○福井県主要農作物の品種の開発および種子の生産に関する条例

平成31年3月11日

福井県条例第6号

福井県主要農作物の品種の開発および種子の生産に関する条例を公布する。

福井県主要農作物の品種の開発および種子の生産に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、主要農作物(稲、大麦、はだか麦、小麦および大豆をいう。以下同じ。)の優良な品種の開発および優良な種子の生産に関し必要な事項を定めることにより、主要農作物の種子の品質の確保および安定的な生産を図り、もって安全で安心な主要農作物の安定的な供給および本県農業の持続的な発展に寄与することを目的とする。

(県の責務)

第2条 県は、主要農作物の優良な品種の開発および優良な種子の安定的な生産に関する施策を計画的に推進するものとする。

(優良な品種の開発)

第3条 知事は、県に蓄積された知識、技術および経験を活用して、県内の気象、土壌その他の自然的条件に適した主要農作物の品種の開発をするよう努めるものとする。

2 知事は、前項の開発のため、多様な種子の収集およびその特性の評価を行い、本県農業に有用な遺伝資源を蓄積し、および利用するものとする。

(優良な品種を決定するための試験)

第4条 知事は、安定的な生産および普及を図る必要がある主要農作物の優良な品種を決定するための試験を行うものとする。

(種子生産計画の策定)

第5条 知事は、毎年度、主要農作物の優良な種子の安定的な生産に関する計画(以下「種子生産計画」という。)を策定するものとする。

2 種子生産計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 主要農作物の種子の生産に関する事項

(2) 主要農作物の原種および原原種の生産に関する事項

(3) 種子生産ほ場の面積に関する事項

(4) 原種ほ場および原原種ほ場の面積に関する事項

(5) その他主要農作物の優良な種子の安定的な生産に関し必要な事項

3 知事は、種子生産計画を策定し、または変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

(原種および原原種の生産)

第6条 知事は、ほ場の設置等により、次条第1項に規定する指定種子生産ほ場において主要農作物(知事が安定的な生産および普及を図るため特に必要があると認める品種に限る。以下この条において同じ。)の優良な種子の生産を行うために必要な主要農作物の原種および当該原種の生産を行うために必要な原原種(以下「原種等」という。)の生産を行う。

2 知事は、知事以外の者が経営するほ場において、原種等が適正かつ確実に生産されると認める場合には、当該ほ場を指定原種ほ場または指定原原種ほ場として指定することができる。

3 次条第2項の規定は前項の規定による指定について、第8条の規定は同項の指定原種ほ場または指定原原種ほ場における原種等の生産について準用する。

(指定種子生産ほ場の指定)

第7条 知事は、譲渡の目的をもって、または委託を受けて、主要農作物の種子を生産する者が経営するほ場を、種子生産計画に定めた種子生産ほ場の面積を標準とし、指定種子生産ほ場として指定することができる。

2 前項の規定による指定を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に申請をしなければならない。

(指定種子生産ほ場の審査等)

第8条 指定種子生産ほ場の経営者(以下「指定種子生産者」という。)は、その経営する指定種子生産ほ場において栽培中の主要農作物の出穂、穂ぞろい、成熟状況等についての審査(以下「ほ場審査」という。)を受けなければならない。

2 ほ場審査を受けようとする指定種子生産者は、規則で定めるところにより、知事に申請をしなければならない。

3 知事は、前項の申請があったときは、当該職員にほ場審査をさせなければならない。

4 前項の規定によりほ場審査を行う当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5 ほ場審査の基準および方法は、規則で定める。

6 知事は、ほ場審査の結果、前項の基準に適合すると認めるときは、指定種子生産者に対し、その旨を通知する。

7 指定種子生産者は、前項の規定による通知に係る指定種子生産ほ場において生産された主要農作物の種子について、その発芽の良否、不良な種子および異物の混入状況等についての審査(以下「生産物審査」という。)を受けなければならない。

8 第2項から第5項までの規定は、生産物審査について準用する。

9 知事は、生産物審査の結果、前項において準用する第5項の基準に適合すると認めるときは、指定種子生産者に対し、生産物審査証明書を交付する。

(情報の提供等)

第9条 知事は、指定種子生産者に対し、主要農作物の優良な種子の生産に関し必要な情報を提供し、または助言もしくは指導をするものとする。

(主要農作物の生産者の努力義務)

第10条 主要農作物の生産者は、毎年、優良な種子を利用し、優良な生産物を消費者に供給するよう努めるものとする。

(財政上の措置)

第11条 県は、主要農作物の優良な品種の開発ならびに優良な種子の生産および普及に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成31年4月1日から施行する。

福井県主要農作物の品種の開発および種子の生産に関する条例

平成31年3月11日 条例第6号

(平成31年4月1日施行)