福井県政策推進マネジメントシステム

最終更新日 2008年4月18日ページID 001338

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 福井県では、平成16年度から政策推進マネジメントシステムを実施します。これは、民間の経営感覚を県政に導入し、予算や組織・人員などの行政経営資源の有効活用を常に志向しながら、県民が納得・満足するサービスを効率的・効果的に提供する21世紀型の新しい行政システムです。

 ここでは、システムの概要についてご紹介します。
 詳しくは、 福井県政策推進マネジメントシステム (職員用テキスト)をクリックして下さい。

Ⅰ 政策推進マネジメントシステムの趣旨

 地方分権新時代を迎えた今、地方公共団体は、法令に基づき事務を受け身的に取り組むという「管理」的な考え方ではなく、地方の実状に合ったやり方を自らの責任において判断し、行政経営資源の最適な配分を決定するという「経営」的な考え方が求められています。
 このような転機の中、「政策推進マネジメントシステム」は、福井県の政策公約である「福井元気宣言」に基づき、

  • どれだけ仕事をしたというのではなく、県民の目線に合わせ、県政への県民参加を推進する「顧客主義」
  • その仕事がどのような成果を県民にもたらすのかを絶えず志向する「成果主義」
  • 実際にどのような成果を生み出したのかを検証する「事後評価」 

 という「ニュー・パブリック・マネジメント」の考え方を日々の業務の進め方の中に具体化し、システムとして確立したものです。

Ⅱ 政策推進マネジメントシステムの特色

1 新マネジメントサイクル‐APDS(エピディス)サイクル‐

(APDSサイクルとは?)

 「政策推進マネジメントシステム」では、「分析」→「計画」→「実施」→「評価」を循環させる「APDS(エピディス)サイクル」という新たなマネジメント・サイクルを打ち出しました。
 マネジメント・サイクルとは、組織運営に関する根本的な考え方を示したもので、一般的には「PDSサイクル」と言われています。
 「P」とは「計画:プラン(Plan)」、「D」とは、「実施:ドゥ(Do)」、「S」とは、「評価:シー(See)」の略称で、この3つを絶えず循環しながら、組織運営を考えていくものです。
 しかしながら、本県では、この「PDSサイクル」の考え方を独自に発展させ、 「計画(プラン:Plan)」から、「A」という「分析:アセスメント(Assessment)」機能を分離し、最上位に位置づけました。
 これは、「分析(アセスメント:Assessment)」の重要性を強く訴え、その機能を強化することで、PDSサイクル全体の実効力を一層向上させようというものです。

(なぜAPDSサイクルなのか?‐失敗から学ぶ組織、学習する組織へ‐)

 近年、多くの地方公共団体が行政評価を導入したように、PDSサイクルの「評価」の部分が着目され、評価の結果、成果の上がらない事業は、積極的に廃止されてきました。
 しかし、その一方で、「廃止事業と類似した新規事業案」や「成果指標は明確だが、その達成が不明瞭で事業効果の薄い事業案」が提案される場合がありました。
 これは、解決すべき課題に対する「分析(アセスメント)」不足があると考えられます。政策課題に内在する問題点をしっかりと把握しないと、既存の限定された情報の中で、同じような問題を持つ事業案が繰り返される恐れがあるのです。
 さらには、「評価(シー)」からのフィードバックも、「計画(プラン)」の改善を積極的に志向したものではありませんでした。
これは、「評価(シー)」が、成果の可否を判断すること以外の役割、すなわち、具体的な改善案の提示や追跡調査の実施など、継続的な改善を促す役割を軽視してきたことに起因しています。
我々は、以上の反省に立脚し、「計画策定前の入念な現状分析」そして「実施事業の評価結果を基にした再度にわたる現状分析」をサイクル化することで、改善志向型マネジメントの確立を目指します。

 この「APDS(エピディス)サイクル」は、自らの失敗から学ぶ組織、すなわち「学習する組織」への転換を追求するマネジメント・サイクルなのです。

2 APDSサイクルと4つの起動エンジン

 この新しいマネジメント・サイクル「APDSサイクル」は、具体的な手段なくしては、実際には機能しません。そこで、以下のような、「APDSサイクル」を動かすための手段として、4つの「起動エンジン」を組織の運営の中に設定します。

  • 「分析」起動エンジン‐現場主義マーケティング
     - 現場に立脚した現状分析を「計画」の前に実施します。
  • 「計画」起動エンジン‐ロジックモデルによる政策議論
     - 事業案の実効性を論理的に追求しながら、「選択と集中」を実現します。
  • 「実施」起動エンジン‐BPR運動
    - ゼロベースで、現場改善を進めていく運動です。
  • 「評価」起動エンジン‐成果分析による事後評価
    - 施策レベルの指標「福井元気指標」を設定し、施策の進捗度をチェックします。
    - また、個々の事務事業について、実際に成果を出したかどうか事後評価します。

 特に、「ロジックモデルによる政策議論」は福井県独自の計画策定手法で、予算査定から政策形成を分離し、「財源重視の政策形成」から、「事業が県民にどんな成果をどのようにもたらすのか」を志向する「成果重視の政策形成」への転換を目指すものです。
具体的には、個々の事業の実効性を論理的に確認・検証するためのロジックモデルによる事前評価を実施し、その内容を検証しながら、知事のトップマネジメントにより新規事業の採否を決定します。

* ロジックモデルとは?

 「ロジックモデル」とは、「事業の活動からその期待する成果までのプロセスが論理的に説明されているか」を確認するため、事業が県民に与える影響の動きを具体的に図表化したものです。現在、アメリカでは、連邦政府など多くの政府・非営利組織が、予算の編成や助成事業の採否を決定するプロセスの中で活用しています。

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