知事記者会見の概要(令和元年10月24日(木))

最終更新日 2019年10月28日ページID 043320

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令和元年10月24日(木曜日)
10:30~11:35
県庁 特別会議室

知事191024

 

  

【知事】  

 おはようございます。それでは、私からまず3点ご説明をさせていただきます。

 まず1点目は、天皇陛下の御即位をお祝いする献上と大嘗祭への供納についてでございます。

資料:天皇陛下の御即位を祝する献上品

資料:大嘗祭への精米、精粟および特産品の供納

 私も一昨日、皇居において行われました即位礼正殿の儀に出席をさせていただきました。大変古式ゆかしく、荘厳な雰囲気で、すばらしい儀式だったと思っております。

 今回の天皇陛下の御即位に対して、全国的にお祝いの献上をするということですので、本県からは、丸器飾箱「撫子花」を贈らせていただきます。

 資料の写真を見ていただくと丸い形の半ドーム型になっております。私も拝見しましたが、撫子の花がふたのところに描いてありまして、上に行くに従って、少し暗い夜空といいますか、夜の雰囲気になって、一番上のところは星が散りばめられているような、そういうすてきなものです。開けると中に鳥が飛んでいる絵が描かれているというものでして、これを11月中に献上させていただこうと考えています。

 あわせまして、大嘗祭への精米、精粟、特産品の供納についてです。

 これは例年、新嘗祭の時に精米、精粟を献納させていただいていますが、大嘗祭の時には、これらとあわせて特産品を贈らせていただくということです。福井県からは「大豆」、「抜き実そば」、「さといも」、「乾しいたけ」、「若狭ぐじ」という本県を代表する農林水産物を厳選しまして贈らせていただきます。贈らせていただくと言っていますが、実際には宮内庁に買っていただくということでございます。

 米と粟については今月の末、それから、その他の特産品については11月中旬に持参するか、郵送させていただくと聞いております。

 

 2点目は、都市計画道路岡山松陵線の供用開始についてでございます。

資料:都市計画道路 岡山松陵線の供用開始

 資料の黒い矢印でお示ししているのが岡山松陵線です。これは他のところは全部供用していて、残る620mを整備したということで、12月14日に金山から若葉町1丁目の間の620mが開通いたします。

 資料を見ていただくとおわかりになるかと思いますが、1つには、北へ行って、緑の横に走っている道路を経て、今度は国道8号が縦に走っています。これを使って敦賀市の環状道路が完成するというようなことになるわけです。また南を見ていただくと、敦賀南スマートインターチェンジがありますが、ここから出た車が敦賀市内、特に西に入る時に、岡山松陵線を通っていきますとスムーズに行くことができます。防災関係の施設もこの周辺には多いので、そういう意味では、防災道路としても活用ができるということで期待をされていたものです。

 

 3点目は、恐竜博物館の話題についてでございます。

 1つは、「るるぶ 福井県立恐竜博物館-恐竜王国・福井に行こう-」(仮称)を来年の3月に発行をしようということで準備を進めさせていただいております。

資料:「るるぶ 福井県立恐竜博物館」の発行

 発行部数は2万部を予定しているということでございまして、公立の博物館専用の「るるぶ」については初めての発行と聞いております。他にも、例えばスパリゾートハワイアンズや、USJ、ハウステンボスなど、いろんなリゾート施設については6冊出ているそうですが、公立の博物館関係では初めてと聞いているところです。これは書店にも置かれますし、また、電子書籍というような形にもなると聞いています。

 2つ目が、映画のドラえもんとコラボした企画でございます。

資料:「映画ドラえもん きみが発掘した新恐竜イラストコンテスト

 「映画ドラえもん のび太の新恐竜」が来年の3月6日に封切りになります。これについて「きみが発掘した新恐竜イラストコンテスト」を行うということで、その中に恐竜博物館部門を設けていただきまして、ここにお子さんが考えた恐竜を描いて送ってもらうということをしたいと思っております。

 恐竜博物館部門として最優秀賞1名、優秀賞10名を選ばせていただきまして、最優秀賞の方には映画館で売られているドラえもんの映画のパンフレットにその絵が載るというような特典もついているということです。

 ドラえもんは、これまで1980年に第1作、映画ができて今年で39作目だそうですが、来年は、ドラえもんの連載開始から50周年、映画が始まって40周年、恐竜博物館は20周年ということで、こうしたコラボの企画もさせていただいているところです。恐竜博物館に応募用紙を置かせていただいたり、ホームページでダウンロードできる形にもなっておりますので、ぜひ多くの方に参加いただきたいと思っています。

 私からの発表は以上でございます。

 

~質疑~

 

【記者】 

 天皇陛下の御即位に関して、即位礼の日に知事も出席されたと今おっしゃっていましたが、どういう場所で、どういう雰囲気で、陛下とどういう接し方をされたのかを教えてください。また、献上品はどのようにお持ちになるのでしょうか。知事が直接持って上がるのかを教えていただきたいと思います。

 

【知事】  

 即位礼正殿の儀は、メディアで多く報道されていましたのでご存じかと思いますが、全体で約2,000人の方が出席していました。皇居の宮殿は回廊になっていて、真ん中に中庭があって、私たちはその横側の豊明殿というところで拝見させていただいたというような状況です。現実には、高御座とか御帳台などが置かれているところはガラス窓も入っていて見えにくい状況ではありましたが、陛下が最後退室される状況は、少し拝見することができたような感じでございました。

 ほとんどは大きなスクリーンがありましたので、それも拝見しながら見ていました。本当に古式ゆかしいという気がしました。伝統的な日本の儀式というような感じもいたしましたし、厳かでした。普通は起立や礼という感じで掛け声がかかりますが、それも最初は鐘の音、笙の音が聞こえて、立ち上がって、令和の太鼓の音でというのは事前に教えてもらっていましたので、そういうような形で儀式も古いやり方に沿っているのかなという気はいたしました。

 例えばチャールズ皇太子が来られていたり、多くの外国の要人も来られていましたし、みんなで温かい気持ちでお祝いをしているという雰囲気だったと思います。

献上品については、今、漆器組合にお願いをしておりまして、まだ私どものところへ届いていないないので、いつお持ちするかは決まっていませんし、誰が持っていくのかもこれからまた考えるというところです。

 過去で言うと、今の上皇陛下が天皇陛下に即位された時は越前焼でしたし、今の今上陛下がご結婚された時は若狭塗でしたので、今回は越前塗ということで選ばせていただいています。

 

【記者】 

 献上品は県が購入をされて、宮内庁に納めるという形をとられるのであれば、購入金額を教えていただけますか。

 

【知事】  

 県が購入をしてお届けをするということです。宮内庁からは、あまり物の競争になってはいけないということで、金額や作者名は伏せてほしいと言われています。今のところはそういうことでお許しいただければと思っております。

 

【記者】 

 県が購入されるということは税金の使途という形になりますので、おおよその概算は明示いただけないでしょうか。

 

【知事】  

 そのことも十分よく分かった上で今申し上げたとおりですが、何十万円というところだと思います。

 

【記者】 

 作者は教えていただけますでしょうか。

 

【知事】  

 作者については、宮内庁から伏せるように言われています。決して隠そうというほどの意図はないのですが、宮内庁の考えも分かりますので、それには賛同していると申し上げておきます。

 

【記者】  

 先ほどおっしゃった漆器組合にお願いをして、そちらでつくっていただくのでしょうか。

 

【知事】  

 組合にいいものはありませんかというようなご相談をしております。最終的には県で選んでおります。

 

【記者】 

 「即位礼正殿の儀」にご参加されての知事の気持ちを聞かせてください。

 

【知事】 

 先ほど申し上げたとおり、非常に気持ち的に厳かな気持ちにもなりましたし、温かく御即位をお祝いできる、そういう雰囲気でもありました。私自身もおめでたい席に参列させていただいて光栄にも存じましたし、温かい気持ちになりました。

 

【記者】  

 献上品や大嘗祭への供納品をどのように使っていただきたいと思われますか。

 

【知事】  

 献上品の飾箱の使い方は、物を入れて使うということもあるでしょうが、飾っておくということも多いと思いますので、それはいろんなところで、ふだんも含めてお使いいただければと思います。大嘗祭の供納品についても、宮内庁のお話によると、しっかりと宮内庁で食べさせていただくということです。もちろんできることなら両陛下にお召し上がりいただきたいと思いますが、これは日ごろのお食事の関係もあると思いますので、そこはおいしく、どなたであれ食べていただければと思っています。

 

【記者】  

 どのようなお気持ちでお贈りするのでしょうか。

 

【知事】  

 もちろん一つ一つは福井の特産品でもありますが、それぞれの農家、漁家、それから林業の方にはシイタケをつくっていただいたりしています。各々の方が一生懸命つくられた、丹精込めて福井の方につくっていただいた特に選りすぐりのものですので、おいしく召し上がっていただきたいと思っております。

 

【記者】  

 関西電力の役員が福井県高浜町の元助役の方から金品を受領していた問題に関して、県の職員への調査が先日始まったと思いますが、その進展状況を教えてください。

 

【知事】  

 今週からヒアリング等が始まったと聞いております。今、始まったところですので、弁護士の方3名を中心に、調査票をお配りしたり、内容について確認をしていただいていると思っています。

 

【記者】 

 調査対象には特別職の方も含まれていると思います。知事は現在も特別職ですし、過去にも特別職をされていますが、知事ご自身は既に調査を受けられたのでしょうか。

 

【知事】 

 私はまだです。これからだと思います。いつでも呼ばれたら行ってお答えします。

 

【記者】 

 知事が副知事をされていた時に、何か儀礼の範囲内でもそういったやりとりがあったのかどうかということを、この場でお答えしていただけますでしょうか。

 

【知事】  

 調査のところでしっかりとお答えさせていただこうと思います。

 

【記者】  

 台風19号について、北陸新幹線の長野新幹線車両センターが浸水し、災害に強いと言われていた北陸新幹線が全線停止することになりました。このことについて、どう思われるのでしょうか。また、新幹線の県内整備工事への影響はあると把握されているのでしょうか。

 

【知事】  

 本当に大きな影響が出ていると思います。先日、石川県の谷本知事とお会いした時は、東京から金沢に来るお客さんが感覚的に約4割減っているということも言われていました。そういう意味では、福井県内も北回りで来られる方には影響があると思います。大きな影響はないとは聞いていますが、それにしても影響はあると思いますし、今、石川や富山は東京とものすごい遠い関係になって、しらさぎも今日まで混んでいるような状況です。明日には8割、9割まで回復すると聞いていますが、一日も早く平常に戻っていただきたいと思っております。

 その上で、工事への影響につきましては、既に契約が終わっているようなところについては、特段ないと思います。しかし、まだ一部契約が残っているものもあると思います。そういう意味では影響がないとは言えませんので、鉄道・運輸機構には、ぜひ早目に契約に取りかかっていただいて、工事に遅滞がないようにしていただきたいと思っています。

 

【記者】  

 工事への影響については、今、鉄道・運輸機構と確認しているという状況なのでしょうか。

 

【知事】 

 そのようなお話をしていこうと思っています。

 

【記者】 

 北陸新幹線が首都圏への直通運転を停止した際、金沢まで通っている在来特急がバックアップ機能を果たしました。しらさぎが混雑しているということもその状況の一つだと思います。福井・敦賀開業後も福井まで特急を乗り入れたほうが良いという意見がありますが、その残すべき理由の一つとして、災害時への備えということも今回のことで明らかになったのではないかと思います。このことについて、知事は、どのようにお考えになっていますでしょうか。

 

【知事】  

 在来特急の存続について、これまでも私どもは、国に対してもJRに対してもお願いをしている立場でございます。もしも新幹線が止まった時ということについて言えば、おっしゃるとおりかと思います。こういったことも含めて、引き続きお願いをしていきたいと思います。

 しかし、いつも申し上げているとおり、特急の存続は反射効果もあります。貨物使用料の減、また最終的には貸付料にも影響があるかもしれないというような状況にはありますので、そういうことも勘案しながら進めていくのだと思っております。

 

【記者】 

 福井まで特急を存続してほしいという言い方で国に伝えるのでしょうか。

 

【知事】  

 これまでもそう申し上げています。県内ということは芦原温泉駅までだと思いますが、そういうことを申し上げていこうと思っております。

 

【記者】  

 台風19号の影響で、北陸新幹線の敦賀以西の財源議論が遅れるのではないかという懸念も出ているようですが、知事はどのように対応していくべきだと考えますか。

 

【知事】  

 財源の議論は、既に枠組みが決まった中のお話です。JR西日本について、新幹線車両が2編成浸水しているので被害の影響は分かりませんが、大きな枠組みの中で、あとは毎年の経営の中でやっていかれるのだろうと思っております。

 貸付料について、今後どのように算定していくのかということはありますが、想定よりも利益はこれまでにも上がっていると思います。そういうことからしても十分に議論にはなってきていますので、我々として申し上げていくということは可能だと思っております。

 

【記者】  

 自民党PTの高木毅座長は年内に方向性というような話をしていますが、知事としての考えはどうでしょうか。

 

【知事】 

 そこは我々としてもぜひともそういう方向性でお願いをしていきたいと思っています。

 

【記者】 

 台風19号の被災地に対し、今、支援の輪が広がっていて、県も長野県へのふるさと納税の代行をされていますが、どのような被災地支援を行っていきたいと考えていますか。

 

【知事】  

 本県では、長野県へのふるさと納税を代行させていただいています。例えば、ふるさと納税のホームページを開いて、長野県のところを見ると福井県が代行していますというような形になります。今朝までに約800件、約1,672万円が寄附されているということですので、こうしたことを続けていきたいと思います。

 また、福井県としては、台風19号災害の翌日に緊急消防援助隊の要請を受けまして、防災航空隊が出て7名の方を救出させていただいていますし、また、16日には須坂市役所に先遣隊を送って活動を始めています。実際に須坂市役所には18日から県内の4つの市から職員の派遣もいただいて、罹災証明を出す前提の被害確認を行い、20日には終わっております。

 約200世帯あったと思いますが、私、去年、西日本豪雨の対応をしていた時は、もちろん自治体によって差はありましたが、これだけ早く罹災証明の調査が終わるということはなかったので、そういう意味では迅速にやらせていただいたと思っています。知事会と国から指定があって須坂市の対口支援をさせていただきました。須坂市の三木市長さんには非常に喜んでいただいて、お礼のお電話もいただきましたし、長野県の阿部知事からもお電話もいただきましたし、一昨日お会いした時もお礼を言っていただきました。

 そういうことの他に、これからだんだん長期の課題になってきます。例えば災害査定といって、復旧を急ぐために設計図を書かないといけませんので、そういう職員をもう既に1名派遣をしております。

 また、健康被害があってはいけないということで、小布施町にお年寄りのところを巡回するような方を出させていただきました。何人かお話もさせていただいて効果的でしたが、これも大体状況は改善したということで戻ってきています。

 ボランティアについても、17日から先遣隊を入れて、受け入れについて調整をさせていただいて、20日から27日までの予定でしたが、11月4日まで延長いたしまして、毎日約40名、長野市と須坂市に行っていただいているという状況になっています。

 この後も長野県庁の災害対策本部に職員を送りまして、必要な事項があればこちらにもフィードバックしてもらって、対応していきたいと思っています。

 私が常々職員に言っているのは、今回の災害対策は決して長野や被災地の皆さんだけの問題ではなく、明日は我が身ということが十分あるわけですので、今回一生懸命我々がお手伝いさせていただくことで、いろいろ気づきや学びがあると思います。それを形にしながら、次に備えるという意味も含めて精いっぱいさせていただこうと思っております。

 

【記者】  

 台風19号の被害について、浸水した長野新幹線車両センターは、もともとハザードマップでも10m超の浸水があると予想されていたところで、そもそもあそこにとめていたのが適切だったのかという指摘もあります。北陸新幹線は、太平洋側で何かあった時のための代替ルートとして整備が進んでいるところで、県内にも延伸しますが、JR東日本、西日本に対して今後の防災対策に望むことをお聞かせください。

 

【知事】  

 あまり軽々に申し上げることはできませんが、1,000年に1度の大洪水のハザードマップができたのが3年前と聞いております。車両センターは、ここまで過去に洪水が来た、堤防の整備などの治水の状況を踏まえて、当時の知見を基に整備したと聞いております。

 しかし、いずれにしても、やはり今回のように、想定外だったのかもしれませんが、そういったことが起き得るわけでして、今回、もう一つのオペレーションとしては、早目の時期に電車を逃がしておくということはあり得たとは思います。

 お話を聞くところでは、長野県にはそれほど大きな被害が出るとは思わなかったというところから始まっているようにも思いますので、そうした思い込みを持たないで柔軟に、災害対策というのはその都度のことがありますので、事前に備えをした上で、なおかつ現場でも早目早目の対応をしていただく必要があると思います。

 こういうことは我々も肝に銘じる必要がありますし、JR西日本や東日本に対して今後とも求めていきたいと思います。

 

【記者】  

 北陸新幹線金沢・敦賀間については、現在、建設中ですが、検証した上で災害に強い対策を講じることを、鉄道・運輸機構や国に要望するお考えというのはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 そういったことは求めていきたいと思います。我々が求めなくても経営に非常に大きな影響があるので、ハードで解決するのかソフトで解決するのか、いろんな方法はあると思いますが、ご検討いただく必要があると思いますので、これから求めていきたいと思います。

 

【記者】  

 先ほど一部契約が残っていることで影響があるとおっしゃっていました。それは、災害復旧などで、業者が被災地に多く派遣される可能性もあるので、早目に契約して工事を進めておかないといけないという意味でよろしいでしょうか。

 

【知事】 

 おっしゃるとおりだと思います。特に東日本全体が被害を受けていますので、これから特に土木工事などを中心に大きな災害復旧の事業が入ってくると思います。そちらは、当然優先して災害復旧をしていただくのだと思います。

 そういう意味では、全国的に見て、例えば人員の問題や材料などがタイトになるということは一般に予想できます。東京オリンピックのいろんな土木工事等が大分収まってきていますが、今回の災害でどうなるのかということもあります。そういった状況ですから、早目に準備しながら、もし一つ一つの工事に遅れがあっても、そこをリカバリーできるようにという意味で、早目早目の対応をお願いしたいということでございます。

 

【記者】 

 台風19号の際、Lアラートや、県の防災情報のウエブサイトを見ていたのですが、一部の自治体で、避難所の開設等の情報がそこに載っていないということがありました。その自治体の担当課に聞きますと、県にうまく情報が入っていなかったのではないかという方もいたのですが、対策をする上で、そういった避難所開設等々の情報というのは非常に大事なことになるかと思います。今回そういったことを受けて、Lアラートや県のウエブサイトを活用するなどの指導、文書の発信等々されることはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 先ほども申し上げましたが、今回の災害は決して他人事ではありませんので、少し落ちついたところで、我々として反省すべき点、今後に活かすべき点については検証しようと思います。

 一つ一つの避難所の運営や開設等については、基本的に市や町の仕事になりますが、重層的に県のホームページでも見られるようにするということも大切でございます。今、県の災害の被害情報システムを見直しておりますので、そこで解決できることは少しでも解決していく、いずれにしても今後に活かしていきたいと思っております。

 

【記者】  

 長野県のふるさと納税の代行について、9月に福井県を含む有志7県が何かあった時のために枠組みをつくって、今回の台風19号が初適用だと聞いています。今回の台風19号による被害が発生して、福井県の代行が初めてだったと思いますが、振り返ってみて、実際の運用の取りかかりや、こういった制度をつくっておいてよかったなど、何かお考えがあれば教えていただけますか。

 

【知事】  

 おっしゃるとおりで、やはりこういうことを事前に準備しておくことは非常に大切だと感じました。

 今回はとりあえず7県が連携をして、ここの県が被災した時はどこが代行するのかということを決めてあったわけです。長野県の場合は、本来は山形県が代行することになっていましたが、山形県も被災しているということもありましたので、次に福井県ということで代行させていただきました。

 どちらにしても難しいのは、まず誰が代行するのかを宣言をして、他とかぶらないようにしておかないと、どこに寄付したら分からなくなるという問題と、寄付を振り込んでいただいて、領収書の発行などの事務の経費は県で負担しますが、インターネット経由で寄附者が寄附してくださった場合は、振り込み費用が引かれた形で寄付されるわけです。そういった手数料を誰が払うのかというような議論もありますから、そういったことが事前に決められていると、迷わずお互い様ということで進めることができます。長野県の知事からお電話いただいて、「長野県のふるさと納税の代行を決めました、福井県でやります」ということをお話ししたら、「ありがとうございます」と言っていただきましたので、そういう意味では大切な仕組みだなと思います。

 

【記者】  

 今回の台風で、堤防の決壊やダムを緊急放流するなど、これまで進めてきた河川治水の限界を感じられたのではないかと思います。大きな災害が身近に起こるようになってきて、住民が不安になっていると思いますが、これからどういう方向でどういう対処をしていったらよろしいと思われているのでしょうか。

 

【知事】  

 おっしゃられるように、災害、特に水害の問題というものは難しい部分があると思います。例えば、足羽川再整備をはじめ、いろんな河川を整備しています。しかし、それは例えば80年に1回の水害に備える、よくても200年に1回の水害に備えるというような規模が今の治水の水準だと思います。そういう意味では、必ず、いずれかの時に、いずれかの頻度で災害が起きるということは、これはある意味、限界としてもう認めざるを得ないと私は思います。

 住民の皆さんに変に不安に思っていただく必要はありませんが、常に身構えるという動作はしていただく必要があると思います。

 いつも私が申し上げていますのは、自助と共助と公助、例えば公で治水や避難所の運営をさせていただくということももちろんありますが、やはり、基本は「自助」、自分で自分を助ける。そして、地域の中で助け合う、「共助」の大切さということをいつも言わせていただいていまして、「自助」対「共助」対「公助」の比率があるとすれば、「自助」が7割、「共助」が2割、「公助」は現実の問題として1割未満しか皆さんのところに行き届きませんよといつも申し上げています。やはりそういうことは申し上げざるを得ない。

 なおかつ、最近メディアを拝見していますと、やはり、自分で命を守る行動を取ってくださいというような報道がされるようになっていると思います。まさにそのとおりだと思っておりまして、最後はやはりご家族、ご本人で守っていただく。または地域で何とか、急場をとにかくしのいでいただければ、あとは何とか公も含めてやらせていただきますので、そういうところをぜひ皆様方にもご理解いただきたい。そういうことの周知も今後ともさせていただきたいと思います。

 

【記者】  

 昨日で知事就任から半年になりました。所感を一言お聞かせください。

 

【知事】  

 個人的には非常に忙しかった、ずっと走っていたなというのが自分の実感でございます。そういう意味では、最初の3か月、6月議会が終わるぐらいまでの間は、いろんな組織や人事、予算をつくったり、議会のいろんな準備などで、あまり外に出られませんでしたが、7月半ばぐらいから徐々に外へ出るようにしています。そういう意味では、この半年の間、トータルで見ても、徹底現場主義はできるだけ自分で実践もしていますし、効果も上がっていると思っています。職員の皆さんも含めて外に出るようになっていまして、外の方のお話を伺っても、県庁の職員の人が話を聞いてくれるようになったということを多く伺いますので、そういう意味では、私が最初に申し上げたやり方を受け入れていただいていると思います。

 また、クレドは、若手職員につくっていただきましたが、うちの会社でもあれを使わせてほしいという民間企業の方も多くいらっしゃいます。これは県庁の職員の考え方の基本にしっかりと浸透させてもらい、文化として育てていかないといけないと思っています。

 私も今日の地元紙を拝見させていただきました。もう少しリーダーシップが見えるように、リーダーとして方向性を明らかにしたほうがいいのではないか、また庁内のコミュニケーションが少し足りていないのではないかというお話も書いていただいておりました。

 私、正直言って全く同意見でして、リーダーシップのところは、そんないきなり大きな話は今すぐにできるものではありませんので、そのために長期ビジョンをつくらせていただいています。しかし、いろんな会議、ヒアリングや職員からの報告を受けても、方向性は明確にしながらやらせていただいているつもりではありますので、そういう意味では、庁内の職員の受けとめ方も変わってきていると思います。

 一方で、コミュニケーションの不足というのは私も実感をしておりまして、これはなかなか難しくて、物理的な問題もあります。しかし、今の時期はどちらかというと来年度に向けてものを仕込む時期ですので、議論をするというよりは、みんなが外へ出て、私も含めて学んで吸収をして、この後、予算に向けて市や町を含めて職員ともよく議論をさせていただきたいと思います。

 特にもう一つあるのは、私、若い職員とのコミュニケーションが不足していると思っています。そういう意味でも、今、私の周りにもお願いをして、職員とのコミュニケーションをしっかりととっていきたいと思います。指示等は滞りなくさせていただいているつもりですが、まだ至らないところはしっかりと見直していきたいと思っております。

 

【記者】 

 知事にご就任されて、一番うまくいった、自己評価としてこれは誇れるということ、ご就任されてこの短い期間の中で一番成果として感じていることは何でしょうか。

 

【知事】 

 自分で評価するというよりは皆さんに決めていただければという気はしますが、私、クレドは非常に自分としても満足度が高い仕事だと思っています。本当を言えば、これからどうするかのほうが重要ですが、中身については非常に満足だと思っております。

 

【記者】 

 改めて1期目のこれからに向けて、抱負、意気込みを一言お願いします。

 

【知事】 

 ちょっとうがった言い方かもしれませんが、私、ここまでやってきて、自分で思っていたやり方というのはそれなりに県民の皆さんに受け入れていただいているなという気がします。それと、もう一つは、効果も上がってくるということは感じています。トップセールスをやっていても、一生懸命やっていると、まだ言えていないこともありますが、それなりに前進もしてきています。それから、職員に対するいろんな話し合い、若手の職員や県民の皆さんと意見交換をしていても、やはり私が直接こうやって話をさせていただくとご理解いただけるということもあるし、いろんなお話も聞かせていただけるということもある。

 そういう意味では、徹底現場主義や県民主役、コミュニケーションということも大事です。また、防災対策も今回改めて、私も消防庁時代にやらせていただいていましたが、緊張感を持って、他人事と一切思わないで最初から取り組ませていただいています。当然のことではありますが、まだまだ私がしゃべっているようではだめだなというところを感じていまして、職員の皆さんには、私が今言っていることを、次からは私が言わなくても実践していただけるようにしていただくということを、これからいろいろ気づいたことを話し合いながら、全体のレベルを上げて、私があまりさわらなくても、私が逆に教えてもらったり、判断しないといけない時に助言をもらいながらやっていくような、そういう体制に早くできたらいいと思っています。必ずそういう方向になっていくと思いますので、それができるように、私一人でものをやるのではなくて、オール県庁や経済界、農林水産業の方など、いろんなプレーヤーの方がいらっしゃいますので、そういう方と一緒に力を発揮できるような県政にしていきたいと思います。

 

【記者】 

 勝山市、大野市を中心に熊が今年は多数出没しており、先日また怪我人が出ました。この9、10月でも何人か怪我人が出ていて、出没件数は昨年に比べて3倍以上になっているかと思います。

 県はこれまで、大野、勝山等で会議をされたりチラシのデータを市町に配付して、このようなチラシをつくってくださいという提案等されていると思いますが、それに加えて、何か対策をとられるお考えがあれば聞かせてください。

 

【知事】  

 基本的には、市や町で住民の皆さんに被害情報、出没情報を迅速に流していただく。そういった手段を、できるだけ確保していっていただくということが大事だと思っておりますので、そういった周知に努めていきたいと思います。

 今年、非常に出没が多いというのはどういう理由なのかといったことについても、いずれまたよく検討して、早めにその対策が打てるのであればやっていきたいと思います。

 一方で、出没してしまった時の対応というのも、まさに自助の世界になってきますので、そういったことについても十分に、日頃から周りで音を出すなど、昔からいろんな方法がありますが、地道にやっていくしかまずはないかなというところはあります。できることはこれからまた検討していきたいと思います。

 

【記者】  

 豚コレラが発生した農家2件のうち1件が自己破産、もう1件も廃業する意向を示しています。県としても専決予算でいろいろ対応してきたかと思いますが、この支援策が十分だったとお考えなのか、まだ足りなかったところがあると考えるか、どのように感じていますか。

 

【知事】 

 それぞれにご事情があるとは感じています。もちろん、今回豚コレラに感染してしまったということが引き金になっていますので、当然そういう意味では影響がなかったということはありません。一方で、各々の方ともお話をさせていただきました。それぞれにご事情もおありなので、本当にできることならまた再開していただけるようにと思っておりますが、やむを得ない状況なのかなと思っております。

 しかし、今申し上げたとおり、豚コレラの発生が引き金になっていることは明らかですので、早くワクチンの接種をさせていただきたいと思っております。いずれにしても、イノシシが媒介しているということは明らかな状況だと思いますので、施設の改修や整備、飼養衛生管理基準といったものを守った管理をしっかりしていただくことは大切だと思います。引き続きこういったことの周知に努めていきたいと思いますし、今のところ、また改修してこれからに備えたいという農家の方もいらっしゃいますので、県の支援策を十分使っていただこうと思っているところです。

 全国的に見ても、福井県の対策は非常に手厚い、一番手厚いのではないかと思っていますが、これからも必要なことは対策として考えていきたいと思いますし、経営を再開していただけるのであれば、それについてもよくご相談をさせていただきたいと思っております。

 

【記者】  

 豚コレラのワクチン接種がついに明日から始まるかと思います。業界では歓迎する声が大きいのですが、一方で、流通や価格維持についての不安の声も出ています。県としてどのように対応をとっていくお考えでしょうか。

 

【知事】  

 まず、豚コレラワクチンは順調に行けば明日から接種をさせていただきたい。短期間で接種を終えるというような予定をしております。

 流通の面では、福井県の場合は県外の屠畜場に運ぶ手配が必要になります。今までも福井県の豚の屠畜場は、石川県、富山県、岐阜県にございましたので、各県とも既に話は終えております。また、各屠畜場で感染被害が生じないような措置も終えていると伺っておりますので、そういう意味では、明日以降、ワクチンを接種していただいても流通に大きな支障はないと考えております。

 しかし、全体として豚の価格がどうなるのかといったような問題もございますので、こういったことについては既に国に対しても申し上げて、流通全体としては制限をかけないということになっていますので、精肉以下、そういったものについては影響がないと考えていますが、さらに風評被害等ないように国にも求めますし、我々としても心していきたいと思っています。

 

【記者】  

 豚コレラのワクチン接種で農家にとって一つの大きな節目を迎えるかと思います。ワクチン接種に当たっての知事の受けとめを一言お願いします。

 

【知事】 

 農林水産省でも、9月の内閣改造後は、かなり迅速にワクチン接種の方向に向かって舵を切っていただいたと思っております。

 一方で、最初の豚への感染が確認されてもう1年余り経過している中での決断ですので、今回の豚コレラ対策については、ぜひ我々現場の声をよく聞いていただいて、さらに迅速に先手を打ちながら進めていただきたいと思います。

 ワクチンの増産を始めていただいていますが、そういったことも急いで、我々が対策を打てるような環境は十分に整えていただきたいと思っております。

 

【記者】  

 ワクチンの費用について、接種費用と農家負担についての考えをお聞かせください。

 

【知事】  

 今回、ワクチンを接種する豚は、1,600頭余りいると思いますが、この費用については、国と県で全部負担をしようと思っております。

 今後についても国と十分調整をしまして、福井県についてはできれば農家負担がないようにしていきたいと思います。福井県内の場合は、県の負担分は数十万円というレベルですので、豚コレラが沈静化してきた時には、農家の方に通常の行為として負担いただくということはあると思いますが、私が予防的接種ということで命令してやっていただいているうちは農家負担がないようにと今のところ考えております。

 また、豚コレラ対策で重要なのはイノシシ対策です。これはぜひ国にお願いをしたいと思っております。イノシシが媒介していることは明らかというようなことを言われているわりには、イノシシの駆除についての対策はまだ少しおくれているのではないかと思います。経口ワクチンを撒くということだけではなく、やはり駆除が重要だと思います。本県ではイノシシの駆除を当初6,300頭のところ9,000頭まで増やしています。これも猟友会の皆さんに応援いただいて、ほぼ順調に来ていると思いますので、こういったことをぜひ国全体としても取り組んでいただきたいと思います。

 

【記者】 

 先日、民間調査会社のブランド総合研究所が発表した都道府県別の魅力度ランキングについて、福井県は37位と依然として低迷している結果が出ました。新幹線開業を控える中で、福井の魅力発信はこれから喫緊の課題だと思いますが、知事の受けとめと今後の対応をお願いします。

 

【知事】  

 私の感じで言いますと、もちろん上位だと思っていませんので、これからまた努力したいと思います。

 一つには、やはり首都圏における認知度ということが大きく影響しているのではないかと思います。私も東京に長く住んでいた経験で言うと、まず福井のことを知らないと良いとは思いませんので、まずは知るということ。知った上で、良く思われないとまたランクが下がっていきますが、まず知っていただくということが大事だと思います。そういう意味では、新幹線の開通というのは、行き来しやすくなるということ、それにあわせて我々がいろんな形でハード、それからデスティネーションキャンペーンも含めて、いろんな形で認知度を上げていくという努力をしているところですので、新幹線を一つのきっかけにして、順位をさらに上げていきたいと思っております。

 

【記者】 

 今、認知度が課題とおっしゃっていました。その中で、今回、この恐竜に特化した魅力の発信についての狙いと期待を改めてお願いします。

 

【知事】 

 やはり最近はいろんなところで恐竜の骨なども発掘をされています。そういうところで話題にもなりますし、新種が発見される量や、施設の整備状況、世界三大恐竜博物館の一つということは事実だと思います。私もそうでしたが、初めて来られた方は、ここまでの施設とは思いませんでしたので、びっくりしたと思います。今は、さらに以前よりも充実してきていますし、これからさらに充実させていただきます。

 恐竜博物館は、まだできて20年の施設ですが、大きく育ってきていると思いますし、福井県というと恐竜という全国的な期待も大きいと思います。そういう意味では、お子さんに人気のあるドラえもんの映画とのコラボも一朝一夕でできているわけではなく、長年ずっと調整しながら売り込みしたりしてやってきています。この後も、館長はじめ担当職員と話していると、いろいろ秘策を練っているそうですので、そんないろんな形を含めて、この恐竜ブランドを、さらに育てることが福井の名前を上げていくということにもなりますし、そういう仕掛けをしながら、しっかりと県としてもハード面を含めて整備していきたいと思っております。

 

【記者】  

 知事就任半年を前に、関西電力の問題や西武の新館の撤退方針など、暗い話題が出てきました。いずれも福井県の根源にかかわる問題だと思いますが、かじ取り役として真価が問われている時期に入ってきたと感じます。知事の見解、覚悟について聞かせてください。

 

【知事】  

 あまり軽々に物を言うつもりはありませんが、物事は良い時もあれば悪い時もあります。その良い時というのは、見えている世界の中で良いことが続いている時は良い時で、悪いことが続くと悪い気持ちになるというのは、これは気持ちの部分も含めてあると思います。逆に言うと、良いからといって、私の仕事の立場としては気を抜いているわけにはいきません。常に何が起きるかわからないということは災害を含めてあるわけですので、そういう意味では、西武の新館が撤退していくということは、まちづくりの面ではマイナスの部分ということもあると思います。

 ですから、そういったことについては一つ一つしっかりと、例えば関西電力の問題であれば、これについては原因を究明して、それから次が起きないようにしていく。こういったことも一つ一つ丁寧に対策を打ちながら、まずはマイナスを少しでも小さくしていく。その上でまた新しいこと、いずれ大きな循環がないと物事は発展していきませんので、良いほうにもしながらやっていくのだろうと思っています。

 そういう意味では、今申し上げた新幹線のお話は、本当に100年に1度のチャンスでもあるわけで、これを大きく活かしていくということを引き続き進めさせていただくのも大切だと思います。それ以外のことも含めて、危機管理を胸にしながら、私が職員とともにまた県民の皆さんとともにできることを前向きに進めていきたいと思います。

 

【記者】  

 2020年度の税制改正のうち、法人事業税の課税方式についてお伺いします。

 経済産業省や電力業界が収入金額課税の廃止を求めているという動きはご存じかと思いますが、改めてこういう動きについて知事としてどのようにお考えなのでしょうか。また、全国知事会では、この収入金額課税が廃止されると全国で1,500億円程度の減収になるだろうという試算を出されていますが、福井県で見た場合はどれぐらいの影響額があるのでしょうか。

 

【知事】 

 まず影響から言うと、おっしゃるとおりで、収入金額課税という利益ではなく、収入に対する課税というやり方に対して外形標準課税に移していくと、全国では約1,500億円の減収になります。福井県内はどういう水準で試算するかというのもあるので難しいところですが、ざっくり言うと約50億円の法人事業税が減ります。全体の約2割と、ものすごく大きな影響があると思っております。

 県だけではなくて、市や町にも数億円程度の影響がある、そういう大きな改正、減税をしようというお話を伺っております。

 これはとんでもないというのが私の持論でございまして、既に菅原経済産業大臣にもお話し申し上げましたし、また税制調査会の幹部の皆さんにもお話をさせていただきつつあります。

 そういう中で、やはり電力というのはもともと非常に守られた総括原価主義で、税金の部分も全部織り込んだ料金体系になっていて、それがずっと踏襲をされてきています。今、自由化が進んでいますが、自由化が進んでいるといっても、新電力はまだ14%ぐらいのシェアしかありません。現実には、寡占というよりも独占の状況にあるわけでございます。

 そういう中で、経済産業省自身も独占状態がまだ継続しているということで、規制料金は来年度以降も継続することが決定しているという方向にあるにもかかわらず、一方で自由化しているのだから、税金の取り方を変えるというのは、やはり少し暴論ということだと思います。

 やはり、電力関係は非常に大きな装置で利益を生んでいるわけで、原子力発電所を含めて立地地域には大変大きな行政コストがかかっています。そういったものに対して、利益のある、ないだけで行政のサービスが変わるわけではありません。道路の整備や、避難をどうするのかということが変わるわけではありませんので、これからも強く収入金額課税の継続を我々は訴えていきたい、私は訴えていこうと思います。なおかつ、菅原経済産業大臣にも申し上げたのは、やはりこれは明らかに関西電力に対する減税になるわけでして、今、そういう問題でしょうかということは、国民の議論としてもそうだと私は思っております。

 

【記者】  

 改めて、幹部がコンプライアンスやガバナンス上、非常によろしくないような状態で会社経営をしていた関西電力という会社にそういう大きな減税がもし仮に行われるとすると、それは立地の自治体からどのように見えるのでしょうか。

 

【知事】  

 もちろん立地の自治体も含めて、国民感情、住民感情として、今そうした関西電力に減税するということは利益を増やすということになります。そういうことのために、50億円がもし減税になった場合、福井県の財政が厳しくなって、住民の皆さんにも大きな影響があります。そういうことをしながら、一方で関西電力に減税するということはいかがなものかということだと考えております。

 

【記者】  

 収入金額課税の廃止により市町への影響ということもおっしゃっていただいたと思いますが、具体的にどのような影響が市町にあるのでしょうか。

 

【総務部長】 

 法人事業税の交付金という形で市町村に行く仕組みがございますので、事業税のその減収分が市町村としても減収という形で上がってきます。

 

【知事】  

 法人事業税の一部を県から市町村にも一部回す制度があります。それに対する影響があるということです。

 

【記者】 

 市町にも影響があるということですが、県内の市町に聞くと知らないというような反応でしたが。

 

【知事】  

 あまりまだご理解いただいていないと思います。ここはよくご説明をさせていただきます。県内の市町で大体3、4億円は影響があると思います。

 

【記者】 

 ふるさと納税について、泉佐野市は総務省が行った新制度からの除外取り消しを求めて提訴される方針を示していますが、このことについての受けとめをお聞かせください。また、判決がこの制度に与える影響については現状何かお考えはございますか。

 

【知事】  

 訴訟の内容については、これは当事者の方の問題だと思いますので、私からコメントさせていただくということは控えさせていただきます。

 しかし、10月9日に「ふるさと納税の健全な発展を目指す自治体連合」で共同声明を発表させいただきましたが、今回総務省で出された結論は、ある意味、方向性としては、やはりふるさと納税を安定して継続、守っていくという考え方なんだろうと思っております。

 

【記者】  

 プロ野球独立リーグ「ルートインBCリーグ」の福井ミラクルエレファンツの運営会社が、事業継続を実質断念し清算されるという方向性を示されました。今、BCリーグで、継続して運営していただけるところを探しているということですが、うまくいかなければ、チームが解散して、県内からこのスポーツチームがなくなるという事態にもなりかねないことになっています。今、リーグで懸命に探されているようですが、県として何か支援されるお考えはないのでしょうか。

 

【知事】  

 スポーツの問題は国体の皆さんのご活躍もありますし、オリンピックも含めて、県民の皆さんに元気を与えるという意味では、するほうも見るほうもとても大事だと思います。ミラクルエレファンツの活躍というものは皆さん楽しみにされていたので、今回のことは私も、正直言ってびっくりしたというところです。

 ただ一方で、運営の問題はありますので、継続した運営を安定的にどう行うかという基盤の問題もあります。いろいろお話も伺いながら、県としてどのようなことができるか、そういうことは考えていきたいと思います。

 

【記者】  

 例えば、リーグによる新運営会社探しが失敗をして、いよいよ球団存続が危うという話になった時に、県として何か独自の支援をされるというお考えはありますでしょうか。

 

【知事】 

 それはやはり状況をよく見ないと、先ほど申し上げたように、例えば経営を全部県が行うということがどういうことなのかということは、また別の意味が出てくると思いますので、それは事情を見ながらどういう応援ができるか考えていきたいと考えます。

 

―― 了 ――

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