第347回定例県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2008年6月17日ページID 002208

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平成18年6月14日

第347回定例県議会

知事提案理由説明要旨

 

福 井 県

 

 第347回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および主な施策につきまして、その概要をご説明申し上げます。
県民の皆様のご支持を得て、私が福井県知事として県政の重責を担ってから、3年余りが経過いたしました。

 この間、私は、マニフェスト「福井元気宣言」を県政推進の基本とし、新しい福井県政府を樹立することを目指し、県民の皆様の思いやエネルギーを絶えず県政に活かすよう全力で取り組んでまいりました。

 これまで、県議会から力強いご支援とご協力をいただき、多くの県民の皆様の参加を得ながら、「元気宣言」に掲げた施策については、着実に成果を挙げつつあると考えております。

 また、一昨年の福井豪雨や本年の豪雪、原子力発電所事故などにつきましても、災害復旧や危機対策等に全力を傾けているところです。

 知事就任4年目となる本年度は、「元気宣言」の最終年次であります。

 これまで経験したことのない人口減少社会の到来や情報通信技術の飛躍的発展など、本県を取り巻く社会経済情勢は激しく変化し、国においては、経済・社会の構造改革に向けた様々な制度改革が進められておりますが、こうした時代の変革を脅威とするのではなく、将来に向かって本県を発展させる契機として捉え、県政をさらに力強く前進させることが重要です。

 本年度の県政運営に当たりましては、こうした時代認識の下、「元気宣言」に掲げた施策を着実に仕上げ、より高い目標達成を目指すとともに、県勢のさらなる発展に向け、新たな政策課題にも積極的に挑戦してまいりたいと考えております。

 特に本県は現在、全国トップレベルの平均寿命をはじめ各種社会指標において高い評価を得ております。

 しかし、こうした現状に満足することなく、高度な情報収集や創意工夫による独自施策の推進を図り、政策の質をこれまで以上に高め、「夢あるふるさとづくり」に全力で取り組む決意であります。

 さて、地方と国の関係におきましては、平成14年度からの三位一体の改革により、国から地方へ3兆円の税源移譲が実現したものの、多くの国庫補助金の廃止が見送られるなど、地方分権改革は未完のままにとどまっております。

 また、現在、国のいわゆる歳出・歳入一体改革の議論の中で、地方交付税の抑制や法定率の引下げ等が検討されておりますことは、地方固有の財源である交付税制度の本質を無視したものであり、極めて遺憾であります。

 このため、全国知事会、全国都道府県議会議長会など地方六団体として、平成6年以来12年ぶりに、国の一般会計の制約を受けない形の「地方共有税」の創設など「地方分権の推進に関する意見書」を、今月7日に内閣と国会に提出いたしました。

 また、先月31日に開催された地方自治危機突破総決起大会において、「削減ありきの交付税見直しの断固反対」等の決議を行いました。

 さらに今月9日には、県内の自治体代表者会議から地元選出国会議員に対して、重ねて地方財政の現状と国の改革の問題点を強く訴えたところです。

 一方3月に、全国知事会の憲法問題特別委員会において、地方自治を憲法上に位置づけるための報告書をまとめ、地方分権の確立が憲法改正議論の大きな柱となるべきことを広く関係者に訴えております。今後さらに、全国の地方団体と力を合わせて、国政において地方重視の声が高まり、真の地方分権改革に向けた動きが具体化するよう努力してまいりたいと考えております。

 市町村におきましては、今回の合併が終了し、本県は9市8町となりました。

 合併後の新しい地域づくりはより広い視点の下で進められる必要があり、県と市町が政策面で重点的な連携を行うことが重要となっております。

 このため、先月23日、24日、各市長、各町長と私とが直接意見を交換する政策懇談会を開催いたしました。県と市町の事業の体系的な整理や徴税対策等にともに取り組むことを確認したほか、観光、福祉、教育など幅広い分野で意見交換を行ったところであります。今後、広域的な課題や各市町固有の課題の解決に向け、連携を一層強化してまいりたいと考えております。

 

 それでは、当面する県政の重要課題について申し上げます。

 まず、北陸新幹線についてであります。

 北陸新幹線につきましては、昨年6月に着工した福井駅部については、鉄道・運輸機構により福井鉄道建設所が7月に設置される予定であり、高架橋部工事がいよいよ本格化してまいります。

 県といたしましては、本年秋には埋蔵文化財調査を終え、平成20年度末の完成を目指して工事が着実に実施されるよう、福井市と連携を図りながら、取り組んでまいります。 

 今月3日には、県議会とともに、北陸3県同時期での福井開業と敦賀までの早期整備の実現に向け、地元選出国会議員、沿線市および経済界との意見交換を行ったところであります。財源問題も含めて議論が開始され、早期に整備スキームの見直しが行われるよう、国および関係機関への要請活動を強く展開してまいりたいと考えております。

 なお、福井駅部の建設費に充てるため発行する住民参加型の「ふくい新幹線債」につきましては、昨年の3億円から10億円に発行額を増額し、明日から販売いたします。

 次に、原子力行政についてであります。

 美浜発電所3号機につきましては、3月28日に開かれた国の事故調査委員会において、「関西電力の再発防止対策が確実に実施されてきている」という国の確認・評価結果が報告され、翌29日には、二階経済産業大臣からその内容について直接説明がありました。

 これを受け、関西電力の3つの発電所と原子力事業本部への立入調査を実施し、その結果について5月11日、原子力安全専門委員会で審議し、「再発防止対策は、全体的にみて確実に効果を挙げてきている」との意見をいただきました。

 こうした経緯を踏まえ、再発防止対策の成果や効果が着実に現れているものと判断し、美浜町の意向を確認の上、5月26日に美浜3号機の運転再開を了承したところであります。

 なお、その際、関西電力社長に対して、国民に電力を安定供給するという電力会社の社会的使命に立脚した安全確保への取組み、高経年化対策の充実、エネルギー研究開発拠点化計画の積極的な推進を強く要請いたしました。

 さらに、先月30日に原子力安全・保安院長に対して、再発防止対策の実施状況の継続的な検証、美浜3号機の厳正な安全規制、確実な高経年化対策の実施等を強く要請したところであります。県といたしましては、引き続き関西電力の取組みを監視し、確認してまいります。

 エネルギー研究開発拠点化計画につきましては、本年度は計画策定の2年目となり、昨年設置した拠点化推進組織の活動が軌道に乗り、計画の進捗が図られる必要があります。

 県では、新たに嶺南地域の企業等が行う原子力関連技術を活用した新技術・新商品の研究開発等の支援や、原子力発電所内でのOJT研修、県内や関西・中京圏の大学生等を対象とした原子力技術者の養成講座の開催などに取り組んでいるところです。

 また、国は、原子力安全基盤機構の技術情報調整委員会において、高経年化に係る技術情報ネットワーク整備の研究を進めており、日本原子力研究開発機構は、今月28日に開催する敦賀国際エネルギーフォーラムにおいて、拠点化計画の推進の見地からも幅広く、「もんじゅ」の研究開発成果を、アジアをはじめ海外に広く紹介することとしております。

 さらに、関西電力は、4月3日に地域共生本部内に「エネルギー研究開発拠点化プロジェクトチーム」を設置し、拠点化計画を中心とする地域共生に向けた方策の策定を進めており、具体化したものから順次公表することとしております。

 今後とも、計画の実行とその成果が、県民によく分かるよう国や電力事業者等と一体となり、行政だけでなく地元経済界や大学の積極的な参加を求め、拠点化計画を進めてまいりたいと考えております。

 次に、足羽川ダムについてであります。

 足羽川ダムにつきましては、先月10日、国土交通省近畿地方整備局長から計画案についての説明がありました。

 その内容は、80年に1回程度発生する戦後最大の洪水被害を防止することを当面の目標として、池田町の部子川に平常時は水を貯めない治水専用ダムを建設するとともに、ダム本体と河川を結ぶ導水施設として水海川から部子川までの導水路を整備するものです。

 私からは、国に対して、計画案についての県民理解を得るための努力、事業期間の短縮、建設費の増大の歯止めについて要請し、国土交通省としての責任ある回答を得たところです。

 今月8日には、近畿地方整備局長から国の考えを池田町に対し説明して協力要請を行っており、その際県としても、国の計画案に対する理解を求めたところであります。池田町の了解が得られれば、国の事業の推進に連携・協力してまいりたいと考えております。

 

 

 次に、主要施策につきまして、「元気宣言」に沿って申し上げます。

 まず、「元気な産業」についてであります。

 最近の我が国経済につきましては、「景気は、回復している」との判断が示されております。また、本県経済は、個人消費は全体として持ち直しの動きがみられ、企業の生産活動については業種によってばらつきがあるものの、製造業を中心とした緩やかな回復の動きとなっております。

 また、雇用情勢につきましては、先月30日、国が初めて公表した労働力調査の都道府県別四半期平均において、1月から3月までの第1四半期における本県の完全失業率は、全国平均の4.4%に対し、2.3%と全国一低くなっております。

 一方、金利の先高感や原油価格の高騰等による企業収益への影響、非正規社員の雇用環境の改善等をはじめとする雇用の質の向上などの課題も浮かび上がっております。

 このため、本年度の「経済社会活性化戦略会議」においては、県民の社会、経済の諸活動の質を向上させていくため、本県企業の実態を踏まえ、「挑戦(チャレンジ)ふくい」に基づく施策のこれまでの成果を評価しながら、地場産業の振興や雇用の質の向上などに関し、「挑戦(チャレンジ)ふくい」を補完する新たな戦略、施策等を検討することとし、今月12日に第1回の会議を開催したところです。

 企業誘致につきましては、1月に敦賀市産業団地への進出が決定した光学フィルムを製造する「株式会社巴川ファインコーティング」の工場が4月9日に着工し、来年4月の操業を目指しております。

 また、4月には、新たに、テクノポート福井へ住宅用部材等を製造・販売する「ファーストウッド株式会社」の進出が決定しました。初期投資額は約44億円で、約150人の雇用が予定されており、今月5日に着工し、12月には操業を開始する予定です。同社は、木材を輸入・加工する企業であり、福井港の利用が見込まれることに加え、将来的には県産材の利用についても検討されております。

 今後とも、将来性の高い企業を中心に、本年30社以上の企業立地を目指し、誘致活動を積極的に展開してまいりたいと考えております。

 観光の振興につきましては、県観光連盟に配置した観光プロデューサーを中心に民間主導の観光誘客を推進しております。

 これまでに、福井駅前、奥越、あわら・三国の3地域で広域観光推進と異業種交流のための協議会が設置されたほか、地域ブランドづくりに熱心に取り組む地域を組み入れた旅行商品の開発、県外からの教育旅行の誘致等の施策を推進しているところです。

 本年度は、新たな観光誘客として、伝統工芸品の体験と宿泊を組み合わせた産業観光に重点的に取り組むこととし、9月から10月にかけて越前焼の体験教室を実施するのをはじめ、越前和紙、越前漆器等の産地についても、秋以降、順次、体験教室を実施する予定です。

 さらに、本県の宿泊施設の約7割を占める民宿の活性化を図るため、民宿集積地を組み入れた新たな旅行商品の開発を支援することとしております。

 海外からの観光客につきましては、3月28日、台湾の国際教育旅行連盟と県観光連盟との間で、公的団体としては日本で初めて、修学旅行など教育旅行に関する協定を締結いたしました。これに基づき、9月には台湾の学校関係者が本県を訪れ、修学旅行企画のための事前調査等を行うこととしております。

 次に、農林水産業の振興についてであります。

 本年は、コシヒカリ育成50周年にあたり、「コシヒカリのふるさと・福井」を広くアピールする絶好の機会です。

 このため、都市圏の幼稚園や小学校において、コシヒカリの栽培体験を募集し、東京都内26校、大阪府内28校の児童約2,100人が5月上旬からコシヒカリの栽培体験を開始しており、また今月3日には、東京の高層ビル屋上庭園で県産コシヒカリ原種による田植えを行い、9月の収穫を目指し、栽培が行われております。

 今後さらに、原種から育てた最高級コシヒカリによる記念米の販売や、日本語、英語、中国語によるインターネットギャラリーの開設等を通じ、福井産コシヒカリを、全国はもとより海外に広くアピールしてまいりたいと考えております。

 水田農業につきましては、国の新たな経営安定対策の対象となる水田面積の割合を、3月末の28%から、本年度末には40%、平成20年度末には50%に拡大するという目標達成に向け、農地の集積を加速させる必要があります。

 このため、県、市町、JA等の関係機関が一体となって、集落営農の組織化・法人化、農業技術・経営に関する指導の実施など、各集落の合意形成に向けた取組みを一層強化してまいります。

 平成21年度に開催予定の全国植樹祭につきましては、今月6日に「第60回全国植樹祭基本構想検討委員会」を設置いたしました。

 第1回委員会においては、植樹祭開催を幅広く捉え、子どもたちを含め、将来にわたり県民が森や緑の大切さを自ら考え、自ら守るという行動に結びつけるべきとの意見をいただきました。

 今後さらに、本委員会でのご意見を踏まえながら、大会の基本理念、運営組織、開催候補地、県民運動等についての検討を進め、年内に基本構想を策定してまいりたいと考えております。

 次に、「元気な社会」についてであります。

 今月1日に公表された平成17年の人口動態統計では、合計特殊出生率が国全体で1.25と低下し、全国で初めて出生数が死亡数を下回る年となりました。

 少子化は、我が国の経済活力や社会保障制度に大きな影響を与えることから、国として、効果的な少子化対策の策定を急いでおります。

 こうした中、福井県の合計特殊出生率は、全国47都道府県の中で唯一前年を上回り、全国第2位の1.47となりました。

 県では、これまで、「元気宣言」に基づき、きめ細かな子育て支援策を実施してきたところであり、本年度も、新たに、「ふくい3人っ子応援プロジェクト」として、3人目以降の子どもに係る保育料や妊婦健診費用を無料化するなど、国に先駆けた政策を積極的に推進しているところです。

 今後とも、県議会からの提案もいただきながら、「子育てシステム・ナンバーワン県」を目指し、本県独自の施策の推進に全力を挙げるとともに、国に対しても、本県の施策をモデルとした新たな制度の創設等について、積極的に提案してまいりたいと考えております。

 次に、「健康長寿ふくい」の推進について申し上げます。

 全国でもトップレベルを誇る「健康長寿」を今後とも維持し、「健康長寿世界一」へとさらに発展させていくためには、保健、医療、福祉施策を一体的に充実させていくことが重要です。

 健康づくりでは、健康と若さを保ちながら年を重ねるアンチエイジング医学の考え方を医療機関に普及する研修会を来月実施し、医師会の協力も得て、血管や骨などの「健康長寿度」を、かかりつけ医が簡便にチェックできるシステムを年内に開発いたします。

 また、お腹周りの数値等をもとに生活習慣病の危険度を手軽に診断できるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準を市町の健康診断に導入するための研修会も来月実施いたします。

 こうした最先端の予防医学の考え方を全国に先駆けて市町等の健診に導入することにより、生活習慣病対策で全国トップレベルの体制を構築してまいりたいと考えております。

 医療の分野では、平成21年度治療開始を目指し、最先端の医療技術を持つ陽子線がん治療施設の整備を進めており、9月には実施設計に着手する予定です。県民が広く利用できる施設となるよう、嶺南地域を含む県内主要病院長等で構成する「陽子線がん治療ネットワーク推進会議」において運営面の検討を進めており、4月には、がんの治療医等から成る専門部会を設け、患者紹介や経過観察の仕方、画像転送システムの仕組み等について協議を重ねております。

 さらに、今月2日には、福井大学医学部や医師会、医療機関関係者等から成る「福井県医師確保対策協議会」を設置いたしました。

 県内病院の実情を調査した結果、地域的には嶺南や丹南、診療科目としては内科や整形外科など、特定の分野で医師が不足している状況にあり、9月末を目途に、効果的な医師確保対策を取りまとめたいと考えております。

 高齢者福祉では、在宅サービスと地域ケアを重視する介護保険制度の改正に伴い、3月に「福井県老人保健福祉・介護保険事業支援計画」を改定したところであり、高齢者の健康づくりや介護予防、在宅介護等の充実強化を図ってまいります。

 また、高齢者の増加に伴い必要となる介護施設につきましても、民間資金も活かしながら着実に整備を進め、「元気宣言」に掲げた「待機者ゼロ県」を達成してまいりたいと考えております。

 次に、教育について申し上げます。

 学校教育につきましては、教員の役割が最も重要であり、教員の採用前研修の導入など効果的な研修のあり方について検討を進めるとともに、民間教育機関への教員派遣等により、教授方法の一層の向上を図ってまいりたいと考えております。

 また、障害のある児童生徒に対する教育につきましては、来年4月から、これまで特殊教育の対象とならなかった学習障害、注意欠陥多動性障害等の児童生徒に対しても、通常の学級で特別な指導を行うなど、特別支援教育を推進する制度が導入される予定です。このため、教員が新制度についての理解を深めるガイダンスを実施するとともに、各小中学校で校内の支援体制を整備する役割を担う特別支援教育コーディネーターを養成するなど、指導体制を充実強化してまいります。

 さて、現在、国会では、教育基本法改正案の審議が継続中であり、子どものモラルや学ぶ意欲の低下、地域や家庭の教育力の低下など様々な課題がある中で、これからの時代に求められる教育について活発な議論が行われております。

 本県では、これまで、「元気宣言」に基づき、少人数学級編制の導入や高校生の学力向上、福井型コミュニティ・スクールの設置など、新しい教育政策の推進に最重点で取り組んでまいりました。

 しかしながら、教員や学校が多くの業務を抱えるなど様々な課題に直面しております。

 本県教育のさらなる発展のためには、地方で教育を実際に担う我々自身が、国の議論を見守るだけでなく、こうした課題の解決に積極的に挑戦し、行動することが必要です。

 このため、教育における教員の果たすべき役割、学校行事や部活動のあり方、家庭教育など様々な課題について幅広く議論を行い、福井から新たな教育政策のモデルを全国に示すよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、「元気な県土」についてであります。

 舞鶴若狭自動車道につきましては、3月末に、小浜西・小浜間の完成予定年度が5年後の平成23年度、小浜・敦賀間が8年後の平成26年度と示されたところです。

 県といたしましては、一日も早い供用開始を目指し、引き続き、西日本および中日本高速道路株式会社に対し強く要請してまいりたいと考えております。

 なお、小浜西・敦賀間につきましては、現在、約73%の用地買収が完了しており、残る小浜市尾崎地区をはじめ、若狭町の7地区、美浜町の5地区の用地買収の早期完了に全力で取り組んでまいります。

 なお、当面の目標である小浜西・小浜間11.2キロメートルにつきましては、現在、約5キロメートルで工事が進められており、本年度は新たに南川橋の橋脚工事等に着手いたします。

 また、小浜・敦賀間38.8キロメートルにつきましては、敦賀市山地区等におきまして、工事が進められており、本年度は新たに小浜市、若狭町および敦賀市において、トンネル工事や橋梁工事等に着手する予定です。

 中部縦貫自動車道につきましては、永平寺西・永平寺東間1.6キロメートルの本年度中の供用開始に向け整備を進めております。また、福井・大野間につきましては、現在、約85%の用地が確保されておりますが、永平寺町石上地区での買収が概ね完了したことから、上志比・勝山間の平成19年度中の供用開始に向けて、国に対し強く働きかけてまいります。

 大野油坂道路につきましては、具体的なルートおよび構造を決定するため、4月から、国において、猛禽類調査以外の環境調査に着手しており、平成19年度政府予算の新規着工準備箇所の採択と早期の整備計画組入れが図られるよう、国に対し強く求めてまいります。

 福井豪雨災害から2年近くが経過いたしますが、足羽川の激甚災害対策特別緊急事業につきましては、河床の掘削や泉橋、木田橋の架け替え工事等が予定どおり順調に進んでおります。

 また、この事業を単に治水対策に終わらせるのではなく、安全で潤いのあるまちづくりに活かすことが重要であることから、「足羽川河川環境整備検討会」において、自然環境や桜堤の保全、水辺空間の利用等について検討を進め、4月17日に提言を受けたところです。

 県では、この提言を踏まえ、福井市など関係機関と調整のうえ、関係住民の合意を形成しながら、桜堤などの整備計画を策定してまいりたいと考えており、護岸工事など激特事業の中で対応可能なものについては、提言の趣旨に沿って、工事を進めているところであります。

 JR越美北線の復旧対策につきましては、現在、JR西日本により、流出した5つの橋に新たな鉄橋を設置するための橋台・橋脚の新設工事や橋桁の製作が進められているほか、本年度からは、不通区間の線路や通信設備等の復旧工事も始められております。今後とも、JR西日本と連携して、平成19年度の早期に全線での運転再開ができるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 福井駅周辺の西口駅前広場の整備と西口中央地区の再開発につきましては、JR西日本から所有地の売却による再開発への協力姿勢が明らかにされ、福井市においては、年度内の都市計画決定という期限を明示するなど、具体化に向け重要な段階に入っております。

 今後とも、福井市、経済界、地元の方々と密接に連携、協力を図り、都市計画決定に向けた手続きが円滑に進むよう、国をはじめ関係機関と協議・調整を図ってまいりたいと考えております。

 敦賀までの新快速直通化に伴う嶺南地域のまちづくりにつきましては、開業日が10月21日に決定し、地元の新しいまちづくりの気運は大きく高まっております。

 県といたしましても、敦賀市中心市街地の商業活性化とにぎわい創出を図る空き店舗対策をはじめ、敦賀駅から金ケ崎周辺への交通アクセスの整備を図るためのデュアル・モード・ビークルの導入の検討など、地元の魅力あるまちづくりを積極的に支援してまいりたいと考えております。

 次に、「元気な県政」についてであります。

 敦賀市の民間最終処分場につきましては、3月23日、抜本対策等に係る実施計画について、環境大臣の同意が得られ、国の特別措置法の補助対象として認められました。

 先月9日には、廃棄物処理法に基づき、事業者等に対して処分場からの漏水防止、雨水等の流入防止および廃棄物の浄化対策等を実施するよう措置命令を発しましたが、事業者等が期限の今月9日までに着手しなかったため、今後、工事の効果を確認するために必要な水質等のモニタリング調査の代執行に着手することとしております。

 また、平成22年度中の対策工事の完了を目指し、年度内に実施設計を行い、来年度には工事に着手することとしております。

 次に、ふくいブランドの創造についてであります。

 これまで受け継いできた福井の魅力を県民自らが発見、再認識し、次の世代に伝える「考福学」運動につきましては、今月2日、市長会、町村会、県PTA連合会、県公民館連合会など関係団体とともに、推進母体となる推進協議会を設立いたしました。

 今後、歴史、産業、文化など福井の様々な魅力について、県民がその価値について学び、自ら外に向かって語り伝える県民運動を展開することにより、福井人としての自信と誇りを醸成してまいりたいと考えております。

 特に、本年は、近代日本美術の先覚者である本県ゆかりの岡倉天心がニューヨークで「茶の本」を出版して100周年にあたります。

 天心が残した業績、思想について、多くの県民が理解を深めることができるよう、9月5日から30日まで、県立美術館において特別展を開催するほか、大本山永平寺における茶会の開催、小・中学生向けの「茶の本」解説資料の作成、高校生を対象とした外国人講師による「茶の本」講座等を実施してまいりたいと考えております。

 さらに、来年は、県内各地に様々な伝説等を残す継体天皇が即位して1500周年にあたることから、関係市町、民間団体とともに、記念事業についての具体的検討を開始したところです。

 本年度は、継体天皇にまつわる伝説等を掲載したホームページの開設や、継体天皇が即位した「樟葉宮」ゆかりの枚方市で「ふくい継体大王塾」を開催することとしております。

 継体天皇ゆかりの自治体や民間団体では、独自に様々な記念事業の企画を進めておりますが、県といたしましては、今後、これらの団体等と連携し、全体を調整しながら、9月を目途に記念事業の全体をまとめたいと考えております。

 

 次に、今回提案いたしました主な議案について申し上げます。

 第55号議案につきまして、ご説明申し上げます。

 核燃料税は、昭和51年11月に、本県が全国に先駆けて創設した法定外普通税であり、以後5年ごとに更新してまいりました。

 現行条例の課税期間は、11月9日までとなっておりますので、これまでの原子力発電所の立地に伴う安全対策等に加え、原子力発電所と立地地域との共生の観点から、関係機関と税率の引上げおよび課税期間の延長について協議してまいりました。

 今回、その税率を12パーセントに引き上げたうえで、課税期間を新たに5年間延長しようとする本条例案を提案した次第であります。

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 以上、私の県政に対する所信の一端と今回提案いたしました議案につきまして申し上げました。

 なにとぞご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

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