平成18年度消費生活相談の概要

最終更新日 2008年2月7日ページID 000103

印刷

1 相談件数

福井県消費生活センターが平成18年度に受け付けた相談の総件数は7,264件で、前年度に比べ2,518件(25.7%)の減であった。

その内訳は苦情相談(消費生活トラブルに関する相談)が6,112件で前年度より2,288件(27.2%)の減、問合せ(買物相談、生活知識等の相談)は1,152件で前年度より230件(16.6%)の減であった。

また、苦情相談の契約当事者の性別は、男性が50.3%、女性が44.9%、団体等が4.8%であった。その年代別件数では、前年度同様、各年代に分散しているが、そのうちで最も多かったのは30歳代(19.5 %)で、次いで50歳代(16.0%)であった。更に、前年度との構成比率でみると、30歳代が2.5%増加し、60歳代は6.3%減少した。

≪相談件数の推移≫
    14年度  7,897件
    15年度  13,777件
    16年度  15,629件
    17年度  9,782件
    18年度  7,264件
 
年度別相談件数

2 18年度の主な相談内容の特徴

① 架空請求に関する相談件数が激減

架空請求に関する苦情相談件数は1,457件で、全件数の23.8%を占め依然として高い割合を示しているが、被害情報や啓発事項の浸透から、件数はピーク時の平成16年から年々減少し、前年度2,844件の51.2%と半減している。ただし、差出人である業者名が公的機関と誤解を受ける名称や消費者センターの名称をそのまま悪用するケースもあり巧妙な手口による架空請求の苦情相談は絶えない状況である。

② 未公開株にかかる相談が増加

預貯金・証券等の苦情相談件数は57件で、そのうち未公開株の相談割合は29.8%と、従来の証券、株取引に加え、未公開株の購入契約に関する苦情相談が増加した。主な概要は、「将来性があり、近々上場する会社の未公開株の勧誘があり購入したが、契約先と連絡がとれない。」あるいは、「値上がりは間違いないとの未公開株を購入したが、報道等で未公開株の危険性を知り不安になった。」などで、60歳以上の方の相談がその82.4%を占めた。

③ 生命保険、損害保険の相談が増加

保険会社の保険金不払い問題が表面化したという背景もあり、それぞれの苦情相談件数は、生命保険が73件で前年度比115.9%、損害保険が35件で前年度比233.3%と大幅に増加した。 生命保険については、転換時や保険金請求時に、損害保険は契約更新時にトラブルになるケースが多い。両保険の相談に共通していることは、消費者側の理解不足のほかに、契約時における業者側の説明不足と思われる内容も多く、中には販売員自身が保険商品の中身について理解していない事例もあった。

④ 悪質なSF商法(催眠商法)による苦情相談

SF商法による苦情相談は54件、前年度とほぼ同数で推移している。契約当事者の年齢では60歳代と70歳代を合わせると、全体の90%を超える割合となっている。契約商品では、温熱治療器や電位治療器といった医療用具が55.6%と最も多く、その他の契約商品ではゲルマニウムネックレスや健康食品も多く、健康に不安を抱える高齢者をターゲットにした販売上でのトラブルといえる。また、中にはクーリング・オフによる無条件解約について応じない、返金が著しく遅れるなど、悪質なケースも多かった。

⑤ 減少しない多重債務にかかる相談

多重債務の相談件数は497件で、前年度比114.8%と依然多く寄せられている。当事者を年齢別で見ると、20歳代から60歳代までの中で30歳代~50歳代がそれぞれの年代で100件を超えている。内容的には、貸金業法改正を背景にマスコミ等でもクローズアップされていたグレーゾーン金利に関する問い合わせ、あるいは過払金返還請求方法に関する相談が非常に多かった。

⑥ 深刻化する次々販売

一人の消費者に次から次へと契約をさせる、いわゆる「次々販売」に関する相談も依然として寄せられている。次々販売にあたる苦情相談68件のうち、高齢者では呉服や寝具類、若い方からの相談ではアポイントメント商法によるアクセサリー類や美顔エステを含む化粧品等が多かった。また、認知症の高齢者や知的障害の方の多重契約、資格商法の二次被害から多重契約に陥るケースも見られ、問題は深刻化している。

3 個人情報苦情相談について

苦情相談件数6,112件のうち、個人情報の苦情相談は453件であった。幅広い年代から相談が寄せられているが、20歳代から30歳代が199件と最も多い。内容としては、有料サイトやアダルトサイト業者からの不当、架空請求について自分の個人情報がどのような形で流れたのか不審だという相談が最も多かった。

<具体的な事例>

  • 携帯電話に、知らない業者から有料サイトの利用請求があった。身近な人にしか番号は伝えていないし、相手は個人名まで知っていて不審。
  • クレジットを申し込んだら審査が通らず納得いかない。個人情報の登録に誤りがないのか。

参考資料

表1 相談受付件数(総数)(単位:件)
区分 合計 苦情 問合せ
平成18年度 7,264 6,112 1,152
平成17年度 9,782 8,400 1,382
前年度比(%) 74.3 72.8 83.4

 

図1 年度別相談件数

年度別相談件数
 

表2 相談受付件数(性別)(単位:件)
区分 合計 団体
平成18年度 苦情 6,112 2,753 3,167 192
問合せ 1,152 481 586 85
7,264 3,234 3,753 277
構成比(%) 100.0 44.5 51.7 3.8
平成17年度 苦情 8,400 3,811 4,314 275
問合せ 1,382 538 681 163
9,782 4,349 4,995 438
構成比(%) 100.0 44.5 51.0 4.5
前年度比(%) 74.3 74.4 75.1 63.2


 

図2 相談者の性別

相談者の性別
 

表3 相談受付件数(年代別)(単位:件)
区分 合計 20歳未満 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上 団体不明
平成
18年度
苦情 6,112 74 609 1,141 1,203 1,286 873 671 255
問合せ 1,152 3 62 149 188 273 212 143 122
7,264 77 671 1,290 1,391 1,559 1,085 814 377
構成比(%) 100.0 1.1 9.2 17.8 19.1 21.5 14.9 11.2 5.2
平成
17年度
苦情 8,400 107 871 1,439 1,667 1,606 1,580 761 369
問合せ 1,382 5 58 181 214 318 235 176 195
9,782 112 929 1,620 1,881 1,924 1,815 937 564
構成比(%) 100.0 1.1 9.5 16.6 19.2 19.7 18.5 9.6 5.8
前年度比(%) 74.3 68.8 72.2 79.6 74.0 81.0 59.8 86.9 66.8
表4 苦情相談の当事者男女別・年代別件数(単位:件)
区分 合計 20歳未満 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上 団体不明
平成
18年度
男性 3,072 168 402 535 477 525 374 454 137
女性 2,747 82 394 657 459 450 304 329 72
団体 293 0 0 0 0 0 0 0 293
6,112 250 796 1,192 936 975 678 783 502
構成比(%) 100.0 4.1 13.0 19.5 15.3 16.0 11.1 12.8 8.2
平成
17年度
男性 3,949 240 619 740 699 598 582 349 122
女性 4,005 85 469 692 638 603 879 558 81
団体 446 0 0 0 0 0 0 0 446
8,400 325 1,088 1,432 1,337 1,201 1,461 907 649
構成比(%) 100.0 3.9 13.0 17.0 15.9 14.3 17.4 10.8 7.7
前年度比(%) 72.8 76.9 73.2 83.2 70.0 81.2 46.4 86.3 77.4


 

図3 契約当事者の年齢別割合

契約当事者の年齢別割合
 

表5 商品別件数(単位:件)
順位 商品 平成18年度 平成17年度
合計 苦情 問合せ 順位 合計
1 商品一般 1,550 1,527 23 1 2,407
2 オンライン等関連サービス 1,073 1,066 7 2 1,899
3 融資サービス 920 450 470 3 977
4 レンタル・リース・貸借 220 192 28 4 299
5 書籍・印刷物 185 179 6 7 187
6 工事・建築・加工 167 145 22 6 190
7 学習教材 157 156 1 5 229
8 電報・電話 145 136 9 8 185
9 役務その他 142 112 30 9 172
10 他の教養・娯楽 136 134 2 11 166
11 健康食品 127 120 7 13 113
12 医療用具 104 99 5 16 101
13 家具・寝具 95 83 12 10 167
14 自動車 89 80 9 14 110
15 文具・事務用品 87 80 7 17 99
16 生命保険 85 73 12 20 73
17 内職・副業 76 74 2 23 64
18 アクセサリー 73 70 3 15 107
19 化粧品 65 60 5 21 70
20 預貯金・証券等 63 57 6 29 48
21 食器・台所用品 61 50 11 18 86
22 修理・補修 57 54 3 19 76
23 役務一般 51 51 0 12 136
23 理美容 51 45 6 26 54
25 他の教養娯楽品 49 46 3 28 51
26 空調・冷暖房・給湯設備 48 39 9 22 66
27 教室・講座 47 41 6 24 59
28 他の金融関連サービス 46 40 6 30 43
29 クリーニング 45 41 4 25 57
30 損害保険 40 35 5 - 21
30 他の保健・福祉 40 16 24 - 37
30 他の行政サービス 40 22 18 - 16
その他 1,130 739 391   1,417
合    計 7,264 6,112 1,152   9,782


 

図4 商品・役務別 年代毎の推移
順位 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
1位 融資
サービス
オンライン等
関連サービス
オンライン等
関連サービス
商品一般 商品一般
2位 オンライン等
関連サービス
融資
サービス
融資
サービス
オンライン等
関連サービス
オンライン等
関連サービス
3位 学習教材 学習教材 商品一般 融資
サービス
融資
サービス
4位 内職・副業 商品一般 学習教材 レンタル
・リース
レンタル
・リース
5位 レンタル
・リース
レンタル
・リース
レンタル
・リース
学習教材 書籍・印刷物


 

表6 特殊販売にかかる件数
ア 販売方法別件数(単位:件)
区分 合計 訪問販売 通信販売 マルチ
販売
電話勧誘販売 ネガティブ
オプション
その他
無店舗
平成
18年度
苦情 3,619 662 2,166 168 525 36 62
問合せ 99 19 54 5 8 1 12
3,718 681 2,220 173 533 37 74
構成比% 100.0 18.3 59.7 4.7 14.3 1.0 2.0
平成
17年度
苦情 5,727 927 3,835 164 687 32 82
問合せ 169 49 89 10 17 0 4
5,896 976 3,924 174 704 32 86
構成比% 100.0 16.6 66.6 2.9 11.9 0.5 1.5
前年度比% 63.1 69.8 56.6 99.4 75.7 115.6 86.0


 

図5 特殊販売にかかる件数の推移

特殊販売にかかる件数の推移
 

イ 特殊販売苦情相談商品別件数(単位:件)
順位 商品 平成18年度 平成17年度
合計 訪問
販売
通信
販売
マルチ販売 電話勧誘販売 ネガティブ
オプション
その他
無店舗
順位 合計
1 オンライン関連サービス 1,054 7 1,029 0 18 0 0 1 1,861
2 商品一般 470 19 406 8 35 2 0 2 1,141
3 融資サービス 239 4 181 1 52 0 1 3 371
4 書籍・印刷物 167 25 57 0 57 28 0 5 168
5 学習教材 152 59 9 4 80 0 0 4 221
6 他の教養・娯楽 126 0 124 0 1 0 1 6 150
7 電報・電話 114 26 18 0 70 0 0 7 146
7 健康食品 114 17 34 25 33 1 4 11 86
9 医療用具 75 50 3 11 2 0 9 12 79
9 家具・寝具 75 55 10 7 2 0 1 8 139
11 内職・副業 63 0 38 5 17 0 3 21 47
11 アクセサリー 63 35 20 0 2 0 6 10 87
13 文具・事務用品 61 7 27 19 6 0 2 16 62
14 役務その他 58 10 17 1 23 0 7 14 77
15 化粧品 49 3 18 18 8 2 0 19 52
16 レンタル・リース・貸借 48 43 2 0 3 0 0 9 89
16 工事・建築・加工 48 41 2 0 5 0 0 15 68
18 生命保険 46 31 4 7 4 0 0 22 37
19 食器・台所用品 43 20 2 20 1 0 0 16 62
19 役務一般 43 21 9 1 11 0 1 12 79
21 預貯金・証券等 36 4 7 7 18 0 0 - 19
22 空調・冷暖房・給湯設備 32 30 1 0 1 0 0 18 55
23 他の教養娯楽品 30 6 9 0 10 2 3 23 32
24 修理・補修 26 23 2 0 0 0 1 26 29
25 商品相場 24 7 0 0 17 0 0 20 50
26 他の住居品 22 19 1 0 2 0 0 26 29
27 教室・講座 21 1 10 0 9 0 1 29 28
28 集合住宅 18 1 0 0 17 0 0 - 10
29 和服 17 11 3 0 0 0 3 - 25
30 音響・映像製品 16 0 10 1 4 1 0 24 31
  その他 269 87 113 33 17 0 19   397
合計 3,619 662 2,166 168 525 36 62   5,727
アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、syouhi-c@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

消費生活センター

電話番号:0776-22-1102 ファックス:0776-22-8190メール:syouhi-c@pref.fukui.lg.jp

〒910-0858 福井市手寄1丁目4-1AOSSA7階(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)