第387回定例県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2015年6月24日ページID 029861

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                                                                              平成27年6月24日                                                                第387回定例県議会


 


                       知事提案理由説明要旨




                                               福 井 県

                                                                          

  

 冒頭、一言申し上げます。

 県議会議員 山田庄司氏におかれましては、5月23日急逝されました。4月の選挙で5回目の当選を果たされ、まさにこれから更なるご活躍が期待されていたところであり、痛惜の念に堪えません。山田議員は、平成11年に県議会議員に当選され、土木および厚生警察の常任委員長、総合交通対策、予算特別委員会の委員長として優れた指導力を発揮されました。氏が生前、県政発展のために傾注された情熱とご功績に深く感謝し、ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 

 それでは、第387回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および平成27年度6月補正予算案等の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 今日、わが国は、急激な少子高齢化の進行と人口減少、都市と地方の格差拡大など、極めて深刻な問題に直面しており、国を挙げて諸対策を全力で進めなければならない事態となっております。また福井県としても、これらの問題に全力を注いでいるところですが、これからの県の発展の基盤となる若狭さとうみハイウェイが全線開通し、中部縦貫自動車道の大野までの延伸、3年後の福井国体の開催、8年以内の北陸新幹線敦賀開業など、いわば次の発展への整備が進展し、厳しい中にも明るい希望の局面を迎えております。このタイミングを最大限に活かし、本県が全国に先駆けて提唱し実行してきたいくつかの「ふるさと政策」を一層進化させる必要があります。学力・体力日本一、「幸福日本一」など、福井の魅力や福井の良いところに一層磨きをかけ、県のみならず市町、企業、そして県民と力を合わせ、人口減少社会における「地方モデル」として評価されるような福井県をめざしてまいります。そして、人や企業の流れを地方へ反転させる国土政策や国土強靭化、原子力・エネルギー政策などのビジョンを、地方からこの福井県から積極的に提案し、真に「地方が活力を取り戻す政策」を実現できるよう努力してまいります。

 

 新しいマニフェスト「福井ふるさと元気宣言」では、「元気な社会」「元気な産業」「元気な県土」「元気な県政」の4分野にわたる12の具体的な政策を掲げています。これから4年間は、この「福井ふるさと元気宣言」を県政推進の基本とし、「総合力」を重視した諸施策を「突破力」をもって力強く進めてまいりたいと考えます。そしてさらには、人口減少に対応するためのふるさと創生戦略、そして、新幹線、高速自動車道の開通に向け、新たなまちづくりや観光地の魅力づくり、アジア諸国との連携強化による産業振興などに関し、県民の総力を結集して実現をめざすためのアクションプランを策定し実行してまいります。県議会各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 それでは、当面する県政の主要な課題について、まず北陸新幹線の整備促進について申し上げます。

 金沢-敦賀間の整備については、先月の北陸新幹線建設促進大会において、平成34年度末までの開業の確実な実現を求める決議を採択し、北陸新幹線建設促進同盟会、北信越五県議会協議会、北陸経済連合会と一体となり、1日も早い開業を政府・与党に強く要請しました。

 また、この夏までに結論を得ることとされている福井先行開業については、与党において課題の解決策の検討を進めているところであり、県としても迅速な用地取得と早期の工事着手に向け、鉄道・運輸機構や沿線市町と連携し、最大限努力してまいります。

 そして北陸新幹線の大阪までの全線開業を、北海道新幹線の平成42年度末札幌開業より早く実現するためには、この1、2年で整備方針が決定される必要があり、与党の検討委員会を早期に設置し速やかに協議が進められることが重要です。

 

 次に、新幹線の用地取得や工事の進捗状況について申し上げます。

 あわら市から南越前町区間の早期用地取得については、鉄道・運輸機構において地元集落との設計協議が完了したところから、用地測量に着手しており、県はこれと同時並行して建物調査を進めております。

 また、敦賀市内の中池見湿地について、先月、アセスルートを基本としたルートへの変更が認可されました。既に関係集落への事業説明も終えており、来月から敦賀市内の中心線測量に着手してまいります。

 九頭竜川橋りょうについては、3月に橋りょう工事とこれに隣接する森田地区の高架橋工事の契約が行われ、現地測量など工事着手に向けた準備を進めております。また、橋りょう工事に先立ち、県において九頭竜川右岸の堤防道路の付け替え工事を進めております。

 

 次に、県都デザイン戦略の当面の事業について申し上げます。

 まず、「山里口御門」の復元については、来年度の完成をめざし、石垣の解体調査を行っています。この秋には石垣修復工事と御門の建築工事に着手いたします。

 中央公園については、この夏から福井市による堀跡や石垣の遺構を活かした広場の造成工事が本格化するなど、福井国体までに公園全体の完成を目指します。

 

 次に、原子力行政について申し上げます。

 関西電力高浜3、4号機の再稼働について、原子力規制委員会は、2月の原子炉設置変更許可に引き続き、現在、工事計画や保安規定認可の審査を行っております。県としては、引き続きこれらの審査状況や事業者の安全対策の達成状況等をしっかりと確認してまいります。

 再稼働に関し本県が求めていた事項のうち、エネルギーミックスの明確化については、2030年度の電源構成比率を原子力について20%から22%程度とする長期エネルギー需給見通しが来月にも決定される予定であります。また、中間貯蔵施設の県外立地に係る国の積極的関与について、使用済燃料対策の強化に向けた国としての基本姿勢、さらに国や事業者による具体策を盛り込んだアクションプランをできるだけ速やかに策定するとしています。関西電力においても、福島事故の教訓を踏まえた原子力発電所の防災体制強化の一環として、美浜町の原子力事業本部内に「原子力調達センター」や「原子力土木建築センター」を明日25日付けで設置することとしています。しかしながら、原子力発電の重要性や必要性に対する国民理解は今も十分に進んでいるとは言えません。このため、廃炉対策をふくめた立地地域の経済・雇用対策の充実強化などの課題と合わせ、政府の責任ある発言と対応を強く要請してまいります。

 

 40年を超える原子力発電所の運転の延長については、関西電力は規制委員会に対し、高浜1、2号機および美浜3号機の新規制基準適合性申請を3月17日に行うとともに、4月30日には、特別点検の結果をもとに高浜1、2号機の運転期間延長の認可申請が行われています。

 40年を超える運転については、プラントの安全確保を前提とした県民理解が必要不可欠であり、今後、規制委員会による審査の状況等を踏まえ慎重に対処してまいります。

 

 さらに、関西電力および日本原電は、それぞれ美浜1、2号機と敦賀1号機について、3月17日に廃炉とすることを決定しています。県においては、原子力発電について運転と廃炉は一連・一体のものであるとの観点に立っており、運転終了後のプラントの安全点検の実施、地元雇用や地元発注の確保、使用済燃料の中間貯蔵や解体廃棄物の処分場の確保などの様々な課題について、電力事業者が責任をもって対応するよう強く要請しているところです。

 

 次に、原子力防災対策について申し上げます。

 県域を越える広域避難については、国の地域原子力防災協議会の作業部会において、スクリーニング・除染場所の追加設定やバス等の輸送能力の確保などの課題について検討が進められており、関係機関との調整が整い次第、公表される予定です。

 

 また、原子力災害制圧道路については、半島部の4路線において平成31年度までの完成をめざし工事を進めており、今月末から新たに敦賀半島の美浜第2トンネルの掘削に着手する予定です。早期完成に向けて、引き続き必要な予算の確保を国に求め、工事促進に努めてまいります。

 

 「エネルギー研究開発拠点化計画」に関しては、この計画の柱である国際的な原子力人材の育成について、IAEA主催の国際会議「原子力発電計画における地域との関わりに関する技術会合(仮称)」を10月に本県において開催する予定となっております。

 

 それでは、今回提案いたしました平成27年度6月補正予算案について申し上げます。

 今回の補正予算は、統一地方選挙後の最初の予算であり、「福井ふるさと元気宣言」に掲げた政策を中心に、人口減少対策や本県の魅力発信・交流人口の拡大、国体の準備などの重要な課題に対応するため積極的に予算を計上しました。

 その結果、一般会計の予算規模は233億円、当初予算と合わせた6月現計予算額は、26年度の当初予算と同規模の4,823億円となります。また、歳入につきましては、国庫支出金72億円を計上するとともに、県税など確実に見込まれる収入額を計上した次第であります。

 

 以下、今回の補正予算における主要な事業と主な施策の状況について、申し上げます。

 まず、「元気な社会」についてであります。

 人口減少対策については、ふるさと福井の良さと県民の総力を結集して課題解決に挑戦することが重要であります。このため、県内各分野の幅広い代表者で構成する「ふくい創生・人口減少対策推進会議」を今月開催し、基本的な考え方や方向性について議論を開始しました。各委員からは、「幸福度日本一を見える化して発信すべきである」、「小中学校においてふるさと教育を充実させることが重要である」などの意見・提言が示されました。今後、この推進会議で議論を重ねるとともに、県内の各地域でも意見交換会を開き、市町や県民の意見等を十分にお聞きしながら、ふるさと福井の創生に向け、具体的な戦略を10月を目途に策定いたします。

 

 今月1日には、本県へのU・Iターンを市町と一体となって徹底応援する「ふるさと福井移住定住促進機構」をアオッサに開設しました。移住相談員、求人開拓員など5人の専任職員を配置し、仕事の紹介をはじめ、住まいや日々の生活問題など幅広く、きめ細かな支援を行います。東京、大阪、名古屋にも支所を設け、相談員が情報発信や相談対応にあたっており、この3週間で既に約330件の相談がありました。さらに、若者の地元定着や県内就職拡大を一層進めるため、学生が集い、ふるさと福井や地元企業の魅力を学ぶ拠点となる「大学連携センター」の開設を準備しており、来年春に開設します。

 次に、教育について申し上げます。

 今般の教育委員会制度の改革を受け、知事と教育委員会による初めての「総合教育会議」を昨日23日開催し、全国トップクラスの福井の教育をさらに次のステージに引き上げる方策等について意見交換を行ったところであり、教育委員会と知恵を出し合い、福井型18年教育の進化につなげてまいります。県議会をはじめ、県民の皆様からご意見をいただきながら、教育に関する大綱と具体的な施策をとりまとめた新たな教育振興基本計画を策定いたします。

 また今回、「18歳以上への選挙権」が決まったことは、若い世代に政治参加の機会を広げる意味で重要と考えており、県内でも高校をはじめ、いろいろな機会を設けて指導していく準備に入りました。

 

 次に、医療と福祉について申し上げます。

 平成30年の福井国体に向けた県民運動として、県を挙げて健康づくり活動のレベルアップを図ります。市町と連携しウオーキングやラジオ体操などを通して、それぞれが工夫をこらした「一市町一健康づくり」を推進するとともに、平成30年までに「わがまち健康推進員」を2,700人から4,000人に拡充し、健康づくり活動を活発化させます。また、「ふくい健康の森」について、開設後20年以上が経過しており、県民の健康づくりの拠点として利活用をもっと拡大するよう方策を検討いたします。

 高齢者福祉については、健康長寿日本一をめざし、新年度より「第6期老人福祉・介護保険事業支援計画」を実行に移しております。特に認知症対策については、全国で例のない独自のチェックリストを使用した検診に加え、県内大学と協力して、普段の生活の中で楽しみながらできる本県独自の認知症予防メニューを新たに作成・普及するなど、早期発見・早期治療に努めてまいります。

 地域医療については、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、将来あるべき医療提供体制と実現のための施策を定める「地域医療構想」を本年度中に策定いたします。さらに、この「地域医療構想」をもとに県立病院の中期経営計画を策定し、基幹病院としての高度医療機能の強化を図ってまいります。

 

 次に環境行政について申し上げます。

 「里山里海湖研究所」において、自然体験や観察、再生を学ぶ「ふるさと学びの森」を、昨年の若狭町に続き今年5月にあわら地区、奥越地区にも設置しました。県民が気軽に里山里海湖に触れ親しむ場所や機会を県内の各市町においても拡大させていきます。また、中学校理科教員全員を研究所の推進員に委嘱し、季節の変化と生きものの移ろい調査の実施など、研究所の成果を学校の環境教育に活かしてまいります。

 

 地質学的年代測定の世界標準である水月湖「年縞」については、その価値を国内外にアピールし、研究、教育観光の拠点となる新たな展示施設を三方五湖湖畔に整備いたします。今年度、基本設計に着手し、30年度の開館に向けて整備を進めてまいります。

 

 次に「元気な産業」について申し上げます。

 福井経済新戦略においては、「福井の強みに磨きをかけ、現行の戦略を次の段階に高める」、「人口減少社会に対応し、一人ひとりの能力を高め、人を呼び込む」、「小さな企業を応援し、地域でお金を回す」を3つの柱に12のプロジェクトを掲げております。平成32年を目途にした製造品の出荷額や事業化に直結した製品数などの成果目標を定め、産学官と金融が連携して推し進めていきます。この戦略に基づき、今般、県内企業の技術・商品の開発から販売促進までを大学や金融機関等と一貫支援する「ふくいオープンイノベーション推進機構」を工業技術センター内に設置しました。人工衛星の開発やその衛星データを活用したビジネスモデルの構築、炭素繊維を用いた橋梁補強材の開発などを支援し、今後、規模拡大が期待できる産業分野への参入を図ってまいります。

 

 県内の雇用情勢については、4月の有効求人倍率が、全国2位の1.57倍となっています。今後は、人材の確保が必要であり、県外の若者や女性のU・Iターンの促進につなげるため、管理部門や研究開発部門などの本社機能の増加が必要となっております。このため、県企業立地推進戦略本部会議を今月3日に開き、女性や若者に魅力ある本社機能の誘致、高速交通体系の整備進展等を活かした誘致などを重点的に進めていくことを確認しました。また現在、国が準備している本社機能の地方移転を進める地方拠点強化税制に併せ、県独自の支援制度を創設し、本社機能の誘致活動を強化してまいります。

 企業誘致の状況については、4月にプラスチック製食品容器を製造するアイケープラストが敦賀市産業団地に立地し、今月には信越化学工業が越前市の池ノ上工業団地に新しい半導体向け先端材料工場の立地を決定しました。投資額は合わせて約86億円、新規雇用約45名を予定しています。

 

 次に農林水産業の振興について申し上げます。

 まず、米づくりについては、「ポストこしひかり」を本年度中に4種まで候補を絞り込むとともに、県内全域で安定して高い食味や品質が得られるよう、各地の土壌や気象条件に応じた栽培指針を作成します。

 農業人材の確保・育成については、首都圏など全国の農業系大学や専門学校への働きかけを強めており、今年度、ふくい園芸カレッジに県外からの20人を含む30人が入校しました。就農定着に向け、栽培技術や販売の指導に加えて、就農先や農地の斡旋などの支援を行います。さらに、8月には、園芸研究センターにICT技術を活用した大規模施設園芸についての研修を行う「ふくい園芸カレッジ・スマート園芸コース」を設置します。

 

 中山間地域の振興については、水稲から収益性の高い施設園芸への転換や鳥獣害に強いクルミ・カリンの植栽を進めるほか、市町や観光事業者等も連携し、農家レストランや農産物直売所、体験交流型農園の整備など地域資源を活かした里山里海湖ビジネスを展開します。

 畜産の振興については、昨年から新たなブランドとして販売している三ツ星若狭牛が高い評価を得ており、良質で高値での販売が見込まれる若狭牛への転換を、生産者と共動し、強力に推進してまいります。

 

 林業については、3月に策定した「ふくいの森林・林業基本計画」に基づき、山ぎわ間伐の推進や県産材のフル活用など4つのプロジェクトを進めます。コミュニティ林業や列状間伐など、作業の効率化を図るとともに、人工乾燥材の生産を増大させるなど、県産材の生産と利用の拡大を図ります。

 

 水産業については、3月に策定した「ふくいの水産業基本計画」に基づき、トラウトサーモン等の養殖業の推進や越前がにをはじめとするブランド水産物の販売力強化、経営力の高い漁業者の育成などを進めます。

 また、「ふくい水産カレッジ」を今月開設し漁船漁業、海女、養殖の3つの専門コースを全国で初めて設置しており、16日からは海女コースの研修を開始しました。

 敦賀市内に整備する水産加工施設については先月起工式が行われ、平成28年度の稼働に向けて加工品の試作、販売先への営業など、施設完成後の準備も進めてまいります。

 

 農林水産品の販路・消費拡大のためには食材としてだけではなく料理と一体となった売込みが重要です。県産食材を活用した料理の提供やPRに協力していただく「福井ゆかりの店」を開拓し、県産農林水産物の販路拡大を進めます。

 

 次に、観光とブランド戦略について申し上げます。

 3月、北陸新幹線金沢開業が実現しました。今年のゴールデンウィークの東尋坊や永平寺など主要観光地12カ所の入込数は、前年比3割増と大幅に増加しました。北陸エリアに注目が集まっているこの機を逃すことなく、7月のJR上野駅での大型広告掲出や山手線恐竜ラッピングなどの集中的なプロモーション、大手私鉄と協力した小松空港利用誘客などを実施します。また、10月から3か月間、JRグループと北陸3県が共同し、北陸DCキャンペーン「日本の美は、北陸にあり。」を展開します。本県では、11月に3県の食の魅力を紹介する「北陸三県食の祭典(仮称)」や「福井の一押しバスツアー」を開催するなど、市町、観光事業者等と一体となって、本県の美しい風景や温泉、食、伝統工芸などの魅力をアピールし、北陸新幹線の開業効果を充分に活かしてまいります。

 また、新幹線金沢開業の光と影といいますか、その効果と課題をしっかりと分析、検討し、今後の対応に生かす必要があると考えております。その上で、平成30年の国体や北陸新幹線敦賀開業等に向け、集客の核となる魅力ある観光スポットを、さらに充実させていく必要があります。このため県では、まず、恐竜博物館に、世界でも人気が高い大型肉食恐竜「アロサウルス」の実物全身骨格など32体の標本を、ミュージアムアップバリュー制度を活用して購入します。恐竜博物館の本物の魅力を更にグレードアップさせ、入館者100万人をめざします。また、日本最大の戦国城下町である一乗谷朝倉氏遺跡のミュージアム化を図るため、朝倉氏庭園の再生や博物館の整備に向けた基本計画の策定に着手します。市町と連携し魅力あるまちづくり事業により整備を進めている福井市の「グリフィス記念館(仮称)」や敦賀市の「赤レンガ倉庫」などのほか、先月日本遺産に指定された「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国若狭と鯖街道~」の活用を図ることも大切です。さらに日本海のトップブランド東尋坊やフランスのミシュラングリーンガイドで二つ星に選ばれた禅の修行道場永平寺といった主要な観光資源をさらに磨き上げるとともに、周遊観光、滞在型観光を核として、国内だけでなくアジアなど世界各地からの誘客に努め、観光消費拡大につなげてまいります。

 ところで海外展開の一つとして、今月11日から13日まで、オランダのレンブラントハウス美術館で開催された「レンブラント版画と越前和紙展」のオープニングセレモニーに出席し、越前和紙工業協同組合の皆様とともに、オランダ国民に越前和紙の歴史や魅力を紹介したところであり、ユネスコの無形文化遺産登録につなげてまいります。

 3年後の平成30年は福井国体の年ですが、明治維新から150年の記念の年にあたります。近代日本の幕開けに活躍した多くの偉人達を福井県は輩出しています。今後、本県ゆかりの偉人の功績を改めて顕彰するとともに、テレビドラマ等の誘致活動を本格化させるなど、福井が誇る歴史・文化を全国に発信してまいります。

 

 次に、「元気な県土」について申し上げます。

 中部縦貫自動車道については、永平寺大野道路が北陸自動車道と3月に直結しました。松岡IC~永平寺参道IC間の開通後1か月間の休日の交通量は、約1割増加の1日当たり17,000台となっており、周辺道路の交通状況も改善しています。永平寺~上志比間で、新たに轟()3号橋の下部工事が契約されるなど、平成28年度大野までの全線開通に向けて順調に工事が進められております。

 大野油坂道路については、国に対し強く要望を続けた結果、大野~大野東間(5.5km)が、今年4月に新規に採択され、全区間の事業化が実現しました。大野東~和泉間においては、約8割の用地取得が完了し、和泉~油坂間についても、用地取得に向け、用地測量、補償調査を進めています。今後とも、北陸新幹線敦賀開業に合わせた大野油坂道路の全線開通を、県議会、沿線市町とともに、国に強く要望してまいります。

 若狭さとうみハイウェイについては、ゴールデンウィーク期間中の小浜IC~敦賀JCT間の平均交通量が、1日当たり約10,400台、特に5月5日は、これまでの最大となる約18,900台の利用がありました。昨年に引き続き市町等と連携した「海湖と歴史の若狭路キャンペーン」や高速道路の割引プランを実施するなど利用者の拡大を図り、4車線化などの高速道路としての機能強化につなげてまいります。

 

 足羽川ダムについては、県が手続きを進めていた、水源地域対策特別措置法に基づく水源地域整備計画が今年3月に決定されました。さらに、今年度予算に48億6百万円が計上され、用地補償や付替県道工事の進捗が図られることとなっております。県としては、引き続き関係住民の生活再建や池田町の地域振興策を国、町と連携して進めるとともに、早期完成を国に強く求めてまいります。

 

 敦賀港の鞠山南地区の2期整備について申し上げます。内航フェリー、RORO船の大型化やバイオマス発電の稼働による大幅な貨物量の増加が見込まれており、県内への経済波及効果など事業効果が高く、さらに新北陸トンネルなどの発生残土の有効活用も図られることから、ふ頭用地の埋立事業を本年度より進めてまいります。また、大型客船の誘致につなげるため、安全な入出港のための基準の検討や必要となる施設整備の調査を実施いたします。また、国直轄事業の岸壁整備については、来年度の採択に向け、引き続き強く国に働きかけてまいります。

 

 次に、「元気な県政」について申し上げます。

 「福井しあわせ元気国体」について申し上げます。

 今月11日に開催された日本体育協会の国体委員会で、平成30年国民体育大会が9月29日から10月9日までの間、福井県で開催されることが協議され、7月の理事会に提案されることとなりました。7月の正式決定を受け、県では、県準備委員会を実行委員会に組織替えすることとしており、市町、競技団体、県民と総力を挙げて準備を加速させるとともに、企業や県民の皆様からの募金・協賛制度の準備を進めてまいります。

 競技力の向上については、福井国体で少年選手の主力となる現在の中学3年生に対し、中学校と高校が連携して新たに高校部活動の体験会や進路相談、生活面の支援などを行うことにしています。これに併せて県が指定する重点強化校等への進学を促し、福井国体で活躍を目指すジュニアアスリートの競技力向上につなげてまいります。

 また、成年選手におきましては、「スポジョブふくい」などにより、陸上競技でオリンピック出場を目指す選手をはじめ、新たに「チームふくい」の即戦力となる約60名の選手が4月から本県での活動をスタートさせています。今年度もU・Iターンにより今年以上の有力選手の獲得を実現し、今年の和歌山国体での昨年の17位を上回る成績と、福井国体での総合優勝に向け、競技団体等と一丸となって、さらなる競技力向上を図ってまいります。

 

 最後に、予算以外の議案について申し上げます。

 第56号議案の福井県税条例等の一部改正は、地方税法の一部改正に伴い、法人事業税等所要の改正を行うものでございます。その他の議案につきましてはそれぞれ記載の理由に基づき提案した次第であります。

 

 以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題等について申し上げました。なにとぞご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

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