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○福井県婦人保護施設の設備および運営の基準に関する条例
平成二十四年十二月二十日福井県条例第七十四号
福井県婦人保護施設の設備および運営の基準に関する条例を公布する。
福井県婦人保護施設の設備および運営の基準に関する条例
(趣旨)
第一条 この条例は、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第六十五条第一項の規定により、売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第三十六条に規定する婦人保護施設の設備および運営に関する基準を定めるものとする。
(定義)
第二条 この条例で使用する用語は、売春防止法で使用する用語の例による。
(基本方針)
第三条 婦人保護施設は、入所者に対し、健全な環境のもとで、社会福祉事業に関する熱意および能力を有する職員により、社会において自立した生活を送るための支援を含め、適切な処遇を行うよう努めなければならない。
2 婦人保護施設の職員は、入所者の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。
3 婦人保護施設は、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講ずるよう努めなければならない。
(最低基準と婦人保護施設)
第四条 婦人保護施設は、この条例で定める基準を超えて、常に、その設備および運営を向上させるよう努めなければならない。
(構造設備の一般原則)
第五条 婦人保護施設の配置、構造および設備は、日照、採光、換気等入所者の保健衛生に関する事項、入所者に対する危害の防止および防災について十分考慮されたものでなければならない。
(非常災害対策)
第六条 婦人保護施設は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報および連絡体制を整備し、それらを定期的に職員に周知しなければならない。
2 婦人保護施設は、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。
(苦情への対応)
第七条 婦人保護施設は、その行った処遇に関する入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等必要な措置を講じなければならない。
2 婦人保護施設は、その行った処遇に関し、売春防止法第三十四条に規定する婦人相談所から指導または助言を受けた場合には、当該指導または助言に従って必要な改善を行わなければならない。
3 婦人保護施設は、社会福祉法第八十三条に規定する運営適正化委員会が行う同法第八十五条第一項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
(帳簿の整備)
第八条 婦人保護施設は、設備、職員、会計および入所者の処遇の状況に関する帳簿を整備しておかなければならない。
(職員)
第九条 婦人保護施設には、施設長、入所者を指導する職員、調理員および施設のその他の業務を行うために必要な職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する施設にあっては、調理員を置かないことができる。
2 婦人保護施設の職員は、専ら当該婦人保護施設の職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者等の処遇に支障がない場合には、この限りではない。
(施設長の資格要件)
第十条 施設長は、施設を運営する能力と熱意を有する者であって、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
一 三十歳以上の者であって、社会福祉主事の資格を有するものまたは社会福祉事業もしくは更生保護事業に三年以上従事したものであること。
二 罰金以上の刑に処せられたことのない者であること。
三 心身ともに健全な者であること。
(設備)
第十一条 婦人保護施設の建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。次項において同じ。)または準耐火建築物(同条第九号の三に規定する準耐火建築物をいう。次項において同じ。)でなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、知事が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建ての婦人保護施設の建物であって、火災時における入所者の安全性が確保されているものと認めたときは、耐火建築物または準耐火建築物とすることを要しない。
3 婦人保護施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。
一 事務室
二 相談室
三 宿直室
四 居室
五 集会室兼談話室
六 静養室
七 医務室
八 作業室
九 食堂
十 調理室
十一 洗面所
十二 浴室
十三 便所
十四 洗濯室
十五 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備
4 婦人保護施設の設備の基準は、規則で定める。
(自立の支援等)
第十二条 婦人保護施設は、入所者の自立を支援するため、入所者の就労および生活に関する指導および援助を行わなければならない。
2 前項の指導および援助は、入所者の私生活を尊重して行わなければならない。
3 婦人保護施設は、入所者の起床、就寝、食事、入浴その他の日常生活に関する事項についての規程を定めなければならない。
4 婦人保護施設は、入所者の自立を促進するため、各入所者ごとに自立促進計画を作成しなければならない。
(給食)
第十三条 給食は、食品の種類および調理方法について栄養ならびに入所者の身体的状況および()好を考慮したものでなければならない。
2 調理は、あらかじめ作成された献立に従って行わなければならない。
3 栄養士を置かない婦人保護施設にあっては、献立の内容、栄養価の算定および調理の方法について保健所等の指導を受けなければならない。
(保健衛生)
第十四条 婦人保護施設は、入所者については、毎年二回以上定期に健康診断を行わなければならない。
2 婦人保護施設は、居室その他入所者が常時使用する設備について、常に清潔にしなければならない。
3 婦人保護施設は、入所者の使用する食器その他の設備または飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、または衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品、衛生材料および医療機械器具の管理を適正に行わなければならない。
4 婦人保護施設は、当該婦人保護施設において感染症が発生し、またはまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(給付金として支払を受けた金銭の管理)
第十五条 婦人保護施設は、当該婦人保護施設の設置者が入所者に係る婦人保護施設の設備及び運営に関する基準(平成十四年厚生労働省令第四十九号)第十四条の二の給付金(以下この条において「給付金」という。)の支給を受けたときは、給付金として支払を受けた金銭を規則に定めるところにより適正に管理しなければならない。
(関係機関との連携)
第十六条 婦人保護施設は、婦人相談所、福祉事務所、警察署、母子・父子福祉団体、公共職業安定所、職業訓練施設その他の関係機関および婦人相談員、母子・父子自立支援員、民生委員、児童委員、保護司その他の関係者と密接に連携しなければならない。
一部改正〔平成二六年条例五五号〕
(秘密保持等)
第十七条 婦人保護施設の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者またはその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 婦人保護施設は、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者またはその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
(事故発生時の対応)
第十八条 婦人保護施設は、入所者の処遇により事故が発生した場合は、速やかに県、市町、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 婦人保護施設は、前項の事故の状況および事故に際して採った処置について記録しなければならない。
3 婦人保護施設は、入所者の処遇により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
(規則)
第十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成二十五年四月一日から施行する。
附 則(平成二六年条例第五五号)
この条例は、公布の日から施行する。



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