開催日:平成20年7月11日

1 包括的案件

〈報告事項〉

(1)北海道洞爺湖サミットの警備終了報告
 県警察から、7月9日に北海道洞爺湖サミット警備が無事終了し、本県の特別派遣部隊が順次帰県する旨の報告があり、今回のサミット開催に伴う警備情勢、特別派遣部隊の活動状況及び県内の警備諸対策の取組状況等について説明があった。
 委員から
「サミットが無事終了し、安堵している。これも特別派遣部隊を含む警察の努力の賜物であり、その苦労に対して敬意を表する。今回の経験を今後のテロ警備に生かしていただきたい。」
旨の発言があった。
(2)ノニジュース販売に係る薬事法違反事件の検挙
 県警察から、福井県と新潟県警察との合同捜査により、新潟市内のドラックストアで未承認医薬品であるノニジュースを医薬品として販売していた被疑者3名を薬事法違反で逮捕した旨の報告があり、事件概要、捜査経緯、今後の捜査方針等について説明があった。
 委員から、事件概要等について確認があるとともに
「同種事案の再発防止をお願いしたい。」
旨の発言があった。
(3)県と合同による刃物販売店一斉指導の実施
 県警察から、6月23日の臨時公安委員会で決定した刃物使用犯罪等防止総合対策に基づき県内の刃物販売店(県内166店舗)に対する一斉指導を県と合同で実施する(7月14日から21日までの間)旨の報告があり、その際、『ナイフ販売チェックポイント』の活用による身元確認と販売記録の保存、店内及びホームページへの啓発ポスターの掲示について要請するとともに、18歳未満の者への特殊ナイフの販売禁止、不審者来店時の通報等について指導し、ナイフ使用による凶悪事件を未然に防止することについて説明があった。
 委員から
「『ナイフ販売チェックポイント』は、県内の全刃物販売店において活用するのか。」
旨の質疑があり、県警察から
「同チェックポイントを県内の全刃物販売店に配布し、ナイフ購入者の身元確認及び販売記録の保存用として活用するよう要請する。」
旨の説明があった。委員から
「定期的に販売店を巡回して、同チェックポイントの確認を行っていただきたい。」
旨の発言があった。また、委員から
「18歳以上の者に対してもある程度の販売規制はできないものか。」
旨の発言があり、県警察から
「現在、国において銃刀法の改正を含め検討段階にある。」
旨の説明があった。委員から
「ナイフ使用による凶悪事件を未然に防止するためには、販売店等の協力が必要不可欠であり、今後もよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(4)福井市片町地区環境浄化対策の上半期取組み結果
 県警察から、福井市片町地区環境浄化対策の上半期における取組み結果について報告があり、県民の要望を受けて通称「カラス族」と呼ばれる悪質な客引きの取締り・検挙、風俗営業店に対する立入り及び繁華街における警ら・駐留警戒等を継続的に実施したことにより、悪質な客引き事案、違法駐車車両及び粗暴事案等の110番通報がいずれも減少するなど効果が表れていること、また、今後も引き続き繁華街の環境浄化対策を推進する旨の説明があった。
 委員から
「片町地区の環境が改善され県民も安心できる。見せる警察活動の効果の表れだと思う。引き続きお願いしたい。」「特に暴力団の動向に注意願いたい。」
旨の発言があった。
(5)自殺の現状と対策
 県警察から、自殺の現状(自殺者数の推移、年齢別、原因・動機別等)と対策(自殺対策基本法に基づき国、地方公共団体、医療機関等が密接に連携して推進)について報告があり、今後の警察の対応として「自殺者の名誉や自殺者遺族の心情に配慮した対応の徹底」、「自殺するおそれのある家出人発見活動の適切な実施」、「インターネット上での自殺予告事案への適切な措置」、「パトロールの強化と自治体に対する働きかけ」を推進する旨の説明があった。
 委員から、自殺の現状等について確認があるとともに
「自殺者数が非常に多いことに驚いた。今後、少しでも自殺者を減らすため皆で考えていくことが必要だと思う。」
旨の発言があった。
(6)上半期(6月末)の交通事故発生状況
 県警察から、平成20年上半期の交通事故発生状況等について、次のとおり報告があった。

【県内の交通事故発生状況】
 ○ 人身事故件数1,945件(対前年比236件減少)
   ・ 死者数23人(対前年比10人減少〜過去50年間で2番目に少ない)
   ・ 傷者数2,355人(対前年比308件減少)
 ○ 物損事故件数9,262件(対前年比810件増加)
 ○ 総事故件数11,207件(対前年比574件増加)
【死亡事故の主な特徴】
 ○ 死者数の大幅減少、分散発生(死亡事故多発警報の発令なし)
 ○ 高齢者の死亡事故が多発(全死者数の約6割)
 ○ 飲酒絡み及び自転車の死亡事故が減少(いずれも0件)
 ○ 1件3人の若者の死亡事故が発生(6月に春江町で発生)

 また、今後の取組みとしては、上半期の結果を踏まえ「高齢者・若者を対象とした交通事故抑止対策の強化」、「飲酒運転をはじめとする悪質・危険な交通違反の指導取締り強化」、「夜間ハイビーム実践運動の推進」などの施策を重点に実施する旨の説明があった。
 委員から
「自動車学校における夜間ハイビーム実践運動の教養も重要でないか。」、「越前市の死亡事故0の日数がもうすぐ1年に達することや県全体の死亡事故が減少していることをアピールすれば、県民が安全運転に心がけ、良い面での連鎖反応が発生するのではないかと思う。」、「物損事故の発生が多いようだが、一歩間違えば人身事故の増加につながるため注意願いたい。」
旨の発言があった。
(7)夏期における暴走族総合対策
 県警察から、夏期における暴走族対策については、本年も県外暴走族の流入を阻止するために県境要点(敦賀、小浜)において大検問を実施するとともに、「ふくいフェニックスまつり」各会場等の警備実施を所要の体制で行う旨の報告があり、期間中の出動体制及び県内外の暴走族情勢等について説明があった。
 委員から
「隣接県と連携しているとのことだが、大変重要なことだと思う。今後、大変だがよろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(8)夏の交通安全県民運動の実施
 県警察から、7月21日から7月30日までの10日間の日程で実施される夏の交通安全県民運動について報告があり、次の5つの運動重点に基づく県警の主な取組内容等について説明があった。

    @ 子どもと高齢者の交通事故防止
    A 若者によるスピードの出し過ぎ等無謀運転の追放
    B 飲酒運転の根絶
    C 全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
    D 交通安全スロー・シグナル・シャイン(3S)運動の推進
 委員から
「夏休み期間中は、県外客が増えて事故が多発することが予想されるので、各取組みによる事故防止をお願いしたい。」
旨の発言があった。
(9)平成20年度夏の組織改編
 県警察から、平成20年度夏の組織改編を実施する旨の報告があり、

   ○ 被疑者取調べ監督制度の適正かつ円滑な実施のための体制整備
   ○ 「第60回全国植樹祭」警衛警備の万全を期すための体制強化

について説明があった。
 委員から、組織改編の概要等について確認があるとともに
「増員が見込めない中で、新たな組織の人員を捻出しなければならない苦労があると思うが、警察の大きな動きの中で必要なことなので、よろしくお願いしたい。」
旨の発言があった。
(10)硫化水素対策用防護服等の配備
 県警察から、硫化水素による自殺事案が全国的に激増している中、硫化水素ガスが発生している現場での警察活動の確保及び二次的被害防止のため、硫化水素対策用防護服等を配備する旨の報告があり、各警察署への配備内容及び指導・教養方法等について説明があった。
 委員から、硫化水素ガス及び防護服の性能等について確認があるとともに
「同種事案が発生して現場臨場する場合には、二次的被害に十分留意するよう指導・教養願いたい。」
旨の発言があった。
(11)第77期初任科短期学生による職場体験研修の実施
 県警察から、第77期初任科短期学生に対する「職務倫理」教養の一環として介護老人保健施設における職場体験研修を実施する旨の報告があり、研修目的及び研修概要等について説明があった。
 委員から
「実体験を積む職務倫理教養は大切なことだと思う。今後、この体験を活かし一人前の警察官に育って欲しい。」
旨の発言があった。
(12)平成20年上半期の刑法犯認知・検挙状況
 県警察から、平成20年上半期の刑法犯認知・検挙状況について、次のとおり口頭報告があった。

【刑法犯】
  ○ 認知件数3,337件(対前年比30件増加)
  ○ 検挙件数1,453件(対前年比285件増加)
  ○ 検挙率43.5%(対前年比8.2%増加〜全国7位)
【重要犯罪】
  ○ 認知件数41件(対前年比18件増加)
  ○ 検挙件数34件(対前年比17件増加)
【その他】
  ○ 重要窃盗犯認知件数355件(対前年比89件減少)
  ○ 詐欺犯罪認知件数100件(対前年比20件増加)
    ・ 振り込め詐欺認知件数28件(対前年比12件増加)

 また、振り込め詐欺の抑止と検挙を目的に、本年7月1日から振り込め詐欺対策室を設置して所要の体制で取り組む旨、併せて説明があった。
 委員から
「振り込め詐欺については、全国的な問題であり、今後、体制等を強化する必要があると思う。」、「刑法犯の認知件数が増加したものの検挙率は向上しており、警察の努力に対して敬意を表したい。これからも頑張っていただきたい。」
旨の発言があった。
(13)その他
 県警察から、本年7月8日に、女子高校生のスカート内を盗撮した小学校教諭を福井県迷惑行為等の防止に関する条例違反で逮捕した旨、口頭報告があり、事件概要、捜査経緯等について説明があった。
 委員から、事件概要等について確認があった。

2 個別的案件

〈審議事項〉

・ 交通違反告知等に対する不服申立
 交通違反告知等に対する不服申立(平成20年5月27日受理)について審議し、「棄却する」旨の決定をするとともに、決定書(案)を決裁した。

3 運転免許の処分関係

 本日(7月11日)実施した道路交通法違反に関する意見の聴取の実施結果と処分内容に関する説明を受け、原案のとおりこれを決定した。

4 個別決裁

(1)警察本部長に対する情報公開請求の決定等
 警察本部長に対する情報公開請求(6月24日付け)について、公開決定等の報告があり、これを了承した。
(2)犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律等の施行
 犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の一部を改正する法律等が本年7月1日から施行されることについて報告があり、これを決裁した。
(3)オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律の制定
 オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律が本年6月18日に公布されたことなどの報告があり、これを決裁した。
(4)平成20年6月中の警察あて苦情の受理・処理状況
 平成20年6月中に警察に寄せられた苦情の受理及び処理状況についての報告があり、これを了承した。
(5)自動車運転代行業の認定申請
 認定申請者に対する調査結果の報告を受けて、申請者を自動車運転代行業として認定することを決裁した。
(6)警察職員等の援助要求
 原発警備に係る第91次県外特別派遣部隊の援助要求を原案のとおり決裁した。
(7)集団行動に関する許可事務専決状況報告書
 平成20年6月中の集団行動に関する許可事務の専決状況の報告を受け、これを了承した。
(8)公安委員会表彰の決定
 警察本部長から推薦のあった駐在所勤務警察官夫人2名について、本年7月31日付けで公安委員会表彰することを決定した。
(9)福井県公安委員会宛依頼文書の対応
 福井県公安委員会宛依頼文書(7月7日付け受理)の対応等について説明を受け、これを了承した。
(10)福井県公安委員会の事務の専決に関する規程の一部改正
 福井県公安委員会の事務の専決に関する規程を一部改正することについて報告があり、原案のとおり決裁した。
(11)公安委員会宛電子メールの対応
 福井県公安委員会宛電子メール(6月17日、6月20日、6月25日、7月4日付け受理)の対応等について説明を受け、これを決裁した。

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