第350回定例県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2008年6月20日ページID 002229

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平成19年2月13日

第350回定例県議会

 

 

平成19年度当初予算案

 

 

知事提案理由説明要旨

 

福 井 県

 

 

 第350回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および平成19年度当初予算案等の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 私は、知事就任以来4年間、マニフェスト「福井元気宣言」に基づき、福井の活性化を最優先の課題として、全力で県政推進に取り組んでまいりました。

 現在、失業率が全国一低くなるなど本県産業は力強さを取り戻しつつあり、出生率が全国47都道府県の中で唯一上昇し、犯罪の減少率が全国第1位となるなど、全国に誇る成果を挙げております。

 また、北陸新幹線の県内着工の実現、高速道路の整備促進、エネルギー研究開発拠点化計画の推進など県政の重要課題について成果と方向性を示すことができました。

 1期目の任期を終えようとしております現在、「元気宣言」に掲げた各種施策が概ね目標を達成することができましたことは、県議会をはじめ県民の皆様の県政に対する力強いご支援、ご協力の賜物であり、改めて心より厚くお礼申し上げます。

 変革の時代の中、県政は極めて重要な時期を迎えております。

 特に、県勢発展の基礎となる北陸新幹線などの重要プロジェクトは、ここ数年間がまさに重要であり、その進捗を加速させなければなりません。

 また、これからは、活力ある経済社会を基本に、教育、文化、福祉を充実するなどさらに県民の「暮らしの質」を高め、「楽しみ」と「喜び」にあふれた福井県を目指していかなければなりません。

 本県の優れた歴史や伝統文化、健康長寿、女性が活き活きと活躍し、子どもを生み育てやすい生活環境など、福井の魅力をさらに磨きあげ、真の豊かさが実感できる優れた県として全国に強くアピールしていくことが重要です。

 私は、こうした認識のもと、県民の皆様のご支持を得て県政推進に引き続き全力で取り組み、県民が、未来に夢と希望をふるさと福井に自信と誇りを持てる理想のふるさとづくりに邁進いたしたいと考えております。

 さて、地方と国の関係につきましては、昨年12月に地方分権改革推進法が成立いたしました。今後、4月に発足する予定の地方分権改革推進委員会において、新地方分権一括法の制定に向けた検討が開始されます。

 いわゆる第二期分権改革が、国の単なる歳出削減等を達成する手段とされることがないよう、全国の地方団体が政治力を結集して、地方と国の役割分担の見直し、国から地方への権限と税財源のさらなる移譲などをぜひとも実現させなければなりません。

 また、現在、国において、道州制についての検討も進められております。

 いわゆる道州制は我が国のあり方の根本に関わる問題であり、その中身を議論する前に、地方と国を通じた行政改革の推進、大都市問題の解決、地方分権の憲法上の位置付けの明確化など様々な課題があります。

 日本世論調査会が実施した最近の全国調査では6割以上の国民がこの制度に反対しております。合併後の住民と市町村とが新たな自治を築きつつある現在、地域の実情を踏まえない全国一律の制度の議論は、地方分権に逆行することになりかねません。

 全国知事会においても、先月、道州制検討の前提となる基本的な考え方を取りまとめ、いわゆる道州制ありきとしないことで意見が一致したところです。

 知事会の憲法問題特別委員会としても、各政党などと意見交換会を実施し、憲法改正が行われる場合には地方自治の充実を柱の一つとするよう強く要請しております。

 今後とも、地域のことは地域自らの責任で決めるという真の地方分権改革の実現を目指し、全国の地方団体とともに最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

 

 それでは、当面する県政の重要課題について申し上げます。

 まず、北陸新幹線についてであります。

 北陸新幹線の福井駅部につきましては、新年度の政府予算案で30億円の事業費が計上され、橋脚や高架橋の建設が本格化してまいりますが、平成20年度末の完成を目指して工事が着実に実施されるよう、福井市と連携を図りながら取り組んでまいります。

 福井駅部整備に伴うえちぜん鉄道の高架化につきましては、福井市からの要請も踏まえ、中心市街地の活性化や都市の再開発、高齢社会にふさわしい新たな交通体系の整備を図る観点から、平成16年12月の政府・与党申合せを基本に、三国芦原線をLRT(次世代型路面電車システム)化して福井駅前へ乗り入れ、勝山永平寺線を高架化により福井駅部に乗り入れる県の案を、国など関係機関とも協議のうえ、先般、県議会にお示しいたしました。

 現在、国や鉄道・運輸機構と高架構造や施工方法等の技術的な問題や整備手法、財源などの課題について鋭意協議を重ねており、沿線市町および鉄道事業者に対しても計画内容について説明し、理解を求めているところです。

 今後、課題等を整理し、県議会のご意見を十分踏まえ、早期に結論が得られるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 北陸新幹線の整備促進につきましては、今月2日に政府・与党の関係議員に対し、県議会や経済界とともに、敦賀までの工事実施計画の一括認可および早期整備、北陸3県同時期での福井開業の実現に向け、早期に本格的な議論が開始されるよう改めて強く要請いたしました。

 次の整備スキームにおいて、福井および敦賀までの整備方針が明確にされ、福井駅部完成から間を置かずに新幹線事業が実施されるよう、県議会と一体となって、国および関係機関への要請活動をさらに強力に展開してまいりたいと考えております。

 次に、原子力行政についてであります。

 美浜発電所3号機につきましては、関西電力が1月10日に原子炉を起動し、国の総合負荷性能検査を経て今月7日に営業運転を再開いたしました。

 県では、これまで調整運転の各段階において、立入調査等により発電所の状況を確認しており、引き続きより一層の安全確保に努めるよう求めてまいります。

 「もんじゅ」につきましては、改造工事で据付等を終えた機器・設備について原子力機構が昨年12月から工事確認試験を実施しております。

 今後とも、県原子力安全専門委員会において改造工事や工事確認試験の実施状況を十分確認するなど、安全確保に万全を期してまいります。

 エネルギー研究開発拠点化計画につきましては、平成19年度の推進方針に基づき、各実施主体において事業が展開されております。

 このうち、福井大学および福井工業大学は、国が新年度政府予算案で創設した「原子力人材養成プログラム」に基づき、高速炉講座の開設や放射線機器の整備等を行うこととしております。

 また、関西電力は、新たな高経年化研究施設や新素材の研究開発等を行う電子線照射施設の整備に向け構想策定を進めております。

 今後、県内大学と関西・中京圏の大学等による共同研究の促進、教員相互派遣や共通科目化の実現など各種事業を充実・強化し、計画内容のさらなるステージ・アップを図りながら、国内外から多くの優れた研究者が集う先進的な研究拠点となるよう、国、電力事業者、地元経済界、大学等とともに全力で取り組んでまいります。

 次に、足羽川ダムにつきましては、国、県、池田町の三者による「足羽川ダム建設事業推進協議会」を昨年末に開催し、環境アセスメントの実施や水源地域整備計画の策定などの役割分担やスケジュール等について確認を行ったところです。足羽川ダムを含む九頭竜川水系河川整備計画は2月15日に策定・公表される予定であります。

 

 次に、当初予算につきましてご説明申し上げます。

 平成19年度は、年度当初において知事および県議会議員の選挙が行われるため、経常的、継続的な事業について予算計上することとし、政策的な経費については選挙後の補正予算で対処することといたしました。

 なお、福祉、教育など県民生活に密接に関わり、国の制度改正等に伴って年度当初から実施しなければならないもの、北陸新幹線の整備や福井豪雨災害対策など事業の早期実現を図る必要があるものなどについては予算計上し、円滑な事業の実施に支障が生じないよう対応いたしました。

 また、「行財政改革実行プラン」に基づき、事務事業の見直し等を積極的に進め、財源の確保と健全財政の維持に努めることを基本としたところです。

 以下、主要施策と課題について、「元気宣言」に沿って申し上げます。

 まず、「元気な産業」についてであります。

 最近の我が国経済につきましては、「景気は、消費に弱さがみられるものの、回復している」との判断が示されております。

 一方、本県経済は、個人消費は全体として持ち直しの動きがみられ、企業の生産活動については、業種によってばらつきがあるものの製造業を中心とした緩やかな回復の動きとなっています。

 雇用情勢につきましても、昨年12月に国が発表した平成18年7月から9月までの第3四半期における本県の完全失業率は、全国平均の4.1%に対し、2.4%と3期連続で全国一低くなっております。

 グローバル化が加速する中、こうした景気の回復基調をより確かなものにするためには、世界レベルの次世代技術産業を育成するとともに、繊維、眼鏡など地場産業の振興、非正規社員の雇用環境の改善や若年人材の確保などの課題に的確に対応する必要があります。

 昨年12月には、「経済社会活性化戦略会議」から本県経済の持続的かつ安定した成長を目指した新たな戦略等について報告を受けたところであり、県民の経済社会活動のさらなる質の向上を図る観点から、今後の産業労働政策に十分活かしてまいりたいと考えております。

 特に、若者の本県への就職促進につきましては、大都市圏の企業を中心に採用活動が早期化していることから、就職活動が本格化する前の1月5日に、県内企業98社と学生やその保護者など約900名の参加を得て、「ふるさと企業魅力発見フェア」を県営体育館で実施いたしました。今後さらに、新たに策定した「福井県職業能力開発計画」等に基づき、若者や女性、非正規社員などに対する職業能力の開発、企業の人材育成の支援等を積極的に行ってまいりたいと考えております。

 また、県内企業の東アジアへの販路開拓につきましては、最新の企業動向や国際情勢等を踏まえ、新たな「東アジア・マーケット開拓戦略プラン」を策定いたしました。海外事務所の機能強化、中国ビジネスリスクに関する相談体制の整備など、東アジアへの販路開拓に挑戦する企業の支援を一層充実してまいりたいと考えております。

 企業誘致につきましては、この4年間の本県への立地企業が95社となり、投資額は約2,040億円、新規雇用者数は約3,000人となるなど誘致活動の成果が着実に現れております。

 今月には、テクノポート福井へ石膏建材のトップメーカーである「吉野石膏株式会社」の進出が新たに決定したところであり、さらに企業誘致を積極的に展開してまいります。

 中心市街地の活性化につきましては、今月8日に「中心市街地活性化懇話会」から、コンパクトなまちづくりに向け街の郊外化を抑制することなどを内容とする提言がありました。

 これを踏まえ、中心市街地活性化に向けて市町が重点的に取り組むべき事項や大規模集客施設の適正立地に関する事項などについての基本的な方針を年度内に策定してまいりたいと考えております。

 次に、農林水産業の振興についてであります。

 新年度から国の新たな農業政策が実施されます。

 このうち、認定農業者や集落営農組織の経営に着目して支援する「品目横断的経営安定対策」につきましては、集落の合意形成等を促進してきた結果、対象となる水田面積の割合が昨年度末の約28%から本年度末には40%に拡大する見込みです。平成22年度には60%以上となるよう集積をさらに加速させてまいります。

 また、農地や農業用水等の保全管理と環境調和型農業を推進する「農地・水・環境保全向上対策」につきましては、市町と連携し、農家以外の方も含め多くの県民の参加を得て、各集落における活動組織の立ち上げや活動計画の策定等を進めております。

 平成21年春に本県で開催される「第60回全国植樹祭」につきましては、昨年末に大会の開催方針、開催会場、記念事業等について基本構想を策定いたしました。

 開催を通じ、福井豪雨災害からの復興と森林の恵みを全国に力強く伝えることができるよう全力を尽くしてまいります。また、子どもから大人まで県民一人ひとりが森林や自然の恵み、厳しさを再認識し、木を伐って使う県産材の活用や四季折々の花木の植栽など将来につながる県民運動を広く展開してまいります。

 新年度は、7月を目途に「第60回全国植樹祭福井県実行委員会」を設置するなど推進体制をさらに強化するとともに、会場施設の整備計画等について基本計画を策定してまいりたいと考えております。

 本年度の「越前がに漁」につきましては、漁業者自らによる資源管理や漁場の保全等を進めてきた結果、1月末現在の漁獲量は433トン、漁獲金額は約13億9千万円と好調な水揚げとなっており、本県史上9番目の豊漁であった昨年度を漁獲量、漁獲金額とも上回る見込みです。貴重な水産資源の保護育成に努めながら、販売力の強化など、より収益性の高い水産業の振興に努めてまいります。

 次に、「元気な社会」についてであります。

 少子化対策につきましては、「ふくい3人っ子応援プロジェクト」や「子育てマイスター」をはじめとする本県の施策が、「厚生労働白書」や「少子化社会白書」において紹介されるなど、高い評価を受けております。今後さらに施策の充実に努め、全国一子どもを生み育てやすい県を目指してまいりたいと考えております。

 特に、子どもの放課後の安全・安心な居場所や充実した活動の場の確保が子育て支援の重要な課題となっています。このため、月曜日から土曜日まで保護者が日中不在の小学3年生までの児童を預かる「放課後児童クラブ」と、週2回程度すべての小中学生を対象に体験活動等を行う「地域子ども教室」を、「放課後子どもクラブ」として一体的に運営することといたしました。今後、小学校区ごとに設置する地域・学校協議会を中心に実施時間や場所等を調整し、地域の実情に応じた対策が推進されるよう努めてまいりたいと考えております。

 「健康長寿ふくい」の推進につきましては、健康と若さを保ちながら年を重ねるアンチエイジング医学に基づき、血管や骨などの「健康長寿度」をかかりつけ医がチェックできるシステムを昨年12月に全国に先駆けて開発いたしました。3月に医療機関や市町等の健康診断担当者を対象とする研修会を開催する予定であり、県民に広く普及してまいりたいと考えております。

 7月に「第43回献血運動推進全国大会」、9月に「第8回健康日本21全国大会」が本県で開催されます。健康長寿とこれを支える福井のライフスタイルや食、豊かな自然など福井の魅力を広く知っていただく大会となるよう全力を尽くしてまいります。

 医師確保対策につきましては、昨年6月に設置した「医師確保対策協議会」において、内科、産科、小児科等の診療科目や地域ごとの課題等について検討を進めてまいりました。その検討結果を踏まえ、新たに、後期研修医に対する国内外の長期研修制度の創設や女性医師確保のための院内保育所の拡充等を図ってまいりたいと考えております。

 また、関西電力は、エネルギー研究開発拠点化計画の一環として、新年度から嶺南地域における医師確保を図る奨学金制度を実施することとしております。

 平成16年度から建設工事を進めてまいりました県立病院の「こころの医療センター」につきましては、うつ病などの早期治療を行う心身医療科病棟を新設するなど機能を充実し、4月から診療を開始いたします。関連施設である小児療育センター、看護専門学校、福井東養護学校、特殊教育センターについても予定どおり4月から新施設で業務を開始する予定です。

 なお、新施設での業務開始等に伴い、小児療育センターを「こども療育センター」に、特殊教育センターを「特別支援教育センター」に改めることとし、今議会に関係議案を提案しております。

 次に、障害者福祉につきましては、障害者自立支援法の趣旨等を踏まえ、障害者雇用の促進やグループホーム等の拡充、ホームヘルプなど在宅サービスの充実等を内容とする新たな「福井県障害者福祉計画」を本年度中に策定することとしております。

 また、サービス利用者に対する原則1割の定率負担や食費・光熱水費の実費負担等については、国が新たな支援制度を創設したこと等を踏まえ、負担軽減策の充実を図ってまいりたいと考えております。

 次に、教育について申し上げます。

 「元気宣言」に基づき、小・中学校における少人数学級編制を計画的に進める「元気福井っ子笑顔プラン」につきましては、計画の最終年度として、4月の新学期から中学1年生の学級編制を現在の32人学級から30人学級とするなど、所期の目標を達成してまいりたいと考えております。

 また、新年度から、学習障害、注意欠陥多動性障害等の児童生徒に対し、通常の学級等で特別な支援を行う特別支援教育制度が導入されます。これまで、教員が新制度について理解を深めるガイダンスの実施や各小中学校で校内の支援体制を整備する特別支援教育コーディネーターの養成等を行ってきたところであります。

 6月に「第2回食育推進全国大会」が本県で開催されます。大会を契機に、県民の食育への理解と関心を高めるとともに、健康長寿を支える福井の食文化や、栄養教諭の活動、地場産学校給食の推進など本県の食に関する先進的な取組みとその成果を県内外に広く紹介してまいりたいと考えております。

 県立大学につきましては、大学経営の視点を導入し、自主的・自律的な運営を行う組織とするため、4月に「公立大学法人福井県立大学」を設立する予定です。地域を担う人材の養成や研究成果の地域への貢献など県民にとってより一層魅力ある大学として発展させてまいりたいと考えており、今議会に法人の中期目標をはじめとする関係議案を提案しているところです。

 さて、国においては、昨年、教育基本法が改正され、教育再生について様々な議論が進められております。

 教育委員会においては、教員採用前研修の導入を含めた研修体系の見直し方策等を昨年12月に取りまとめました。新規卒業者の現場体験研修を3月に実施するほか、臨時任用講師の実践的指導力の向上を目指した教育養成塾の実施等について検討を進めております。

 本県教育のより一層の充実を目指し、学校、家庭、地域それぞれの課題に対しさらに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「元気な県土」についてであります。

 舞鶴若狭自動車道につきましては、新たに若狭町4地区において用地契約の調印を行い、地区ごとの団体調印はすべて終了いたしました。地権者との個別の契約交渉を行っておりました小浜市尾崎地区についても買収を終え、小浜西・敦賀間全体の約96%の用地を確保いたしました。早期の用地買収完了を目指し、残る地権者との交渉に引き続き全力で取り組んでまいります。

 平成23年度完成を目指す小浜西・小浜間および平成26年度完成を目指す小浜・敦賀間の工事は着実に進捗しており、先月には敦賀市の山地区でトンネル工事が開始されたところです。完成予定時期より少しでも早く開通できるよう、引き続き、西日本および中日本高速道路株式会社に対し強く要請してまいります。

 中部縦貫自動車道につきましても、完成目標を明確にして整備を促進する必要があります。

 このうち、永平寺西・永平寺東間については3月17日に供用が開始される予定であり、上志比・勝山間については平成20年度中の供用開始を目指し工事が進められております。

 福井・大野間の永平寺大野道路全線については概ね10年後までの開通を目指すとともに、大野油坂道路については平成19年度政府予算において新規着工準備箇所の採択を受け、整備への道筋が示されるよう国に対し強く要請してまいりたいと考えております。

 なお、国は、年末に「道路特定財源の見直しに関する具体策」を決定し、平成19年中に真に必要な道路整備に関する中期的な計画を作成することといたしました。道路整備がいまだ十分でない地方にとって、今回の見直しが今後の道路整備に支障をきたすものとなってはならないと考えており、舞鶴若狭自動車道と併せ中部縦貫自動車道がこの計画に確実に組み入れられるよう県議会と一体となって全力を尽くしてまいります。

 足羽川の激甚災害対策特別緊急事業につきましては、本年度中にはJR橋下流において、現在工事中の橋梁部を除き、掘削が完了する予定であるなど順調に工事が進んでおります。平成20年度の完成に向け、泉橋、木田橋の架け替えや残る河床の掘削等を着実に進めてまいります。

 幸橋整備事業につきましては、10月に鉄道のほか5車線の道路で通行ができる予定です。その後、橋の取付道路等の整備を行い、平成21年度末には事業全体が完成するよう全力を挙げてまいります。

 JR越美北線の復旧につきましては、JR西日本により順調に工事が進められており、3月には流出した5つの鉄橋で橋桁の架設工事がすべて完了する見込みです。鉄橋部も含め不通区間の線路や通信設備等の復旧工事も鋭意進められており、本年夏の全線運行再開を目指しJR西日本と協議を行っているところです。

 福井駅西口で整備を進めております地下駐車場につきましては、10月に供用を開始する予定であり、今議会に駐車料金や指定管理者制度の導入等に係る設置管理条例案を提案しております。

 福井駅周辺の西口駅前広場の拡張整備と西口中央地区の再開発につきましては、地元商店者等による再開発準備組合が昨年12月に設立され、先月には福井市の「福井駅前広場整備計画検討委員会」において広場の基本的なレイアウト案が取りまとめられるなど、計画推進に向け大きく前進しております。

 福井市は、JR西日本が売却するとした土地を単独で取得する方針を示すなど、年度内の都市計画決定に向け全力を尽くしているところであり、県としても、福井市の都市計画決定に向けた手続きが円滑に進むよう国をはじめ関係機関と協議・調整しているところです。

 福井駅東口で建設が進められております手寄地区市街地再開発ビル内の「福井県県民ホール」につきましては、4月19日から4日間、県民からの公募による公演を含めた開館記念事業を実施してまいりたいと考えております。

 次に、「元気な県政」についてであります。

 国民保護につきましては、平成17年11月に美浜町を中心に全国に先駆けて実施した実動訓練の結果等を踏まえ、先月、大規模な事業所単位の避難実施を追加するなど、「福井県国民保護計画」を一部改正いたしました。現在、各市町の計画作成が進められており、年度内にすべての市町で計画が作成されるよう強く働きかけているところです。

 国の特別措置法の補助事業として実施している敦賀市の民間最終処分場につきましては、昨年10月から敦賀市と共同で対策工事に係る実施設計の代執行を行っております。今後、年度内に設計を完了し、新年度に着工する予定です。

 次に、ふくいブランドの創造についてであります。

 継体大王即位1,500周年記念事業につきましては、大王ゆかりの自治体や民間団体等において事業の具体的計画が明らかにされるなど、活発な活動が展開されております。

 昨年12月にはこうした団体等とともに、「継体大王即位1500周年記念事業実行委員会」を設立したところであり、この委員会を中心に記念事業全体を調整し、大王にまつわる歴史、伝説、ロマンを全国に広くアピールしてまいりたいと考えております。

 これまで受け継いできた福井の魅力を県民自ら発見、再認識し、次世代に伝える「考福学」の推進につきましては、趣旨に賛同する経済団体や学校等において発表会が開催されるなど、運動の輪が広がってきております。今後さらに多くの県民が参加する広がりがある県民運動へと発展させてまいりたいと考えております。

 福井城築城400年を記念し、昨年から福井市と連携して調査・検討を進めております御廊下橋の復元整備につきましては、「御廊下橋整備推進委員会」において近く計画を取りまとめることとしております。イベントの開催や募金活動の実施等を通じ、多くの県民の参加・協力を得ながら整備してまいりたいと考えております。

 さて、県では、これまで、様々な機会、媒体等を通じ福井の魅力を全国に強くアピールしてまいりました。

 10月から放送されるNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の舞台が本県に決定したことは、こうしたPR活動の大きな成果でもあり、ふるさと福井を全国に広める絶好の機会と考えております。

 今後、県観光連盟など民間団体と協力して、番組を契機とした新たな観光誘客やPR活動を進めるなど、県民気運を盛り上げてまいりたいと考えております。

 また、先月には東京都荒川区との交流の一つとして、荒川ケーブルテレビ株式会社が県内の観光地などを取材し、このほど荒川区内で放映いたしました。首都圏の一地域ではありますが、今後とも様々な分野で発信の場を広げてまいりたいと考えております。

 以上、主要施策と課題について概略を申し上げましたが、平成19年度当初予算案の規模は、

  一般会計  4,438億4,275万円余

  特別会計    194億6,336万円余

  企業会計    321億2,586万円余

   計    4,954億3,198万円余

となった次第であります。

 また、これに伴う歳入予算につきましては、確実に収入が見込まれる県税1,143億6,859万円余、地方交付税1,158億円を計上いたしましたほか、国庫支出金673億5,993万円余を計上するとともに、不足する財源につきましては、県債管理基金等を取り崩して措置することといたしました。

 また、一般会計の予算規模の明確化と公債費の総合的な管理を行うため、新たに公債管理特別会計を設置することといたしました。

 

 この他、今回提案いたしました主な議案についてご説明申し上げます。

 第28号議案は、県人事委員会の勧告を踏まえ、県職員の勤務時間、休憩時間等の見直しを行うものであります。

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題、予算案等について申し上げました。

 なにとぞ慎重にご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 

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