第390回定例県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2016年2月17日ページID 031763

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                                                                              平成28年2月17日                                                                第390定例県議会


 


                       知事提案理由説明要旨




                                               福 井 県

                                                                          

  

  

 

 

 第390回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および平成28年度当初予算、平成27年度2月補正予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 県民の長年の念願である北陸新幹線については、昨年春に金沢開業が実現し、平成34年度までの敦賀延伸が決定、さらにはその先の関西へのルートについても、今年中の決定に向け具体的な検討が国において進められております。道路整備においても、一昨年の若狭さとうみハイウエイの完成に続き、来春には中部縦貫自動車道の永平寺大野道路が開通し、県内の都市がすべて大都市圏等と高速道路で結ばれ、将来に向けて本県の発展のベースとなる条件が一段と整ってまいりました。
 またここ数年、福井県は「幸福度日本一」との評価を受けております。さらに子ども達の学力・体力日本一はもとより、高校野球やバトミントン、競技かるたの名人位獲得など様々な分野において、県民の努力と実力が大いに発揮されており頼もしい限りと思います。加えて、来場者が年間90万人に達しようとしている恐竜博物館をはじめ、食や歴史といった本県ブランドへの注目も一段と高まるとともに、2年後に「福井しあわせ元気国体・大会」を控え、その後の東京オリンピックを考えますとき、「幸福日本一の福井」を国内外に印象づける良い機会がやって来ることとなり、様々な歯車が噛み合ってまいりました。このタイミングを十分生かし、大きな歯車を力強く動かしながら、地方創生・人口減少対策をはじめとする各々の施策をしっかり連携させ、強い突破力とスピード感を持って戦略を実行してまいります。そして、福井に住んでいる人はもとより、仕事や観光など様々な機会に福井に来てくれ住んでくれる全ての人たちが、幸福を実感し人生を豊かに感じられる「明るく元気あふれるふるさと」の創生をめざしてまいります。
 

 そして、来年度の当初予算の編成については、国の「1億総活躍社会」に向けた補正予算による緊急対策交付金等を積極的に活用することとし、27年度2月補正予算と一体的に編成します。その上で昨年10月に策定した「ふくい創生・人口減少対策戦略」の実現に向けた施策を展開し、突破力ある人材の教育、国体準備の加速、TPP対策、さらには高速交通体系の整備促進とその整備効果の全県拡大など、「福井ふるさと元気宣言」に掲げた施策を充実、進化させてまいります。
 

 それでは当面する県政の主要な課題について、まず、「高速交通開通アクション・プログラム」について申し上げます。
 北陸新幹線や中部縦貫自動車道の開業効果を県内全域にくまなく波及させるため、福井県のもつ古代から近現代までの厚みのある歴史や自然科学遺産を活用し、「住み続けたい」、「また来たい」と思える都市の再デザイン化や観光エリアの強化、新たな産業団地の整備などを進めるとともに、新幹線駅を中心にした二次交通やアクセス道路を充実させる「高速交通開通アクション・プログラム」の検討を進めております。県議会での議論をもとに、このプログラムを県民、民間、市町そして県の総力を結集できる計画として、年度末までにまとめ実行してまいります。
 

 次に、北陸新幹線の整備促進について申し上げます。
 28年度の政府予算案においては、金沢―敦賀間の事業費として900億円が確保され、うち本県分として今年度の4倍となる506億円の事業費が盛り込まれました。
 

 敦賀以西のルートについては、1月26日の与党の検討委員会において、JR西日本が小浜市から京都駅を通り新大阪駅につなぐ案を提案しました。この案は、小浜市を経由することから整備計画で定める若狭ルートのひとつと考えられ、観光客など旅客流動が大きい京都駅に接続することから、今後十分検討していく必要があると考えます。与党検討委員会においては議論を急ぎ、年内に若狭ルートを決定していただくことが重要です。
 

 次に、用地取得や工事の進捗状況について申し上げます。
 用地取得については、敦賀市を除く沿線6市町において土地所有者等との交渉を開始しており、あわら市、坂井市および鯖江市の農地や福井市市街地の用地などを取得し、現在約10%の用地取得率となっています。敦賀市においては地元集落との設計協議を今年度に済ませるよう、鉄道・運輸機構とともに進めております。
 

 新北陸トンネルについては、既に着工している4つの工区に加え、3月には敦賀市の田尻工区および樫曲工区の工事を契約し、延長約20kmの全工区で工事を促進してまいります。また、現在進めている九頭竜川橋りょうのほか、4月には九頭竜川北側の森田地区の高架橋、それに続き南側の福井高柳高架橋に着手するなど、工事が県民の目に見えるような形で進展しつつあります。

 県都の新しい顔となる福井駅西口広場と再開発ビルがこの3月完成します。西口に新たに乗り入れる福井鉄道の駅前線延伸ならびに福井鉄道とえちぜん鉄道との相互乗り入れについては、両事業者より3月27日から運行開始する旨の報告がありました。
 

 また、県都デザイン戦略による「山里口御門」の復元については、この春から御門本体の建築工事が本格化します。2月7日には、御門に使用する笏谷石の屋根瓦への記名会を開催しました。こうして市民、県民の関心を高めながら、来年春の完成をめざし整備を進めてまいります。また、山里口御門の復元整備にあわせ「福の井」に釣瓶を備えた上屋を整備し、天守台周辺の歴史を偲ぶ空間としての魅力をさらに高めてまいります。これ以降の福井城址公園の整備については、県庁舎移転や櫓の復元など城址整備の段階的な進め方について検討を行ってまいります。
 

 次に、原子力行政について申し上げます。
 関西電力高浜3、4号機の再稼働については、県議会や地元高浜町の意見、県原子力安全専門委員会の安全面の評価、そして国や事業者から示された方針などを総合的に考え、昨年12月22日、林経済産業大臣に対し、再稼働に同意する旨を伝えたところです。
 1月29日に事業者は3号機を起動し、2月4日には定格熱出力一定運転を開始しております。なお、高浜4号機については2月3日に燃料装荷を完了し、原子炉起動に向け準備を進めている状況です。
 こうした中、原子力発電の重要性や必要性については、国の責任において国民理解をさらに促進する必要があり、県として強く要請しているところです。現在政府は大都市からエネルギー・原子力に関するシンポジウムを始めておりますが、本県においては来月16日に福井市で開く予定です。現在、県として広報誌をはじめ、新聞、テレビ、ラジオなどの様々な広報手段を利活用して、稼働に至った経緯や考え方などについて県民に対し積極的に説明を行っているところです。
 

 原子力発電所の廃炉について福井県は、「運転」と「廃炉」は一体であるとの考えでこの問題に対処しています。この廃止措置については、放射性廃棄物の処分などの特有の課題に適切に対処することが重要であり、原子炉施設の運転および廃止措置に係る一連の安全対策、環境保全や地域振興対策を継続的に実施する必要があります。このため、昨年3月廃炉に決定した美浜発電所と敦賀発電所について、通報連絡や立入調査など安全確保上のルールを廃止措置期間中にも適用するため、2月10日に安全協定を改定しました。併せて、放射性廃棄物の発生量低減や汚染除去、廃液・粉塵等による公害防止、地元企業の発展や地元雇用の促進などの地域振興について、これらをしっかりと対処するため全国で初めて新たな「協定」を締結したところです。これを受け、2月12日に事業者は、美浜1・2号機、敦賀1号機の廃止措置計画の認可申請を原子力規制委員会に対し行いました。県としては、使用済燃料の中間貯蔵施設の県外立地の着実な実行、放射性廃棄物の県外における処分場の確保、具体的な工事内容や工程等を定めた廃炉工事発注計画の速やかな作成及び地元企業への丁寧な説明について、事業者に対し求めたところであり、今後、先の新しい「協定」に基づき、事業者の計画の進捗状況等を十分確認してまいります。
 

 「もんじゅ」について、文部科学省は、昨年11月の規制委員会の勧告に対応するため、根本的な問題と原因を検証し、その在り方を検討する「『もんじゅ』の在り方に関する検討会」が昨年12月22日に設置され、本年5月を目途に検討を行うこととしています。「もんじゅ」の将来は、我が国の原子力全体の課題に深く関わっており、政府全体が一体となり責任をもって体制を立て直し、原子力政策の方向を示す機会とすべきと考えます。
 

 次に、原子力防災対策について申し上げます。
 高浜地域の広域避難対策については、昨年12月に国の地域原子力防災協議会および原子力防災会議が開かれており、県域を越える広域の避難対策等の内容が確認・了承されたところです。
 県域を越える住民参加の広域避難訓練については、国による調整が前提であり、昨年末に、丸川原子力防災担当大臣に対し、国として責任ある対応を行うよう強く求めたところです。現在、訓練の実施時期・実施方法等について、地域原子力防災協議会の作業部会において検討が進められているところです。
 

 原子力災害制圧道路については、美浜第二トンネル(仮称)が1月28日に貫通し、また敦賀半島第二トンネル工事(仮称)が仮契約を終えており、今議会での承認後、工事に着手いたします。各半島の4路線について平成31年度までの完成に向け着実に整備を進めてまいります。
 

 次に、「エネルギー研究開発拠点化計画」について申し上げます。
 原子力緊急事態に対する備えとして、電気事業連合会が整備を進めている原子力レスキューについては、昨年9月に策定した基本計画に基づき、この3月には新組織を設立して、ヘリポートと屋外訓練フィールドを先行して運用するとともに、本体施設は今年末の完成をめざし建設に着手いたします。
 

 それでは以下、主な施策の状況について申し上げます。
 まず「元気な社会」についてであります。
 人口減少対策については、「ふくい創生・人口減少対策戦略」を着実に実行し、結婚や出産・子育ての支援、雇用の場の確保、高い学力・体力の維持など、本県の「幸福」を支える基礎条件の充実を図ります。
 結婚応援については、新たに退職された教師の人たちにも「地域の縁結びさん」として協力いただくなど、応援活動を拡大します。
 

 若者のU・Iターン促進については、奨学金の返還を支援する新しい制度を創設します。特に女性のUターンを増やすため、進学者が多い関西地区において女子学生を対象とした企業セミナーを開催するとともに、女性の雇用を増やす「プラス1」企業への応援も実施します。また、学生の地元定着や県内就職につなげるため、ふるさと福井や地元企業の魅力を学生が学べる「大学連携センター」についても、4月9日にアオッサにオープンいたします。
 

 また、これら施策とともに、「愛着県民」を増やすプロジェクトを進めてまいります。本県出身者や赴任経験者、観光リピーターなど本県への想いを持つ県外に住む人たちに登録いただき、福井の旬の情報を提供し、関係を深めてまいります。また、民間事業者と連携して「愛着県民カード」を発行し、県産品の割引購入などの特典サービスが受けられる仕組みをつくり、将来の移住・定住につなげてまいります。
 

 さらに、この地方創生・人口減少対策は、県と市町が一丸となって立ち向かう必要があり、それぞれの施策や活動を上手に連携させて県全体の力をフルに発揮することが重要です。このため、市町の戦略にもとづく特色を活かした施策を応援する「新ふるさと創造推進事業」を創設し、28年度から4年間に総額10億円を支援いたします。
 

 次に、医療・福祉について申し上げます。
 初めての出産を安心して迎えられるよう、妊娠・出産から子育てまで切れ目のないサポート体制を実現いたします。出産後に産院等において安心して医療相談を受けられる仕組みを作るほか、家事支援サービスを出産前からも受けられるよう制度を拡充いたします。また、本県提案をもとに国が事業化した病児保育施設への送迎サービスを導入いたします。さらに、本県の特徴である祖父母の育児参加を促進するため、孫守り休暇の取得や育児講座を広め、日本一の子育て応援社会をさらに充実させてまいります。
 

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けた、将来の医療提供体制等を定める「地域医療構想」については、医療審議会や二次医療圏ごとの調整会議を開き、検討を進めております。今後不足が見込まれる回復期病床の整備、医師の地域偏在の解消など地域医療を支える人材の育成・確保対策についても、国の基金を活用し遅れることなく対応をしてまいります。
 

 県立病院については、3月までに「経営改革プラン」を策定したうえで、地域の医療機関との連携強化による利用者の確保や経費の抑制等に努め、安定した経営をめざします。4月からは、あらゆる血管系の疾病に対応できる「血管治療センター(仮称)」外来を開設するとともに、脳外科等の手術とカテーテル治療を同時に行えるハイブリッド手術室の整備に着手してまいります。
 

 次に、教育については、今後5年間の本県教育の目標とする「教育に関する大綱」に基づき、具体的な行動計画として12月に策定した「福井県教育振興基本計画」を着実に実行してまいります。特に、重点を置いた施策としては、子ども達がふるさとの先人の生き方を学び、自らの将来を考える「ふるさと教育推進事業」、あるいは古典を活用した「古典学習支援事業」等により、郷土の愛着や誇りを育ててまいります。また、高等学校における県独自試験の導入や県外校の優れた指導方法を取り入れた授業の改善など、進学指導体制を見直し、生徒の学力向上対策を強化する「高校生学力向上事業」を進めてまいります。
 

 さらに、平成29年4月に移転開設する教育研究所については、全国トップクラスの福井の教育をさらに次のステージへ引き上げるため、教育課題の研究推進拠点として機能を強化するとともに、学力・体力日本一を支える教育や歴史を映像や展示で発信する「教育博物館」を全国で初めて整備いたします。
 

 また、私立高等学校等においては、特色ある教育活動や学校運営に対する支援を積極的に行うほか、保護者負担の軽減を図るため、世帯年収に応じた授業料の減免措置に加え、今回新たに、学校施設の修繕や備品更新などの施設設備費等に対する助成を拡充することといたしました。
 

 次に、環境行政について申し上げます。
 地質学的年代測定の世界標準である水月湖「年縞」については、研究、教育観光の拠点となる年縞研究展示施設を若狭町鳥浜の縄文ロマンパーク内に整備いたします。次世代につながる持続可能な里山里海湖の保全・再生のシンボルとして、県産材を活用した木造施設とし、7万年の歴史を体感できるよう45mある水月湖年縞を直線で展示します。平成30年度の開館に向け、新年度は実施設計に着手するとともに、一昨年に採取した年縞を展示するための加工処理を行います。
 

 次に、「元気な産業」について申し上げます。
 最近の経済情勢については、昨年10月から12月期の実質GDP成長率が年率で1.4%減となりました。県内においても、中国をはじめとする海外経済の先行きの不透明さなど、景気の先行きを不安視する声があり、日銀が導入したいわゆるマイナス金利政策の影響を含め、引き続き県内の経済団体等と緊密な情報交換を行ってまいります。
 

 こうした経済状況のなか県では、昨年4月に見直した福井経済新戦略における3つの基本戦略のもと、県内経済のさらなる活性化をめざし、様々な施策を進めております。中でも、県内の企業の技術を結集した超小型人工衛星の開発、打ち上げ等を支援する県民衛星プロジェクトについては、国が民生分野における宇宙利用と大規模な市場の創出を進めるなか、本県においても新たな産業として育成する絶好の機会と考えております。このため、県内企業等をメンバーとする技術研究組合が行う人工衛星の製造や部材等の開発、さらには、人工衛星から得られるデータを防災・農業・監視・教育などの分野に活用するためのソフトウェア開発等を支援することとし、JAXAの協力を得て、平成31年度の打上げをめざし、プロジェクトを推進してまいります。
 

 次に、企業誘致について申し上げます。
 昨年の企業立地件数は、過去4年間で最多となった一昨年と並び新増設を合わせ32件となり、投資額と新規雇用者見込数は、それぞれ275億円、595人となりました。また、今年に入り、大阪に本社を置く家具製造業のイヌイ株式会社があわら市への進出を決定しました。  
 2月10日には日華化学株式会社の研究開発部門拡充計画を、本社機能を移転、拡充する企業に対する国の優遇税制適用の県内第2号として認定し、さらに、県税の優遇制度も新たに設けることとしております。引き続き企業誘致を積極的に進めるとともに、特に若者や女性に魅力のある本社機能の誘致に努め、学生などのU・Iターンの促進につなげてまいります。
 

 伝統工芸産業の振興につきましては、今年の11月24日から27日までの4日間、21年ぶりとなる「第33回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」をサンドーム福井で開催いたします。大会では、全国の伝統工芸士による実演や体験指導、伝統的工芸品の展示・販売のほか、海外のメディアやバイヤーを集めた産地ツアーや伝統工芸職人塾生による作品展などを予定しております。さらに、サンドームの管理会議棟について、デザインセンターを移転し3Dプリンター等の先進的な機器の整備を行い、著名なデザイナーのアドバイスが受けられるようにするなど、伝統工芸産業等の人材育成の拠点として再整備してまいります。
 

 次に、TPP協定と農林水産業の振興について申し上げます。
 TPP協定が発効した場合には、関税の撤廃などによる貿易や投資の促進が期待され、新商品開発などのイノベーションを進め、商品の海外展開を図る好機が到来します。一方、農林水産業においては、本県の試算では、米などについて輸入品との競合等が予想され、他の農産物を含めた生産額が最大で約17億円減少するなどの影響が懸念されております。このため、2月4日、国に対し、生産者が将来にわたって不安なく計画的に従事できるよう責任をもって恒久的な対策を進めることを強く要請しました。また、県としても、TPP対策本部を先日15日に開き、関連する予算約57億円を含め今後の対策をまとめました。これにより、経営の大規模化や多角化、新たな里山農業の確立、人材育成、海外等への販路拡大など、本県の農林水産業を強い産業に転換していくための施策を推進してまいります。
 

 米づくりについては、いよいよ来年度「ポストこしひかり」を、日本の米の代表となる1種に選抜いたします。平成30年度の本格販売に向けて、高価格で販売するためのブランド戦略を策定するとともに、農協と共動して生産・販売体制を整備してまいります。
 

 また、平成11年度にスタートした九頭竜川下流域のパイプライン化事業が完了し、きれいで冷たい水が4月から約1万2千ヘクタールの農地全面に安定供給されます。この日本一整備が行き届いた生産基盤を活かし、高品質米の生産やメガファームの育成を進めるほか、ミディトマト、メロン、ブドウなどの高収益品目の生産拡大や企業的園芸の導入などにより、収益性の高い農業を推進してまいります。
 

 農業人材の確保・育成については、小規模から大規模なものまですべての農業者の研修・交流拠点となる「ふくい農業ビジネスセンター」を、越前市に開設します。里山里海湖ビジネスの担い手や地域おこしのリーダーを育成するとともに、農業者と異業種の交流により、新たな農業ビジネスの創出につなげてまいります。
 

 林業については、大野市内で建設中の木質バイオマス発電施設が4月から本格稼働します。現在の間伐材の年間生産量の7割に当たる6万㎥の需要が見込まれることから、森林境界の明確化を促進しながら、コミュニティ林業の拡大や列状間伐の導入など一層の低コスト化を図ってまいります。
 

 また、平成29年6月に、23回目となる「全国花のまちづくり大会」を本県で初めて、総合グリーンセンターで開催することが決定しました。大会を契機に花づくり活動を県下に広げるとともに、「福井しあわせ元気国体・大会」に向け、緑と花の県民運動をさらに活発化させてまいります。
 

 水産業については、地球温暖化による環境変化などにより、日本海で漁獲される魚種の変化や漁獲量の減少が著しい状況となっております。このため、栽培漁業センター、国の日本海区水産研究所や県立大学の臨海研究センターがある小浜市に、安定的な資源管理や生産技術の開発、国際的な人材の育成などを行う水産学術産業の拠点を設置することをめざし、基本構想を策定してまいります。
 

 敦賀市内に整備する水産加工施設については、5月から稼働いたします。県内の定置網や底曳網で漁獲されるアカガレイの加工品などを、学校給食向けや量販店向けに供給し、地魚の消費拡大と漁家所得の向上につなげてまいります。
 

 次に、農林水産物等の海外への販路拡大策として、経済成長が見込まれる香港や台湾、シンガポール、タイなどのアジア諸国への輸出対策を強化いたします。ふくい貿易促進機構の中に、農林漁業団体や経済団体等が参画する「ふくい食輸出サポートセンター」を設置し、物産展や商談会の開催など、農林水産業、商工、観光の関係者と一体となって、新たな販路開拓や観光等の魅力発信に努めてまいります。
 

 次に、観光とブランド戦略について申し上げます。
 昨年10月から12月までの3か月間、北陸3県とJRグループ6社が連携し、北陸デスティネーションキャンペーンを展開しました。新幹線開業を契機に北陸を訪れる観光客に対し、「大永平寺展」や「北陸3県食の祭典」など、様々な特別企画やイベント等を実施いたしました。その結果、期間中のあわら温泉の宿泊者数は前年に比べ1割以上増加し25万7千人となり、主要観光地の入込数も、恐竜博物館が約5割、大本山永平寺が約3割増加するなど、前年同期の実績を大きく上回りました。
 

 また、全国に誇る観光拠点に成長した恐竜博物館について、新たにアミューズメントの核となる第2恐竜博物館整備の具体的な構想づくりを急ぐとともに、「一乗谷朝倉氏遺跡」の新たな拠点施設となる遺跡博物館整備について、平成32年夏の開館をめざし、基本設計に着手いたします。また、豊かな自然と観光資源を有する六呂師高原を、恐竜博物館と連携する奥越の観光拠点として、民間や大野市、勝山市と共動し再整備してまいります。ファミリー向けスキーパークの整備をはじめ奥越高原牧場など既存施設の機能強化など、自然やスポーツ、食等を楽しめる体験観光エリアとしての魅力を高めてまいります。


 さらに、こうした核となる観光拠点の磨き上げとともに、観光客をこれらの拠点に周遊させ、宿泊の増加につなげる滞在型の観光エリアの創出を、市町と連携して進めてまいります。来年度はエリアごとの具体的な計画を策定し、北陸新幹線敦賀開業までに国の交付金も活用しながら、県全体で6エリアに60億円余の事業費を投じるなど、本県観光地のレベルアップを強力に進めてまいります。
 

 昨年秋、4日間で18,000人の来場を得た、ミラノ万博の成果を今後の販路開拓や観光誘客に活かしてまいります。万博出展者を中心に食や伝統工芸品の事業者、行政、経済団体等が一体となって、国際的な食の展示会等に出展するなど、県産品のPRや売り込みを行ってまいります。また、外国人に関心の高い旬の観光情報を発信するとともに、外国人が福井の食文化を学び、体験できる機会を提供するなど、インバウンド対策を強化いたします。
 

 幕末明治150年となる平成30年に向けたNHK大河ドラマ誘致については、昨年11月以降、NHKへの働きかけを続けております。2月9日には、NHKの番組「知恵泉」において、由利公正が取り上げられました。また、1月、福井市で開催したシンポジウムや由利公正ゆかりのかまど「三岡へっつい」の再現をはじめ、県内金融機関や農協の320余りの本支店やJR福井駅などでのポスター等の掲示、さらに、首都圏等においても、本県偉人とゆかりのある自治体や民間団体によるPR活動を実施しております。引き続き、本県偉人の功績等を様々な手段を使って県内外へ広く発信するなど、誘致活動をさらに活発化させてまいります。
 

 次に「元気な県土」について申し上げます。
 中部縦貫自動車道については、永平寺大野道路の永平寺~上志比間において、昨年12月に轟3号橋の下部工事に着手するなど、平成28年度の全線開通に向け、順調に工事が進められております。
 大野油坂道路の大野東~和泉間においても、計画する5橋のうち白谷川橋など2橋の工事に着手しております。和泉~油坂間においては、川合地区の約9割の用地取得が完了し、その他の地区についても、地権者の方への説明など、早期の用地取得に向けた作業を進めております。
 2月4日には、県議会議長、沿線市長とともに、国土交通省に対し、平成28年度内の一日も早い永平寺大野道路の全線開通、北陸新幹線敦賀開業に合わせた平成34年度までの大野油坂道路の全線開通を直接要望いたしました。
 

 足羽川ダムについては、用地取得、工事用道路などの工事を計画どおり進めており、来年度には水海川導水トンネル工事に着手する予定となっております。県としては、引き続き関係住民の生活再建や池田町の地域振興策を国、町と連携して進めるとともに、早期完成を国に強く求めてまいります。
 

 次に、敦賀港の鞠山南地区の2期整備について申し上げます。
 ふ頭用地の整備については、昨年9月から新幹線の新北陸トンネルの建設発生土の受け入れを進めており、1月末までに5万3千㎥の土砂が搬入されております。水質汚濁防止対策などの準備工事を進め、来月上旬から海中への土砂投入を開始することとしています。
 国直轄の岸壁整備については、昨年12月24日に、県議会議長、敦賀市長等地元の方々とともに、石井国土交通大臣に対し、日本海側の港湾整備の重要性と早急な整備の必要性を強く訴えました。
 屋外広告物については、魅力ある景観形成につなげるため、新幹線沿線や観光地周辺を新たに規制するなど、地域ごとの特性に応じた設置基準見直しを内容とした条例の改正案を提案しております。また、広告物の改善が早期に進むよう、撤去等にかかる費用を市町とともに支援することとしております。
 

 次に、「元気な県政」について申し上げます。
 平成30年の「福井しあわせ元気国体」まで、あと2年、具体的には、開会式まで955日となりました。
 競技会場施設の整備については、来年度、4月1日に県営陸上競技場が供用を開始するほか、敦賀市総合運動公園プール、テクノポート福井総合公園スタジアムなど新たに10施設の工事に着手し、年度末までに、全体で建設、改修が必要な施設43施設のうち、県営体育館、坂井市三国の陸上競技場など、29施設の整備が完了する予定です。
 また、総合開・閉会式典の実施計画、選手役員等の宿泊・輸送計画、競技会場のバリアフリー化等の検討などの準備作業をさらに進めるとともに、カウントダウンボードの設置、ボランティア募集、花いっぱい運動、新県民歌や国体・大会ダンスの普及等により機運醸成にも努めてまいります。
 競技力の向上については、和歌山国体後、全ての競技団体と2年後の福井国体での総合優勝実現のための強化方針について協議し、選手獲得や、実績のある指導者の派遣の増強、競技力向上対策本部の強化など、競技団体ごとの課題と対策の確認を行いました。「スポジョブふくい」などにより、全日本級も含めたさらにレベルの高い選手の獲得や県外強豪チームとの練習機会を増やすなど、競技ごとの現状や特性に応じた対策に力を入れてまいります。さらに、県営陸上競技場などの大会本番の競技会場を利用した練習や合宿を数多く行うとともに、国体指定選手の県有施設使用料を無料化するなど、練習環境の整備も進めていきます。
 

 次に、北潟湖畔において整備を進めている芦原青年の家については、本年7月に開所を予定しております。宿泊機能を強化するとともに、周辺の自然環境を生かした野外活動や農作物の収穫体験など、地域資源や人材を活用した多様なプログラムを提供し、学校や地域と連携した体験教育の拠点施設としてまいります。
 

 次に、行財政構造改革の推進についてであります。
 県議会の意見や行財政改革推進懇談会での議論をもとに、平成30年度までを期間とする「第四次行財政改革実行プラン」を3月に策定します。新たなプランでは、職員が専門性を高め、突破力のある人材となるための「人材改革」、多様な主体と力をあわせ、行政サービスを向上する「業務改革」、成長分野に行政資源を投入する「組織・財政改革」の3つの改革を進め、政策の質の向上と健全財政の堅持をめざしてまいります。
 

 以上、予算および事業を含めて申し上げましたが、その結果、28年度当初の一般会計予算額は、前年度比0.9%増となる4,864億円を計上しました。
 歳出については、公共事業のほか、新幹線の建設負担金や国体開催のための運動公園整備など投資的な経費を、地方財政計画の伸び1.9%を上回る、前年度比2.2%、22億円余の増といたしました。
 歳入については、化学や機械など製造業の業績が好調なことから、法人二税を中心に県税収入を前年度から6.8%の増となる1,107億円余とする一方、地方交付税は、臨時財政対策債を加えた実質ベースで前年度から4.7%減の1,510億円といたしました。
 また、27年度2月補正予算については、先ほど申し上げた国の補正予算の財源を活用したふくい創生・人口減少対策や、公共事業の実施に必要な経費のほか、国庫補助事業の確定等に伴う補正および本年度内に措置が必要な経費について最終の補正を行うものであります。この結果、27年度一般会計の累計額は、4,732億円となります。これに伴い、今年度末の県債残高は5,088億円、基金残高は194億円となり、いずれも27年度を目標年次とする第三次行財政改革プランの最終目標を達成する見込みとなっております。
 

 最後に、第24号議案の福井県の部制に関する条例の一部改正については、部の所掌事務について、議会に関する事項を総合政策部から総務部に移管するとともに、国際化に関する事項を観光営業部から産業労働部に移管するなど、所要の改正を行うものであります。その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由にもとづき提案した次第です。
 

 以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題等について申し上げました。なにとぞご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 

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