職場のトラブルQ&A ~介護休業の取得~

最終更新日 2022年4月27日ページID 000372

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  先日、私の父が病気で倒れたので会社に介護休業を取りたいと申し出たところ、「そのような制度はないから退職したらどうだ」と言われました。介護休業は、会社に制度がなければ取れないものなのでしょうか。 

 介護休業制度は、家族の介護を行う労働者が、雇用を継続したまま一定期間休業することができるという、法律で規定された制度です。その対象者は、けが、病気または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上継続して常に介護を必要とする家族(配偶者父母、配偶者の父母、子など)を抱える労働者です。男女を問いませんし、管理職も対象になります。ただ、日々雇用される者など、対象とならない場合があります。対象家族1人につき通算して93日まで3回を上限として、分割して取得可能です。
 事業主は、会社に制度がない場合でも要件を満たした労働者の介護休業の申出を拒否したり、その申出や取得を理由に労働者に対し解雇やその他の不利益な取扱いをすることは禁止されています。

解説

 介護休業は、法律に基づき労働者が請求できる権利です。仮に勤務先の就業規則に規定がない場合でも、労働者は、申し出ることにより介護休業をすることができます。ただし、日々雇用される者は対象になりません。
 また、期間を定めて雇用される者にあっては、次のいずれにも該当するものが対象となります。

  1. 同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること(令和4年4月に廃止。ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することは可能)
  2. 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までの間に、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

労働者は、介護休業を開始しようとする日の2週間前までに、申出の年月日、対象家族の氏名や続柄、介護を必要とする理由、休業の期間などを記載した介護休業申出書を事業主に提出して申し出れば、希望どおり休業できることになっています。
 

介護と仕事に関する主な両立支援制度

介護休暇について

  要介護状態にある対象家族の介護や世話をする労働者が事業主に申し出る(口頭での申出も可能)ことにより、対象家族1人の場合なら年5日まで、2人以上の場合なら年10日まで、1日単位または半日単位で介護のための休暇を取得できます。
 令和3年1月1日からは、時間単位での取得が可能になりました。(1日の労働時間が4時間以下の労働者も取得できます。)

 所定外労働の制限について

 要介護状態にある対象家族を介護する労働者はその介護のため、所定外労働の免除を請求できます。(開始予定日の1か月前までに書面等で請求。利用期間は、1回につき1か月以上1年以内。回数の制限はなし。)

時間外労働の制限について

 要介護状態にある対象家族を介護する労働者はその介護のため、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働の制限を申し出ることができます。 
(開始予定日の1か月前までに書面等で請求。利用期間は、1回につき1か月以上1年以内。回数の制限はなし。)

深夜業の制限について

 深夜に介護できる同居の家族がいない場合は、深夜業(午後10時から午前5時)の制限を申し出ることができます。(開始予定日の1か月前までに書面等で請求。利用期間は、1回につき1か月以上6か月以内。回数の制限はなし。)

短時間勤務等の措置について  

  事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について、就業しつつ介護を行うことを容易にする措置として、次の(1)~(4)のうちいずれか1つ以上の制度を設ける必要があります。(利用期間・回数は、対象家族1人につき、利用開始の日から連続する3年以上の期間で2回以上)
(1)短時間勤務の制度
 ・1日の所定労働時間を短縮する制度
 ・週または月の所定労働時間を短縮する制度
 ・週または月の所定労働日数を短縮する制度(隔日勤務や特定の曜日のみの勤務等)
 ・労働者が個々に勤務しない日または時間を請求することを認める制度
(2)フレックスタイムの制度
(3)始業または終業の時刻を繰り上げまたは繰り下げる制度(時差出勤の制度)
(4)労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度
※これらの制度は、日々雇用される方には適用がありません。また勤続1年未満の方、週の所定労働日数が2日以下の方等、法又は労使協定の締結によっては適用されない場合があります。

ハラスメント防止義務

 育児・介護休業法により、事業主には、育児休業、介護休業等の申出・取得等を理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されており、さらに、上司・同僚からのそれらを理由とする嫌がらせ等(ハラスメント)を防止する措置を講ずることが義務付けられています。
 また、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、派遣先事業主も自ら雇用する労働者と同様に、措置を講ずる必要があります。

 (具体的な措置内容については「セクシャルハラスメント」参照)。
 

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