開催日:平成20年1月18日

1 業務説明

(1)地域関連業務について
県警察から、「通信指令室の体制」、「交番勤務員の業務管理」、「空き交番の解消状況」等について業務説明があった。
各公安委員から、業務概要等について確認があった。
(2)インターネットの違法事案取締状況について
県警察から、「インターネットの違法取締状況」等について業務説明があった。
各公安委員から、業務概要等について確認があった。

2 警察署長会議における各警察署長の各署管内実態を踏まえた本年の業務報告に対する講評

 会議冒頭、昨日(1月17日)開催された年頭警察署長会議における、各警察署長から公安委員に対する各署管内実態を踏まえた本年の業務報告を受けて、各公安委員から次のとおり発言があった。
○「本部から各警察署に対する指示は、今までもあったと思うが、このような取組みは初めてであると思う。」
○「我々、公安委員としても、現場の状況が理解できたし、このように本部からの指示事項が、実際に現場では、どう受けとめられ、実施されているかということを把握することは大事なことであると思う。」
○「本部長は『自分の管内を良く見て取り組む』ことが重要であると言われているが、各警察署長が、実際によく現場を見て、重要課題について一生懸命取り組んでいることが報告を受ける中で感じられた。」
「各警察署長が地域を理解された上で、それぞれの地域の特徴に応じてポイントを掴んで目標設定をされていると感心した。」
○「私は、常々社員に『まず現場を知れ。』と言っているのだが、各警察署長はそういう意味でよく勉強していると感じた。」

3 包括的案件

〈報告事項〉

(1)建造物侵入ロシア人被疑者3名の逮捕について
 県警察から、昨年12月23日に越前市の新築住宅工事現場に侵入したロシア人被疑者3名を現行犯逮捕したことについて報告があり、事件概要、捜査経緯等の説明があった。
 各公安委員から、事件概要等について確認があり、県警察から、被疑者来日の背景と問題点、今後の課題等について説明があった。
(2)第3四半期の監察結果について
 県警察から、平成19年度第3四半期に実施した中部管区警察局長が行う総合・随時監察及び警察本部長が行う総合監察については、受監の結果、特に非違事案に直結する指摘事項はなく、監察日程、対象所属、監察項目ごとの評価された点等について説明があった。
 公安委員から
「福井県警が実施している、特に『考えさせる職務倫理教養』等については、警察本部長が言われている『攻めの警察体制』が、倫理観にも良い方向に定着しているのだと思う。今後も継続して指導し良い結果が出るようお願いしたい。」
旨の発言があった。
(3)街頭犯罪等抑止対策の推進状況
 県警察から、昨年、県警が一丸となって取り組んだ街頭犯罪等抑止対策の推進状況等について報告があった。
 平成19年中の刑法犯認知件数は、7,193件(対前年比229件減少)で、平成14年(13,884件)をピークとして、以後5年連続して減少したことや、街頭犯罪の8類型で見た場合、認知件数は、3,143件(対前年比90件減少)で、侵入窃盗や自動販売機ねらい等は減少したものの、車上ねらいや自転車盗などが依然として多いなど主な特徴点について説明があった。
 また、平成20年も、「ポリス・スタンバイ作戦」による「見える・見せる警察活動」を推進するとともに、ふくいマイタウン・パトロール隊等自主防犯団体活動を活性化し、街頭活動を強化することや、増加傾向にある犯罪等への重点指向、高齢者・女性・子どもの安全安心確保対策の強化、犯罪に強い住環境の整備促進など、指数治安及び県民の体感治安向上のための主な施策について説明があった。
 公安委員から
「刑法犯認知件数が5年連続で減少しているということだが、増加している県もあるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「全国では4県ほどが増加しているが、当県でも、年々減少率が少なくなってきており、底に近づいてきたという感があるため、新しい対策を次々と講じなければ厳しいと感じている。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「今後、犯罪を減少できる要素はあるのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「ライトアップ作戦のように犯罪に強い住環境を整備すれば犯罪が減少することは明白であり、また、自転車のかぎ掛け等が徹底できれば、相当減少すると考えている。」
旨の説明があった。公安委員から
「底に近づいたと諦めず、可能性に挑戦していただき、犯罪が減少するよう今後も頑張っていただきたい。」
旨の発言があった。
(4)平成19年中の交通事故発生状況と本年の重点施策について
 県警察から、平成19年中の交通事故発生状況等について報告があり、全国の交通事故による死者数は、5,744人(対前年比608人減少・54年ぶりの5,000人台)で政府目標の5,000人以下に近づいてきたこと、また、福井県の交通事故発生状況は、人身事故件数4,658件(対前年比22件減少)、死者数60人(対前年比4件減少・過去50年間で最少)、傷者数5,743人(対前年比99人減少)、総事故件数22,733件(対前年比804件減少)となって、いずれも減少し、好傾向にあることなどの説明があった。
 また、交通死亡事故の傾向としては、女性の第1当事者が増加していること、高齢者関連事故が多発していることなどの特徴があるため、今後は、「高齢者対策の推進」「飲酒運転の根絶」「歩行者・自転車利用者対策の推進」を重点に各種施策や交通指導取締りを強力に実施していく旨の説明があった。
 公安委員から
「飲酒運転取締りによる検挙件数が減ってきているということだが、危険運転ストップダイヤルや飲酒運転ストップセミナー等の各種施策の取組みにより検挙件数が減少したのであれば大変良い結果であると思う。」旨、また「人口同規模県と比較すると交通死亡事故が多いということだが、福井県が長寿県であることなどが影響しているのではないか。」
旨の質疑があり、県警察から
「高齢者の交通死亡事故の比率は同規模県と同じ約6割であることから長寿県という環境面の差が原因ではないと思う。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「飲酒運転の問題については、飲酒運転をする人は、常習的な人が非常に多いと思うので、教育的な面を徹底していかなければ、これ以上少なくすることは難しいのではないかと思う。」「また、アルコール依存症の人が増えている中、外国では教育再生期間を非常に長くとっていると聞いているが、日本では、その辺の対応とチェック機能が遅れていると思う。」
旨の発言があり、県警察から
「現在、政府で検討中であると聞いている。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「自転車が車道を走る場合に、自転車の通行帯がないので、特に高齢者等には上手く走れず非常に危険であると思う。」
旨の発言があり、県警察から
「本来、自転車は車道を走らなければならないが、『自転車通行可』の標識のある歩道については、走行することができる。福井市内では殆どの歩道が『自転車通行可』となっている。」「また、現在、全国で車道に自転車通行帯を設けることの実験段階であり、福井県でも福井と敦賀の2箇所に設置されている。効果があれば普及すると思う。」「車道の端を走っている自転車を自動車が後方からひいてしまう事故が多いことから、出来れば歩道の中に自転車通行帯があった方が安全である。」
旨の説明があった。 公安委員から
「今後、現状を見て、色々と判断していく必要があると思う。」「今年は、飲酒運転が減少することを期待している。」「結果的に交通事故件数が減ったということであり非常に良かった。引き続きよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。

4 個別決裁

(1)交通事故に係る知事専決処分について
 平成19年8月に発生した警察職員による交通事故について、地方自治法等の法令に基づき、知事専決処分の手続を経て和解を図る方針である旨の報告があり、これを了承した。
(2)県外特別派遣部隊の援助要求に対する同意について
 原発警備に係る第84次県外特別派遣部隊の援助同意を受け、これを決裁した。
(3)集団行動に関する許可事務専決状況報告書
 平成19年12月中の集団行動に関する許可事務の専決状況の報告を受け、これを了承した。
(4)福井県公安委員会等手数料徴収条例の一部改正について
 電磁的記録内蔵運転免許証の発行に伴い、福井県公安委員会手数料等徴収条例を一部改正することについて報告があり、原案のとおり了承した。

5 業務説明

公安委員会終了後、県警察から鎌谷公安委員に対して警務部の業務説明がなされた。

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