第339回臨時県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2008年6月8日ページID 002347

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平成16年8月10日

第339回臨時県議会

 

 

平成16年度8月補正予算案

 

 

知事提案理由説明要旨

 

福 井 県

 

 

 

 

 はじめに、このたびの平成16年7月福井豪雨により被災されました皆様に対し、お見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

 また、いまだ行方のわからない方々につきましては、引き続きその捜索を行っているところですが、ご家族の皆様にお見舞いを申し上げます。

 今回の福井豪雨は、24時間雨量が福井市一乗地区では338ミリ、美山町美山では285ミリ、鯖江市河和田地区では236ミリを観測し、また、1時間の雨量が美山では87.5ミリに達するなど、記録的な集中豪雨となり、嶺北地方を中心に甚大な被害を受けました。

 現段階で明らかになっている被害の状況は、死者・行方不明者 5名、負傷者19名、住家の全半壊等が341世帯、床上・床下浸水が1万4千世帯余、道路の損壊、河川の決壊等が140箇所、がけ崩れ等土砂災害が115箇所、水稲などの冠水による被害が2600ヘクタール余等であります。

 被害額につきましては、現時点で、道路、河川など県および市町村管理の公共土木施設で約270億円、農地、林道など農林水産施設で約158億円、水稲、大豆など農林水産業関係で約18億円、繊維、漆器、和紙など製造業や商業・サービス業関係で約110億円、文化、教育、福祉施設等で約50億円、合計約606億円となっております。

 また、JR越美北線では橋梁の流出5箇所を含めて被害が生じており、その他、公共交通機関や電話、電力等のライフラインの被害額については、現在、各事業者において調査が進められています。

 県としては、災害発生直後から、人命救助を最優先に初動を行い、自衛隊、緊急消防援助隊の出動を要請するとともに、福井県災害対策本部を設置して、食料や飲料水などの物資の搬送、水道・電気等のライフラインや道路、河川等の復旧、再度災害の防止などの対策を講じてまいりました。

  議員各位におかれましては、被災地域の現場で地域の方々と一緒になって復旧に尽力され、また、現地調査に基づいて対策についてご助言をいただくなど、協力に深く感謝申し上げます。

 これまで、できる限り現場の状況を把握し、対策を講じてまいりましたが、被災者の皆様には、住居や仕事場、設備・機械が損壊するなど、大きな被害を受け、さらに土砂の除去作業などに追われるご苦労は、精神的にも肉体的にも、極めて大きなものがあると存じます。

  こうした中で、全国から多くの義援金や物資などのご支援が寄せられ、また、県内外から6万人を超えるボランティアの方々に駆けつけていただきました。厚くお礼を申し上げます。

  県民が力を合わせ、元気な福井県を取り戻すために、速やかに、強力な対策を実行していかなければならないと決意を新たにしているところです。

 ここで、提案いたしました福井豪雨関連の8月補正予算案をご審議いただくに際し、福井豪雨災害対策の概要についてご説明申し上げます。

 今回の災害対策は、被災者の立場に立ち、本県として可能な限りの災害対策を実施すること、対策を早期に実行して復旧を目に見える形で実現することを基本に、福井豪雨災害からの復興を目指すものであります。

  まず、生活・住宅支援について申し上げます。

 被災世帯では、日用品や消毒、清掃用資材の購入など、今回の災害によって臨時の出費を強いられておりますが、こうした経費に充てていただくため、全国から寄せられた義援金3億円をもとに、県費4億円を加えて、「緊急被災者支援金」を設けることといたしました。8月中旬までには被災された全ての方々の手元に届くよう、関係市町村と連携して取り組んでいるところです。

 なお、第70号議案に提案しておりますように、県議会のご了解を得て、7億円を既に専決しましたので報告申し上げます。

 また、市町村や社会福祉協議会が被災者に貸し出す生活福祉資金等について、市町村と協力するなどして 5年間無利子となるよう利子を補給することといたします。併せて、被災された生徒等の授業料の減免、県税、手数料等の減免、猶予等を行います。

 また、被災者のこころの元気を回復するため、専門医による巡回診察や電話相談、被災地区の小中学生を対象としたスクールカウンセラーの派遣などを実施することといたします。

  次に、住宅対策についてですが、住宅の再建は、地域コミュニティを維持し、伝統や文化、地域産業の基盤を守るために重要な課題であります。

  現在、被災者生活再建支援法に基づく国の制度がありますが、さまざまな制約があります。そのため、本県独自に、半壊・床上浸水世帯を含めて、住宅の改築・補修や家財道具等に要する経費にも充てることのできる「被災者住宅再建補助金」を新設し、最高4百万円を支給することといたします。今回の水害被害の実態を踏まえ、全国に先駆けて導入するものですが、今後、国の制度としても同様の支援が可能になるよう、今月18日の全国知事会において緊急提言を行うなど、制度の抜本的な改正を国に対して強く働きかけてまいります。

 さらに、これに加えて住宅建設資金等の融資を必要とする被災者への貸付について、最大2千万円(全壊の場合)まで、5年間について、2.1%までの利子を県が負担する「被災者住宅再建資金無利子貸付事業」を新たに設けることといたします。

 次に、産業の再生に対する支援についてであります。

 まず、中小企業の復興支援ですが、多くの中小企業者において、工場、設備・機械、店舗等に大きな被害を受け、中には、経営を継続することが困難な状況にある企業も見られます。

 厳しい経済環境の中、ようやく明るさが見えてきたこの時期に見舞われた水害であり、本県中小企業の再生への取組みを支援していくことが極めて重要であると考えています。

 そこで、まず、被災した中小企業者に対して、5年間の利子と貸付全期間保証料を県が全額負担し、最高2億円まで無利子で、設備資金にも充てられる貸付枠100億円の「中小企業支援緊急資金無利子貸付事業」を新たに設けることといたします。

 この制度は、貸付限度額を2億円としたこと、貸付期間を10年間と長期としたこと、無利子期間経過後の5年間についても金融機関と協議して1.3%の低金利で固定したことなど、これまでにない思い切った措置を講じたものであります。

 また、規模の小さな事業者に対しては、商工会議所や商工会を窓口とする国民生活金融公庫のいわゆるマル経資金の新規融資について、市町村と協力して利子補給を行い、5年間無利子で最高1千万円まで運転資金や設備資金を借りることができる「小規模事業者緊急資金無利子貸付事業」を行うこととしました。

 併せて、県の制度融資については、被災中小企業の既存の借入金の返済期日を1年間延長いたします。

 また、損害保険各社に保険金の迅速な支払いや保険料の猶予について協力要請するとともに、金融面でも、県内各金融機関や経済団体が連携して金融支援を行うよう要請したところです。

 次に、伝統的工芸品産地の再生支援についてであります。

 鯖江市の越前漆器産地では、ほぼ半数の150以上の事業所が被害を受け、被害額は現時点の推計で8億円以上、今立町の越前和紙産地では約6割の45にのぼる事業所が被害を受け、被害額は同じく推計で3億円程度になります。

 両産地とも零細企業が多く、今回の災害が引き金となっての廃業等により、伝統的工芸品という福井が誇る産業、文化や産地の地域コミュニティの存続が危ぶまれるところであり、産地が一丸となった再生への取組みを緊急に支援することが求められています。

 このため、都道府県でははじめての措置として、被災事業所の生産設備の修繕や買い替えに要する経費の一部を最高300万円まで、産地組合を通じて補助することとし、さらに、産地組合が取り組む新規需要創出のための販売促進事業等への補助を行うことといたします。

 次に、農業・農村の復興支援についてであります。

 今回の豪雨では、水稲、大豆等で2600ヘクタール余が冠水や土砂の流入を受け、農業用水路や集落排水施設などにも大きな被害が生じました。

 被災農家の経営再建を図るため、農業用機械等の復旧・修繕経費などに要する資金について、今回、特に、県が市町村や農業団体と協力して利子補給を行い、新たな無利子の緊急融資制度として「農業緊急資金無利子貸付事業」を創設いたします。

 また、農業機械が流出したために、地域の農業の中心的な担い手の農家が、水稲の収穫ができない状況が見られることから、担い手の農家にリースする農業機械の経費の一部を補助することといたします。

 また、まもなく収穫期を迎えるハナエチゼン、コシヒカリの収穫が困難な状況にある被災地区について、他地区からの農業機械および人員の応援体制をつくり、刈取り作業の応援を行うこととします。

 次に、社会基盤の早期復旧についてであります。

 県が管理しております河川、道路、砂防等につきましては、今後、順次、本格復旧に着手しなければなりません。

 まず、河川につきましては、福井市春日の足羽川堤防決壊箇所をはじめ263箇所について、人家、公共施設等があるような箇所を優先して着手いたします。 

 道路につきましては、幹線道路、生活道路から順次、本復旧工事に着手いたします。

 砂防関係では、緊急を要する44箇所について、復旧工事の年度内完成を目指すこととしております。

 農地や農業用施設、林道などの農林施設につきましても、農業・農村の復興の基盤となるものであり、早期復旧を目指して工事に着手することとします。また、農山村の集落排水施設等の復旧に対しまして、国の補助50%に加えて県費で10%の上乗せ補助を行うこととしております。

 JR越美北線につきましては、福井・一乗谷間の早期運行再開に向け、JR西日本において鋭意作業が進められておりますが、一乗谷・越前大野間を含めた全線の運行再開に向けて、JR西日本と協議を進めているところであります。

 次に、文化・社会福祉施設等の復旧についてであります。

 特別史跡一乗谷朝倉氏遺跡は、復元部分への土砂堆積や土石流による遺構の一部損壊などの被害を受けたところです。この遺跡は本県にとって、文化財としてはもとより、観光資源としても重要なものであり、遺跡の保護と観光コースの復旧を急ぐ必要があります。

 このため、文化庁をはじめ専門家の派遣協力も得て、早期復旧を行うこととしています。復旧に当たっては、景観など、文化、観光面での価値が高まるような配慮も必要であると考えております。

 また、被害を受けました老人福祉施設、障害者福祉施設、児童館や保育所等につきましても、早期の復旧を図ることといたします。

 次に、再度災害の防止対策など、今後の取組みについて申し上げます。

 河川、治山・砂防施設等について、より防災の機能を強化する改修工事を行うとともに、山腹崩壊等の危険箇所については緊急の対策工事を行うことといたします。

 また、これらと併せて、より広域的な観点から計画的に治山・砂防施設を整備するため、土砂災害の状況を調査する「山地・土砂激甚災害対策緊急調査事業」を行うことといたします。

 さらに、その中で得られる調査内容も参考にして、豪雨災害に強い農山村づくりを進めるため、専門家で構成する「山間集落豪雨災害対策検討委員会」において、8月18日から検討を始めます。

 足羽川については、学識経験者等で構成する「足羽川洪水災害調査対策検討会」を設置し、8月4日に1回目の検討を行いました。

 この検討会において、洪水発生、氾濫被害の実態把握と治水対策の方向性を検討し、洪水被害の再発防止につなげることとしております。

 併せて、足羽川の市街地区間について、再度災害を防止するための堤防の強化、しゅんせつ等を行う「河川激甚災害対策特別緊急事業」の早期採択を目指して、「足羽川激特事業対策準備室」を設置することといたします。

 また、これまでの災害対策に引き続き、産業の再生支援、社会基盤の復旧、再度災害の防止などを迅速かつ総合的に進めるため、庁内に「福井豪雨災害復興推進会議」を設置したいと考えております。

 さらに、避難の指示・勧告の住民への周知方法や災害弱者への対応などについて、早急に防災関係機関等との意見交換の場を設け、9月にも福井県防災会議を開催して、地域防災計画に反映してまいりたいと考えております。,

 以上、福井豪雨に対応する緊急対策等の概略をご説明申し上げましたが、補正予算案の規模は、

  一般会計          410億8,463万円余

  特別会計            3億6,488万円余

     計           414億4,952万円

となり、本年度予算額の累計は、

  一般会計        5,421億6,567万円余

  特別会計          278億7,230万円

  企業会計          417億9,730万円

     計          6,118億3,527万円余

となった次第であります。

 また、これに見合う歳入予算につきましては、国庫支出金259億2,636万円余、災害復旧等に係る県債92億8,306万円余、前年度からの繰越金23億1,654万円余等を計上いたした次第であります。

 次に、今回提案しました第69号議案につきまして、ご説明申し上げます。

 本議案は、福井豪雨による被災者について、自動車取得税の減免ができるよう、福井県県税条例の一部を改正しようとするものです。

 以上、豪雨災害への対応と今回提案いたしました議案について申し上げました。

 県議会をはじめ県民の皆様とともに、福井豪雨からの早期復興、再生を進めてまいりたいと存じますので、ご審議のうえ、妥当な決議を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

 


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