第359回定例県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2009年2月23日ページID 007885

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                                                                平成21年2月23日
                                                                第359回定例県議会


平成21年度当初予算案
平成20年度2月補正予算案

 


                           知事提案理由説明要旨




                                                                       福 井 県 


 第359回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および平成21年度当初予算、平成  20年度2月補正予算案等の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 まずはじめに、現下の世界同時不況により、わが国の実体経済にも極めて深刻な影響が及んでまいりました。今回の不況は、先の見通しがまだ見えないという不安が大きく、県内においても幅広い分野で受注が激減し、雇用の中止さらには消費の減退など、日を追って事態が悪化している状況にあります。県としては、県内経済の実情を一層的確に把握することに努め、事業者への支援と雇用対策に思い切った予算措置を講じ、全力を挙げて取り組んでまいります。その具体的施策の内容については後ほど申し上げます。

 さて、本年6月7日には天皇皇后両陛下をお迎えして「第60回全国植樹祭」を一乗谷朝倉氏遺跡を式典会場として開催します。この植樹祭が、福井豪雨災害から5年たった復興の姿をアピールし、さらに、本県の美しい自然を守り、花や緑にあふれたまちづくりを進める励みとなるよう、多くの県民の手作りによって今準備を進めております。

 全国からお越しいただく大勢の方々には、温かいもてなしの心を持って、県民挙げての歓迎をするとともに、福井の自然の魅力や歴史、文化、産業を全国にアピールし、植樹祭の成果が将来につながっていくよう努めてまいります。

 ところで昨年は、南部陽一郎先生がノーベル物理学賞を受賞され、また全国学力・学習状況調査での2年連続の好結果、大統領選挙で話題となった小浜市民の活動、福井産眼鏡のデザイン、「ふるさと納税」など、様々な面で福井が脚光を浴び、福井の底力を示すことができました。

 また、県民の念願である北陸新幹線についても、国会議員、県議会、関係自治体、経済界、その他多くの方々の長年にわたる努力の結果、昨年12月、整備新幹線に関する政府・与党ワーキンググループにおいて、白山総合車両基地~福井間、敦賀駅部の新規着工、南越駅部の設計等が合意されました。

 新年度においては、こうした実績をもとに、さらに施策やプロジェクトを次の段階へ進める必要があると考えています。

 すなわち、新幹線建設を確実なものとするとともに、新幹線時代を見すえたまちづくりや中部縦貫自動車道などの基幹的なインフラの方向づけ、えちぜん鉄道のLRT化や福井鉄道との相互乗り入れなどの課題解決に努める必要があります。

 そして、農業、観光、環境の3つの計画を実行に移します。また、国体の方向づけや文化を高める課題についても具体化を図っていくこととしております。これらの取組みを実効性のあるものにするためには、県民、企業、団体等の力強い協力と活動が何よりも重要であります。県民のくらしの質を高めるために重要なこれら諸施策の実現について特段のご協力をお願いします。

 また、昨年は福井県が提唱した「ふるさと納税」が国の制度として実現し、12月末までに、県共同窓口受付分と市町独自受付分を合わせ全体で、約700件、7,040万円余の寄付をいただきました。県への寄付については、寄付された方々のお気持ちを尊重し、ふるさとの良さを実感できる事業に活用させていただきます。また、国に対しては、もっと利用しやすい簡素な制度に見直すよう要望してまいります。

 さらに新年度は一歩進めて、人と国土に関する政策に視点を当て、地方に人が移住し、東京と地方のバランスをよくする流れをつくる、ふるさとに帰ってきて住んでいただく、いわゆる「ふるさと帰住」のスタートの年にしていかなくてはならないと考えております。

 私は、二期目の県政推進に当たって、マニフェストとして「福井新元気宣言」を掲げましたが、今再び「元気」を心に持って、県民と力を合わせて難局に当たるべきときであります。議員各位と気持ちを同じくして、「元気」をキーワードに、果敢にさまざまな課題に取り組んでまいりたいと考えております。

後ほど詳しく内容を申し上げますが、新年度の一般会計予算総額は、  4,808億円と前年度比3.7%の増を確保しました。予算規模が前年度を上回るのは、平成10年度以来11年ぶりです。

 また、今回は、新年度の当初予算と2月補正予算を一体と考えて編成し、事業規模740億円、予算総額274億円の経済・雇用対策を実施することとしております。この結果、2月補正を含めた21年度の実質的な予算総額は4,908億円となり、前年度比5.9%の増であります。これは、平成6年度当初予算の前年度比9%の増以来15年ぶりの大幅な伸びとなっています。

 一方、歳入については、法人2税を中心に251億円減の906億円に落ち込みます。このため引き続き、新行財政改革実行プランに基づき、事務事業の見直しを進めていくことが不可欠です。来年度は、職員数の削減や手当ての見直し等により人件費を32億円抑制しています。

 その上で、県債を224億円増の883億円発行することとし、来年度末の県債残高は310億円増の8,575億円となる見込みです。ただしこれは、地方交付税において全額措置される臨時財政対策債の増によるものであり、財政健全化法にかかる指標は大きく悪化させないよう配慮いたしております。今回は、財政の規律を保ちつつ、不況対策を第一とした予算編成を行ったところであります。

さてここで、今ほど申し上げました目下の緊急課題であります経済・雇用対策についてであります。

 今月16日に発表された2008年10-12月期の実質GDPは年率換算で12.7%の減となりました。これは昭和49年の第1次石油危機に次ぐ過去2番目のマイナス幅です。また、12月の本県の有効求人倍率は、高い率にあるとはいえ4年8か月ぶりに1倍を割り込み0.93倍となるなど、景気は極めて厳しい状況にあります。

 今回のような経済危機については、国政の役割と責務は極めて大きく、国を挙げての早急の不況対策を国民は求めております。こうした国民の声に応えて、政府、与野党が一体となって、全力で経済対策を行うべきであります。 

 今回の対策については、特にスピード感を持って現状把握に努め、国や市町、また企業との情報を交換し、迅速に対処しなければなりません。このため、県としては、部局長による「経済対策連絡会議」などにより庁内の総力を結集するとともに、福井労働局、北陸財務局、近畿地方整備局、北陸農政局や日本銀行金沢支店など国や地元企業、関係機関の長を交えて「金融経済雇用会議」等の連絡会議を頻繁に開いております。さらに実際に企業を訪れるなどして実情をつかみ意見交換を行って、当面の雇用対策や経済対策、さらに今後の必要な対策について検討、協議しながら、機動的に対応しております。

 また、今年1月から、景気に関する市中アンケートを毎月行い、雇用や失業に関する調査と情報把握を10日ごとに行うなど、きめ細かな情況把握によって先行きの判断や施策に活かすとともに、その結果を公表しております。

 特に、緊急雇用対策としては、経済団体・内定企業への高校生の採用維持の要請等に加えて、介護福祉分野の就職相談会や体験研修、農林水産分野の「雇用特別相談会」、福井労働局との合同による「緊急就職説明会」、職業訓練機関による緊急の職業訓練などを実施しています。また、県が実施した臨時職員80名の募集では200件を超える応募があったところです。

 具体的には、「雇用対策」、「中小企業の経営安定」、「県内経済の活性化」、「県民生活の安心確保」を柱とする経済・雇用対策を切れ目なく重点的に実施することとしております。

 まず、第一の「雇用対策」については、国からの交付金を財源に総額約60億円の2つの基金を設置し、一時的な雇用に加えて、介護や農林水産業分野など将来の就業につなげていくための1年以上の雇用を行います。また、求人と求職のミスマッチを解消するため、離職者を対象とした職業訓練の定員を倍増するとともに、訓練中は受講奨励金を支給する県独自の制度を創設します。

 また、雇用の創出と同時に、現に企業に働く人達の雇用の維持・安定が重要であります。休業等を入れながら従業員の職場を守ることに努力している企業に対し、国の助成に加えて、県が独自に上乗せ助成する全国初の支援策を導入いたします。

 これらの施策により、新たな失業の防止や就業の継続を図り、全体として1万4千人の雇用の維持・確保に努めてまいります。

 次に、第二の「中小企業の経営安定」については、一つ目は、年度末の資金需要に応えるため、経営安定資金の融資枠を、2月補正で200億円増額して500億円とし、また新年度当初においても500億円を用意して、県内中小企業の資金繰りを切れ目なく支援してまいります。

 また二つ目として、消費を積極的に支えることが企業にとっても必要であり、「ふるさと消費元気フェア」を開催して、県内での購買意欲を盛り上げるとともに、県内消費を積極的に下支えし、「地産地消」をいっそう広めて県産品の販路拡大を応援します。
次に、第三の「県内経済の活性化」については、まず、公共事業について前年度を3.8%上回る事業規模量を確保しています。特に、県単独事業については、約30%増額し、橋梁の耐震化、河川の浚渫、小規模農業用施設の補修など、社会基盤の保全・長寿命化の事業を前倒しします。

 またこれらの事業について、できる限り早期発注を行い、工事代金の早期支払い等に努め、また、分離・分割発注、県産品の活用、県内経済の浮揚を図ってまいります。

 さらに、今回の公共事業の執行に合わせて、入札制度を改正し、低入札対策の強化、複数等級を対象とした入札の拡大、防災力維持の面における貢献度の配慮等を行います。

 第四の「県民生活の安心確保」については、学校施設や福祉施設などの耐震化、信号機の増設や駅のバリアフリー化を進めます。

 また、保育所の整備や妊婦健診の原則無料化などの子育て支援、消費生活相談体制の強化等も行います。

 なお、今後の情勢の変化に機動的かつ弾力的に対応するため、経済・雇用対策予備費として6億円の予算を計上いたします。具体的な活用については、県議会と十分相談しながら、迅速かつ効果的な対策の実施に努めます。

次にそれでは、当面する県政一般の主な課題について、まとめて申し上げます。

 まず、冒頭述べました北陸新幹線についてであります。

 年末に大きな方向が出たところですが、このたび新幹線福井駅部  800メートルも完成したところであります。政府・与党においては年内の早期に方針決定を行い、引き続き、県内において本格的な新幹線工事が着手できるよう、一日も早い認可が行われる必要があります。

 認可獲得に向け、今後とも気を緩めることなく、県議会をはじめ県内一丸となって、引き続き最大限の努力を重ねてまいりたいと考えておりますので、議員各位の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 次に、原子力行政について申し上げます。

 「もんじゅ」については、先月、原子力機構理事長から、屋外排気ダクトの補修工事に伴うプラント確認試験の遅れ等により、目標としていた2月の運転再開を断念せざるを得ないとの報告がありました。

 度重なる工程の変更は、「もんじゅ」の安全性に対する国民や県民の信頼に影響を与えることになります。県としては、原子力機構に対し、国のエネルギー政策を支える重要プロジェクトとして、関係省庁と十分協議したうえで責任ある工程を明確に示すよう求めました。また、敦賀本部をはじめとした原子力機構の組織・人員体制を抜本的に強化する必要性を改めて強く要請しております。

 関西電力のプルサーマル計画については、昨年11月に提出されたMOX燃料の輸入燃料体検査申請について、国は妥当と評価しました。また、県と地元高浜町は関西電力等に対し現地調査を行い、燃料設計や品質保証活動が適切に行われていることを確認しました。この結果をもとに、関西電力は、1月30日からフランスのメロックス社においてMOX燃料の製造を開始したところです。

 県としては、計画の進捗状況について節目となる工程の各段階で報告を求め、その内容を厳正に確認してまいります。

 次に、来年の平成22年に運転開始後40年となる敦賀1号機については、日本原電から今月17日、運転停止時期の延長について検討したいとの報告がありました。

 県としては、敦賀1号機の運転停止時期の延長については、敦賀市をはじめ広く県民の理解を得ることが必要不可欠であり、日本原電の今後の検討状況を十分見極め、慎重に対応してまいります。

 さて、原子力発電所の耐震安全性については、国は自らが実施した海上音波探査の結果も含め、事業者が行った再評価結果に対する審査状況を中間的に公表する予定です。県としては、県原子力安全専門委員会の審議等を通じ、これらの結果等を厳正に確認してまいります。

 原子力発電所の状況は以上でありますが、「エネルギー研究開発拠点化計画」について申し上げます。現在、国をはじめ電力事業者、大学、産業界などと一体となって、推進方針の中の重点施策等について目に見える成果を示せるよう推進しております。

 このうち、「広域の連携大学拠点の形成」については、今月17日に福井大学が、「附属国際原子力工学研究所」を本年4月に設置することを発表しました。最初は大阪大学大学院教授を所長とする34名の研究体制でスタートすることになっています。今後、平成23年度を目標とする敦賀キャンパス開設に向け、学生受け入れ、教育カリキュラム策定などの準備を進めてゆきます。

 日本原電の「原子力安全研修施設」については、平成24年度の敦賀市での開設に向け、整備構想を来月にまとめる予定であり、これをもとに研修内容や設備の具体化、詳細設計に向けた検討を行います。

 「福井クールアース・次世代エネルギー産業化プロジェクト」については、家庭用のリチウムイオン電池技術や農業用ヒートポンプ空調システムの調査研究に着手しており、燃料電池や液化燃料製造の分野においても研究開発を進めてまいります。また、技術セミナーや試作品等の展示会の開催を通じて、このプロジェクト事業への参加企業の拡大や県民への普及、啓発を図ります。

 平成21年度の新規重点施策である「高速増殖炉を中心とした国際的研究開発拠点の形成」については、原子力機構において、敦賀市白木に建設予定の「プラント実環境研究施設」の機能や設備の検討など、来年度の設計に向けた準備を進めています。

 このように、エネルギーの総合的な研究開発拠点づくりに向け、レベルやスケールを上げながら各分野に亘って迅速、着実に進めてまいります。

 それでは「新元気宣言」に沿って、各分野ごとに主な施策について以下、申し上げます。

 まず、「元気な社会」のうち、教育について申し上げます。

 先月発表された小中学生の「全国体力テスト」において、福井の子供たちは、小学校が1位、中学校が2位となり、「全国学力テスト」とあわせて最上位の結果を得ることができました。

 これは、子どもたちの頑張りはもとより、本県独自に実施している「体力・運動能力調査」による指導の成果、学校、家庭、地域相互の信頼と協力関係による「地域教育力」の高さによるものと考えています。

 これらの調査で得られたデータを有効に活用していくため、体力や運動状況、生活習慣等との関連や改善策等について分析・検討し、子どもたちの更なる体力の向上につなげてまいります。さらに、福井県の教育の良さを、「学力・体力日本一」として全国にアピールし、広めてまいります。

 国体の開催については、県議会のご意見などを総合的に判断し、平成30年予定の第73回国民体育大会を招致することとしました。

 国体に対する国民の関心の変化や開催経費の負担など、様々な課題はありますが、県民や県議会のご意見を伺いながら、県民の健康長寿やスポーツの振興など、本県独自の「新しい形での国体」となるよう、具体的な検討を進めてまいります。

 次に「福井子ども歴史文化館」については、歴史の専門家などによる「開館準備委員会」において展示の内容や運営等の検討がなされ、現在、建物の改修工事や展示設計を行っています。子どもたちが、ふるさとの歴史や文化を楽しく学ぶことができるよう、本年11月下旬の開館を目指してまいります。

 次に、県立高校の再編整備については、昨年10月の高等学校教育問題協議会答申を受け、教育委員会において、「新しい県立高校の在り方検討会」を設置し、具体的実施計画の策定作業を進めてきました。先日、教育委員会が公表した「県立高等学校再編整備計画案」では、再編整備の基本的方針とともに、奥越地区の全日制高校の再編整備や定時制・通信制課程の見直しについての具体的内容が示されています。

 今後、教育委員会を中心に、正式に再編整備計画を策定することとしており、県としても、これに基づき教育環境の整備に努めてまいります。

 次に、少子化対策についてであります。

 これまで「日本一の子育て応援システム」づくりを目指して、ふくい3人っ子応援プロジェクト、ママファースト運動など様々な事業を進めてきました。

 来年度は、県民の子育てに関するアンケートの調査結果など、県民の声を活かして、「福井県元気な子ども・子育て応援計画」を改定し、これまでの成果をもとに新たな少子化施策を作りたいと考えております。

 また、「放課後子どもクラブ」については、小学校4年以上の児童や共働き家庭の子供を受け入れる場合の施設整備の支援を行います。特に学校の空き教室を利用して子どもクラブを作る場合、校舎や教室の改修工事を市町の負担なく実施できるよう、制度を大幅に強化します。

 また、結婚相談員相互の情報共有を進めるなど、結婚相談事業を充実させ、縁結びを積極的に支援いたします。

 さらに、国の交付金を財源として設置する「安心こども基金」を活用して、第1子からの妊婦健診の原則無料化、保育所の耐震化・増改築の支援など、22年度までの2年間に、子どもを安心して生み育てることのできる環境を重点的に整備します。

 次に、「健康長寿ふくい」の推進についてであります。

 本県の健康長寿をさらに伸ばすためには、第一の死亡原因であるがん対策が重要です。

 高度ながんの診療診断・臨床研究を行うため、今月1日に県立病院内に「がん医療センター」を開設しました。まず、最も多い胃がんについて、専門外来を設置し、手術・放射線治療・化学療法を専門とする複数の医師による「チーム医療」を始めました。今後、大腸、肺など主ながんに順次導入してまいります。治療法の分りやすい説明や選択肢の提示、利用者の状態に合った治療の実施により、満足度や治療成績の向上を図り、がん医療水準を全国トップレベルに高めてまいります。

 こうした治療環境の整備と併せて、本県独自に職域を含めた市町におけるがん検診の実態を把握するとともに、市町・商工会・JAなどから未受診者への受診勧奨や、各地域の「がん検診推進医」による企業等への働きかけを行い、がんの早期発見・早期治療につながる検診受診率を平成24年度までに50%超の目標達成に向けて全力で取り組んでまいります。

 また、陽子線がん治療施設については、平成22年3月に完成する予定です。県内外の主要ながん治療病院への施設利用の売り込み、保険会社との共動による施設のPRなど、引き続き努力してまいります。

次に、「元気な産業」について申し上げます。

 県内産業が極めて厳しい中、県民が将来に希望を持ち、安心して生活を送るためには、地域経済の活性化により生活や産業の基盤をしっかりと支えることが重要であります。

 地域産業の活性化については、県内企業の元気創造が重要であり、その有する優れた技術などを県外企業に対し「売り込む」展示商談会を業種や企業数を拡大しながら実施し、本県企業のビジネスチャンスが拡大するよう努めてまいります。

 また、企業誘致については、今月、ハイブリッド車に使われる磁石合金などを製造する株式会社三徳が敦賀市へ進出することが決定しました。今回の立地は、エネルギー研究開発拠点化計画に基づく電力事業者との連携により実現したもので、初期投資額は約12億円、約20名の新規雇用を予定し、平成23年4月の操業を目指しております。

 現在、企業誘致は極めて厳しい状況にありますが、特に大型工場の誘致に必要な大区画の産業団地の整備を促進するため、市町への補助の上限を引き上げ、強力に誘致を進めてまいります。

 さて、新しい観光推進計画については、現計画に基づくこれまでの観光客誘致の成果と課題を評価したうえで、策定委員会での議論また、農業・商工業者、学生など幅広い分野の方々の意見を取り入れて策定しました。

 この計画では、5年後の目標として、1割増の1,100万人の観光客数、2割増の1,000億円の観光消費額など数値目標を掲げ、様々な新規事業や具体的なアクションプランなどを盛り込んでいます。

 新たに観光営業部を設置するなど、福井の売り込みに最大限の力を入れてまいります。そして観光協会やコンベンションビューロー、それに観光業者の方々の積極的な活動に強く期待するところであります。

 さらに、北陸新幹線の整備が具体化しつつある中で、首都圏での本県観光地のPRと誘客を図るため、JRと連携して首都圏発福井直通観光列車「越前・若狭号(仮称)」を運行するなど、各種事業を展開し、“ほんもののふるさと 越前・若狭”を全国に強く発信することにより、福井の観光を積極的に売り出して、一層の誘客を図ってまいります。

 この計画に基づき、たとえば、恐竜ロボットなどの恐竜博物館常設展示の追加や、夏休み期間中の名古屋からの恐竜ラッピングバスの運行など、恐竜渓谷(ダイノソーバレー)構想を推進します。

 また、宿泊者、連泊者を増やす周遊・滞在型観光の推進により観光消費額の増大を図るため、地域資源を活用した魅力ある観光圏形成に向けた事業を支援します。

 次に、敦賀港の利用促進については、県、市、関係機関が一体となってポートセールスを行っており、現地の船会社に対して増便を要請しました。その結果、韓国・釜山コンテナ航路が、今月11日から1便増便され週3便となりました。厳しい経済環境にはありますが、これにより敦賀港の利便性が高まることとなり、より一層、利用が進むものと期待しております。今後は、県内企業から要望の強い中国航路の開設にも全力で取り組んでまいります。

 次に、農林水産業の振興についてであります。

 農業については、今年度、これからの進むべき方向を示す「ふくいの農業・農村再生計画」の策定を進めてきたところであり、先月、「ふくいの農業のあり方検討会」から提言を受けたところです。

 この提言には、福井米全体の品質向上と消費者に求められる米づくりを実現する「福井コシヒカリ復活プロジェクト」、園芸生産の拡大と県産飼料の利用拡大による畜産の振興を目指す「園芸・畜産の元気回復プロジェクト」、集落営農の質を高め、兼業農家の集合体から、専従者を置き、企業的な経営を行う法人組織へのステップアップを図る「プロ農業者育成プロジェクト」など、ふくいの農業を変える5つの具体的なプロジェクトが掲げられています。

 またこれからは、消費者の「食」についての意識の高まりに応え、新鮮で安全・安心な農産物を安定的に提供していくことが重要となっております。そのため、いま申し上げました農業全体の計画に加えて、「ふくいの食育・地産地消推進計画」と「ふくいのエコ農業推進計画」を策定し、消費者から支持される農業への転換を図ってまいります。

 新年度は、主な事業として、まず、競争力のある福井米づくりを進めるため、「さつき半ばの適期田植え」、農薬や化学肥料を2割以上減らす「エコファーマー米」の生産を推進するとともに、集荷される米の品質・食味検査を行い、おいしい米づくりと生産者の努力向上を促します。

 また、地産地消をさらに進めるため、小学校・中学校の近くで農家が子供たちと一緒に農作業を行い、そこで生産された農産物を給食に供給する「学校給食畑」を設置します。

 一方、山ぎわ線全体の約7割で鳥獣害が発生していますが、この  1,430キロメートルについて、電気柵等の整備がされていない残り80キロメートル余りを今後3年間で整備します。電気柵設置後も被害のある地域には、間伐して伐採木を積み上げて障害物とする本県独自の「山ぎわ緩衝帯」を設置し、鳥獣害のない里づくりを推進します。

 次に、林業、水産業の新たな計画についてでありますが、林業においては、安定供給が可能な資源としての国産材・県産材に期待が高まっています。今後、さらに「木を伐って使う」という県産材の戦略を進めていく必要があります。

 他方、水産業においては、昨年の原油高騰を契機として、省エネ型操業への転換が必要となっています。また、越前がに、赤がれい、さばなど、水産資源の適正な管理と利用が、さらに魚の消費が減少する中での地魚の販売拡大が課題となっております。昨年から県庁前広場において開いている「漁業者直販さかな市」は、好評を得ているところであり、新年度は会場や回数を増やして実施いたします。

 なお来年度は、「森林・林業活性化プラン21」の改定と「ふくいの水産振興戦略」の策定を進めてまいります。

 次に、「元気な県土」について申し上げます。

 中部縦貫自動車道については、直轄事業費は政府予算案で対前年度比12%減とされたことなどから、大野油坂区間の事業着手に向けた手続の遅れが懸念されるところです。

 このため、今月10日、東京において中部縦貫自動車道早期整備総決起大会を開き、予算額の確保と大野油坂道路の早期事業着手、永平寺大野道路の全線開通を政府・与党関係者等に強く訴えたところです。中部縦貫自動車道は、産業集積や広域観光の振興による地域の活性化、災害・医療など安全・安心といった観点はもとより、国家的な見地からも、必要不可欠であります。今後も、あらゆる機会を捉えて、国に対し強く働きかけてまいります。

 以下、県内の道路ごとの完成予定等について申し上げます。

 永平寺大野道路の上志比・勝山間約8キロメートルについては、3月28日の開通が予定され、また、既に工事に着手している勝山・大野間についても、3月には、杉俣(すぎまた)、大袋(おおぶくろ)、小矢(こや)戸(と)の3箇所のトンネル工事が新たに着工します。

 舞鶴若狭自動車道の小浜西・小浜間については、平成23年度の完成を目指し、全線において工事が進められ着実に進捗しています。

 小浜・敦賀間約39キロメートルについては、昨年12月、気山(きやま)高架橋工事が着手されるとともに、国富(くにとみ)トンネルや野坂(のさか)岳(だけ)トンネルなどを含め、全体の55%、約21キロメートルの区間で順調に工事が進められています。

 また、小松空港のアクセス向上のため、北陸自動車道の安宅パーキングエリアにおいて社会実験が行われている簡易型インターチェンジについては、利用台数が順調に増加していることから、近日中に常設化のための許可が国土交通省から石川県に対してなされると聞いております。

 国道27号美浜東バイパスの美浜町山上(やまがみ)・佐(さ)柿(がき)間約2キロメートルについては、3月29日に開通が予定されており、これによりバイパス全線約4.9キロメートルが完成し、嶺南地域はもとより北陸圏と関西圏を結ぶ物流や観光の流れが大幅に改善されるものと期待しております。

 さて、新幹線時代に向け、駅周辺のまちづくりや地域交通の整備は、特に重要な課題であり、国、関係市町、事業者等と十分協議しながら、スピードを上げて取り組む必要があります。

 駅周辺整備の事業主体の福井市においては、東口駅前広場について、全国植樹祭までに、東京、名古屋、大阪方面の高速バスや小松空港連絡バスの発着およびタクシーなどが利用できるよう整備が進められています。

 また、西口駅前広場については、バス、タクシー、自家用車等が乗り入れできるよう、現在、広場北側の車道部分を中心に整備が進められています。

 また、地域交通の一端を担う福井鉄道福武線の再建については、昨年末に、名古屋鉄道による10億円の増資が完了するとともに、沿線3市では、年度内における福武線用地の取得が進められています。福井鉄道が、新たな経営計画に基づく再建策を着実に実行していくことを前提に、必要な安全対策等の設備更新に対し、引き続き支援してまいります。

 次に、足羽川の激甚災害対策特別緊急事業については、ほとんどの工事が完了し、3月1日には泉橋の供用を開始し、3月15日には桜づつみの記念式典を行います。これから、国の支援を得て板垣橋下流の沈下橋や遊歩道を整備し、足羽川に沿った親水空間を県民に利用していただきたいと考えております。

次に、「元気な県政」について申し上げます。

 環境基本計画に基づく県民運動の推進については、昨年策定した新たな計画の実現を図るため、今月17日に、県民運動を推進する「環境ふくい県民会議」を設置し、その後、多くの方々の参加を得て、「環境ふくい県民運動推進大会」を開催いたしました。

 大会では、県民自らが率先して省資源・省エネ型ライフスタイルに改めるとともに、多様な生物がにぎわう豊かな自然の保全活用に向けた活動が様々な活動団体に広がり、美しい環境を次の世代に確実に引き継ぐことを目指す「環境ふくい県民運動推進宣言」を行いました。

 計画に盛り込まれた10のプロジェクトを実践していくため、県民の住宅を対象とした「太陽光発電導入促進事業」や、子どもたちの山登り、里海での乗船体験、農業体験の実践等により、環境に対する子どもたちの豊かな感性を育む「地域と共動した子ども自然体験推進事業」を進めます。また、良いものを大切に使う新しいライフスタイルを拡大するため、「ものを大切にする社会づくり事業」を実施し、修理やリサイクルの定着を図ります。さらには、車の相乗りや環境に優しい自転車の良さを見直すことにより車への過度の依存を減らす「クルマ利用適正化推進事業」などを来年度当初予算案として提案しております。

 さて、昨年10月、市町および東京大学ジェロントロジー(総合長寿学)研究部門と共同で中山間地域における集落調査を実施しました。この調査結果をもとに、県は、鳥獣害対策や公共交通の利便性向上に関する事業の補助率を引き上げるとともに、集落をまわって農産物を集めて直売所等に出荷する「小口集荷サポーター」を派遣する制度を設けました。さらに、集落住民による課題解決をサポートする集落支援員の配置について市町を支援するなど、中山間地域の高齢化が進んだ集落の元気回復を図ってまいります。

 次に、ふくいブランドの創造についてであります。

 ふくいブランドの発信については、冒頭でも申し上げたように、昨年は多くの成果を上げております。さらにふくいブランドをレベルアップさせるため、「越前がに」、「恐竜」など競争力のあるブランドをみがき、発信を強化するとともに、「学力、体力日本一」といった新しい本県のブランドづくりと積極的な「売り込み」に努めてまいります。

 特に、恐竜博物館は、平成22年度に開館10周年を迎えるところであり、その魅力に磨きをかけるため、2月補正予算案では、子ども向け恐竜映画館のオープンや発掘した恐竜化石の復元・展示等の経費を計上しています。加えて、世界的にも価値の高い恐竜の全身骨格の化石の購入など、施設の価値、魅力を高めるしくみを検討します。

 次に、「ふるさと帰住」についてであります。

 昨今の景気の停滞、また価値観の変化の中で、一部に都市から地方への流れが出てきております。この機を捉え、私は来年度を「ふるさと帰住元年」と位置づけ、福井のよさ、暮らしやすさを売り込み、23年度までの3年間で3000人を目標にふるさと帰住を強力に推進してまいります。

 このプロジェクトを推進する組織として、新たに「ふるさと帰住センター」を設置し、活動拠点として体制を強化します。
センターの本部を県庁に置き、これまでUターンセンターがあった東京南青山291、大阪事務所、福井商工会議所に加え、名古屋、金沢にも相談窓口を設置し、Uターン就職先を開拓する人員を2名センターに配置します。

 21年度当初予算では、一戸建てのゆとり住宅を提供するための「優良空き家活用システム」の創設のほか、県立学校に「ふるさと帰住子女枠」を新設いたします。さらに、春休みやゴールデンウィークなどに県内で実施する就職説明会に合わせ、都市圏から本県への無料の「Uターンバス」を運行します。

 これからも、帰住者の意見を伺い、また、移住を考える際に関心の高い「就職」、「住宅」、「教育」に係る施策を充実しながら、実効があがるよう努めてまいります。

次に今回提案いたしました平成21年度当初予算案および平成20年度2月補正予算案について申し上げます。

本県財政を取り巻く環境は極めて厳しく、とりわけ平成21年度の県税収入は法人2税を中心に大幅な減収が見込まれます。

 国から交付される交付金等を活用した経済・雇用対策、および新たな計画の実行、福井新元気宣言のステップアップにかかる施策について重点的に予算措置を行う一方、行財政改革を徹底し、選択と集中によるメリハリのある予算編成に努めました。

 その結果、平成21年度当初予算案の規模は、
  一般会計  4,807億7,383万円余
  特別会計    185億5,521万円
  企業会計    281億9,851万円余
   計    5,275億2,756万円余
となった次第であります。

 これに見合う歳入予算については、確実に収入が見込まれる県税  906億4,667万円余、地方交付税1,084億円を計上したほか、国庫支出金643億7,023万円余を計上するとともに、不足する財源について財政調整基金等を一部取り崩して措置することとしました。

 次に、平成20年度2月補正予算案については、既に述べましたように去る1月27日に成立した国の第2次補正予算に盛り込まれた雇用対策等の実施のための基金設置や公共事業等の追加、地域の活性化に資する単独事業の実施にかかる経費のほか、中小企業の資金繰り対策の拡充、国庫補助事業等の確定に伴う補正および本年度内に措置しなければならない経費についての最終の補正を行うものであります。

  その結果、補正予算案の規模は、
   一般会計      8億1,078万円余の減額
   特別会計     10億8,185万円余
   企業会計      1億5,645万円余
    計        4億2,752万円余
となり、本年度最終予算額は、
   一般会計   4,721億7,067万円余
   特別会計     178億8,106万円余
   企業会計     301億4,343万円
    計     5,201億9,516万円余
となった次第であります。

 歳入予算については、県税の減額補正を行うほか、確実に収入が見込まれる地方交付税、国庫支出金等を計上することとしました。

最後に、第29号議案について申し上げます。

 これは、県の組織について、本県の魅力を国内外に売り込む営業力を強化し、一層の観光誘客やブランド力の向上、ふるさと帰住の推進等を図るため、新たに「観光営業部」を設置するとともに、電気事業の民間譲渡に目処のついた企業局を廃止し、公営企業に関する業務を産業労働部に移管する等の改編を行うため、「部制に関する条例」等の改正を行うものであります。

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題等について申し上げました。なにとぞご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。


福井県平成21年度当初予算(案)
 

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