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○福井県遊泳者の事故防止に関する条例
平成五年三月二十五日福井県条例第三号
福井県遊泳者の事故防止に関する条例を公布する。
福井県遊泳者の事故防止に関する条例
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 海水浴場(第三条―第九条)
第三章 遊泳者保護区域(第十条―第十六条)
第四章 プレジャーボート(第十七条・第十八条)
第五章 雑則(第十九条)
第六章 罰則(第二十条・第二十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、海水浴場における事故を防止し、もって遊泳者の安全の確保を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 海等 海およびこれに接続する岸をいう。
二 海水浴場 海等において遊泳しようとする者の利便に供するための休憩所、更衣所、シャワー所等(以下「海水浴場施設」という。)が設けられること等により、公衆が遊泳のために利用することができるものとして環境が整備された当該海等の特定の区域をいう。
三 遊泳者 海水浴場において遊泳している者をいう。
四 遊泳場 海水浴場のうち、公衆の遊泳に適する区域として当該海水浴場の開設者が区画した区域をいう。
五 遊泳者保護区域 第十条第一項の規定により指定された区域をいう。
六 船舶 水上輸送の用に供する動力船(機関を用いて推進する船をいう。)および帆船(帆を用いて推進する船をいう。)をいう。
七 プレジャーボート 船舶のうち、スポーツまたはレクリエーションの用に供するモーターボート、水上オートバイ、ヨット、セールボードその他これらに類するものをいう。
第二章 海水浴場
(海水浴場開設計画の届出)
第三条 海水浴場施設を設けることにより海水浴場を開設しようとする者は、福井県公安委員会規則(以下「公安委員会規則」という。)で定めるところにより、共同して、当該海水浴場施設に係る海水浴場の開設に関する計画を作成し、当該海水浴場施設を設けようとする日の三十日前までに、福井県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に届け出なければならない。
2 前項の計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 氏名および住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地)
二 海水浴場の名称
三 海水浴場の区域
四 海水浴場の開設期間
五 遊泳場の区域
六 海水浴場に設けられる施設および設備の概要
七 第五条に規定する水難事故防止等の措置の概要
(変更の届出)
第四条 前条第一項の規定による届出をした者(以下「海水浴場開設者」という。)は、同条第二項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、あらかじめ、公安委員会規則で定めるところにより、その旨を公安委員会に届け出なければならない。
(海水浴場開設者の水難事故防止等の措置)
第五条 海水浴場開設者は、当該海水浴場における遊泳者に係る水難事故の防止等を図るため、次に掲げる措置をとらなければならない。
一 海水浴場の区域を看板その他適切な方法により明示するとともに、遊泳場を浮標、立標または旗等で標示すること。
二 海水浴場の見やすい場所に公安委員会規則で定める遊泳者等の遵守事項を記載した看板もしくは張り紙等を掲示し、または当該遵守事項を放送設備により放送する等必要な広報を行うこと。
三 浮輪、ロープ、ボートその他水難救助に通常必要と認められる用具を備えること。
2 海水浴場開設者は、水難救助を行うために必要な知識および能力を有する者を置くよう努めなければならない。
(特定海水浴場の表示等)
第六条 公安委員会は、海水浴場開設者が前条第一項および第二項で規定する水難事故の防止等の措置をとっていると認めるときは、当該海水浴場が特定海水浴場である旨を当該海水浴場開設者に通知するものとする。
2 前項の規定による通知を受けた海水浴場開設者は、当該海水浴場が特定海水浴場である旨を公安委員会規則で定めるところにより表示することができる。
(公安委員会の指示)
第七条 公安委員会は、海水浴場開設者が第五条第一項各号に掲げる措置をとっていないと認めるときは、当該海水浴場開設者に対し、当該措置をとるよう指示することができる。
2 公安委員会は、前条第一項の規定による通知を受けた海水浴場開設者が、当該海水浴場において特定海水浴場として必要な水難事故の防止等の措置をとっていないと認めるときは、当該通知を取り消すとともに、当該海水浴場開設者に対し、特定海水浴場である旨の表示を中止することを指示することができる。
(遊泳場での危険な器具の携帯禁止)
第八条 何人も、正当な理由がないのに、水中銃、もりその他人の身体に危害を及ぼすおそれのある器具を遊泳場で携帯してはならない。
2 警察官は、前項の規定に違反している者に対し、当該違反行為を中止することを指示することができる。
(遊泳上の遵守事項)
第九条 何人も、海水浴場において、第五条第一項第二号の遵守事項を守り、自ら水難事故の防止に努めなければならない。
第三章 遊泳者保護区域
(遊泳者保護区域の指定)
第十条 公安委員会は、海水浴場に船舶が航行し、遊泳者と船舶との混在が生じるおそれがあり、または生じているため、遊泳者と船舶との衝突等により遊泳者が受ける危害を防止する必要があると認めるときは、期間を限って、当該海水浴場のうち特定の区域を遊泳者保護区域として指定することができる。
2 公安委員会は、前項の規定による遊泳者保護区域の指定に当たっては、海水浴場開設者および関係市町長の意見を聴かなければならない。
一部改正〔平成一七年条例六五号〕
(遊泳者保護区域の指定の申出)
第十一条 海水浴場開設者は、当該海水浴場に船舶が航行し、遊泳者と船舶との混在が生じるおそれがあり、または生じている場合は、公安委員会規則で定めるところにより、公安委員会に対し、遊泳者保護区域の指定をするよう申し出ることができる。
(遊泳者保護区域の指定の公示)
第十二条 公安委員会は、遊泳者保護区域の指定をするときは、公安委員会規則で定める事項を公示するとともに、当該海水浴場の海水浴場開設者にその旨通知するものとする。
2 遊泳者保護区域の指定は、前項の規定による公示によってその効力を生ずる。
(遊泳者保護区域の標示)
第十三条 前条第一項の規定による通知を受けた海水浴場開設者は、当該遊泳者保護区域を公安委員会規則で定める方法その他適切な方法により標示するものとする。
(遊泳者保護区域の指定の変更または解除)
第十四条 第十条第二項から前条までの規定は遊泳者保護区域の指定の変更について、第十条第二項から第十二条までの規定は遊泳者保護区域の指定の解除について準用する。
(遊泳者保護区域における禁止行為)
第十五条 何人も、遊泳者保護区域において船舶を航行させてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 水難事故発生時において救助に従事する場合
二 海水浴場開設者が当該海水浴場における水難事故を防止するため必要な場合
三 国または地方公共団体が水難事故の防止、海等の管理その他行政目的を達成するため必要な場合
四 次条第一項の許可を受けた場合
2 警察官は、前項の規定に違反している者に対し、当該違反行為を中止することを指示することができる。
(遊泳者保護区域における船舶航行の許可)
第十六条 催物(花火大会、水上パレード、ボート競争、水泳競技大会その他の催物をいう。以下同じ。)を開催しようとする者は、当該催物のため遊泳者保護区域に船舶を航行させる場合は、公安委員会の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、催物を開催する日の十日前までに、次に掲げる事項を記載した許可申請書を、公安委員会に提出しなければならない。
一 氏名および住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地)
二 催物の名称
三 催物を開催する場所および日時
四 催物の形態
五 遊泳者保護区域を航行する船舶の数およびその日時
六 遊泳者保護区域における事故を防止するためにとる措置の概要
3 公安委員会は、前項の許可の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、許可をしなければならない。
一 遊泳者保護区域における遊泳者の安全に支障を及ぼすおそれがないと認められるとき。
二 許可に付された条件に従って行われることにより遊泳者保護区域における遊泳者の安全に支障を及ぼすおそれがなくなると認められるとき。
4 公安委員会は、前項の許可をする場合において、遊泳者保護区域における遊泳者に対する危険を防止するため必要があると認めるときは、当該許可に条件を付することができる。
第四章 プレジャーボート
(プレジャーボート操船者の遵守事項)
第十七条 何人も、海水浴場においてプレジャーボートを操船する場合は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 飲酒、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な航行ができない状態にあるときは、プレジャーボートを操船しないこと。
二 周囲の状況に応じ、遊泳者に危害を及ぼさないような速度と方法で航行すること。
三 航行中に人を死傷させ、または物を損壊したときは、直ちに負傷者を救護する等適切な措置を講ずるとともに、速やかに最寄りの警察署(交番その他の派出所または駐在所を含む。以下同じ。)の警察官に当該事故の発生した日時、場所および概要ならびに当該事故について講じた措置を報告すること。
一部改正〔平成六年条例三二号〕
(プレジャーボート提供業者等の責務)
第十八条 海水浴場におけるプレジャーボートの利用に伴う事故の防止を図るため、プレジャーボート提供業者(海等およびその周辺において、人の需要に応じてプレジャーボートを賃貸その他の方法により利用させる業を営む者をいう。以下この条において同じ。)またはマリーナ業者(海等およびその周辺において、人の需要に応じてプレジャーボートを係留し、または保管する業を営む者をいう。以下この条において同じ。)は、次に掲げる措置をとるよう努めなければならない。
一 プレジャーボート利用者(当該プレジャーボート提供業者の業の用に供するプレジャーボートを利用する者または当該マリーナ業者が係留し、もしくは保管するプレジャーボートを航行させる者をいう。以下この条において同じ。)に対し、遊泳場および遊泳者保護区域の位置その他遊泳者の安全を確保するため必要な情報を提供すること。
二 プレジャーボート利用者が飲酒、過労、病気、薬物の影響その他の理由により正常な航行ができない状態にあると認めるときは、その者にプレジャーボートを利用させないこと。
三 浮輪、ロープ、ボートその他水難救助に通常必要と認められる用具を備えること。
四 プレジャーボート利用者に対し、プレジャーボートを利用中に人を死傷させ、または物を損壊したときは、直ちに負傷者を救護する等適切な措置を講ずるとともに、速やかに最寄りの警察署の警察官に報告するよう指導すること。
五 プレジャーボート利用者に係る水難事故の発生を知ったときは、直ちに最寄りの警察署の警察官に通報すること。
第五章 雑則
第十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。
第六章 罰則
第二十条 第三条第一項もしくは第四条の規定による届出をせず、または虚偽の届出をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第六条第一項の規定による通知を受けずに同条第二項の規定による表示をした者
二 第七条第一項または第二項の規定による公安委員会の指示に従わなかった者
三 第十五条第二項の規定による警察官の指示に従わなかった者
四 第十六条第一項の許可を受けないで催物を開催し、または同項の許可を受けるため虚偽の申請をした者
五 第十六条第四項の規定により許可に付された条件に違反して催物を開催した者
3 第八条第二項の規定による警察官の指示に従わなかった者は、五万円以下の罰金に処する。
第二十一条 法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対しても、同条の罰金刑を科する。
附 則
この条例は、平成五年五月一日から施行する。ただし、第二十条および第二十一条の規定は、平成五年十月一日から施行する。
附 則(平成六年条例第三二号)
この条例は、平成六年十一月一日から施行する。
附 則(平成一七年条例第六五号抄)
(施行期日)
1 この条例は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一から四まで 略
五 前各号および次号に掲げる規定以外の規定 平成十八年三月三日



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