開催日:平成20年3月7日(移動公安委員会〜敦賀警察署)

1 庁舎内視察

  敦賀警察署長の案内により、庁舎内の各課及び留置場等を視察・激励した。

2 敦賀警察署の概況報告

 敦賀警察署長から、警察署及び管内の概況報告があり、幼児死亡ひき逃げ事件の捜査状況、原子力発電所特別警戒状況、暴力団対策など、治安確保に向けた警察署の主な取組み状況等について説明があった。
各公安委員から、敦賀市野神にある反社会的勢力が占有していた、いわゆる「迎賓館」の解体状況等について確認があるとともに、
「勿体無いという意見もあるが、あるべきものではない。」、「解体を妨害されるようなことはないか。」
旨の質疑があり、敦賀警察署長から
「解体初日には機動隊の応援を得て周辺警戒にあたり現在も重点警戒中であるため、今のところ妨害事案は発生していない。」
旨の説明があった。 各公安委員から
「これで付近住民も安心できると思う。非常に良かった。」
旨の発言があった。

3 包括的案件

〈報告事項〉

(1)ブラジル人グループによる強盗致傷事件の検挙について
 県警察から、昨年9月12日に福井市内で発生した車上狙い事件で、ブラジル人被疑者2名が警察官に暴行を加え逃走した事案は、その後の愛知県警察との合同捜査により、本年3月4日に同被疑者を強盗致傷罪で逮捕した旨報告があり、事件概要、捜査経緯等について説明があった。
 公安委員から
「警察官の被害状況について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から
「全治2週間で命に別状はなかった。」
旨の説明があった。公安委員から
「体を張った仕事であり、大変である。被害を受けた警察官にはくれぐれもよろしくお伝え願いたい。」
旨の発言があった。
(2)福井県警察における港対策の取り組み状況と今後の対策について
 県警察から、昨年12月、鯖江・越前両警察署で逮捕した来日ロシア人被疑者5名の取調べなどから、ロシア人犯罪の実態を一部解明した旨報告があり、入国の経緯、国内での活動実態、犯罪行為の背景、富山・福井を中心とした日本海側の現状、今後の港対策等について説明があった。
 また、今後、同対策を来日外国人犯罪対策における当面の重点課題として県警察を挙げて取り組むとともに、来日外国人との健全な共生を図るための各種取り組みや自治体・関係団体等への働きかけを推進していく旨の説明があった。
 公安委員から
「現在、日本海側の港は急速に伸びており、今後、更に発展することが予想される。そして、これに付随して発生する問題点にも、大変だが対応していかなければならない。」、「福井県の港周辺の現状等について伺いたい。」
旨の質疑があり、県警察から、福井県及び日本海側の港周辺の実態と今後の対応策等について説明があった。
 公安委員から
「福井県には、不健全な業者等が入らないよう隙を見せてはいけない。」、「いかに先手を打つかということが大切なことだと思うので、よろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(3)平成20年度組織改編について
 県警察から、平成20年度の組織改編の報告があり、次の3つの目的に基づく主な改正点について説明があった。
   
    ○ 県警察全体の組織機能の強化を図るための警察署再編
    ○ 「福井治安向上プラン」を強力に推進するための体制強化
      ・ パトロール体制の増強(自動車警ら隊の新設)
      ・ 重要犯罪等の検挙対策の推進(機動捜査隊の新設)
      ・ 来日外国人犯罪対策の推進(国際捜査室の新設)
      ・ 精強な第一線警察の構築(職質指導係の新設)
    ○ 全国植樹祭に向けた警衛警備体制の強化
 公安委員から
「大量退職、大量採用時期の到来に伴い、技能継承方策として警察OBの活用を積極的にできないか。」「我が社でも、本人が望めば1年契約で採用することとしている。そうしないとベテランの勘や技能は、簡単には継承できない。」「再任用される本人の精神的安定にもつながる。」
旨の発言があり、県警察から
「豊富な知識・技能・経験を有する健康な警察職員を再任用する制度を実施することとしている。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「国際捜査室の新設はサミット対策なのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「国際捜査室は刑事的観点から設置するもので、サミットやテロ対策については現行の警備体制で細かく現場の指示等を行っていく。」
旨の説明があった。 公安委員から
「新しい組織改編に期待している。改編後の経過について何かあれば随時報告願いたい。」
旨の発言があった。
(4)永平寺警察署2駐在所の新築完成について
 県警察から、本年3月に永平寺警察署管内の2駐在所(御陵駐在所、永平寺駐在所)が新築完成した旨報告があり、完成年月日、新築場所、施設概要、開所式日程等について説明があった。
各公安委員から施設概要等について確認があるとともに、
「赤色回転灯と表示板があるので駐在所だと一目で分かるが、それがなければ、分かりにくいように感じる。」
旨の発言があり、県警察から
「駐在所は、交番とは違って、見せることを強調しておらず、周辺の景観に馴染むよう配慮してデザインされている。」
旨の説明があった。また、公安委員から
「駐在所勤務員の住環境等の改善に配慮願いたい。」
旨の発言があった。

4 運転免許の処分関係

本日(3月7日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決裁した。

5 個別決裁

(1)福井県警察の組織等に関する規則の一部改正について
 平成20年度の組織改編に伴う福井県警察の組織等に関する規則の一部を改正する規則の制定案について報告があり、原案のとおりこれを決裁した。
(2)猟銃等所持者に対する許可取消処分について
  本年3月4日、銃刀法違反者に対する行政処分に係る聴聞を実施したところ、当日、同人が欠席したことの報告があり、被処分者を許可取消処分とすることを決裁した。
(3)パーキング・メーター管理業務の公安委員会の業者認定基準について
 道路交通法施行規則に規定する「パーキング・メーターの管理等に関する事務を行うのに必要かつ適切な組織および能力を有すると公安委員会が認める法人」の認定基準案について報告があり、原案のとおりこれを決裁した。
(4)県外特別派遣部隊の援助要求について
 原発警備に係る第87次県外特別派遣部隊の援助要求を原案のとおり決裁した。
(5)集団行動に関する許可事務専決状況報告書
 平成20年2月中の集団行動に関する許可事務の専決状況の報告を受け、これを了承した。
(6)警察署協議会委員の委嘱承認について
 坂井警察署長から坂井警察署協議会委員の欠員に伴う補欠委員の推薦があり、これを協議会委員として委嘱することを承認した。
(7)公安委員会宛苦情等の対応について
 公安委員会宛苦情(1月30日付け受理)の対応等について説明を受け、これを決裁した。

6 署員との語る会

 会議終了後、公安委員と敦賀警察署員7名(刑事、少年、交通、警備、留置、交番)との語る会を開催した。
 職員からの自己紹介の後、各公安委員から、
 ○ 各担当業務で取り組んでいること、苦労していること、困っていることなど。
 ○ 一般市民と接するときに心掛けていること。
 ○ 若手警察官の育成方法
等の質問があり、署員から生の声を聴取した。 各公安委員から、
「迎賓館の解体により市民に安心感を与えていただいた。敦賀のイメージもよくなった。皆さんは、そのことについて誇りを持って欲しい。」
「『安全』は、お金を出せばある程度確保できるものだが、『安心』は、皆さんの日常の行動を県民に見せることで得られるものです。」
「24時間常に緊張されていることと思いますが、皆で手分けしながらチームワークよろしく頑張って欲しい。」
「一番危険なところを我々の盾になって頂いていることに対して深く感謝しています。どうか身体だけは壊さないでこれからも頑張って欲しい。」
旨の発言があった。

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