○福井県職員健康情報取扱規程
令和2年3月31日
福井県訓令第8号
庁中一般
各出先機関
労働委員会事務局
福井県職員健康情報取扱規程を次のように定める。
福井県職員健康情報取扱規程
(趣旨)
第1条 この訓令は、労働安全衛生法(昭和47年法律57号)第104条第2項の規定に基づき、職員の心身の状態に関する情報(以下「健康情報」という。)を適正に管理するために必要な事項を定めるものとする。
(1) 職員 副知事ならびに知事および労働委員会の事務部局に勤務する一般職の職員をいう。
(2) 健康情報の取扱い 健康情報に係る収集、保管、使用および消去の一連の措置をいう。
(3) 収集 健康情報を入手することをいう。
(4) 保管 収集した健康情報を保管することをいう。
(5) 使用 健康情報を取り扱う権限を有する者が健康情報を活用し、または第三者に提供することをいう。
(6) 加工 収集した健康情報を第三者に提供するに当たり、当該健康情報の取扱いの目的の達成に必要な範囲内で使用されるように変換することをいう。
(7) 消去 収集、保管、使用または加工した健康情報を削除その他使用ができない状態にすることをいう。
(健康情報の利用の制限)
第3条 健康情報を取り扱う者は、健康診断等による職員の健康を確保するための措置または職員の生命、身体等の安全を確保するために必要な配慮を行うために必要な範囲を超えて、健康情報の取扱いをしてはならない。ただし、法令に基づく場合または個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)第69条第2項各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
(一部改正〔令和5年訓令9号〕)
(健康情報を取り扱う者およびその権限等)
第4条 健康情報を取り扱う者の分類は、別表第1のとおりとする。
2 健康情報を取り扱う責任者(以下「責任者」という。)は、総務部長をもって充てる。
3 健康情報の内容および健康情報を取り扱う者の権限は、別表第2のとおりとする。
5 健康情報を取り扱う者は、職務を通じて収集した職員の健康情報を他人に漏らしてはならない。
(健康情報を取り扱う目的の通知方法等)
第5条 健康情報を取り扱う者が、健康情報の取扱いを行う場合には、あらかじめ、その利用の目的および取扱いの方法を職員本人に通知し、または公表しなければならない。
2 健康情報の利用の目的および取扱いの方法をあらかじめ公表していない場合において、健康情報を取り扱う者が、健康情報を収集することとなったときは、速やかにその利用の目的および取扱いの方法を職員本人に通知するものとする。
3 健康情報を取り扱う者は、偽りその他不正の手段によりこれを収集してはならない。
(一部改正〔令和5年訓令9号〕)
(健康情報の適正管理)
第6条 健康情報を取り扱う者は、健康診断等による職員の健康を確保するための措置または職員の生命、身体等の安全を確保するために必要な配慮を行うために必要な範囲において、健康情報を正確かつ最新なものに保つよう努めなければならない。
2 健康情報を取り扱う者は、健康情報の漏えい、滅失、改ざんまたは毀損の防止その他の健康情報の適正な管理を実施するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 責任者は、健康情報があらかじめ定めた方法に従って取り扱われていることを確認すること。
(2) 別表第1に掲げる健康情報を取り扱う者以外の者は、原則として、健康情報を取り扱ってはならないこと。
(3) 健康情報を含む文書、図画または電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。)について、施錠することができる場所での保管ならびに記録機能を持つ媒体の持込みおよび持出しの制限等により、健康情報の盗難、紛失等を防止すること。
(4) 健康情報のうち、個人情報ファイル(個人情報保護法第60条第2項に規定する個人情報ファイルをいう。)に該当するものを扱う電子計算機に関して、アクセス制限、アクセス記録の保存、パスワード管理、外部からの不正アクセスの防止等により、情報の漏えい等を防止すること。
3 健康情報を取り扱う者は、健康情報を法令および条例の規定ならびに福井県文書規程(昭和61年福井県訓令第6号)に定める期間保存しなければならない。
4 健康情報を取り扱う者は、保有する必要がなくなった健康情報については、確実にかつ速やかに消去しなければならない。
5 健康情報を取り扱う者または職員は、健康情報の漏えい等を確認した場合は、速やかに責任者に報告するものとする。この場合において、責任者は、健康情報の漏えい等による被害の拡大防止、事実関係の調査および原因の究明、影響の範囲の特定、再発防止策の検討および実施、影響を受ける可能性のある職員本人への連絡ならびに事実関係および再発防止策の公表その他必要な措置を講ずるものとする。
6 健康情報を取り扱う者が健康情報の取扱いの全部または一部を健康情報を取り扱う者以外の者に委託する場合は、当該委託を受けた者は、個人情報保護法第66条第2項において準用する同条第1項に規定する措置を講じなければならない。
(一部改正〔令和5年訓令9号〕)
(健康情報の開示)
第7条 責任者は、職員から職員本人の健康情報の開示の請求があったときは、当該職員に係る健康情報(個人情報保護法第78条第2項において読み替えて適用する同条第1項各号に規定する情報(以下「非開示情報」という。)を除く。)を開示しなければならない。この場合において、当該職員に係る健康情報を保有していないときは、理由を添えて、その旨を通知するものとする。
2 前項前段の場合において、非開示情報があるときは、責任者は、健康情報の開示を請求した職員に対し、理由を添えて、その旨を通知するものとする。
3 責任者は、職員本人から当該本人の健康情報について訂正、追加、削除、使用停止(第三者への提供の停止を含む。以下「訂正等」という。)の請求を受けた場合であって、その請求が適正であると認めるときは、訂正等を行い、その内容を職員本人に通知するものとする。
4 責任者は、前項の規定による訂正等の請求があった場合において、当該請求の内容が健康情報の利用の目的から見て訂正等の必要がない場合、誤りである旨の指摘が不適当な場合または訂正等の対象が事実でなく評価に関する情報である場合に該当すると認めるときは、訂正等を行わないものとする。この場合において、責任者は、職員本人に対し、理由を添えて、訂正等を行わない旨を通知するものとする。
5 責任者は、第3項の規定による訂正等の請求があった場合において、評価に関する健康情報に、評価の前提となっている事実が記載されており、当該事実に誤りがあると認めるときは、その限りにおいて訂正等を行うものとする。
(一部改正〔令和5年訓令9号〕)
(健康情報を第三者に提供する場合の取扱い)
第8条 健康情報を取り扱う者は、あらかじめ職員本人の同意を得ないで、健康情報を第三者に提供してはならない。ただし、個人情報保護法第69条第2項各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
(一部改正〔令和5年訓令9号〕)
(主管課)
第9条 この訓令に関する主管課は、総務部人事課(以下「人事課」という。)とする。
(組織の変更等による健康情報の取扱い)
第10条 第6条の規定は、健康情報を取り扱う者が行政組織の変更その他の事由により収集する健康情報について準用する。
2 健康情報を取り扱う者は、労働安全衛生法の規定によらないで健康情報の取扱いを行う場合で、前項の規定により収集した健康情報を収集前の利用目的を超えて保管、使用または加工するときは、あらかじめ職員本人の同意を得なければならない。
(健康情報の取扱いに関する苦情の処理)
第11条 健康情報の取扱いに関する苦情の処理は、人事課が担当する。
2 人事課は、健康情報の取扱いに関する苦情に適切かつ迅速に対処するために必要な体制を整備するものとする。
(職員への周知方法)
第12条 責任者は、この訓令をインターネットの利用、印刷物の配布その他適切な方法により職員に周知するものとする。
(研修の実施)
第13条 責任者は、必要に応じて、職員に対して健康情報の取扱いに関する研修を行うものとする。
(補則)
第14条 この訓令に定めるもののほか、健康情報の適正な管理に関しては、個人情報保護法の定めるところによる。
(一部改正〔令和5年訓令9号〕)
(その他)
第15条 この訓令に定めるもののほか、健康情報の適正な管理に関し必要な事項は、別に定める。
附則
この訓令は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和5年3月31日訓令第9号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。
別表第1(第4条関係)
健康情報を取り扱う者 | 職 | 分類 |
人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者 | 総務部長、総務部の事務を総括する副部長、総務部人事課長 | 担当ア |
産業保健業務従事者 | 産業医、総務部人事課に所属する保健師および看護師、衛生管理者、衛生管理担当者 | 担当イ |
管理監督者 | 所属長、健康づくり推進員 | 担当ウ |
人事部門の事務担当者 | 人事課長以外の事務担当者 | 担当エ |
別表第2(第4条関係)
健康情報の内容 | 健康情報を取り扱う者の権限 | ||||
担当ア | 担当イ | 担当ウ | 担当エ | ||
① | 労働安全衛生法(以下「安衛法」という。)第65条の2第1項の規定に基づき、県が作業環境測定の結果に基づいて、職員の健康を保持するため必要があると認めたときに実施した健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
①―1 | 上記の健康診断の受診・未受診の情報 | ◎ | ○ | △ | △ |
② | 安衛法第66条の第1項から第4項までの規定に基づき県が実施した健康診断の結果ならびに安衛法第66条第5項および第66条の2の規定に基づき職員から提出された健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
②―1 | 上記の健康診断を実施する際、県が追加して行う健康診断による健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
②―2 | 上記の健康診断の受診・未受診の情報 | ◎ | ○ | △ | △ |
③ | 安衛法第66条の4の規定に基づき県が医師または歯科医師から聴取した意見および第66条の5第1項の規定に基づき県が講じた健康診断実施後の措置の内容 | ◎ | ○ | △ | △ |
④ | 安衛法第66条の7の規定に基づき県が実施した保健指導の内容 | △ | ○ | △ | △ |
④―1 | 上記の保健指導の実施の有無 | ◎ | ○ | △ | △ |
⑤ | 安衛法第66条の8第1項(第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項)の規定に基づき県が実施した面接指導の結果および同条第2項の規定に基づき職員から提出された面接指導の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑤―1 | 上記の職員からの面接指導の申出の有無 | ◎ | ○ | △ | △ |
⑥ | 安衛法第66条の8第4項(第66条の8の2第2項、第66条の8の4第2項)の規定に基づき県が医師から聴取した意見および同条第5項の規定に基づき県が講じた面接指導実施後の措置の内容 | ◎ | ○ | △ | △ |
⑦ | 安衛法第66条の9の規定に基づき県が実施した面接指導または面接指導に準ずる措置の結果 | ◎ | ○ | △ | △ |
⑧ | 安衛法第66条の10第1項の規定に基づき県が実施したストレスチェックの結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑨ | 安衛法第66条の10第3項の規定に基づき県が実施した面接指導の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑨―1 | 上記の職員からの面接指導の申出の有無 | ◎ | ○ | △ | △ |
⑩ | 安衛法第66条の10第5項の規定に基づき県が医師から聴取した意見および同条第6項の規定に基づき県が講じた面接指導実施後の措置の内容 | ◎ | ○ | △ | △ |
⑪ | 安衛法第69条第1項の規定に基づく健康保持増進措置を通じて県が取得した健康測定の結果、健康指導の内容等 | △ | ○ | △ | △ |
⑫ | 労働者災害補償保険法第27条の規定に基づき、職員から提出された二次健康診断の結果および労働者災害補償保険法の給付に関する情報 | △ | ○ | △ | △ |
⑬ | 治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書 | △ | ○ | △ | △ |
⑭ | 通院状況等疾病管理のための情報 | △ | ○ | △ | △ |
⑮ | 健康相談の実施の有無 | △ | ○ | △ | △ |
⑯ | 健康相談の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑰ | 職場復帰のための面談の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑱ | 上記のほか産業保健業務従事者(別表1 担当イ)が職員の健康管理等を通じて得た情報 | △ | ○ | △ | △ |
⑲ | 任意に職員から提供された本人の病歴、健康に関する情報 | △ | ○ | △ | △ |
※ ◎:総務部人事課が直接取り扱う。
※ ○:情報の収集、保管、使用、加工、消去を行う。
※ △:情報の収集、保管、使用を行う。なお、使用に当たっては、職員に対する健康確保措置を実施するために必要な情報が的確に伝達されるよう、医療職が集約・整理・解釈するなど適切に加工した情報を取り扱う。