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○福井県議会基本条例
平成二十六年三月二十日福井県条例第四十四号
福井県議会基本条例を公布する。
福井県議会基本条例
目次
前文
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 議会運営の原則(第五条―第七条の二)
第三章 議会と県民との関係(第八条―第十一条)
第四章 議会と知事等との関係(第十二条―第十四条)
第五章 議会の権能の強化(第十五条―第十九条)
第六章 議員の責務と活動(第二十条―第二十六条)
第七章 議会改革の推進(第二十七条・第二十八条)
第八章 議会局等(第二十九条・第三十条)
第九章 補則(第三十一条)
附則
我が国の地方自治を取り巻く環境は、平成十二年四月のいわゆる地方分権一括法の施行以来、地方分権改革の流れが加速しており、地方公共団体の責任による自己決定の範囲が拡大するとともに、その役割が確実に増大している。
このような中、地方公共団体は、自主性や自立性をより一層高め、地方自治の本旨に基づき、住民の意思が十分に反映される真の地方自治を実現していくことが求められている。
住民が地方公共団体の議会の議員および長を直接選挙するという二元代表制の下、県議会は、条例、予算等県政の重要事項に関する県の意思を決定するとともに、知事その他の執行機関を監視する役割を担っている。
このため、県議会は、県民の代表である議員により構成される議事機関として、多様な県民の意見を踏まえ、公正かつ公平に議論を行いつつ、政策提言等に努める等、真の地方自治の実現のために、その役割を果たしていかなければならない。
ここに本県議会は、県議会の基本理念等を明らかにし、県民の負託にこたえる議会を将来にわたって構築することにより、県民福祉の向上と県勢の発展に寄与することを決意し、この条例を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、福井県議会(以下「議会」という。)の基本理念を明らかにし、議会の役割、基本方針、運営の原則等議会に関する基本的事項を定めることにより、県民の負託に的確にこたえられる議会を確立し、もって県民福祉の向上および県勢の発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第二条 議会は、県民の代表である議員により構成される議事機関として、多様な県民の意見を踏まえ、公正かつ公平で透明性を持った議論により、最善の議決を行うとともに、執行機関の監視と政策立案の機能を最大限に発揮することによって、真の地方自治の実現を目指すものとする。
(議会の役割)
第三条 議会は、前条の基本理念にのっとり、次に掲げる役割を担う。
一 県民を代表する議事機関として、県の意思を決定すること。
二 知事その他の執行機関(以下「知事等」という。)の事務の執行について、監視および評価を行うこと。
三 県政の課題に関し、政策の立案および提言を行うこと。
四 県民の意思に基づき、意見書、決議等により、国等に意見表明を行うこと。
(基本方針)
第四条 議会は、前条の役割を果たすため、次に掲げる基本方針に基づいて議会活動を行う。
一 第二条の基本理念をあらゆる議会活動の共通理念として堅持すること。
二 県政の課題、県民の意思、社会情勢の変化等県を取り巻く現状を的確に把握すること。
三 県民の多様な意見を踏まえて十分な議論を行い、県政に反映させること。
四 知事等との緊張関係を保ちつつ、自主性および自立性を高めること。
五 公正かつ公平な議論を行うこと。
六 知事等の事務の執行に対し、適切に監視および評価を行うこと。
七 政策の立案および提言に係る機能を強化すること。
八 会議および委員会(以下「会議等」という。)における審議過程の透明性を高めること。
九 県民への情報の公開および提供に努める等発信力を高めること。
十 県民から信頼される議会づくりのための不断の改革に努めること。
第二章 議会運営の原則
(議会運営の原則)
第五条 議会は、議事機関として議決責任を深く認識し、公正かつ公平な運営を行わなければならない。
2 議会は、合議制の機関として、その機能が十分に発揮されるよう、円滑かつ効果的な運営を行わなければならない。
3 議会は、県民に開かれた透明性の高い運営に努めなければならない。
4 議会は、言論の府として、議員相互間の討議等により、活発な議論が行われるよう努めなければならない。
(会期)
第六条 議会の会期は、県政の課題に的確かつ柔軟に対応するため、適切に会議を開くことができるよう定められなければならない。
(委員会)
第七条 常任委員会は、県政の課題に応じて機動的に開催され、その機能が十分に発揮されるよう運営されなければならない。
2 議会運営委員会は、円滑で効果的な議会運営が行われるよう、その機能が十分に発揮されなければならない。
3 特別委員会は、県政の課題に対応するため必要がある場合に設置され、その機能が十分に発揮されるよう運営されなければならない。
(緊急事態への対応)
第七条の二 議会は、大規模な災害、感染症その他の緊急事態の発生に際し、議会としての対応が必要と認められるときは、議会の役割を果たすため必要な対応を行うものとする。
2 議会は、前項の対応を迅速かつ的確に行うために必要な体制の整備その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
追加〔令和四年条例二六号〕
第三章 議会と県民との関係
(県民の意思の把握等)
第八条 議会は、公聴会、参考人の制度等を活用することにより、県政の課題に対する実情および県民の多様な意思を的確に把握するよう努めなければならない。
(県民の意思の反映)
第九条 議会は、少数意見に配慮しつつ、十分な議論を行い、県民の意思を県政に反映させるよう努めるものとする。
(県民への説明責任)
第十条 議会は、議会活動について、次に掲げるところにより、県民に対して説明責任を果たすものとする。
一 会議等を原則として公開とすること。
二 議案に対する会派等の賛否を速やかに公表すること。
三 前二号に掲げるもののほか、議会活動に係る情報を適切に公開し、および提供すること。
2 議会は、県民が会議等を傍聴しやすい環境を整備し、会議等の公開の実効性を確保するよう努めなければならない。
(広報の充実)
第十一条 議会は、県民に開かれた議会を実現するため、多様な広報媒体の活用により、議会活動に関する広報の充実に努めるものとする。
第四章 議会と知事等との関係
(基本原則)
第十二条 議会は、議決権を有する機関として、執行権を有する知事等との権能の違いを踏まえ、緊張ある関係を保ちつつ、その機能を最大限に発揮しなければならない。
(議会の説明要求)
第十三条 議会は、次に掲げる場合は、知事等に対し、その内容の説明を求めることができる。
一 予算を調製したとき。
二 県政に係る基本計画等の重要な政策または施策について、基本方針その他これに類するものを作成し、または変更するとき。
2 知事等は、議会からの説明要求および会議等における質問に対しては、適切に対応するものとする。
(議会の資料要求)
第十四条 議会は、議案の審議の充実を図るため、知事等に対し、当該審議に関係する事項について資料の提供を求めることができる。この場合において、知事等は、適切に対応するものとする。
第五章 議会の権能の強化
(質問の方法)
第十五条 議会は、会議等において質疑および質問を行うに当たっては、県民にわかりやすく、かつ、議論が深まる効果的な方法により実施するものとする。
(政策の立案および提言)
第十六条 議会は、条例の制定および改廃、議案の修正、決議等を通じて、積極的に政策の立案および提言を行うものとする。この場合において、知事等は、事務の執行に当たっては、その趣旨を尊重するものとする。
(予算審議の強化)
第十七条 議会は、予算に関する議案を審査し、および調査する機能の充実強化に努めるものとする。
(調査権)
第十八条 議会は、委員会において県の事務および県政の課題の解決に資するための調査を行うほか、必要に応じて、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号。以下「法」という。)第百条第一項の規定に基づく県の事務に関する調査を行うものとする。
(制度の積極的活用)
第十九条 議会は、法第九十六条第二項の規定に基づく議決事件の追加、法第百条の二の規定に基づく専門的事項に係る調査の委託等議会の権限に関する制度を積極的に活用するものとする。
第六章 議員の責務と活動
(議員の責務)
第二十条 福井県議会議員(以下「議員」という。)は、議会活動を行うに当たっては、県民の代表として、県政の課題およびこれに対する県民の意思を的確に把握し、県政に反映させるよう努めることにより、県民の負託にこたえるものとする。
(議員の活動)
第二十一条 議員は、県政の課題について、必要な情報収集、調査および研究を行うとともに、資質の向上を図るために自己研さんに努めるものとする。
(政治倫理)
第二十二条 議員は、議員としてふさわしい品位を保持するよう、別に定める政治倫理に関する条例を遵守するものとする。
(会派)
第二十三条 議員は、議会の活動を円滑に行うこと等のため、会派を結成することができる。
2 会派は、会派間の協議、調整等を行うこと等により、円滑かつ効率的な議会の運営に努めるものとする。
(議員定数および選挙区)
第二十四条 議員の定数および選挙区は、議会が県民の意思を県政に反映する機能を十分に発揮できるよう定められなければならない。
(議員報酬)
第二十五条 議員の議員報酬は、その責務に見合うものとなるよう定められなければならない。
(政務活動費)
第二十六条 政務活動費は、議会の議員の調査研究その他の活動に資するため、別に定めるところにより、会派および議員に交付されるものとする。
第七章 議会改革の推進
(議会改革検討組織の設置)
第二十七条 議会は、継続的な議会改革を推進するため、議員で構成する検討組織を設置する。
(交流および連携の推進)
第二十八条 議会は、他の地方公共団体の議会等との交流および連携を図るよう努めるものとする。
第八章 議会局等
全部改正〔令和元年条例二号〕
(議会局)
第二十九条 議会は、議会の政策立案に関する機能の強化および議会活動の円滑かつ効率的な実施に資するため、議会局の機能の強化および組織体制の整備に努めるものとする。
2 議会は、議会の自主性および自立性を確保するため、議会局に専門的知識を有する者を任用するよう努めるとともに、職員の専門性を高めるために研修等必要な措置を講ずるものとする。
一部改正〔令和元年条例二号〕
(議会図書室)
第三十条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の機能の強化に努めるものとする。
第九章 補則
(他の条例との関係)
第三十一条 議会に関する他の条例等を制定し、または改廃する場合においては、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図るものとする。
附 則
この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。
附 則(令和元年五月二一日条例第二号)
この条例は、令和元年六月一日から施行する。
附 則(令和四年七月一一日条例第二六号)
この条例は、公布の日から施行する。



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