職場のトラブルQ&A ~解雇社員の合同労働組合加入~

最終更新日 2020年3月27日ページID 000365

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 問

 私は小さな会社を経営していますが、先日、勤務態度が悪く再三注意しても直らない従業員を解雇しました。その従業員は解雇に納得できなかったようで、解雇後社外の労働組合に加入し、現在、その労働組合から会社に対し解雇撤回を求める団体交渉を開催するよう申入れられています。この労働組合は当社とは何ら関係がないと思うのですが、団体交渉に応じなければならないのでしょうか。

 企業内で労働組合を作れないような状況下で労働組合を結成しようという場合に、いろいろな企業で働く労働者が集まって組織する労働組合のことを合同労働組合といい(以下「合同労組」という)、1人でも加入できます。
 貴社の元社員が1名で他の組合員も企業がバラバラの組合なので、団体交渉に応じる必要はないと考える方もいるかもしれませんが、合同労組も労働組合法上は労働組合の一形態として認められています。解雇について争いのある場合には、貴社の元社員が加入した合同労組からの団体交渉申入れに対して、会社は正当な理由がない場合にこれを拒否することができません。
 なお、会社が団体交渉に応じない場合、労働組合は労働委員会に対し団体交渉拒否を理由とした不当労働行為の救済申立を行うことができます。
 また、使用者は団体交渉において誠意を持って組合側と十分に話し合うことが大切ですが、団体交渉を行っても紛争が解決しない場合には、県労働委員会のあっせん制度がご利用になれます。

解説

 一般的には、解雇された者や退職した者は使用者との雇用関係は終了しており、その意味で雇用する労働者には該当しません。しかし、解雇や退職などの労働契約関係の継続の有無や、未払い賃金・退職金など従来の労働契約の清算について争いがある場合には、その争いの範囲内において雇用する労働者であるとされており、使用者は団体交渉に応じなければなりません。
 一方、労働組合は、解雇などの争いが生じた後「社会通念上合理的な期間内」に団体交渉申入れを行う必要があります。解雇後10年を経て労働組合に加入し、その4か月後に団体交渉を求めた例では、使用者に団体交渉に応じる義務はないとされました(中央労働委員会命令 日立メディコ事件 昭60.11.13)。
 また、使用者は、合同労組からの団体交渉申入れに対して誠実に対応する必要がありますが、合同労組の主張を全て受け入れなければならない訳ではありません。誠意をもって交渉すれば円満に解決する場合もありますし、仮に交渉が決裂したとしても団体交渉拒否とはなりません。

参考

 

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