第356回定例県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2008年6月26日ページID 006177

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平成20年6月27日

第356回定例県議会

知事提案理由説明要旨

 

                                                                        福 井 県





 第356回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および
主な施策につきまして、その概要をご説明申し上げます。

 まず、はじめに明日28日は、昭和23年の福井地震から60周年に当たります。 この戦後復興の途上における
震災によって、3,728名の尊い県民の命が失われ、また、負傷者2万1,750名という大きな被害を出しました。
改めて、  災害の厳しさと防災の重要性を認識するものであり、 防災意識を高めるための地震防災セミナーを開
催することとしております。

 この、5月12日には中国において四川大地震が発生し、 学校施設等の倒壊により多数の児童・生徒が犠牲と
なるなど、甚大な被害が生じており、国内においては、昨年の能登半島地震、新潟県中越沖地震に続いて、今月
14日、 岩手・宮城内陸地震が発生しました。犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々
にお見舞いを申し上げます。

 県としては今回、県民の安全を守る立場から、学校施設の耐震化促進について全国に先駆け国に対し緊急要
望を行うとともに、 小中学校校舎の耐震化に対する国の財政支援の強化に上乗せして、  独自に耐震の財政負
担の一層の軽減を図るため、補助制度を大幅に見直し、小中学校の耐震化を強力に促進することとしました。

 災害はいつどこで起きるかわからない不安があり、近年多発している豪雨や地震による土砂災害から県民を守
るためには、ハード、ソフト両面の対策が重要であります。 砂防堰堤などの対策工事を着実に実施するとともに、
いま一度梅雨期における危険箇所や心構えの周知、がけ崩れ、 地すべり調査を十分行い、土砂災害ハザードマ
ップの作成など市町と連携して警戒避難体制の整備を推進してまいります。

 先日の東京秋葉原の殺傷事件は、平穏な日常生活の中で、突然命が奪われるという、痛ましく、また、多くの人
たちを震撼させる事件でありました。事件の背景には、様々な事情があったと考えられますが、やはり、 家族や学
校、職域、 地域などの温もりのある人のつながり、支え合いを大切にする社会づくりの重要性を痛感するものであ
ります。

 未来に希望と夢を持って生活のできる福井を目指し、 県民が相互に力を合わせ、  今一度「住みよいまち」から
「住みたいまち」へ発展させていきたいと考えます。

 さて、私にとって「福井新元気宣言」に基づく県政2期目の2年目となる本年度は、環境、観光、農業の重要分野
における
県政の基本となる新たな計画の策定を行うこととしております。 策定に当たっては、 県民、専門家や関係者の幅
広い意見を反映するとともに、議会との意見交換を深め、実効ある計画にしてまいりたいと考えています。

 まず最初に、新たな環境基本計画についてであります。

 来月7日から「環境・気候変動」を主要テーマとする洞爺湖サミットが開催され、地球温暖化などについて議論が
なされる予定です。 各国が枠組みの合意について努力するとともに、国民一人ひとりが自分自身の問題として環
境問題に取り組んでいく実行が何よりも大切です。

 先月30日に提出された福井県環境審議会の中間報告では、「 県民の手で守り育てる福井の環境 」を基本目
標として、「自然環境」「生活環境」「人づくり」の3つの視点ごとに、本県独自の具体的施策が掲げられています。

 たとえば、南限北限の宝庫と言われる本県の動植物について、その分布の変化を調査・活用する環境教育の
普及啓発、また植林などにより二酸化炭素を相殺する本県独自のカーボンオフセット運動の展開、生涯にわたり
環境意識を高め学び手から教え手・担い手につなげる環境一貫学習の推進などが具体例として挙げることがで
きます。

 今後、審議会において検討を重ね、今年の秋を目途に策定したいと考えております。

 次に新たな観光推進計画についてであります。

 観光は幅広い産業に対する需要や雇用機会の増大に大きな波及効果をもたらすとともに、 交流人口の増大を
通じた地域経済の活性化に寄与するものであり、「これからの有力な成長産業」と言われています。  国において
は観光政策を一元的に進めるため、本年10月1日に「観光庁」を設置します。

 現在、本県では舞鶴若狭自動車道、中部縦貫自動車道、北陸新幹線など、他府県との距離を縮める高速交通
体系の整備を目指しており、全国、海外からの誘客に向けた受入体制の整備を県、市町、観光事業者などが一体
となって、今のうちからより幅広く力を合わせて進めていくことが重要です。

 5月20日の第1回の委員会においては、本県への観光客誘致のために、首都圏における認知度の向上、地域
の先頭に立って誘客を進めていくリーダーの育成、近隣府県との広域連携の推進などについて意見をいただいた
ところです。

 今後、策定委員会の協議と並行して、観光事業者のみならず県内外の幅広い関係者、団体等ともテーマごとに
意見交換し、この秋を目途に計画を策定してまいりたいと考えております。

 次に新たな農業・農村再生戦略についてであります。

 最近の世界的な食糧価格の高騰は、食糧安全保障に悪影響を及ぼすなど深刻の度合いを増しております。 食
糧のおよそ6割を輸入に依存する日本としても大きな影響を受けつつあり、我が国としてもこれからの農業戦略を
明らかにしなければなりません。

 5月29日には本県の農業・農村の再生方策を検討するため、「ふくいの農業のあり方検討会」を設置しました。
第1回目の検討会では、個別農家・後継者対策の支援充実や、農業・農家のサービス産業対策、農業の豊かな
価値を県民に示すモデル地区づくり、農業継続に苦心する個別農家の支援などについての提案がなされていま
す。

 今後は検討会からの提言をもとに、来年3月を目処として「ふくいの農業・農村再生戦略」を作成し、農業を次代
に引き継ぐ指針を定めるとともに、国に対しても本県独自の政策を提案してまいりたいと考えております。

 次に、県土づくりや県民生活に大きく関連する道路特定財源の問題について申し上げます。

 4月1日からのガソリン税等の暫定税率失効により、ガソリン価格等が大きく変動し、県民生活や地域経済に混
乱を与えるとともに、道路事業の執行の見合わせが起こり、また財政上、 国庫補助事業、 地方道路整備臨時交
付金事業については、予算要望額をかなり下回る事態が生じました。

 県としては、3月下旬から庁内連絡会議を随時開き、県民への呼びかけや相談窓口の設置、国に対する要請
活動など必要な対策を適宜講じてまいりました。

 その後、関係法案の再可決により暫定税率や臨時交付金制度が復活し、県民生活や地方行政に対する深刻
な影響は回避されました。

 現在は、 これまでの工事進捗の遅れを取り戻すよう早期発注を行っており、 暫定税率失効により生じた地方税
や国庫補助金等の減額分について、 国の責任において確実かつ速やかに全額を確保するよう強く要請している
ところであります。

 また、 7月には東海北陸自動車道が全線開通見込みとなる一方、 本県の中部縦貫自動車道については未着
手の区間が多数残されております。このような国土の骨格を形成する幹線ネットワークの整備や地域の活性化に
不可欠な道路については、真に必要な道路の整備として、これまでどおり安定的な財源が確保されることが不可
欠であります。 このため、 今後の政府による一般財源化の検討においては、 本県の道路整備の現状を強く国に
対して訴えてまいります。

 次に地方と国との関係についてでありますが、地方分権改革推進委員会において、 新地方分権一括法の制定
に向けた検討が進められており、5月28日、第1次勧告が出され、6月20日には政府の方針である地方分権改
革推進要綱も出されました。

 今回の要綱においては、一部に結論が先送りされるものがある一方、国から地方への権限移譲、国の関与・義
務付けの縮小が盛り込まれております。

 しかし、真の地方分権社会の実現のためには、決定権限と併せて税財源の移譲が不可欠であり、政府におい
て、残された課題を解決して分権型社会の実現が図られるよう、全国知事会と一体となって強く求めてまいります。

 ところで、政府や経済界においては、道州制についての議論が行われておりますが、 先般、自民党道州制推進
本部と各県との道州制についての意見交換会が開かれたところです。 私からは、道州制と地方分権は歴史的に
みても関係がないこと、 国を分断することで逆に国全体の力を弱めてしまう危険性があること、むしろ、大都市問
題、全国のネットワーク整備、地方活性化、農業問題など、具体の課題に対応していくことが何より重要であること
などを意見として申し上げたところです。

 世論調査からも、 道州制について導入に反対する者が過半数を超えるなど、国民の理解は得られておりません。
また、住民自治の形骸化や地域格差の拡大など、多くのデメリットもあります。拙速な議論を避け、地方分権改革を
積極的に進めるべきと考えております。

 さて、 本県が提唱した「ふるさと納税」制度が、 本年4月30日の地方税法の改正により創設され、全国でも積極
的な働きかけが進みつつあります。

 「ふるさと納税」は、 自発的な納税を通じてふるさとを選ぶという住民の政治参加を進め、また「寄付による投票」
により、自治体の政策競争を促していきます。自治体がより良い政策の企画・実行に努力し、切磋琢磨し合い、 地
域を活性化させる原動力となります。

 福井県としては、 制度の提唱県にふさわしい実績を目ざすとともに、 「ふるさと納税情報センター(仮称)」を開設
し、 県内および全国の自治体の状況などを集約し情報提供することにより、 この制度をより納税者に信頼されるシ
ステムに発展させていきたいと考えております。

 それでは、当面する県政の重要課題について申し上げます。

 まず、北陸新幹線であります。

 北陸新幹線の整備促進については、 昨年12月の政府・与党合意に基づき検討が進められましたが、 年度末に
は結論が出ず、引き続き政府・与党において検討が進められております。

 年度末の3月に結論が出なかったことについては、  国政に対する県民の信頼といった観点からも誠に遺憾であ
り、国家プロジェクトとしての新幹線の重要性からも、早期に整備方針が示されなければなりません。

 今月19日の与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム会合においては、 「貸付料等の試算作業の早急な報
告」、 「概算要求における平成21年度の新規区間について認可、 着工」などについて、 政府に対し要請がなされ
たところであります。

 現在、国土交通省において貸付料等の試算作業中でありますが、 早急に財源確保の目途を付け、 国の概算要
求の中に、来年度からの新規着工を盛り込まれることが必要であります。

 県としても今月1日に北陸新幹線建設促進同盟会総会を開催したところであり、 来年度政府予算案概算要求時
までに、敦賀までの整備方針が明確に示されるよう、引き続き、県民一丸となって取り組んでまいります。

 次に、原子力行政であります。

 「もんじゅ」については、 平成18年10月に原子力機構が国に申請していた初装荷燃料の変更計画に対して、本
年2月19日に許可がされました。

 この計画については、 安全協定に基づき、 原子力機構から平成18年7月にあらかじめ事前了解願が県に提出
されております。 県としては、 燃料変更の健全性や妥当性等に係る県原子力安全専門委員会の審議および地元
敦賀市の意見等を踏まえ、4月26日に計画実施について事前了解を行ったところです。

 その際、原子力機構に対し、 3月に発生したナトリウム漏えい警報に係る検出器の施工ミスや地元自治体への
通報連絡遅れの問題について、 根本的な原因分析とその対策を講じること、 また燃料や機器・設備の安全性の
確保、耐震安全性等についてさらに万全の対策を講じるよう強く要請いたしました。

 そして、文部科学省および原子力安全・保安院に対しても、 原子力機構への厳正な指導・監督を求めました。
今後とも、県民の安全・安心を最優先に、原子力機構や国の取組状況を一つひとつ慎重に確認してまいります。

 プルサーマル計画については、県と地元高浜町は、関西電力等に対し現地調査を行い、MOX燃料調達に係る
品質保証システムの監査が適切に行われているかどうか確認をいたしました。  関西電力はこの結果をもとに、3
月31日にMOX燃料の製造元請となる原子燃料工業と燃料加工契約を締結しております。

 県としては、計画の進捗状況等について節目となる工程の各段階で報告を求め、その内容を厳正に確認してま
いります。

 さらに、原子力発電所の耐震安全性については、 国が平成18年9月に改訂した新しい耐震設計審査指針に基
づく各事業者の再評価結果が、事業者から3月31日に国および地元自治体に報告されたところであり、現在は国
がその妥当性について審査しております。

 本県の要請に基づき、 国は、 事業者が実施した海域活断層調査結果の妥当性を検証するため、3月から5月
にかけて敦賀湾および小浜湾において海上音波探査を行ったところであり、今後、若狭湾においても行うこととし
ております。

 県としては、事業者の評価結果や国の調査・審査状況について、 県原子力安全専門委員会の審議等を通じ、
厳正に確認してまいります。

 次に、「エネルギー研究開発拠点化計画」についてであります。 国をはじめ、電力事業者、大学、 産業界などが
協力して、平成20年度の推進方針に基づき重点施策を進めております。

 このうち、福井大学を中心とした広域の連携大学拠点の整備については、 大学、 国、県等で構成する委員会に
おいて本年3月から具体的な検討を開始し、平成21年4月の「国際原子力工学研究所」の設置に向け、現在、組
織体制、財源確保等の準備を進めております。県としては、文部科学省に対して、 教授等の人件費の確保、  施
設・設備の整備、 研究・運営等の支援を昨日も要請したところであります。

 また、 4月1日にレーザー技術等を活用した県内の大学や企業との共同研究等を進める「関西光科学研究所レ
ーザー技術利用推進室」が設置され、 今月17日には次世代エネルギーを産学官で研究開発し早期事業化を目
指す「福井クールアース・次世代エネルギー産業化協議会」が設立されました。 さらに22日には海外の研修生も
受け入れる「原子力安全研修施設」の構想策定委員会も設置されており、 関係者が互いに高い目標をもって、 ア
ジアを中心に世界から優秀な人材が集まる研修拠点づくりを急ぎたいと考えております。

 次に、福井鉄道福武線の問題であります。

 先月22日に、福井鉄道、名古屋鉄道、県および沿線3市等からなる第7回の「福井鉄道福武線協議会」を開き、
福井鉄道の債務の処理、利用促進等について協議し、上下分離方式を柱とする再建方向が改めて確認されてお
ります。

 沿線3市においては、6月補正予算案として福武線の維持修繕に必要な支援経費を計上したところであります。
また5月30日には、福井市が中心となり、 「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく協議会を設
立し、 上下分離方式での鉄道再建に国の補助を獲得するための計画策定に着手しております。

 また、 沿線3市では、 福武線のサポートを目的とする市民団体も相次いででき、今月16日には、3市にまたが
る広域的な利用促進団体も作られるなど、利用促進に向けた体制の整備が進みつつあります。

 今後は、 名古屋鉄道による増資、 未確定の沿線市の負担割合も含めた行政支援の内容など、 再建方向の最
終的な確認を行い、その上で、福井鉄道として役員の選任等経営と再建について見通しが立てられるよう、 県と
して支援してまいりたいと考えています。

 以下分野ごとに、主な施策について「新元気宣言」に沿って申し上げます。

 まず、「元気な社会」のうち、教育についてであります。

 教育・文化ふくい創造会議については、昨年8月の設置以来、 積極的な議論を行っております。 教員が本来の
職務に専念するための「学校マネジメント改革」については、 各学校が継続的な改善活動を行い、学校内のムリ
とムダを排除する「一学校一改善活動」や、県内の小・中・高等学校の教員ネットワークを強化して、 みんなで支
え合いながら教科指導力を高める「教材研究支援システム」の構築等について提案がありました。県としては、近
々まとまるこの第二次提言を踏まえて、本県独自の施策を検討し、子どもたちにとっての教育がさらに充実するよ
う、 可能なものから速やかに実行してまいりたいと考えております。

 なおその後は、「ふくい文化の振興」をテーマにして引き続き議論する予定となっております。

 また昨年12月、  教育委員会は「高等学校教育問題協議会」に対して、  今後の県立高等学校の目指すべき方
向性について諮問を行っております。高校に学ぶ生徒たちが充実した教育を受けるにはどうしたらよいかを基本に、
高校の適正規模と配置、職業系学科の在り方、定時制・通信制の在り方等について、課題ごとに集中的に議論を
進めております。

 いずれの分野も、生徒一人ひとりの将来につながる重要な課題であるため、十分に議論が尽くされることを期待
しており、答申をもとに高等学校の在り方を具体化したいと考えております。

 国民体育大会については、様々な分野の委員からなる「国体検討懇話会」において、 議論を重ねております。
6月18日の第3回懇話会においては、開催経費、財政見通しなども踏まえ、 本県独自の国体像について議論を
深めたところであり、早期に結論を得ることになると考えております。

 さて、 8月に開催される北京オリンピック競技大会に出場するギリシャ陸上競技代表チームの事前キャンプが、
福井で行われることになりました。この機会に県民がトップアスリートを身近に感じることができるよう、 子供たち、
競技者などとの交流を計画していく予定です。

 次に少子化対策について申し上げます。

 今月4日に発表された平成19年の人口動態統計では、福井県の出生数は7,191人と昨年より133人減少
したものの、合計特殊出生率は全国6位の1.52と唯一3年連続の上昇を示しております。

 本県の少子化対策は、 国や他の自治体から大きな関心を持って注目されております。  今月20日に上川少子
化対策担当特命大臣が来県された際にも、本県の病児デイケア事業やすみずみ子育てサポート事業の現場を
視察され、 病院と連携した病児保育、保護者が病気や学校行事に参加する際の一時預かりなどについて、他県
の参考にもなる先進的な取組みと評価されたところです。

 また、「ママ・ファースト運動」の一環として本年3月からスタートした「すまいるFカード事業」については、5月末
現在で県内のおよそ800店舗で、3人以上の子を持つ世帯に対し割引等の特典サービスが実施されております。
カードを持つ世帯数も当初2倍強の約3,700世帯に増加しており、今後も引き続き事業の普及を図ってまいりま
す。

 次に、「健康長寿ふくい」の推進について申し上げます。

 健康長寿のさらなる推進のためには、死亡原因第一位のがんの予防、治療両面からの対策が重要であり、 本
年3月に、「がん予防・治療日本一」を目指して、本県独自の施策・目標等を明らかにした「がん対策推進計画」を
策定いたしました。

 がん検診の受診率の抜本的な向上を図るため、本年度は、がん検診推進医の設置や労働局との連携などによ
り、地域だけではなく、職域における推進についても強く働きかけてまいります。

 また、陽子線がん治療施設については、今回落札に至りましたので、建築工事請負契約の承認をいただいた上
で、県内外の主要ながん治療病院とのネットワークづくりを進めるなどして、 平成23年3月の治療開始に向け努
力してまいります。  

 また、 治療施設の整備本格化やがん医療推進センターの開設に向けて、 がん関連の専門医など専門スタッフ
の確保にも努めてまいります。

 医師の確保については、全国的な課題となっておりますが、 本県では既に福井大学医学部定員増のための新
たな奨学金の創設をはじめ、医師確保アドバイザーによる県内勤務の働きかけなどの対策を講じているところです。

 特に、近年、増加している女性医師が診療現場で活躍できる環境を整備することは、医師確保の観点から重要
な課題となっております。 先月、県医師会館内に開設した「ふくい女性医師支援センター」を中心に、相談活動や
復帰のための研修調整、女性医師のネットワークづくりなど、女性医師が子育てや介護をしながら医師を続けてい
けるよう支援してまいります。

 4月に後期高齢者医療制度、いわゆる「長寿医療制度」がスタートしましたが、 高齢者からの苦情、 相談、 問い
合わせが数多く寄せられました。こうした事態を踏まえ、国においては市町村を対象に実態調査を実施し、今月12
日に「長寿医療制度の見直しに関する政府・与党協議会」において保険料の負担軽減策等を決定したところであり
ます。

 これに対しては、財源補てんやシステム更新の負担等を懸念する指摘もあり、県としては、国の対応を見極めな
がら、 広域連合、市町や関係機関と連携して、安定的な制度運営ができるよう対応してまいります。

 次に「元気な産業」について申し上げます。

 本県経済は、企業の生産活動については、業種によってばらつきが見られ、個人消費はおおむね横ばいとなって
おります。このため、景気回復は足踏み状態にあり、一部に弱い動きがみられます。

 一方、原油・原材料価格の高騰や家計所得の伸び悩み等を背景として、全体の景況感としては悪化の傾向が見
られ、先行きについては細心の注意を払う必要があります。

 県においては、原油や原材料価格の高騰に伴い、 物価上昇が懸念されている食料品をはじめとする生活関連
物資の価格動向等を調査、監視し県民の生活を守るよう努めてまいりました。  また、 本年1月からは資金繰りが
悪化している中小企業等に対し、 新たな借換え資金の創設など本県独自の緊急対策を講じてきたところでありま
す。  県民生活や企業等の経営環境への影響が深刻となってきており、 機動的、  弾力的に融資制度を活用する
とともに、 必要に応じて実効性のある対策を検討してまいりたいと考えております。

 いずれにしても、 地域間格差の拡大やグローバリゼーションの進展による競争の激化などにより県内の中小企
業は厳しい経営環境にあることから、 県としては、 本年2月に経済戦略政策会議から提言を受けた新たな戦略を
着実かつ効果的に推進し、活き活きとした産業活動が展開できる環境づくりを進めてまいります。

 地域経済の活性化には、自らの技術・製品に磨きをかける企業を支援することが重要であります。 本年度は、
本県の優れた技術や製品を県外大手企業に対して提案・紹介する展示商談会を、自動車メーカーのスズキのほか、
家電メーカーのシャープや建設機械メーカーのコマツにおいて行うこととしており、新規取引先の開拓につながるこ
とを強く期待しております。

 次世代技術産業の育成については、 次世代ITを活用した新たな市場開拓を促進するため、 たとえばICタグをメ
ガネフレームや繊維製品に組み込み、素材や産地の情報、着用者の所在情報を確認できるようにするなど、「電子
タグ」に着目して、ものづくり技術とソフトウエア開発技術を融合した新たな製品・システムの研究開発を進めてまい
ります。

 首都圏の販路開拓拠点である「ふくい南青山291」については、 本年4月にリニューアルオープンしたところであ
り、 今後は、 県内企業と共動して「291ブランド」商品の開発やネット販売の拡充を図るほか、 首都圏企業とのマ
ッチング商談会の開催による販路拡大など、新たなビジネス支援につなげてまいります。

 街なかの活性化のためには、住民なども参加し地域ぐるみで行うにぎわいづくりが不可欠であり、県内の各市町
において活発な活動が行われています。福井駅前における「福井グランドモール」といった魅力発信事業や敦賀駅
前での「駅前ふれあい市」といったテント市の開催など市町と連携した主体的な元気再生を支援することにより、 に
ぎわいと魅力あるまちづくりの推進に努めてまいります。

 さて、先月、福井県・浙江省友好締結15周年記念式典に出席するため浙江省を訪問し、趙洪祝(ちょうこうしゅく)
書記、 呂祖善(ろそぜん)省長と会談したほか、 経済貿易の促進、観光客の誘致、 原子力などエネルギー分野で
の人材受入れ、  恐竜など文化面での相互交流などについて、互いに具体的な行動を広げていくことを浙江省側
と確認しました。

 一方、 今年は明治41年に日本からのブラジル移民が始まって100周年に当たることから、今月、県議会と県か
らなる代表団がブラジルを友好訪問いたしました。 現地において、 ブラジル日本移民100周年記念式典に参加
するとともに、 福井村を訪問し、本県からの移住県人を激励したところであります。

 次に、農林水産業の振興について申し上げます。

 来年春に開催される「第60回全国植樹祭」についてであります。式典会場については整備に着手したほか、 会
場周辺の自然や景観、歴史を活かした式典の演出・運営や宿泊・輸送体制の構築など、具体的な準備を進めて
おります。

 今月15日、秋田県で開催された「第59回全国植樹祭」に出席し、 次期開催県として全国植樹祭のシンボルの
引継ぎを受けました。来春の全国植樹祭においては、 本県の特色を活かし、 県民が森や緑に対する理解から次
の具体的な行動に結びつくきっかけとなる植樹祭にしたいと考えております。

 また県民運動の盛り上げについては、 四季折々の名木・名花のスタンプラリーやフットパス大会の開催などを通
じて、 県民が地域の自然や文化とふれあい、 体感できる機会を積極的に創出し、 絶えず情報発信しながら開催
気運を高めてまいります。

 さて、 農地集積の困難な地域において高齢農家等の耕作を支援する本県独自の地域農業サポート事業につい
ては、 大野市や池田町をはじめ6市町において、認定農業者や集落営農組織を中心とした178名のアグリサポ
ーターが登録され、田植え作業や高校生ボランティアによる玉ネギ収穫作業など、本格的に支援活動が開始され
ました。

 今後、県内全ての市町において、同様の体制整備を行い、幅広く地域住民の協力を得ながら、将来的に中山間
地域等の営農の継続につながるよう支援してまいります。

 次に、九頭竜川下流地区国営かんがい排水事業については、 4月21日に、「事業管理・コスト縮減検討会議」を
開きました。これは、本事業の執行管理や実施過程におけるコスト縮減に関する点検、検討を国と県が共同して行
う、全国でも前例のない対応策であります。

 会議では、事業効果を早期に発現させるため、 引き続き整備路線の重点化を進めていくことや、 本年度以降の
事業について全体として15パーセントを超えるコスト縮減を目指すことを相互で確認いたしました。

 さて、今回の原油価格等の高騰は、漁業に深刻な影響を与えております。漁業者の燃料代などの運転資金につ
いて、 昨年12月に新たな低利融資制度を設けて支援する一方、国に対しては、本県漁業者の窮状を訴え、 対
策の強化を図るよう強く要請してきたところです。今後も長期的な展望に立って、漁業者が輪番で出漁して効果的
な漁獲を上げる省エネ漁業の推進など、さまざま工夫して課題の解決を図っていく必要があると考えております。

 次に農山漁村の活性化を図るため、本年度新たに、水稲や園芸作物の栽培をはじめ、環境保全、森林管理、 地
域景観づくりなど、都市住民が農山漁村地域に滞在し、農作業等を手伝う地域独自のプログラムを実施することと
し、参加者の募集を行っております。

 今後、環境保全、地域景観創出など地域づくりと一体となったこのような滞在型交流を推進し、新たなコミュニティ
の創出や定住の促進につなげて行きたいと考えております。

 次に「元気な県土」について申し上げます。

 来月5日には東海北陸自動車道が全線開通となる見込みであり、喫緊の課題として中部縦貫自動車道の整備
促進を考える必要があります。

 大野油坂道路については、国の新たな整備計画策定の中で、 最新の交通需要推計に基づく事業評価を行い、
すでに述べま したように真に必要な道路として事業採択が行われるよう働きかけてまいります。

 一方、永平寺大野道路の上志比・勝山間約8キロメートルについては、 本年度中の開通を目指し、 予定どおり工
事が進められております。

 また、舞鶴若狭自動車道のうち、小浜西・小浜間については、 既に用地取得を完了し、 平成23年度の完成を目
指し全線で工事に着手するなど着実に進捗しております。

 小浜・敦賀間約39キロメートルについては、約99%の用地を確保しており、工事は全体の42%、約16キロメー
トルの区間で進められております。現在は、三方五湖周辺の軟弱地盤対策工事やトンネル14本のうち4本で工事
に着手するなど、26年度完成を目指し着実に進捗しております。

 ところで、 足羽川の激甚災害対策特別緊急事業については、 これまでに日野川合流点からJR橋付近など全体
の掘削の約9割以上が完了しており、木田橋については今年の12月に、泉橋については来年の2月に供用でき
るよう進めています。
平成16年7月の水害からの復興事業はこれをもってほぼ完了することとなります。

 次に、足羽川ダムについては、本年度、環境アセスメントの準備書策定に向けた手続きが開始されるとともに、
用地測量等の調査が完了する予定であります。県としても、早期完成を目指し国の事業の推進に協力してまいり
ます。

 さて、 福井駅周辺整備のうち西口駅前広場については、 事業主体の福井市において3月に事業計画を変更し、
現在、バス、タクシー、自家用車等が乗り入れられるよう広場の北側部分から整備を進めております。

 また、東口駅前広場については、来年春の全国植樹祭の開催時には、東京、大阪方面の高速バスなど、広域交
通網の玄関口としての機能を発揮できるよう整備を進めております。

 最後にふくいブランドの推進についてであります。

 本年度からは全庁体制で、ふくいブランドの発信、観光誘客、 県産品の販売促進を一体的・総合的に進めてい
きます。 東京23区に対し個別に本県との様々な交流活動を働きかけるとともに、 ブランド大使、ふるさと大使、県
人会など県の有する人的ネットワークに加え、市町、 民間の人脈など福井県の総力を結集し、大都市圏に重点を
置いて情報発信を強化します。

 連続テレビ小説「ちりとてちん」については、 好評のうちに放送を終了しましたが、 番組の放映効果を継続させる
ため、 秋に、本県で「ちりとてちん杯ふくい女性落語大会」を開催し、広く全国にアピールしたいと考えております。

 次に、今回提案いたしました主な議案について申し上げます。

 第52号議案について、ご説明申し上げます。

 これは、「越前陶芸公園」および「陶芸館」の管理に関する業務を指定管理者に行わせるとともに、利用者の利便
性向上を図るため「陶芸館」の開館時間を延長するなど、必要な事項を定める本条例案を提案した次第であります。

 その他の議案については、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題等について申し上げました。

なにとぞご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 

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