○福井県ふぐの処理に関する条例

平成12年3月21日

福井県条例第16号

福井県ふぐの処理に関する条例を公布する。

福井県ふぐの処理に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、ふぐの処理について必要な規制を行うことにより、ふぐの毒による食中毒の発生を防止することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 処理 ふぐの卵巣、肝臓その他規則で定める有毒部位(以下「有毒部位等」という。)を除去し、または塩蔵する等により、人の健康を損なわないようにすることをいう。

(2) ふぐ処理師 次条第1項の免許を受けた者をいう。

(3) ふぐ処理施設 食品衛生法(昭和22年法律第233号)第55条第1項の許可を受けた営業に係る施設のうちふぐを取り扱う営業に係る施設であって、県内に所在するものをいう。

(一部改正〔令和3年条例12号・4年12号〕)

(免許の申請等)

第3条 業として処理に従事しようとする者は、規則で定めるところにより、知事の免許を受けなければならない。ただし、ふぐ処理師(第13条の規定により業として行う処理の停止を命じられた者を除く。)の監督の下にその指示を受けて業として処理に従事する者(以下「ふぐ処理補助者」という。)については、この限りでない。

2 前項の免許を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書に、規則で定める書類を添えて知事に提出しなければならない。

(1) 氏名および生年月日

(2) 本籍地の都道府県名(日本の国籍を有しない者については、その国籍)および住所

(3) 次条第1項第1号に該当する場合には、その旨

(4) 次条第1項第2号に該当すると思料する場合には、その理由

(一部改正〔令和2年条例47号・3年12号・4年12号〕)

(免許の要件等)

第4条 知事は、前条第1項の免許の申請があった場合において、申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の免許を与えなければならない。

(1) 第9条に規定するふぐ処理師試験に合格した者

(2) 前号に掲げる者と同等以上の知識および技能を有すると知事が認める者

2 前項の規定にかかわらず、知事は、申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、前条第1項の免許を与えてはならない。

(1) 第13条または第14条第1項もしくは第2項の規定によりその免許を取り消された後1年を経過していない者

(2) 他の都道府県、保健所を設置する市および特別区においてふぐの処理に関する免許等を受けた者のうち、当該免許等の取消処分(当該免許等を受けている者からの申請等に基づきなされるものを除く。)を受けた後1年を経過しない者

3 第1項の規定にかかわらず、知事は、申請者が次の各号のいずれかに該当するときは、前条第1項の免許を与えないことがある。

(1) 心身の故障によりふぐ処理師の業務を適正に行うことができない者として規則で定めるもの

(2) 麻薬、あへん、大麻または覚醒剤の中毒者

(3) 罰金以上の刑に処せられた者

4 知事は、申請者が前項第1号に掲げる者に該当すると認め、前条第1項の免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあったときは、知事の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

5 免許は、ふぐ処理師名簿(以下「名簿」という。)に登録することによって行う。

6 知事は、前条第1項の免許を与えたときは、ふぐ処理師免許証(以下「免許証」という。)を交付するものとする。

(一部改正〔平成13年条例49号・令和4年12号〕)

(名簿の訂正等)

第5条 ふぐ処理師は、第3条第2項第1号または第2号に掲げる事項に変更があったときは、規則で定めるところにより、速やかに、名簿の訂正を知事に届け出なければならない。この場合において、免許証の記載事項に変更を生じたときは、免許証の書換交付を申請しなければならない。

(一部改正〔令和4年条例12号〕)

(免許証の再交付等)

第6条 ふぐ処理師は、免許証を破り、汚し、または失ったときは、規則で定めるところにより、速やかに、知事に免許証の再交付を申請しなければならない。

2 免許証を破り、または汚したふぐ処理師が前項の規定による申請をする場合には、申請書にその免許証を添えなければならない。

3 ふぐ処理師は、第1項の規定により免許証の再交付を受けた場合において、失った免許証を発見したときは、直ちに、これを知事に返納しなければならない。

(一部改正〔令和4年条例12号〕)

(名簿の登録の消除)

第7条 名簿の登録の消除を届け出る場合には、規則で定めるところにより、免許証を添えて知事にその旨を届け出なければならない。

2 ふぐ処理師が死亡し、または失踪の宣告を受けたときは、戸籍法(昭和22年法律第224号)第87条第1項に掲げる同居の親族またはその他の同居者は、規則で定めるところにより、速やかに、免許証を添えてその旨を知事に届け出なければならない。

(全部改正〔令和4年条例12号〕)

(ふぐ処理師の遵守事項)

第8条 ふぐ処理師は、業として処理に従事するに当たっては、次の事項を遵守しなければならない。

(1) 有毒部位等は、完全に除去すること。

(2) 冷凍したふぐを使用するときは、摂氏マイナス18度以下で急速に冷凍したものを用いること。

(3) 冷凍したふぐを解凍するときは、流水等を用いて迅速に行うとともに、解凍したふぐは、直ちに処理を行い、再び冷凍しないこと。

(4) 除去した有毒部位等は、施錠することができる専用の不浸透性の容器に入れ、他の食品または廃棄物に混入しないように保管すること。

(5) ふぐの毒が残留しないように、処理に使用した器具を完全に洗浄すること。

(6) ふぐ処理施設以外の場所で、処理に従事しないこと。

(7) ふぐ処理補助者に処理を行わせるときは、当該ふぐ処理補助者を適切に監督すること。

2 ふぐ処理師は、免許証を他人に譲渡し、または貸与してはならない。

(一部改正〔令和4年条例12号〕)

(ふぐ処理師試験の実施)

第9条 ふぐ処理師試験は、ふぐ処理師として必要な知識および技能について、規則で定めるところにより、知事が行う。

(全部改正〔令和4年条例12号〕)

(ふぐ処理師試験委員会)

第10条 ふぐ処理師試験の実施に関する事務を行わせるため、福井県ふぐ処理師試験委員会を置く。

2 福井県ふぐ処理師試験委員会に関し必要な事項は、規則で定める。

(全部改正〔令和4年条例12号〕)

(受験資格)

第11条 ふぐ処理師試験は、学校教育法(昭和22年法律第26号)第57条に規定する者でなければ、受けることができない。

(全部改正〔令和4年条例12号〕)

(不正行為に対する処分)

第12条 知事は、受験者がふぐ処理師試験に関して不正の行為をしたときは、その者の受験を停止し、または合格を取り消すものとする。

(全部改正〔令和4年条例12号〕)

(ふぐ処理師の処理の停止等)

第13条 知事は、ふぐ処理師が第8条の規定に違反したときは、当該ふぐ処理師に対し、必要な措置をとることを命じ、もしくは期間を定めて業として行う処理の停止を命じ、またはその免許を取り消すことができる。

(一部改正〔令和4年条例12号〕)

(免許の取消し等)

第14条 知事は、ふぐ処理師が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すことができる。

(1) 第4条第3項各号のいずれかに該当するに至ったとき。

(2) 前条の規定による知事の命令に違反したとき。

(3) その責めに帰すべき事由により、業として行う処理に関し食中毒その他衛生上重大な事故を発生させたとき。

2 知事は、ふぐ処理師が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すものとする。

(1) 第4条第2項第2号に該当するに至ったとき。

(2) 詐欺その他不正な手段により第3条第1項の免許を受けたとき。

3 ふぐ処理師は、前2項の規定によりその免許を取り消されたときは、速やかに、免許証を知事に返納しなければならない。

(一部改正〔平成13年条例49号・令和4年12号〕)

(手数料)

第15条 次の各号に掲げる申請をし、または試験を受けようとする者は、当該各号に定める手数料を納付しなければならない。

(1) 第3条第1項の免許の申請 1件につき4,000円

(2) 第5条の規定による免許証の書換交付の申請 1件につき2,000円

(3) 第6条第1項の規定による免許証の再交付の申請 1件につき3,000円

(4) 第9条に規定するふぐ処理師試験の受験 1件につき1万4,000円

2 既に納付した手数料は、還付しない。

(一部改正〔令和3年条例12号・4年12号〕)

(報告の徴収)

第16条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、ふぐ処理師その他の関係者に対し、処理、ふぐ処理施設に関する状況その他必要な事項について、報告または資料の提出を求めることができる。

(一部改正〔令和3年条例12号・4年12号〕)

(規則への委任)

第17条 この条例に定めるもののほか条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(一部改正〔令和3年条例12号・4年12号〕)

(罰則)

第18条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

(1) 第3条第1項の免許を受けないで、業として処理に従事した者

(2) 第13条の規定による処理の停止の命令に違反した者

2 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処する。

(1) 第8条第1項第6号の規定に違反した者

(2) 第8条第2項の規定に違反した者

3 第16条の報告もしくは資料の提出を怠り、または虚偽の報告をした者は、10万円以下の罰金に処する。

(追加〔令和4年条例12号〕)

(両罰規定)

第19条 法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対して、同条の罰金刑を科する。

(一部改正〔令和3年条例12号・4年12号〕)

(施行期日)

1 この条例は、平成12年9月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に業として処理に従事している者は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から2月間は、第3条第1項の登録を受けないで、業として処理に従事することができる。その者が当該期間内に同項の登録の申請をした場合において、当該期間を経過したときは、当該申請に対する処分があるまでの間も、同様とする。

3 施行日前において実施された第10条各号のいずれにも該当するふぐ処理講習は、第9条第1項の規定による指定を受けたふぐ処理講習とみなす。

4 第10条第1号の適用については、この条例の施行後2年間に限り、同号イ中「ふぐ処理補助者として従事した期間」とあるのは、「ふぐ処理補助者として従事した期間(第4条第1項第2号の規定により知事が認める者または附則第3項の規定により第9条第1項の規定による指定を受けたふぐ処理講習とみなされたふぐ処理講習を修了した者であって、平成12年9月1日前において業として処理に従事しているものの監督の下に、その指示を受けて業として処理に従事した期間を含む。)」とする。

5 この条例施行の際現にふぐ処理施設を経営している者は、施行日から2月間は、第17条第1項の規定による届出をしないで、ふぐ処理施設を経営することができる。

(平成13年条例第1号)

この条例は、平成13年4月1日から施行する。

(平成13年条例第49号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成15年条例第59号)

この条例は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

(平成16年規則第3号で平成16年2月27日から施行)

(平成20年条例第6号)

(施行期日)

1 この条例は、平成20年12月1日から施行する。

(経過措置)

2 第2条の規定による改正後の墓地、埋葬等に関する法律施行条例第2条第2号および改正後の福井県ふぐの処理に関する条例第10条第3号に規定する公益社団法人または公益財団法人には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第50号)第42条第1項に規定する特例社団法人または特例財団法人を含むものとする。

(令和2年12月25日条例第47号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和3年3月22日条例第12号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年6月1日から施行する。

(福井県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部改正に伴う経過措置)

2 附則第4項から第6項までの規定によりなお従前の例によることとされる第4条の規定による改正前の福井県ふぐの処理に関する条例(以下「旧ふぐ処理条例」という。)および第5条の規定による廃止前の福井県食品衛生条例(以下「旧食品衛生条例」という。)の規定に関する事務で第1条の規定による改正前の福井県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例別表第4号の表30の項および32の項の左欄に掲げる事務については、なお従前の例による。

(食品衛生法施行条例の一部改正に伴う経過措置)

3 この条例の施行の際現に食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)第2条の規定による改正前の食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「旧法」という。)第52条第1項の許可を受けて食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(令和元年政令第123号。以下「整備政令」という。)第1条の規定による改正前の食品衛生法施行令(昭和28年政令第229号。以下「旧施行令」という。)第35条各号の営業(整備政令第1条の規定による改正後の食品衛生法施行令第35条各号の営業のいずれかに該当する営業に限る。)を行っている者に係る営業の施設の基準については、当該許可に係る旧法第52条第3項の有効期間の満了の日までの間に限り、第3条の規定による改正後の食品衛生法施行条例第3条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(福井県ふぐの処理に関する条例の一部改正に伴う経過措置)

4 この条例の施行の際現に旧法第52条第1項の許可を受けて旧施行令第35条第1号、第14号または第32号の営業を行っている者に対する旧ふぐ処理条例の規定の適用については、当該許可に係る旧法第52条第3項の有効期間の満了の日までの間に限り、なお従前の例による。

5 この条例の施行の際現に旧食品衛生条例第2条第1項の許可を受けて同項第1号の営業を行っている者に対する旧ふぐ処理条例の規定の適用については、令和6年5月31日(食品衛生法等の一部を改正する法律第2条の規定による改正後の食品衛生法(以下「新法」という。)第55条第1項の許可を受けた場合は当該許可日の前日)までの間に限り、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)

7 この条例の施行前にした行為および附則第4項から前項までの規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの条例の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(令和4年3月22日条例第12号)

(施行期日)

1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。

(福井県ふぐの処理に関する条例の一部改正に伴う経過措置)

2 この条例の施行の際現に改正前の福井県ふぐの処理に関する条例(以下「旧ふぐ処理条例」という。)第3条第1項の登録を受けている者(改正後の福井県ふぐの処理に関する条例(以下「新ふぐ処理条例」という。)第4条第1項または次項の規定により免許を受けた者を除く。以下「ふぐ処理登録者」という。)に対する旧ふぐ処理条例の規定の適用については、令和7年3月31日までの間に限り、なお従前の例による。

3 ふぐ処理登録者のうち、令和7年3月31日までにふぐ処理師認定講習(ふぐ処理師として必要な知識および技能を習得させるために知事が行う講習またはこれと同等の講習として知事が認めるものをいう。)を受講した者については、新ふぐ処理条例第4条第1項の規定にかかわらず、その申請に基づき知事は免許を与えることができる。この場合において、当該申請については、新ふぐ処理条例第15条第1項第1号の規定にかかわらず、手数料の納付を要しない。

4 この条例の施行前にした行為および附則第2項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの条例の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(福井県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部改正)

5 福井県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例(平成11年福井県条例第44号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(福井県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部改正に伴う経過措置)

6 附則第2項の規定によりなお従前の例によることとされる旧ふぐ処理条例の規定に関する事務で前項の規定による改正前の福井県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例別表第4号の表32の項の左欄に掲げる事務については、なお従前の例による。

福井県ふぐの処理に関する条例

平成12年3月21日 条例第16号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第2編 健康福祉/第8章 保健・衛生
沿革情報
平成12年3月21日 条例第16号
平成13年3月26日 条例第1号
平成13年10月9日 条例第49号
平成15年12月22日 条例第59号
平成20年3月25日 条例第6号
令和2年12月25日 条例第47号
令和3年3月22日 条例第12号
令和4年3月22日 条例第12号