○福井県安全で安心なまちづくりの推進に関する条例
平成16年3月24日
福井県条例第18号
福井県安全で安心なまちづくりの推進に関する条例を公布する。
福井県安全で安心なまちづくりの推進に関する条例
目次
第1章 総則(第1条―第9条)
第2章 自主防犯活動の推進等に関する施策(第10条―第13条)
第3章 犯罪の発生しにくいまちづくりのための環境整備に関する施策
第1節 犯罪の防止に配慮した住宅団地の普及(第14条―第16条)
第2節 犯罪の防止に配慮した住宅の普及(第17条―第19条)
第3節 犯罪の防止に配慮した駐車場等の普及(第20条―第22条)
第4節 犯罪の防止に配慮した金融機関等の普及(第23条)
第4章 学校等における生徒等の安全の確保に関する施策(第24条―第27条)
第5章 犯罪の防止に配慮した自動車等の普及に関する施策(第28条)
第6章 安全安心まちづくりを阻害する行為の規制(第29条)
第7章 雑則(第30条・第31条)
第8章 罰則(第32条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本県における犯罪の発生状況にかんがみ、県民の生命、身体および財産に対する犯罪が発生しにくい安全で安心なまちづくり(以下「安全安心まちづくり」という。)に関し、基本理念を定め、県、県民および事業者の責務を明らかにし、安全安心まちづくりに関する施策を総合的に推進するために必要な事項を定めるとともに、安全安心まちづくりを阻害する行為の規制を行い、もって県民が安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 安全安心まちづくりは、自らの安全は自らが守るという意識の下に行われる県民および事業者(以下「県民等」という。)の自主的な活動(以下「自主防犯活動」という。)を基本としなければならない。
2 安全安心まちづくりは、県および県民等の責務ならびに市町の果たす役割についての相互理解の下に、それぞれの連携および協力により推進されなければならない。
(一部改正〔平成17年条例65号〕)
(県の責務)
第3条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、安全安心まちづくりに関する総合的な施策(以下「安全安心施策」という。)を策定し、および実施する責務を有する。
2 県は、安全安心施策の策定および実施に当たっては、国および市町と緊密な連絡を保つとともに、必要な調整を行うものとする。
(一部改正〔平成17年条例65号〕)
(県民の責務)
第4条 県民は、基本理念に基づき、自主防犯活動を積極的に行うとともに、県が実施する安全安心施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念に基づき、その事業活動に関し、自主防犯活動を積極的に行うとともに、県が実施する安全安心施策ならびに県民および他の事業者が行う自主防犯活動に協力するよう努めるものとする。
(推進体制の整備)
第6条 県は、安全安心施策を効果的に実施するための推進体制を整備するものとする。
(市町に対する支援等)
第7条 県は、市町に対し、市町が実施する安全安心まちづくりに関する施策について、情報の提供、技術的な助言その他必要な支援を行うものとする。
2 県は、安全安心まちづくりの推進において防犯隊(市町の条例または規則の定めるところにより設置された防犯に関する活動を行うものをいう。)が果たす役割の重要性にかんがみ、その活動が適正かつ効果的なものとなるよう、市町相互間の連絡調整を行うとともに、市町に対し、情報の提供、技術的な助言その他必要な支援を行うものとする。
(一部改正〔平成17年条例65号〕)
(県民等の理解を深めるための措置)
第8条 県は、安全安心まちづくりに関する県民等の理解を深めるために必要な広報、啓発その他の措置を講ずるものとする。
(遵法意識のかん養のための施策)
第9条 県は、未成年者に対し、家庭、学校、児童福祉施設および地域社会と連携して、法規範の遵守に関する意識の向上および社会の一員としての意識のかん養のための施策を講ずるものとする。
第2章 自主防犯活動の推進等に関する施策
(自主防犯活動を促進するための措置)
第10条 県は、自主防犯活動を促進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(自主防犯団体に対する支援)
第11条 県は、県民等で組織される自主防犯活動を行う団体(以下「自主防犯団体」という。)に対し、その活動が適正かつ効果的なものとなるよう、情報の提供、技術的な助言その他必要な支援を行うものとする。
(安全安心センターの指定等)
第12条 知事は、市町の区域内において次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認めるものを、その申請により、市町安全安心センター(以下「安全安心センター」という。)として、公安委員会および当該市町の長と協議の上、指定することができる。
2 安全安心センターは、次に掲げる事業を行うものとする。
(1) 安全安心まちづくりに関する活動を主体的に計画し、および実践すること。
(2) 県民等が行う自主防犯活動に対し、情報の提供および必要な助言を行うとともに、自主防犯団体相互間の連絡調整を行うこと。
(3) 前2号に掲げるもののほか、安全安心まちづくりの推進に関すること。
3 県は、安全安心センターが行う事業が適正かつ効果的なものとなるよう、安全安心センター相互間の連絡調整を行うとともに、安全安心センターに対し、必要な措置を講ずるものとする。
4 第1項に規定する指定の手続その他安全安心センターに関し必要な事項は、規則で定める。
(一部改正〔平成17年条例65号〕)
(推進旬間)
第13条 基本理念に基づいた安全安心まちづくりを推進するため、安全安心まちづくり推進旬間(以下この条において「推進旬間」という。)を設ける。
2 推進旬間は、10月11日から同月20日までとする。
3 県は、推進旬間についての啓発に努めるとともに、推進旬間の趣旨にふさわしい行事を行うものとする。
第3章 犯罪の発生しにくいまちづくりのための環境整備に関する施策
第1節 犯罪の防止に配慮した住宅団地の普及
(犯罪の防止に配慮した住宅団地に関する指針)
第14条 知事および公安委員会は、共同して、犯罪の防止に配慮した構造および設備を有する住宅団地(2以上の宅地ならびに道路および公園または広場が配置された一定の区域をいう。以下同じ。)に関する指針を定めるものとする。
(住宅団地を造成しようとする者の努力義務)
第15条 住宅団地を造成しようとする者は、前条の指針に基づく必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 前項の措置を講じようとする場合においては、あらかじめ、その所在地を管轄する警察署長に防犯上の意見を求めるよう努めるものとする。
3 前項の規定により竟見を求められた警察署長は、犯罪の防止のために必要な助言を行うものとする。
2 前項に規定する助言に基づき特定住宅団地造成者から意見を求められた警察署長は、犯罪の防止のために必要な助言を行うとともに、当該助言の内容を知事に通知するものとする。
第2節 犯罪の防止に配慮した住宅の普及
(犯罪の防止に配慮した住宅に関する指針等)
第17条 知事および公安委員会は、共同して、犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する1戸建住宅および共同住宅(以下これらを「住宅」という。)に関する指針を定めるものとする。
2 県は、防犯上優れた共同住宅の認定制度その他犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する共同住宅の普及に資する措置を講ずるよう努めるものとする。
(住宅を建築しようとする者の努力義務)
第18条 住宅を建築(新築、改築または増築をいう。以下同じ。)しようとする者は、前条第1項の指針に基づく必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 共同住宅を建築しようとする場合において、前項の措置を講じようとするときは、あらかじめ、その所在地を管轄する警察署長に防犯上の意見を求めるよう努めるものとする。
3 前項の規定により意見を求められた警察署長は、犯罪の防止のために必要な助言を行うものとする。
(共同住宅を建築しようとする者に対する助言)
第19条 知事は、共同住宅を建築しようとする者に対し、犯罪の防止に配慮した構造、設備等に関して、前条第2項に規定する意見を求めるよう助言するとともに、その旨を警察署長に通知するものとする。
2 前項に規定する助言に基づき共同住宅を建築しようとする者から意見を求められた警察署長は、犯罪の防止のために必要な助言を行うとともに、当該助言の内容を知事に通知するものとする。
第3節 犯罪の防止に配慮した駐車場等の普及
2 県は、防犯上優れた駐車場の認定制度その他犯罪の防止に配慮した構造、設備等を有する駐車場の普及に資する措置を講ずるよう努めるものとする。
(駐車場等を設置し、または管理する者の努力義務)
第21条 駐車場等を設置し、または管理する者は、前条第1項の指針に基づく必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 物品販売業を営む店舗、遊技場その他の規則で定める施設に駐車場を設置しようとする場合において、前項の措置を講じようとするときは、あらかじめ、その所在地を管轄する警察署長に防犯上の意見を求めるよう努めるものとする。
3 前項の規定により意見を求められた警察署長は、犯罪の防止のために必要な助言を行うものとする。
2 前項に規定する助言に基づき特定駐車場設置者から意見を求められた警察署長は、犯罪の防止のために必要な助言を行うとともに、当該助言の内容を知事に通知するものとする。
第4節 犯罪の防止に配慮した金融機関等の普及
(犯罪の防止に配慮した金融機関等に関する指針)
第23条 公安委員会は、金融機関の店舗および深夜(午後10時から翌日の午前6時までの間をいう。)において営業する小売店舗で規則で定めるもの(次項において「特定小売店舗」という。)について、犯罪の防止に必要な措置に関する指針を定めるものとする。
2 金融機関の店舗および特定小売店舗を設置し、または管理する者は、前項の指針に基づく必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 警察署長は、その管轄する区域において、前項に規定する措置を講じようとする者に対し、犯罪の防止のために必要な助言を行うことができる。
第4章 学校等における生徒等の安全の確保に関する施策
(学校等における生徒等の安全の確保に関する指針)
第24条 知事、教育委員会および公安委員会は、共同して、学校および児童福祉施設(以下「学校等」という。)における生徒、児童および幼児(以下「生徒等」という。)の安全の確保に関する指針を定めるものとする。
2 学校等を設置し、または管理する者は、前項の指針に基づき、生徒等の安全の確保に関する体制の整備その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(通学路等における生徒等の安全の確保に関する指針等)
第25条 知事、教育委員会および公安委員会は、共同して、生徒等が通学、通園等の用に供する道路および日常的に利用する公園、広場等(以下「通学路等」という。)における生徒等の安全の確保に関する指針を定めるものとする。
2 学校等を管理する者は、前項の指針に基づき、生徒等の安全の確保に関する体制の整備その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 県民は、通学路等において、生徒等が危害を受けていると認められる場合またはそのおそれがあると認められる場合は、状況に応じて、警察官への通報その他の適切な措置を講ずるものとする。
2 県は、学校等を設置し、または管理する者に対し、安全確保措置について、情報の提供、技術的な助言その他必要な支援を行うよう努めるものとする。
(安全教育の充実等)
第27条 県は、生徒等に対し、犯罪行為による被害を受けないための教育を充実するよう努めるものとする。
2 県は、生徒等の保護者、学校の教職員および児童福祉施設の職員に対し、生徒等の安全の確保に関する講習の実施その他生徒等の安全の確保のために必要な施策を充実するよう努めるものとする。
第5章 犯罪の防止に配慮した自動車等の普及に関する施策
(犯罪の防止に配慮した自動車等に関する措置)
第28条 知事および公安委員会は、自動車等および自動販売機について、犯罪の防止のために必要な情報の提供その他の措置を講ずるものとする。
2 自動車等または自動販売機の販売を業とする者は、犯罪の防止に配慮した自動車等または自動販売機の普及に努めるものとする。
3 自動車等または自動販売機を所有し、または管理する者は、当該自動車等または自動販売機が犯罪の防止に配慮したものとなるよう努めるものとする。
第6章 安全安心まちづくりを阻害する行為の規制
(自動車の窃盗等に係る器具の携帯の禁止)
第29条 何人も、他人の自動車または他人の自動車内の財物を窃取する目的で、自動車の合いかぎ、差し金、金づちその他自動車に侵入するために使用されるような器具を携帯してはならない。
2 何人も、他人の自動販売機内の財物を窃取する目的で、バール、ドリル、グラインダーその他自動販売機を破壊するために使用されるような器具を携帯してはならない。
第7章 雑則
2 知事、教育委員会または公安委員会は、前項に規定する指針を定め、または変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
(規則への委任)
第31条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第8章 罰則
附則
附則(平成17年条例第65号)抄
(施行期日)
1 この条例は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
(1)から(4)まで 略
(5) 前各号および次号に掲げる規定以外の規定 平成18年3月3日