○国有財産使用生産物処分規則
大正十二年八月福井県令第五十八号
国有財産使用生産物処分規則左ノ通相定ム
国有財産使用生産物処分規則
第一条 国有財産中内務省所管ノ公共用財産ノ使用及収益並公用財産ノ使用ニ付テハ別ニ定ムルモノノ外本令ニ依ルヘシ
第二条 土地水面使用ノ許可又ハ土石砂礫竹木其ノ他生産物ノ払下ヲ受ケムトスル者ハ願書ニ左記事項ヲ具シ知事ノ許可ヲ受クヘシ
一 出願人ノ住所氏名
二 場所及其ノ面積
三 種目、使用ノ目的及方法
四 使用又ハ採取期間
五 工作物ヲ施設スルモノニ在リテハ設計書、説明書、構造図及工事著手竣功期限
土地水面使用ノ場合ニハ実測平面図及求積図、土石竹木等採取ノ場合ニハ平面略図ヲ添付スヘシ
第三条 土地水面ノ面積生産物ノ数量ハ左ノ例ニ依リ算定ス
一 面積ノ丈量ハ三斜法ニ依リ算出シ地租条例ノ規定ヲ適用ス
二 立木ハ目通周囲及枝下ノ長サヲ表ハシ株数ニ依ル
三 竹ハ本数又ハ束数（三尺縄〆）若ハ重量ニ依ル
四 土砂石類ハ立坪ヲ以テシ一立坪未満ハ合位ニ止ム石材ハ才ヲ以テシ一才未満ハ分位ニ止ム但シ合位又ハ分位未満ノ端数ハ切捨ツ
前各号ニ依リ難キモノハ其ノ地方ノ慣習ニ依ル
第四条 公共団体ノ出願ニシテ議決機関ノ決議ヲ要スヘキ事項ナルトキハ其ノ決議書謄本ヲ添付スヘシ
第五条 使用期間ハ五箇年以内トス但シ他ノ法令ニ依ルモノ及特別ノ事由アルモノニシテ五箇年以上ヲ要スル場合ハ其ノ事由ヲ具シ出願スヘシ
第六条 本令ニ依リ得タル権利ハ知事ノ許可ヲ受クルニ非サレハ他人ニ譲渡シ若ハ使用許可ヲ受ケタル土地水面ヲ他ニ転貸スルコトヲ得ズ
前項ノ規定ニ依リ権利ヲ譲受ケタル者ハ本令又ハ之ニ基キテ為ス処分若ハ其ノ条件ニ依リ譲渡人ニ生シタル権利義務ヲ承継ス
第七条 許可ヲ受ケタル者ハ相続人ハ其ノ被相続人ノ有シタル権利ヲ承継ス
前条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八条 土地水面ノ使用ヲ為ス会社ノ発起人カ会社成立ノ後ニ於テ会社ノ為ス使用ニ付許可ヲ受ケタル場合ニ於テ会社成立シタルトキハ使用ヲ為ス権利其ノ他本令又ハ之ニ基キテ為ス処分若ハ其ノ条件ニ依リ生シタル権利義務ハ会社之ヲ承継ス
第九条 許可ヲ受ケタル会社合併ニ因リテ消滅シタルトキハ使用ヲ為ス権利其ノ他本令又ハ之ニ基キテ為ス処分若ハ其ノ条件ニ依リ生シタル権利義務ハ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ成立シタル会社之ヲ承継ス
第十条 前三条ノ規定ニ依リ権利義務ヲ承継シタル者ハ其ノ承継ノ日ヨリ起算シ十四日内ニ知事ニ届出ツヘシ
第十一条 出願人ニシテ本県内ニ住所又ハ居住ヲ有セサル者ハ本県内ニ居住スル代理人ヲ選定シ出願ノ際連署スヘシ
第十二条 許可ヲ受ケタル者又ハ代理人ニシテ住所居所又ハ氏名ヲ変更シタルトキハ直ニ届出ツヘシ
第十三条 知事ニ於テ必要アリト認ムルトキハ其ノ市町村内ニ居住スル身元確実ナル保証人二人以上ヲ願書ニ連署セシムルコトアルヘシ
第十四条 知事ニ於テ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ許可ノ条件又ハ設計ノ変更若ハ特定ノ行為ヲ命スルコトアルヘシ
第十五条 許可ヲ受ケタル者其ノ義務ヲ履行セス又ハ履行不完全ナリト認ムルトキハ知事自ラ之ヲ執行シ又ハ第三者ヲシテ執行セシメ其ノ費用ハ許可ヲ受ケタル者ヨリ徴収ス
第十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ使用ヲ停止シ又ハ許可ヲ取消スコトアルヘシ
一 事実ヲ隠蔽シ又虚構シテ許可ヲ受ケタル形跡アリト認ムルトキ
二 本令又ハ許可ノ条件ニ違反シタルトキ
三 第十四条ニ依リ命シタル行為ヲ履行セサルトキ
四 公益上必要アリト認ムルトキ
五 期限内ニ著手セス又ハ成功ノ見込ナシト認ムルトキ
六 使用料又ハ払下代金ヲ指定ノ期限内ニ完納セサルトキ
第十七条 左ノ場合ニ於テ許可ヲ受ケタル者損害ヲ生スルコトアルモ知事ハ賠償ノ責ニ任セス
一 一時使用ヲ停止シ又ハ許可ヲ取消シタルトキ
二 第十四条ニ依ル命令ヲ履行セシムルトキ
三 目的物引渡ノ後其ノ数量若ハ品質ニ差異アルカ又ハ目的物ニ瑕疵アルコトヲ発見シタルトキ
第十八条 生産物ノ売払代金使用料金ハ知事ノ発スル納入告知書記載ノ期日ニ納付スヘシ
第十九条 生産物ノ売払ハ許可ノ際別ニ条件ヲ附シタルモノノ外代金納入ノ日ヲ以テ引渡シタルモノト看做ス
第二十条 特ニ許可ヲ得タル場合ノ外使用区域内ニ存スル竹木又ハ土石ヲ採取シ若ハ移転シ又ハ工作物ヲ使用スルコトヲ得ス
第二十一条 許可期間満了後之ヲ継続使用セムトスル者ハ第二条ニ準シ願書ヲ調製シ期間満了前ニ出願許可ヲ受クヘシ
第二十二条 天災事変其ノ他ノ災害ニ依リ土地水面ニ異状ヲ来タシ又ハ其ノ土地水面ニ存在ノ竹木工作物ヲ毀損亡失シタルトキハ二十日以内ニ知事ニ届出ツヘシ
第二十三条 使用期間満了シタルトキ又ハ許可ヲ取消サレタル場合ハ其ノ区域内ニ於ケル私有物件ハ五日以内ニ除去スヘシ
第二十四条 工作物ノ施設其ノ他ノ行為ニ依リ水面ヲ限界シテ漁業ヲ営ムモノハ漁業免許又ハ許可ト共ニ本令ノ許可ヲ受ケタルモノト看做ス
第二十五条 生産物ノ売払ヲ競争ニ付スル場合ニ於テ競争ニ加ハラムトスル者ハ其ノ目的物及契約書案ヲ熟知シ入札書ヲ作リ之ヲ封緘シ見積価格ノ百分ノ五以上ノ入札保証金ヲ添ヘ入札場ニ差出スヘシ但シ入札書及入札保証金ハ書留郵便ニテ差出スコトヲ得
第二十六条 左ノ場合ニ於テハ其ノ入札ヲ無効トス
一 入札ノ要点ヲ認知シ難キトキ
二 入札保証金ノ不足ナルトキ又ハ之ヲ差出ササルトキ
三 脅迫結託其ノ他不正ノ方法ニ依リ入札シタリト認ムルトキ
四 前条但書ノ入札ニシテ期限内ニ到達セサルトキ
五 前各号ノ外入札ノ規定ニ違反シタルトキ
第二十七条 入札入落札ノ通告ヲ受ケタルトキハ三日以内ニ契約ヲ締結スヘシ
前項ノ場合ニ於テハ落札金額百分ノ十ニ相当スル金額ヲ契約保証金トシテ差出スヘシ
入札保証金ハ契約保証金ヲ差出シタル後之ヲ還付シ契約保証金ハ契約履行ノ後之ヲ還付ス
第二十八条 落札セサル者ノ入札保証金ハ開札後之ヲ還付ス
第二十九条 落札人第二十七条ノ期間内ニ契約ヲ締結セサルトキハ其ノ落札ヲ取消シ入札保証金ハ国庫ノ所得トス
第三十条 第十六条第一号乃至第三号ニ該当シ契約ヲ解除シタルトキハ其ノ契約保証金ハ国庫ノ所得トス
第三十一条 、第三十二条 削除
附 則
第三十三条 本令ハ大正十二年八月十日ヨリ之ヲ施行ス
第三十四条 大正八年三月福井県令第二十号官有土地水面及生産物処分規則及福井県訓令第十号官有土地水面及生産物処分規則取扱手続ハ之ヲ廃止ス
第三十五条 本令施行前ニ為シタル処分及之ニ附シタル条件ハ本令ニ依リ為シタル処分及之ニ附シタル条件ト看做ス