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○福井県男女共同参画推進条例
平成十四年十月十一日福井県条例第五十九号
福井県男女共同参画推進条例を公布する。
福井県男女共同参画推進条例
目次
前文
第一章 総則(第一条―第七条)
第二章 男女共同参画の推進に関する基本的施策等
第一節 男女共同参画の推進に関する基本計画(第八条)
第二節 男女共同参画の推進に関する基本的な施策(第九条―第十六条)
第三節 男女共同参画の推進に関する普及啓発(第十七条―第十九条)
第四節 男女共同参画の推進に関する推進体制の整備等(第二十条―第二十三条)
第三章 福井県男女共同参画審議会(第二十四条―第二十九条)
附則
すべての人は、個人として尊重され、法の下に平等であり、男女の人権は、性別にかかわりなく尊重されなければならない。
福井県では、男女平等の実現に向けて、国際社会や国の動きと協調しつつ、女性の就業率や夫婦共働きの割合が高いという地域特性を踏まえ、様々な取組が進められてきた。
しかしながら、社会の様々な分野において、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく制度または慣行が依然として根強く存在しており、真の男女平等の実現には多くの課題が残されている。
これらの課題に対処して、男女が、互いの人権を尊重し、協力し合い、その個性と能力を発揮することができる男女共同参画社会を実現し、ゆとりと創造力あふれる福井を築いていくためには、県、市町、県民および事業者が連携し、および協働しながら、男女共同参画の推進に関する取組を積極的に展開していくことが必要である。
ここに、わたしたちは、男女共同参画社会の実現を目指すことを決意し、男女共同参画の推進についての基本理念を明らかにし、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために、この条例を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、ならびに県、県民および事業者の責務を明らかにするとともに、県の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的および文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
二 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(基本理念)
第三条 男女共同参画は、次に掲げる理念を基本として推進されなければならない。
一 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。
二 社会のあらゆる分野における制度または慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとなるように見直されること。
三 男女が、社会の対等な構成員として、県における政策または民間団体における方針の立案および決定に共同して参画する機会が確保されること。
四 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、家庭生活における活動について家族の一員としての役割を果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすること。
五 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、国際的協調の下に行われること。
(県の責務)
第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、および実施する責務を有する。
2 県は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、および実施するに当たっては、男女共同参画の推進について配慮するものとする。
3 県は、男女共同参画の推進に当たっては、県民、事業者およびこれらの者で組織する民間団体(以下「県民等」という。)ならびに市町と連携し、および協力して取り組むよう努めるものとする。
一部改正〔平成一七年条例六五号〕
(県民の責務)
第五条 県民は、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、性別による固定的な役割分担意識に基づく制度および慣行の改善その他の男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 県民は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第六条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 事業者は、男女が共に職場における活動と家庭等における活動とを両立することができるよう、職場環境の整備に努めなければならない。
3 事業者は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(性別による権利侵害の禁止)
第七条 何人も、性別を理由とするあらゆる差別的取扱いをしてはならない。
2 何人も、性的な言動により相手方の生活環境を害する行為および性的な言動に対する相手方の対応によりその者に不利益を与える行為をしてはならない。
3 何人も、配偶者その他の男女間における暴力行為(精神的に苦痛を与える行為を含む。第十五条において同じ。)をしてはならない。
第二章 男女共同参画の推進に関する基本的施策等
第一節 男女共同参画の推進に関する基本計画
第八条 知事は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画の推進に関する施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ福井県男女共同参画審議会の意見を聴かなければならない。
4 知事は、基本計画を定めるに当たっては、県民等の意見を反映することができるよう配慮するものとする。
5 知事は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
6 前三項の規定は、基本計画の変更について準用する。
第二節 男女共同参画の推進に関する基本的な施策
(県民等の理解を深めるための措置)
第九条 県は、広報活動等を通じて、基本理念に関する県民等の理解を深めるよう適切な措置を講ずるとともに、男女共同参画の推進に関する教育および学習の機会の充実に努めるものとする。
(制度および慣行の改善を促進するための措置)
第十条 県は、社会のあらゆる分野において、性別による固定的な役割分担意識の改革および当該意識に基づく制度または慣行の改善を促進するため、情報の提供、人材の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。
(家庭生活における活動とそれ以外の活動との両立のための支援)
第十一条 県は、家族を構成する男女が、共に家庭生活における活動と職業生活における活動その他の活動とを両立することができるように、必要な支援を行うよう努めるものとする。
(農山漁村における男女共同参画の推進)
第十二条 県は、農山漁村において、男女が、農林水産業の経営およびこれに関連する活動または地域における活動に共同して参画することができるよう、必要な環境の整備に努めるものとする。
(働く場における男女共同参画の推進)
第十三条 県は、すべての働く場において、男女が性別にかかわらず個々の能力を発揮することができるよう、必要な環境の整備に努めるものとする。
(政策等の決定過程における男女共同参画の推進)
第十四条 県は、市町および民間団体における政策および方針の決定過程において、男女が共同して参画する機会が確保されるように、情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
2 県は、附属機関その他これに準ずるものにおける委員の任命または委嘱に当たっては、積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。
一部改正〔平成一七年条例六五号〕
(暴力の根絶)
第十五条 県は、配偶者その他の男女間における暴力行為を根絶し、および被害者の保護を図るために、情報の提供、相談その他の必要な措置を講ずるものとする。
(市町、県民等の活動に対する支援)
第十六条 県は、市町が実施する男女共同参画の推進に関する施策および県民等が行う男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。
一部改正〔平成一七年条例六五号〕
第三節 男女共同参画の推進に関する普及啓発
(男女共同参画推進員の設置)
第十七条 県民の協力を得て男女共同参画の推進を図るため、男女共同参画の推進に係る普及啓発その他の活動を行う男女共同参画推進員を置く。
(男女共同参画月間)
第十八条 男女共同参画についての県民等の関心と理解を深めるため、男女共同参画月間を設ける。
2 男女共同参画月間は、六月とする。
(表彰)
第十九条 知事は、男女共同参画を積極的に推進する県民等を表彰することができる。
第四節 男女共同参画の推進に関する推進体制の整備等
(推進体制の整備等)
第二十条 県は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、および実施するための体制を整備するとともに、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
2 福井県生活学習館を男女共同参画の推進のための拠点施設とする。
(相談および苦情の処理)
第二十一条 知事は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する行為について、県民等から相談があったときは、関係機関と連携して適切な処理に努めるものとする。
2 知事は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策または男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について、県民等から苦情、意見その他の申出があったときは、当該申出に対し適切な処理をするよう努めるものとする。
3 知事は、前項に規定する申出の処理に当たり特に必要があると認めるときは、福井県男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。
(調査研究等)
第二十二条 県は、男女共同参画に関する施策を効果的に推進するため、男女共同参画に関する情報の収集および分析ならびに調査研究を行うものとする。
2 県は、必要があると認めるときは、事業者に対し、その事業活動における男女共同参画の状況に関する調査について協力を求めることができる。
(年次報告)
第二十三条 知事は、毎年、男女共同参画の推進の状況および男女共同参画の推進に関する施策の実施の状況について報告書を作成し、公表するものとする。
第三章 福井県男女共同参画審議会
(福井県男女共同参画審議会)
第二十四条 男女共同参画の推進に関する重要事項について調査審議等を行うため、福井県男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第二十五条 審議会は、次に掲げる事務を所掌する。
一 この条例の規定により審議会の権限に属させられた事項の処理に関すること。
二 男女共同参画の推進に関する重要事項についての調査審議および建議に関すること。
(組織)
第二十六条 審議会は、委員十人以内で組織する。
2 男女いずれか一方の委員の数は、委員の総数の十分の四未満であってはならない。
3 委員は、学識経験を有する者のうちから、知事が委嘱する。
4 委員の任期は、二年とし、再任されることを妨げない。ただし、当該委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長および副会長)
第二十七条 審議会に会長および副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、または会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第二十八条 審議会の会議は、会長が招集する。
2 審議会の会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3 会長は、審議会の議長となり、議事を整理する。
4 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(その他)
第二十九条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成十四年十一月一日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に策定され、および公表されている男女共同参画の推進に関する県の基本的な計画であって、男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためのものは、第八条の規定により策定され、および公表されたものとみなす。
附 則(平成一七年条例第六五号)
(施行期日)
1 この条例は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一から四まで 略
五 前各号および次号に掲げる規定以外の規定 平成十八年三月三日



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