第10回福井県科学学術大賞特別賞受賞者

最終更新日 2013年3月1日ページID 028745

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本田氏

しもむらあきお
下 村 昭 夫

 株式会社下村漆器店代表取締役社長  

<略歴>
昭和63年   法政大学工学部卒業
昭和63年   株式会社下村漆器店入社
平成21年   現職
平成24年   福井大学大学院工学研究科博士後期課程終了
 



 



 業績名 『越前漆器の多層コーティング技術を応用した超耐久性食器の開発 』

  越前漆器の重ね塗り技術を応用し、150℃の耐熱性を実現しながら、食器洗浄機に使用可能な漆器調の超耐久性プラスチック製IH対応食器を世界で初めて開発し実用化しました。開発された食器は、内側を効率よく加熱でき、外側は手に触れても火傷しない構造で、食品色素が付着しない表層加工も実現し、高い評価を受けています。加熱カート製造の大手企業との連携により、今後の売り上げ増が期待されます。

≪研究の内容≫
  病院などの給食産業においては、大量の食事を衛生管理し温かいものと冷たいものを同時に提供することが望まれていましたが、150℃以上の高温で、食器の内側のステンレスと外側の樹脂部を、熱膨張によるクラック(ひび割れ)を発生させずに一体形成すること、食品色素が付着しないこと、落としても割れない素材で、食器洗浄機での繰り返し使用にも耐える耐久性を有することなどの課題があり、実現が困難とされてきました。

  下村氏は、これらの課題を解決するために、伝統工芸品である頑丈な越前漆器の約7層にわたる重ね塗り技術を応用し、プラスチック素地に、耐熱性が高く高硬度のセラミックと透明で柔軟な有機系アクリル樹脂の組成を変え、シリカナノ粒子を適宜混合させたコーティング液を多層コーティングする技術を見出しました。

  次に、IHで効率良く加熱し、手で持っても火傷せず、洗いやすいように、食器の内側の厚み0.4mmのステンレスと外側の熱伝導率が低い耐熱プラスチックを、熱膨張率の違いによるクラックの発生を防止しながら一体形成する技術を見出しました。

  この新技術により、150℃以上の耐熱性を実現しながら、同時にカレーなどの食品色素が付着せず、食器洗浄機に使用できる食器を世界で初めて開発しました。電磁調理器対応食器として最軽量で、落としても割れず長期耐久性もあり、さらに、温かい料理と冷たい料理を同時に調理し配膳することが可能となりました。

  この成果は、平成21年に経済産業大臣から第3回ものづくり日本大賞優秀賞を受賞しており、高い評価を受けています。

  陶器代替可能な高性能樹脂性食器という新しいカテゴリーを生み出し、加熱カート製造の大手企業にも採用され、県内外の病院で普及し始めており、今後の売り上げ増が期待されます。

  下村氏は、現在、自宅でも使用できるよう電子レンジなどの高温調理機器対応の超耐久性プラスチック食器も開発中です。

  さらには、薄膜コーティング技術の腐食防止効果が認められ、J-PARCの磁性体コアへのコーティングに採用されるなど、食器業界以外の分野へも用途が拡大しています。

  産地技術を用いた優れた食器を開発し、病院など新しい外注先を開拓するなど、地域の活性化に貢献しており、越前漆器の永続的な発展が期待されます。
クッション構造体 

 

                                                                                            
 

 腐食防止効果
  薄膜コーティング技術の腐食防止効果の向上

 


 

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