開催日:平成20年2月1日

1 包括的案件

〈審議事項〉

(1)福井県警察改革の推進について
 県警察から、平成20年の「福井県警察改革施策(案)」の策定にあたっては、全国的に警察職員による非違事案が後を経たず、また、県民の治安に対する不安が未だに払拭されていない状況から、基本的に平成19年と同様とし、時代に即した効率的な警察運営を実施する内容としたことや、平成19年中の「福井県警察改革施策」の主な取組み結果及び平成20年の重点取組みについて説明があり、審議の結果、同改革施策案により警察改革を持続的に断行し、治安と信頼の確保を図ることを了承した。
 各公安委員から、平成19年の主な取組み結果等について確認があり、
「今年も県警察と一緒になって、警察改革を進めていく覚悟である。」
旨の発言があった。

〈報告事項〉

(2)「警察捜査における取調べの適正化」について
 県警察から、警察による被疑者の取調べについては、昨今、その在り方を問われる無罪判決等が相次ぎ、警察捜査に対する信頼が大きく揺らいでいる中、国家公安委員会において「警察捜査における取調べの適正化について」(平成19年11月1日付け国家公安委員会決定)が決定され、この決定に基づき「警察捜査における取調べ適正化指針」(平成20年1月25日付け警察庁策定)が策定されたことについて報告があり、同指針に掲げる警察捜査における取調べの適正化に向けて警察が取り組むべき各種施策等の説明があった。
 公安委員から
「取調べ室はどのように整備するのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「取調べ状況を外形的に把握することができるよう整備する。」「取調べ状況を見られていることで、被疑者も取調官も萎縮してしまう弊害も考えられる。」
旨の説明があった。
(3)窃盗常習者による広域車上ねらい事件捜査の終結について
 県警察から、福井県警(永平寺署)及び滋賀県警(守山署)との合同捜査により、平成19年6月1日に常習窃盗被疑者を広域車上ねらい事件で逮捕した事案については、その後の捜査の結果、平成12年以降逮捕されるまでの間、福井・滋賀等1府15県において小中学校・幼稚園等で約1,600件(被害総額8千万円相当)の車上ねらい事件を敢行していたことが判明し、捜査を終結したことについて報告があり、事件概要、捜査経緯、防犯上の教訓等の説明があった。
 公安委員から
「事件解明から得た防犯上の教訓を、今後の捜査等に生かしていただきたい。」
旨の発言があった。
(4)窃盗未遂及び大麻所持のロシア人被疑者2名の逮捕について
 県警察から、昨年12月6日の深夜に鯖江市内の自動車販売店の倉庫に侵入しタイヤを盗もうとしたロシア人被疑者2名を建造物侵入・窃盗未遂事実と大麻(大麻オイル)所持事実で逮捕したことについて報告があり、事件概要、捜査経緯等の説明があった。
 各公安委員から、事件概要等について確認があり、県警察から、外国人犯罪グループの出入国方法や犯行目的、今後の捜査方針等について説明があった。
 公安委員から
「犯罪グループを一網打尽にできるよう今後の捜査をお願いしたい。」
旨の発言があった。
(5)暴力団正木組傘下組織の幹部組員等による野球賭博事件の検挙について
 県警察から、本部組織犯罪対策課及び敦賀警察署の合同捜査により、携帯電話のメールを利用して会社役員等を相手に野球賭博をさせていた暴力団正木組傘下の暴力団幹部組員等被疑者2名を賭博開帳図利罪等で逮捕したことについて報告があり、事件概要、捜査経緯、今後の捜査方針等の説明があった。
 公安委員から
「今後の捜査をよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(6)時効目前の死亡ひき逃げ事件被疑者の逮捕について
 県警察から、平成15年4月12日に敦賀市の国道8号上で発生した幼児死亡ひき逃げ事件について、その後の捜査により、時効目前の本年1月29日、被疑者を業務上過失致死及び救護措置義務違反で逮捕したことについて報告があり、事案概要、捜査経緯、今後の方針等の説明があった。
 公安委員から
「お手柄であった。被疑者を逮捕できて大変良かった。」
旨の発言があった。
(7)放置違反金の滞納で3件強制徴収
 県警察から、放置駐車違反の放置違反金の納付命令に対して、車両の使用者が督促や電話催促、面接等による再三の催促に応じず長期間滞納したため、同使用者に対して滞納処分を執行し放置違反金を強制徴収したことについて報告があり、悪質滞納者の実態と今後の対応方針等の説明があった。
 公安委員から
「昔は、駐車違反を平気で逃げていたが、法改正によりそうもいかなくなったと思う。」、「運転者責任と使用者責任の違いについて伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「出頭しなかった駐車違反については、車両の使用者に使用者責任を追及して、いわゆる逃げ得を許さないよう道路交通法が改正された。」、「運転者責任では、反則金のほかに行政処分点数の不利益が生じるが、使用者責任では放置違反金のみとなる。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「今後とも、厳正、かつ、強い姿勢でお願いしたい。」
旨の発言があった。
(8)平成19年度(第27回)福井県警察逮捕術大会の開催について
 県警察から、本年2月14日に県立武道館において開催される平成19年度福井県警察逮捕術大会の開催概要について報告があった。
(9)敦賀警察署被留置者の死亡事案について
 県警察から、本年1月31日に発生した、敦賀警察署被留置者の死亡事案の概要について口頭報告があった。
(10)その他
 県警察から、ポリス・スタンバイ作戦の一環として作成した「交番位置表示シート」を県内のコンビニエンスストアに貼付し、交番の位置を広く県民に知らせ、県民の安全・安心ゾーンを更に広げることなどについて口頭報告があった。

2 運転免許の処分関係

本日(2月1日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

3 個別決裁

(1)福井県警察改革の推進について
 本日の包括的案件で審議した、「福井県警察改革の推進について」(案)について、原案のとおり決裁した。
(2)「警察捜査における取調べ適正化指針」について
 本日の包括的案件で報告された「警察捜査における取調べの適正化について」(平成19年11月1日付け国家公安委員会決定)に基づく、「警察捜査における取調べ適正化指針」(平成20年1月付け警察庁策定)について了承した。
(3)県外特別派遣部隊の援助要求について
 原発警備に係る第86次県外特別派遣部隊の援助要求を原案のとおり決裁した。
(4)公安委員会宛苦情等の対応について
 公安委員会宛苦情(1月30日付け受理)及び電子メール(1月28日付け受理)の対応等について説明を受け、これを決裁した。

4 業務説明

 公安委員会終了後、刑事部長及び警備部長から鎌谷公安委員に対して担当部の業務説明がなされた。

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