知事記者会見の概要(令和元年6月14日(金))

最終更新日 2019年7月18日ページID 041545

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令和元年6月14日(金曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

知事190614

 
 

【知事】  

 皆さん、おはようございます。発表事項が幾つかありますので、お手元の資料に基づきながら、ご説明をさせていただきたいと思います。

 最初に、北陸新幹線金沢・敦賀間の福井県内区間に設置される透明防音壁の状況についてでございます。

〔資料:北陸新幹線(金沢・敦賀間)の福井県内区間に設置される透明防音壁の状況
〔資料:主な透明防音壁設置個所

 新幹線に乗っていただくとお分かりいただけると思いますが、トンネル以外の区間では、防音壁の無いところは景色が良く見えますが、住宅が密集している区間では騒音対策として防音壁を設置することになっています。防音壁の高さには2mや3m、3.5mの3種類があり、2mより高い防音壁を設置すると景色が見えなくなります。特に北陸新幹線はトンネルが多いこともあり、景色が見えないことでストレスがあるかと思いますので、それを少しでも解消しようというのが、この透明防音壁を設置する取り組みでございます。

 配付資料に記載しているとおり、県内区間については往復で78kmありますが、このうち高さが2mまでの防音壁の区間が58kmとなり、この区間では外の景色を見ることができます。一方で、車窓からの景色を見ることができない防音壁の高さが2mを超えている区間が20kmありますので、特に美しい田園風景や、まち並み、山並み、さらに九頭竜川の豊かな自然などを中心に景色を見ることができるように、4割、8kmについてJR西日本の負担で透明防音壁とすることについて合意いたしました。私たちとしても、福井のこうした景色の良さも宣伝していきたいと思っています。配付資料にこの車窓から見られるであろう現在の景観の写真を掲載していますが、透明防音壁の設置により新幹線の車窓からこれらの景観を見ることができることになります。

 

 2点目は、園芸体験施設のオープンについてでございます。

〔資料:福井県園芸体験施設「園芸LABOの丘」について

 美浜町久々子湖の園芸研究センター内に、美浜町と整備を進めてきた「園芸LABOの丘」という園芸体験施設のオープンが7月20日に決まりました。7月20日、21日にはオープニングのイベントを開かせていただきたいと考えています。

 この新しい「園芸LABOの丘」は、久々子湖が見渡せる非常に見晴らしの良い場所に立地しています。また、園芸研究センターは新しい品種を育成している研究所ですが、一般の県民の方にも研究成果等に親しんでいただこうという目的で整備したものでございます。

 施設の概要は配付資料に記載しているとおりですが、「園芸LABO」では、ここでとれたトマトを使ったピザづくりや、いろんな植物の顕微鏡での観察、野菜栽培の講習などができます。また、資料に園芸体験教室、「食べる」「作る」「学ぶ」と記載しておりますが、ピクルスづくりや、やさいの絵の具での絵はがきづくり、秋の七草でのリースづくりなど楽しいことが体験できます。さらに、トマトがどのように熟していくのかや、植物や昆虫を顕微鏡で覗いて、将来の科学者が生まれるようなことを期待しています。また、美浜町が整備したレストラン・直売所「こるぱ」では、近所の方や観光客の方にも親しんでいただけると思っています。

 この地域には、美浜町が整備したエネルギー環境教育体験館「きいぱす」や、県立の年縞博物館、6月9日に供用を開始した河内川ダムなど、自然に親しめる施設もありますので、例えば、嶺北の子どもたちをこういったところに連れて行ってあげる。最近、私も県民の皆さんと話していてびっくりしたのは、「大人になっても、嶺南に行ったことがない」という方が嶺北には結構いらっしゃいます。新県民歌の中でも越前と若狭の話がたくさん出てきますし、子どものうちから親しんでもらうとお互いの交流もできますし、地域のことも分かりますので、子どもたちの交流にも、こういった施設を活用していきたいと思っています。

 

 3点目は、県外大学との就職支援協定の締結についてでございます。

〔資料:就職支援協定の締結について

 私も実は選挙中も含めて、知り合いの大学、今回協定を締結する大学の一つですが、就職協定を結びましょうと声を掛けてきました。また、知事に就任してからも、こういった大学との就職支援協定を結ぶということはとても大事なことだと思いますので、協議を進めてまいりました。その結果、話が整ってまいりましたので、ご説明をさせていただきます。

 県外大学との就職支援協定を現在8校と結んでいますが、新たに8校と6月から8月の間に協定を順次結んでいこうと思っております。

 今回、協定を締結する大学の特徴としては、名城大学や愛知学院大学、日本福祉大学という中京地域の大学と初めて協定を締結することです。県内の高校3年生約7,000人のうち、約4,000人が進学します。そして、そのうち約2,900人が県外に出ています。県外の進学で一番多い地域が、京都、次が石川、そして大阪であり、その次が愛知になります。東京は約270人で、4、5番目になります。それに対して愛知県には300人以上が県内から就学しています。そういう子どもたちが少しでも福井に帰ってこられるように、こちらからの働きかけがしやすいように、今回、協定締結校を中京地域にも広げたということでございます。

 この協定を締結することによる効果はかなりありまして、例えば、京都産業大学のUターン率については、協定締結前の37%から協定締結後には53%に上がっています。また、関西大学でも34%が44%まで10ポイント上がっていますし、関西学院大学も28%が43%に上がるという効果が出ていますので、こういう具体的な効果も求めていきたいと思います。

 こういう協定を結びますと、大学側は、学生向けに県が出すいろんな情報を配っていただいたり、合同の就職説明会を開かせていただくなど協力的に動いていただいています。県内企業も、大学に窓口がありますと、非常に訪問しやすいということでございますので、協定締結校をこれからも増やしていきたいと思います。

 福井に戻ってきたいと思う学生が多く在籍する大学と協定を結んでいますので、今回、さらに効果を出したいと思っています。さらに、これは、ほぼコストがかからず、県にとってもメリットがありますので、さらに進めていきたいと思っています。

 

 4点目は、原子力防災訓練についてでございます。

 今年度の原子力防災訓練につきましては、8月30日(金)、31日(土)に、関西電力美浜発電所を対象として、県主催で実施したいと思っています。

 訓練内容については今、調整中でございますが、いつも実施している住民参加型の広域避難訓練や災害対策本部の運営訓練も行います。また、昨年の訓練の中で課題になった避難住民への情報提供や、事故制圧と連動した実践的な訓練などを実施します。さらに、美浜発電所のUPZ圏に含まれる嶺北地域の南越前町、越前市、越前町の住民にも訓練に参加していただき、避難手順の確認などを行っていきたいと考えています。

 

 最後に、明日から1週間、21日の金曜日まで、「第32回宇宙技術及び科学の国際シンポジウム(ISTS)」をアオッサとハピリンを中心に開催いたします。

〔資料:第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)福井大会について
〔資料:宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)福井大会の概要

 約1,000名の方が参加され、そのうち外国の方が24カ国約200名となる予定です。内容的には、シンポジウムとして、地球観測や小型衛星、太陽系探査、宇宙ゴミ、ロケットエンジンなど、研究者の方が学術セッションを行い、国際宇宙展示会を5日間実施いたします。さらに、地元主催プログラムとして、子ども向けの化学実験ショーや、3月にNASAへ派遣された中学生による成果発表、高校生の研究成果発表、宇宙関連のトークショーを行います。また、エクスカーションも実施し、これからの新幹線時代に向けて、インバウンドも強化していきます。一乗谷朝倉氏遺跡や日本酒の酒蔵、座禅体験、和紙の里、眼鏡、永平寺、恐竜博物館、企業ではセーレンなど、嶺南でも年縞博物館や赤レンガ倉庫など、こういったところのエクスカーションも順次進めながら、お越しいただいた皆さんに、福井県、日本の良さを体験していただいたり、おもてなしもさせていただきたいと思っています。

 

~質疑~

 

【記者】  

 新幹線の防音壁の状況についてお聞きします。これは、2mのコンクリート製の壁があって、そこから上の部分が空いていれば景色が見えるということでしょうか。

 

【知事】  

 そうです。2m超の部分を透明防音壁にするということです。

 

 

【記者】  

 2mを超える防音壁のうち、4割を透明防音壁にするということですか。

 

【知事】  

 そうです。

 

【記者】  

 その費用はJRが負担するのですか。

 

【知事】  

 そうです。JRが透明防音壁の材料を負担し、鉄道・運輸機構が施工するということになります。

【記者】  

 透明防音壁の主な設置場所について、坂井平野周辺、九頭竜川周辺、敦賀駅周辺の3か所が配付資料に記載されていますが、この場所は県が指定したのでしょうか。

 

【知事】  

 県から提案をし、JRとの話し合いによるものです。

 

【記者】  

 先ほど、景色の良さをさらに鮮明にしていきたいというお話がありましたが、こういった場所が福井の美しさとして象徴される場所であるという話し合いが行われたのでしょうか。

 

【知事】  

 配付資料には代表例を記載していますが、やはり福井らしい景色だと思います。特に坂井平野の、あれだけ平らな場所の田園風景はそんなに無いのできれいな風景だと思います。

 

【記者】 

 就職支援協定の締結についてお聞きします。Uターン率が上昇しているということですが、福井県となじみのある立命館大学の京都出身者など、県外出身の学生が福井に就職する割合も高まっているという効果もあるのでしょうか。基本的に、この就職支援協定は県内出身者に対して強化するものであって、県外出身者の学生が福井の企業に就職するということは、あまり考えていないのでしょうか。

 

【定住交流課長】  

 基本的には、本県の高校を卒業した学生の皆さんがどれくらい福井に帰ってきているかということになります。県外出身の学生については、数字としては入っておりませんが、そういう方も何人か、Iターンで福井に就職される学生はいらっしゃいます。

 

【知事】 

 これからUターン、Iターン、さらにそれ以外の福井に定住される方を含めて、政策を進める上でも統計をしっかり取って、充実させていきます。

 

【記者】  

 県外出身者の学生に対する効果も期待していると思えばよろしいでしょうか。

 

【知事】 

 もちろん合同企業説明会は、対象者を県内出身者に限るわけではありませんので、広報は広く行っていきますし、大学も協力してくれています。県としては、まずは可能性の高いほうからという意味で今、県内出身の学生について申し上げましたが、それは県外出身の学生も含めて幅広く実施していきたいと思います。

 

【記者】 

 北陸新幹線の透明防音壁について、旅の途中の移動も楽しんでもらいたいということでしょうか。

 

【知事】 

 新幹線に乗られている方はみんな景色を楽しみたいと思います。東海道新幹線であれば、富士山の前では何となく車窓を見られていると思いますし、新幹線の中でも、そういう放送をしています。やはり外の景色が見えたほうが、旅の疲れをとる効果は大きいと思います。景色がきれいなところや特徴的なところを特に見ていただくということは、新幹線により多く乗っていただくためのメリットだと思っています。

 

【記者】 

 やはり福井の自然や景観というものを新幹線の乗客に見てほしいとお考えでしょうか。

 

【知事】 

 そうです。先ほども申し上げましたが、今なら田んぼの緑が段々ときれいになりますし、少し前であれば麦秋の色など、福井らしい景色で本当に和むと思います。また、まちなかに入ってくれば、ハピリンも見えてきますので、まちの中に来たな、駅が近いなという感じもあります。全部を透明防音壁にするとお金がかかりますし、JRにお願いしている話ですので、4割というのは良くしていただいたと思っています。

 

【記者】  

 宇宙事業について、県民衛星に取り組むなど、福井は宇宙先進県だと思います。明日からISTS福井大会も開催されますが、どのようにお考えですか。

 

【知事】  

 昨日、福井県の今年の予算は2.4億円、全国で2番目という報道もありました。今、新しい産業の芽を起こしていくということは非常に重要ですし、私もいろんな形で応援していきたいと思っています。それが上手くいっているのが、この宇宙分野だと思います。

 先日もガンダム衛星についての報道が一部ありましたし、一昨日発表された水を推進力にして動かしていく「AQT-D」も県民衛星を打ち上げるということで県内企業が集まり、東京大学、県工業技術センターが一緒にその中身を研究していく中で新しい技術を開発していく。県民衛星をつくるだけではなく、その技術を使って新しい商業衛星、衛星分野にいろんな形で出ていく。そういうことにチャレンジしてきた結果、世界で初めての水を活用した推進力、安全性の高さ、宇宙ステーションの中にも持ち込めるという「AQT-D」が開発されました。こういったことは、これからも応援をしていきたいと思っていますし、その応援の成果が出ていると思っております。

 

【記者】  

 今後、福井県が宇宙開発により注目されていくとお考えでしょうか。

 

【知事】  

 注目されてきていると思います。工業技術センターに整備した測定機械は、全国でも3か所しかないようなものでして、これを利用するのに全国的に見れば順番待ちのような状況になっています。県でそういうものを整備し、県内企業が頑張るということもありますし、整備された測定機械の近くで研究したほうが物事の効率は良くなりますので、新しい企業を呼び込むということにもなると思います。民間の皆さんの力、出資などを受けながら県がここ3、4年行ってきたことは、良い方向に回転していると思います。

 

【記者】  

 防災訓練についてお聞きします。今回の訓練は、金曜日、土曜日になりますが、UPZを含む住民の方に多く参加してもらおうと思うと、金曜日の実施は難しいと思いますが、なぜこの日程にされたのでしょうか。

 

【危機対策・防災課長】  

 30日の金曜日については、自治体や事業者による災害対策本部訓練や緊急時通信連絡訓練などを中心に実施する予定です。31日の土曜日には、住民参加の訓練を実施する予定で調整しております。

 

【記者】 

 新幹線の透明防音壁について、北陸新幹線で他に採用されている区間はあるのでしょうか。

 

【知事】  

 福井県のほうが採用率は高いと思いますが、石川県でも透明防音壁は採用されています。どこの県もJRに希望していると思います。特に北陸新幹線はトンネルが多いので、できるだけ景色が見えるようにしたいという思いもあると思います。

 

【記者】  

 北陸新幹線以外でも、透明防音壁を採用しているところはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 乗っていると分かりますが、東海道新幹線でもあると思います。今回の件について、JRは福井県のために頑張ってくれたと思います。

 

【新幹線建設推進課長】  

 石川県に比べて透明防音壁の割合は少し福井県のほうが高くなっています。JRには福井県の思いを酌んでいただいて、共に検討した結果だということです。

      

【記者】

 県の思いもかなり入っているのでしょうか。

 

【知事】 

 そうです。JRには強く要請してきました。

 

【記者】 

 就職支援協定についてお聞きします。既に就職支援協定を締結している大学では、Uターン率のアップも見られますが、これは協定の中で具体的にどのようなことを行ったのでしょうか。

 

【知事】 

 1つは、合同企業説明会というものを告知していただいたり、大学の中でも説明会をさせてくださいます。また、県内の企業が大学を訪問した時も、いろいろと学生を紹介していただくなど、大学側が積極的に動いてくださいます。

 さらに、この就職支援協定は大学側にもメリットがあります。大学と就職協定を結んでいると、親御さんは子供に地元へ帰ってきてほしいという思いもありますので、高校生の子供に「ここはいい大学だよ」というような話をします。そうすると、子供もその大学を受けてみようという話にもなります。これは、両方にメリットがあるということだと思います。

 

【記者】  

 就職支援協定を結ぶことによって、入学の時にも、そういう影響というか、効果があるということでしょうか。

 

【知事】  

 そうだと思います。入学時点では大学側のメリットが大きいと思います。そういう話題を高校生の時からしているということもまた、子供にとっては意識づけになるので、大事なことだと思います。就職支援協定を結んでいただける大学とは次々と締結していけばいいと思っています。

 

【記者】 

 就任前からお声がけしていた大学もあると言われていましたが。

 

【知事】

 知り合いが学長をしている大学もありますので、そういうところに声をかけました。

 

【記者】  

 今回協定を結ぶ大学の中では、どの大学ですか。

 

【知事】  

 東海大学です。

 

【記者】  

 この後、就職支援協定を結んでいく中で、今まで実施してきたこと以外に新たに大学と進めていきたいと考えていることはありますか。それとも、協定を締結する大学を増やしていくほうが先でしょうか。

 

【知事】  

 それは両方必要だと思います。大学と一緒に行うことは概ね同じことだと思いますが、合同企業説明会の際に、企業が関東や関西へ行って会社のPRをしますが、福井に帰ってきて就職活動することも大事ですので、帰省の足を確保する、特に就職活動の時に福井に帰りやすいようにその交通費を面倒見るようなこともセットにしていくと、企業が向こうへ行く時だけではなく、学生がこの会社がいいと思ったようなところに訪れやすい、そういう環境をつくっていこうと思います。

 

【記者】 

 学生が県内企業に足を運んで見学などをする時の交通費の補助も検討できるといいのではないかとお考えですか。

 

【知事】 

 はい、そういうことも考えていきたいと思います。実際に会社を見て、面接試験も受けてもらわないといけません。それを、お金も無いし面倒くさいと思われない方法を考えています。

 

【記者】  

 県内企業を知ってもらうきっかけをつくるためには、この協定がまず大事だということでしょうか。

 

【知事】 

 はい。これは大きいと思います。先ほど申し上げた通り、Uターン率が10ポイントから15ポイント上がるということは、大きな効果だと思います。

 

【記者】

 どれぐらいの期間でUターン率が10ポイント、15ポイント上がったのでしょうか。

 

【定住交流課長】 

 京都産業大学などと平成27年に就職支援協定を締結していますので、3年間でUターン率がアップしています。

【知事】 

 正確に申し上げますと、京都産業大学は平成27年8月31日に締結して36.8%が52.6%、関西大学は平成28年9月1日に締結して34.1%が43.8%。関西学院大学は平成28年9月1日に締結して28.0%が42.9%にUターン率が上昇しています。

 

【記者】  

 原子力防災訓練について、今回、美浜地域を選定された理由を教えていただけますか。

 

【知事】  

 現在、国では美浜地域の広域避難計画策定に向けた作業を進めているところであり、検討している内容を実効性のあるものにするため、検証を含めて実施したいと思っています。また、前回の訓練から6年が経過していますので、そろそろ再度訓練を行う時期が来ていると思っています。

 

【記者】  

 美浜地域の広域避難計画については、まだ策定されていませんが、現在どのような状況で、いつごろ策定できるという見通しはありますか。

 

【危機対策・防災課長】  

 平成30年12月に美浜地域の作業部会で、広域避難計画(緊急時対応)を策定する第1回目の会合が開かれており、以降3回、作業部会を開いています。今後のスケジュール等につきましては、国次第ではありますが、まだ未定です。

 

【記者】  

 県が平成26年に策定した広域避難要綱では、美浜町の県内避難先は、おおい町と大野市となっています。原子力発電所が立地する自治体で、県外避難先が無いのは美浜町だけですが、もう既に決まっているのでしょうか。

 

【危機対策・防災課長】 

 美浜町につきましては、行政サービスと地域コミュニティーの観点から県内で避難先を確保する方針を町が決めています。そのため、嶺北地域では大野市、嶺南地域では西側のおおい町への避難となっています。

 

【記者】  

 先ほど、宇宙に関するお話の中で、ガンダム衛星という言葉が出てきましたが、これはどういったものでしょうか。

 

【知事】  

 ガンダム衛星とは、縦横10cm、長さ30cmの四角い箱の中から、小さな電光掲示板と、ガンダムのフィギュアが出てきて、地球を背景にしながら写真を撮るという取り組みを、東京オリンピックに向けて組織委員会が行っています。そこの電光掲示板に映すオリンピックへの応援メッセージを公募するということを行っているようです。

 これは、日本の宇宙産業の技術力の高さを証明すること、それと、イベントの盛り上げだと思います。地球を背景にしながら、ガンダムと自分が書いた応援メッセージが電光掲示板に出て、それをカメラで撮影してもらえるということです。

 

【記者】  

 それに福井が関わっているということでしょうか。

 

【知事】  

 そうです。それに、東京大学と県工業技術センター、県内企業のセーレン、鯖江精機、春江電子が関わっていると私は理解しています。企業からも聞きましたが、「今、頑張っているんです」と、やる気十分です。「本当に新しいことができそうなんです」と。どこの企業も、今までそういう宇宙産業に取り組むことはありませんでしたが、今は物事の精度が上がってきて、もしくは、今まで経験したことがないような新しい課題に対応してきた結果、高い技術のものができ、他の物にも応用がきいているようです。皆さん、一生懸命でした。

 

【記者】  

 オリンピックで福井の宇宙分野の技術をアピールできるということでしょうか。

 

【知事】  

 そうだと思いますが、詳細については担当部局にもお問い合わせください。

 

【記者】 

 6月1日の組織改正・人事異動から約2週間経過しましたが、現時点でどのような成果が生まれていると知事はお考えですか。

 

【知事】 

 6月1日の組織改正・人事異動の際には、職員に対して徹底現場主義、文化力、仕事の進め方改革の話をさせていただきました。またそれ以前から、徹底現場主義、県民主役の県政、市や町との協働をずっと申し上げながら、政策ディスカッションも行いましたし、クレドの策定も始めているところです。

 その中で、私は、職員の皆さんが明るく仕事をしている感じを受けます。今、予算査定を行っていますが、議論が非常にかみ合います。事前に私が大きな方向性を政策ディスカッションの時に話していますので、できあがってきた予算の中身も、概ね私の考えている方向に沿っています。その方法論について、よく具体的に検討されたものが出てきています。当初から申し上げてきたことが、職員の皆さんにかなり通じているという印象を受けています。また、コミュニケーションをディスカッションの中でも重要視していますので、私もいろんな質問や意見を申し上げますが、それに対して積極的に若い職員も参加をしてきて、説明の中身も分かりやすいですし、的を射ていると思います。私は今まで何年も県で予算査定をやっていましたが、今までとは大分違うという印象を受けています。そういう意味では、職員が自分のアイデアや能力を活かしながら仕事ができてきていると思っています。予算については、まだ全体像を見ていませんが、私がスタートダッシュが必要だと思っていたものを形にしながらできるのではないかと、期待も含めて思っております。

 また、市町との協働ということについて、今日と来週月曜日に市長や町長と6月補正予算についての意見交換を行います。これも職員から、こういうことをやりましょうと言われて行うことです。こういうアイデアも出してくれています。

【記者】 

 今日の市町との意見交換会というのは、職員から上がってきた話だということでしょうか。

 

【知事】  

 私も、市町との意見交換を行うという考え方は持っていましたが、いつのタイミングで行うかということまでは言っていませんでした。しかし、職員から「このタイミングで一回行ったらどうですか」と言われて、そうだと思いました。ですから、具体的に今回のこのタイミングというのは職員からです。

 

【記者】 

 市町協働の象徴とも言える市町との意見交換会が本日行われますが、期待することや、どのように政策や予算に反映するのでしょうか。

 

【知事】  

 予算査定を行っていても、不登校の問題や安全・安心、地域防災など、市町と一緒に行わなければならないことを予算化しようと思っています。また、新幹線時代に向けて、インバウンドを今から受け入れられるようにしていくことを考えています。

 こういうことは、当初予算であれば少なくとも年内のうちに話し合いを持っておく必要があると思いますが、今回は、統一地方選挙もありましたので相当急いできた結果、このタイミングに行うことになりました。しかし、今回、我々が考えていることは、市町に対して押しつけ的なことはないと思います。我々の考えている趣旨をお話しし、またそれにご賛同いただければ、市町も予算化もしていただけると思います。また、足らざるところをご意見いただければ、県も9月補正や来年当初に、それを形にすることもできます。全ての市長や町長と予算編成の前に具体的なお話ができるということは効果が大きいと思っています。

 

【記者】  

 本日、大阪で、北陸新幹線敦賀以西の整備に向けて、関西の協議会が立ち上がりまして、あわせて決起大会も開かれます。残念ながら杉本知事は参加されないということですが、その協議会に今後期待したいことはありますか。

 

【知事】

 私はこれに行きたいという話をずっとしていたのですが、本日の記者会見の予定もありまして、今回は行くことができませんでした。

 私は、選挙戦の時から北陸新幹線は関西のための新幹線であると申し上げてきました。これはよく北陸の方も関西の方もおっしゃられますが、北陸新幹線の開業により、東京と北陸が直結、一体化してしまって、関西との結び付きが手薄になったと言われています。やはり、越前、越中、越後、加賀というような地域は、もともと関西とのつながりが強いですし、福井の高校生が進学する地域も関西が中心ということを見れば明らかです。関西とのつながりは非常に重要で、関西にとって北陸は大切な場所だと思います。そういうことに、関西の皆さん、大阪の皆さんが気づいていただいて、推進力になる協議会をつくってイベントも行うということですから、とてもうれしい、喜ばしいことだと思います。工事も一方向からだけではなく、いろんなところから行っていけば、早く終わるように、関西から引っ張ってもらう力とともに、北陸から押し出す力を出していきたいと思います。

 今、敦賀以西に向けた環境アセスメントが始まるところですので、具体的なルートも大体見えてきて、福井・敦賀開業と同時に、敦賀以西の着工というような道筋も徐々にできてきています。いかに早く大阪につなぐか、一緒になって関西と、運動を盛り上げるために私も関西に行くようなこともこれからは行っていきたいと思っています。

 

【記者】  

 北陸新幹線が敦賀まで開通すると、特急の「サンダーバード」や「しらさぎ」は敦賀駅乗り換えとなることが懸念されています。現在、並行在来線のスキームが固まりつつある、議論が進展する中、そういった懸念がまた高まってきたと思います。大阪や名古屋からの特急の直通がなくなってしまうことについて、知事はどうお考えなのか、改めてご意見をお伺いします。

 

【知事】  

 国に対して重点要望もさせていただきますが、特急の存続について、もともと北陸新幹線の場合はフリーゲージトレインという前提があって事業が進んできていたという、他とは違う経緯もありますので、そういったところもしっかりと訴えながら、特急の存続を訴えていくということは大事だと思っています。

 その上で、何よりも一番大切なことは、新幹線が駅に着いた時、乗り継ぐ電車がないということが一番大きなネックになるわけです。そういうようなことはないように、今、金沢まで新幹線が来ていて、そこで「サンダーバード」や「しらさぎ」に乗り換えができるという利便性を、敦賀でもしっかりと確保することが一番大切だと思います。さらには、待ち時間をできるだけ少なく、降りたらすぐに乗り換えられるようにすることは最低限確保していきたいと思います。

 こういうことを先日の中部圏の知事会でも私は訴えさせていただいて、皆さんからご賛同もいただいているところです。まず最低限、乗り継ぎを確実にすること、それからやはり、特急を何とか残せるようにこれからも粘り強く頑張りたいと思います。財源的な問題もありますので、そういったことも兼ね合わせながら、いろいろ議論をしていく必要があると思いますが、しっかりとやらせていただきたいと思っております。

 

【記者】  

 経済界の関係についてお尋ねします。杉本知事の就任から間もなく2か月になります。知事はこの間、知事選で前職を支援していた経済界とのノーサイドに汗をかいてこられたと思いますが、現時点での手応えについてお聞かせください。

 

【知事】

 経済界というのは何を指しているのかもありますが、例えば、商工会議所の皆さんや、経営者協会の皆さん、経済同友会の皆さんなど、いろんな形で、様々なところでお会いをさせていただいていますし、杉本県政の推進に全面的に我々も協力しようというお話もしていただいています。また、こちらにおいでいただいて、一緒にやりましょう、協力してくださいなどの話をお互いにすることもしていますので、そういう意味では、順調に来ていると思います。

 

【記者】  

 川田会頭とはもう面会されたのでしょうか。

 

【知事】 

 川田さんはまだお会いしていません。

 

【記者】  

 それは、知事がアプローチしているけれども、なかなか実現しないということでしょうか。

 

【知事】  

 どの会頭ともですが、私からうかがうということもありませんでしたし、何かの時に会うということが多かったと思います。

 

【記者】  

 県のトップと経済界のトップがいまだに握手、面会できてないというのは少し残念な気がします。今日、大阪で新幹線の大会もありますが、関西で機運が盛り上がっている今こそ、県と経済界がしっかりとスクラムを組んでいくことが大事だと思いますが、いかかでしようか。

 

【知事】  

 私も期待しております。

 

【記者】 

 先週金曜日、関西電力の岩根社長と知事が面会された際に、関西電力から2020年頃を念頭に中間貯蔵施設の県外計画地点を示すという話がありました。その際、知事は40年超運転について触れずに、できるだけ早く返事が欲しいという言葉だけをお伝えされたかと思います。高浜1号機の安全対策工事の完了は2020年5月となり、中間貯蔵施設の県外計画地点を示す時期と重なっています。知事は就任会見の際に、環境も違うので1基ごとにしっかりと向き合うというお考えを示されていますが、仮に2020年5月までに中間貯蔵施設の県外立地地点が示されなかった場合はどうされるのでしょうか。あくまで、中間貯蔵施設の計画地点が示されなければ判断しないのか。または、2020年頃を念頭にと言っているのだから、計画地点を12月に示すということでも、安全対策工事が完了する5月の段階で、高浜1号機の40年超運転について判断されるつもりなのでしょうか。

 

【知事】  

 40年超運転の安全対策工事が来年の5月に延びているという動きと、中間貯蔵施設の県外への計画地点を示す時期が2020年という話は別々に動いているものだと思います。安全対策工事は、いろいろ遅れながら行っていることなので、今そのことを判断する時期にあるわけではないと思います。いずれにしても、安全サイドに立って工事は進めていただきますし、判断の時には、国も含めて、しっかりと状況を確認して、説明もしていただいて判断をしていくのだと思います。

 

【記者】  

 現段階では、中間貯蔵施設の県外計画地点が示されなければ40年超運転の判断はしないとか、まだそこまで考えていないということでしょうか。

 

【知事】  

 仮の話ですので、本当なら出来上がっているはずだったものが延びているわけですので、どうなるのか、その時の判断だと思います。

 

【記者】  

 全国的に高齢者の自動車運転免許証の自主返納を進めたほうがいいのではないかという話題が多くなっています。福井県は車社会であり、公共交通が少し不便なため、免許証を返すと暮らしていけないというお年寄りが多くいると思います。これらの対策について、県で考えていることや、知事がこうしたらいいと思われることがあれば教えてください。

 

【知事】  

 高齢者の、加齢に伴うミスによる交通事故は、本当に痛ましいことだと思います。こういうことがあってはいけない。普通の感覚では、考えられないような状況になるので、人間の側の自制ということ、また、車の安全装備の技術をいかに早く高めていただくか、そういうことを両方で行っていかざるを得ないと思いますし、今はそういう過渡期なのだと思います。

 4年前に亡くなった私の父も亡くなる1年半ぐらい前までは車の運転をしていました。免許証を取り上げるというと父も怒りますし、母も運転免許を持っておらず、困りますので、絶対手放さないと思いましたが、小さな事故を2回続けて起こした時に、やむを得ず、車の鍵を隠しました。そこから父とは少し喧嘩をしました。しかし、数か月で忘れて、そこからはあまり車の鍵や免許などの話はしませんでしたが、本当に難しい問題だということはよく分かります。

 しかし、池袋や福岡の例でも、思いもよらない多くの人を巻き込む事故になりますので、これはもう個人の問題ではないと思います。

 ですから、県としては、これまでも運転免許証を自主返納された方に対し、公共交通機関をできるだけ利用しやすいような仕組みを設けてきています。これからも足の確保というのは、大事になってくると思います。例えば、タクシーは数も少ないですしお金もかかりますので、有償ボランティアによるタクシーに代わる運用、運営できるようなことを考える、または安全運転サポート車に限定した免許を、警察庁が今、検討されているようですが、それだけでなく、例えば、運転する時間帯と場所を家族の中でしっかりと話し合って決めてしまうという方法もあります。やはり、昼間の明るい時間帯や、慣れた場所だと運転はしやすいと思います。さらに、ブレーキとアクセルを踏み間違えた時に、加速しないようにする民間の後付けの装置も出ていますので、こういったものをできるだけ普及させる応援もさせていただくということを県としてもやっていきたいと思います。あと、自動ブレーキのような技術開発をぜひ進めていただきたいと思います。

 

【記者】  

 東京では、元農林水産省事務次官の方が息子さんを殺害するという事件がありました。それに関連して、中高年層のひきこもりというのがクローズアップされていますが、県として、中高年層のひきこもりに対して何かお考えなどはありますか。

 

【知事】  

 このことについては、これまで、なかなか表に出にくいという期間が長かったと思います。ご本人は自分の行動として、結果的にひきこもりの状態になっているということはありますが、ご家族もあまり積極的にひきこもりだということは、特に大人の場合は分かりにくい状況にあります。お子さんだと学校に来てないと分かるのですが、大人の場合は把握が難しい状況だと思います。最近、国でもサンプル調査を行っていまして、人口の1.5%程度、約115万人のひきこもりがいるという推計をしています。福井県の人口に置きかえれば約6,500人と推計されます。

 それを特に早い段階でそういうことにならないように、学校で不登校になりそうな子に対してケアができるようなことも、今、予算の中で検討しています。

 また、県としては、総合福祉相談所に「ひきこもり地域支援センター」を設置し、保健師や臨床心理士を配置しており、昨年度は1,122件の相談がありました。ひきこもり地域支援センターでは、就労支援により、8人の就職にも結び付いています。できるだけそのご本人さんの気持ちと一緒になってお話をしていき、少しずつ状況を改善していくということが一番だと思いますので、やはり、学校をはじめとして、ひきこもりになりそうな兆候があった時にケアをしてあげられる体制をつくる。それから、ひきこもりになっている場合には、ご家族の皆さんを含めて、臨床心理士と一緒に少しでもいい改善方法を考えていく。市や町でも、相談支援を実施していますので、こういったところとも連携をし、最終的には就職に結びつけていく。そうすることが結果的に、ひきこもり状態の人を減らす、または家庭内の不幸な状況を生まないということになってくると思っています。

 

【記者】  

 知事はこれまで、事務事業を県民の目線で一旦見直されて、その中で知事公舎のあり方も議論していけばいいと言われていましたが、知事の望む活用方法があれば教えてください。

 

【知事】  

 これはまさに皆さんにご議論していただければいいと思います。知事公舎に限らず、本当にありとあらゆる事業についてスクリーニングしていきますので、そういう意味では、県民の皆さんのアイデア、地域で使うという方法もあるでしょうし、ドラスティックに言えば、売却するという方法もあると思います。そういうことをいろんな幅の中で検討し、最後の判断は県でするとしても、そういった議論はよく聞かせていただくというスタンスでこれから行っていきたいと思います。

 

―― 了 ――

  

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