げていきたいと思っております。そして、その成果をしっかり提示し、評価し、福井県の次の飛躍へつなげていくことが大事だと思っております。

 以上が「元気宣言」の状況ですが、後ほど詳しくご説明をさせていただければと思います。


 次に、公立大学法人福井県立大学の理事長についてご報告します。

 県立大学については、平成19年4月1日から独立行政法人となり、新しく設立する「公立大学法人福井県立大学」が大学の設置・運営を行うことになります。このたび、理事長については、石井佳治さんにお願いすることにします。就任は、平成19年4月1日からとなります。石井さんは、人格・識見ともすぐれ、実務能力も卓越しておられ、理事長として重要な仕事をやっていただくことになりますので、ご就任をお願いしたわけです。

 理事長としての任期は平成19年4月1日から3年間ということになりますが、年明けから随時、県が策定する中期目標にご意見をいただくほか、中期計画の策定、学長等の法人役員の選任、法人のいろんな規程などについて最終的に判断を行い、4月からの法人化に向けて準備していただくことになると思います。


 次に、「健康長寿度チェック」手法の開発についてです。

いわゆるアンチエイジングの医学の考え方に基づいて、かかりつけのお医者さんで割合簡便に、年齢、健康長寿度を測定する手法について、県医師会と連携しながら取り組んできました。開発に当たりましては、アンチエイジング医学の第一人者である同志社大学アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一(よねい よしかず)さんの指導を受けながら進めておりましたが、今回、その手法を開発したところです。

 今後、県内医療機関に向けての説明会を行い、この「健康長寿度チェック」手法の導入を働きかけるとともに、県民の皆様にも普及を図っていきたいと思います。そして、健康長寿日本一といいますか、世界一を目指したいと考えています。


 次は、オランダの自転車の寄贈についてです。

 本県が進めている「健康長寿バイスクル」事業の趣旨にご賛同いただき、今月、帝人株式会社からオランダ製のユニークな自転車2台の寄贈を受けました。財団法人日本自転車産業振興協会の話によると、このタイプのユニークな自転車が国内に入ってくるのは初めてではないかということです。

 いただいた自転車は、丸型の7人乗り自転車とストレート型の8人乗り自転車の2台です。丸型は、丸型自転車、英語ではカンファレンス・バイクと言うそうで、また、8人乗りはストレート型自転車、英語ではタンデム・バイスクルと言うそうで、タンデムというのは、直列という意味だそうです。これから寒くなりますので、来春以降、県の公共施設、市町村等のイベントあるいは交通安全などにおいて活用し、親しんでいただきたいと思います。

 なお、明日午前10時から、福井運動公園内の補助競技場において、春江工業高校自転車競技部の生徒の皆さんによる試乗を行う予定であり、後ほど担当課から連絡します。


 次に、このたび、福井県男女共同参画計画を策定しまして、これは後ほど担当課から詳細についてお知らせしたいと思います。


【記者】  今年最後の記者会見ということですので、西川知事、今年を振り返って、心に残ったニュースや出来事、振り返って記憶に残るようなものについて、振り返りながら感想を述べていただければと思います。

【知事】  先ほど、冒頭、年末の所感ということで申し上げましたけれども、昨年暮れから記録的な大雪がございましたし、7月には豪雨、ミサイル発射など、危機管理というものがありましたので、やはり、最初動といいますか、初動のその前の活動が大事だと思います。おおむね迅速に対応できたのではないかと思います。

 社会的には、少子化問題が国内外、地方、東京を通じてクローズアップされましたが、先ほどの皇室での男児の誕生、また、福井県も非常に成果が出てきたということで、よかったと思います。

 経済面では、いざなぎ景気を超えるということで、福井県としては、先ほども申し上げましたが、全国一低い完全失業率、また、企業誘致の増加ということで、これは皆さんの大きなお力によるものと思います。

 交通関係では、関西から敦賀までの新快速直通化、また、舞鶴若狭自動車道の完成予定時期が明示され工事が進んでいること、さらには北陸新幹線の福井駅部の着工など、大体めどがつきつつあるものが増えてきましたので、特に新幹線についても来年に向けて全力で取り組み、成果を上げたいと思います。

 また、今年は福井県の少子化対策が国内外に知られたほか、住みやすさ日本一、これは上流度日本一という名前でも出されております。それから、おいしい食べ物がある福井ということで、本県が注目された年だったと思います。日本一とかそういうものが多い年でしたので、こういうことをさらに大事にしていかなければならないと思います。いろんなものが実を結んできたということですので、さらに新たな懸案に立ち向かえるということです。

 また、白川先生のお話を申し上げましたが、福井のよさというのは、白川先生みたいにユニークで、そして地道に長年ご研究をされて、その成果があらわれるというものが割合多いわけでして、こういうものを福井県としてこれから伸ばしていくということが重要かなと思います。

 なお、個人的には、今年は大根とかウリの豊作の年でして、来年はどういうことになるのかなと思っています。

【記者】  先ほど、道州制問題についても、今後の地方を位置づけていく年だというお話がありましたけれども、その一方で、今年は他県で談合などの話があって、地方自治というものの信頼性が揺らいだ年じゃないかと思うんですけれども、西川知事としての感想なりありましたらお願いします。

【知事】  これは私自身もしっかり心を引き締めて、引き続き政治に取り組まなければなりません。また、組織は全体として大きいので、組織全体が県民益を中心にしっかり目的を持って、健全な運営をする気持ちで取り組むことがこれからますます大事だと思いますので、そういう精神で臨んでまいりたいと思います。

 いずれにしても県民益が第一ですし、私はいわゆる改革派という看板を掲げているわけではありませんけれども、やはりしっかりした地道な努力をして県政をよくしていきたいと思います。

【記者】  年明け早々には美浜原発3号機の営業運転再開に向けた動きがあり、安全性を徹底して進めていかれるんだろうと思うんですが、何か関電に要望されていることはありますか。

【知事】  事故以来、美浜の問題については2年半弱経過したわけで、運転再開の大体の基本的な方向を電力事業者としてお決めになったということです。まずは、この事故が発生した直後から申し上げておりますが、被災された方への誠意を持った対応が基本にあるわけですので、それを引き続きやっていただくと同時に、安全対策に万全をもって臨んでいただき、電力供給という一刻たりとも中断のない仕事ですので、その社会的使命をぜひ引き続き全うしてほしいというのが私の思いです。

【記者】  来年度予算の政府案が決定して、福井県の要望していた項目というのはそれなりに盛り込まれたのかなと思うのですが、政府案決定を受けて、改めて知事は今回の予算編成をどのようにとらえられていますか。

【知事】  個別の案件はいろいろ確保したと思っておりますけれども、特に新幹線の基本的な方向づけ、これを何としても、平成19年度において方向づけがなされるということは非常に重要だと思っておりまして、それに全力を傾けなければならないだろうということです。

【記者】  マニフェストの件なんですけども、一応、最終的にこの結果を出して、次期マニフェストをまたつくるという形になると思うのですが、この経過をどう生かしていくかという意味合いでは、例えば今まで達成できた目標数値をさらに上げる、あるいは、もっと質を上げるということもあると思うんですが、その辺はどのように考えて次のマニフェストをつくられていくんでしょうか。

【知事】  年明けに概要、大まかなあらまし的な方針は出さなければならないと思いますけれども、お正月の中でいろいろ考えないといけないこともあるでしょう。非常に次の世の中、いろんな実績が上がっておりますから、今おっしゃられた次の質をどうするか。

特に産業面では平均的にある程度の方向が出ましたので、次にどちらに重点を置くか、それが教育問題なのか、ほかにどういう問題があるのかということが1つありますし、特に福井県としての特色なり、そういういろんな方向づけをどうするかというのが大きな課題になるかなということを思いながら、いろいろ考えなければならないと思っている状況です。

【記者】  4年前、就任した当時のマニフェストを掲げたときの目標値について、当時、自信というのがどのぐらいあって、それが今どのぐらい実現できたのか、その辺のところをお願いします。

【知事】  4年前は特に経済環境が非常によくなかったんですね。国の推計値では、失業率が福井県は4%台でした。当時、雇用対策の計画をつくるときに、数値を掲げて政策を進めないといけないわけでしたので、失業率を2%台と書いて、達成できるかどうかと非常に決意が要ったんですが、2%台と書いて、現在2.4%になったわけです。あの当時、全般的な経済環境というのは非常にプレッシャーとして地域にもかかってきましたので、そういうものをいかに打破して福井県の産業に元気を出していくかというのが課題でした。

 今回は、そういうものは幸いに、国全体としても福井県としても平均的には突破できたかなということですので、次の新しい、自分たちで独自にいろいろ考えられる課題は出てくるのかなと思います。

 しかし、一方で、新幹線などは国のプロジェクトですから、我々がいかに地元として努力するかということも一方でありながら、国・地方の共同的な努力というのができないと実現できませんから、そういうものをどんなふうに位置づけるかというのもまた一方であると思っております。

【記者】  かなりの項目で達成できていると思うんですけれども、改めて、達成できた理由といいますか、これだけの数字を残せた理由というのは、こういう点がよかったのではないかということがありましたら。

【知事】  これは職員の皆さんにもきつくいろいろ言いましたから。きつくというと表現が適当かどうかわかりませんが、4年間しっかりやってもらわないと。私もやるから、職員もちゃんとやってもらわないと、県民の皆さんに約束したことを実現できないということで頑張ってもらったというのが1つ、組織としてはあります。

また、最近、文化や観光や教育、あるいはまちづくりでも、だんだん自分でやろうという気風がこれまで以上にその兆しが見えるのかなという感じがします。また、福井のことを、こういういいところがあるということをだんだん県外に向かって言っていく感じも出ていますので、そういうのが非常によかったことです。さらに、そういうことを伸ばしていくのがまた我々の役目の一部でもあり、そんなことが相まってだんだんいい方向が出ておりますから、それを加速していこうと思います。

【記者】  知事ご自身も、「元気宣言」の評価については量から質が大事だと。また、もともとアウトプットからアウトカムが大事であるとおっしゃっていた。そういう点からして、この4年間の、知事ご自身の評価、得点としては、どういうふうな感想なんでしょうか。

【知事】  マニフェスト検証大会のように第三者が点数をつけるみたいなわけにはいかないですね。いろいろ努力はしたと思っているんですけれども。そういう評価は皆さんでやっていただければと。

【記者】  数字的にはかなりの……。

【知事】  そうですね。

【記者】  そういう点で知事はどういうふうに?

【知事】  それは、まあまあできたかなとは思っているんですけれども。

【知事】  質的なものではどうですか。これからの課題として、こうしたいとか、この辺が少し足りないのではないかとかいう思いは?

【知事】  福井県はそんなに大きい県ではありませんので、いかにそのパワーが発揮できるか、それから日本全体における福井県の立地条件をよくしていくかというのは、新幹線なども含めて、なお課題ですね。いろんないい施策とか先進的なプロジェクトによって地方自治をリードするということはできるんですけれども、それ以外に、なかなか困難なものが一方でありますので、そういうことについてさらに努力をする必要があるだろうと思います。

 そして、先ほどのお話ですが、職員の皆さんが自主的にいろんなことを、もっともっと、そういう気風は出ておりますけれども、政策なり意見、そして行動してもらうことがこれからの課題かなと思うんです。

【記者】  県立大学の理事長の件なんですけれども、今、名前は伺ったんですけれども、もう少し詳しく、どういう方で、どういう役割を担っていただきたいと思っていらっしゃるのか。

【知事】  石井さんは、今、福井県信用保証協会の理事長ですが、県庁では出納長、企業管理者、県民生活部長などをやっておられました。東京教育大学を卒業されておられて、65歳です。

 仕事の中身は、法人化後の理事長の主な権限ですが、中期目標に対する知事への意見提出、中期計画・年度計画の策定に関する事項、予算の作成・執行、決算、大学の学部・学科その他重要な組織の設置・廃止に関する事項、職員の人事評価に関する事項、それから学長・理事・職員の任命ということです。

 ですから、実務的な最高の責任者ということになります。やはり実務能力が非常に重視されますので。学長先生は大学の学術、研究、教育を今まで以上にお進めいただくということで、福井県立大学の中身を充実して、また社会貢献もしていただくということになります。

【記者】  これまで県の職員として、出納長も経験がありますし、実務能力を高く買って理事長に選ばれたということでよろしいんですか。

【知事】  人格、識見、人柄、実務能力、いろんなものが備わっていないと、あんなに大きい組織を運営できませんから、それ全体だと思ってください。

── 了 ──


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