平成26年末に当たっての知事あいさつ

最終更新日 2014年12月26日ページID 028906

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 このページは、平成26年12月26日(金)に県庁で放送された、職員に対する平成26年末に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 平成26年の仕事納めに当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

 今年は、世界的には4年に一度の冬季オリンピックソチ大会やサッカーワールドカップブラジル大会など、大きなスポーツイベントが開かれた年でした。国内的には、税制改正では消費税の増税、また人口減少問題が大きくクローズアップされました。そして師走には総選挙と、全体に様々な課題があったところです。また、秋の御嶽山の噴火も記憶に新しいところです。

 そのような中で、福井県の1年を振り返ると、「未来への可能性が飛躍的に高まった1年」であったと思います。

 皆さんのおかげで、高速交通網の整備が大きく進みました。子どもたちや若者が活躍するなど、これから5年、10年の更なる福井の発展のための基盤が整ったと思います。

 特に、今年は1月に日本総合研究所の都道府県別の幸福度ランキングにおいて、福井県が総合1位になりました。そして12月には、慶應義塾大学の調査で子どもの幸福度のランキングでも総合1位を獲得しました。年の初めと終わりに嬉しい評価を得たところです。

 これらは県民のたゆまぬ努力の成果であることはもとより、職員の皆さんの一つひとつの仕事の積み重ねの結果でもあります。皆様の不断の努力に対し改めて感謝申し上げます。

 

 それでは、福井県政のこの1年を振り返ってみたいと思います。

 今年の県政は、各分野において、一つのステージをクリアしたり、あるいは新たなシステムや制度を導入したりして、「次のスタート地点に立った」と言えるものが多かったと思います。順に述べていきたいと思います。

 まず、若狭さとうみハイウェイの全線開通と嶺南地域の活性化と一体化があります。

 7月20日には「若狭さとうみハイウェイ」が全線開通いたしました。これで長い間の懸案であった嶺南と嶺北の一体化ができました。福井県、特に嶺南地域の産業や観光などの活性化へのスタートの機会でもあったと思います。

 そして「海湖と歴史の若狭路」キャンペーン、数年間かけて整備した海浜自然センター、若狭歴史博物館のリニューアルオープンもできました。嶺南地域の主要な観光地の入込数は、対前年比で2割増となるなど、全体的によい効果が見られるところです。

 産業の面においても、美浜町の沖に定置網が新設され、高浜町では大型の園芸団地ができました。さらに敦賀市、美浜町では産業用地の造成も進んでいるところです。

 そして三方五湖水月湖の年縞の採取が行われました。「ふるさと学びの森」が開設され、豊かな里山里海湖を守る里山里海湖研究所を通じた活動も活発化したと考えています。

 一方、原子力に関しては、4月に国のエネルギー基本計画において、原子力発電が「重要なベースロード電源」と位置付けられ、高浜3、4号機の再稼働に関する審査書案が先日公表されたところです。

 なお様々な手続きが必要であり、依然、再稼働がいつごろになるのかはっきりしないところもありますが、引き続き、国に対し、スケジュールの明確化や責任あるエネルギー政策の実行を強く求めていかなければならないと考えています。

 特にこのエネルギーの関係では、国に対し、エネルギー成長戦略特区の提案を4月に行っています。敦賀港周辺におけるLNGインフラの検討も進めています。

 これらはいずれも、嶺南活性化のための重要な資源あるいはインフラであり、それぞれバラバラではなく、総合的なプロジェクトとして実行することにより、相乗効果を生み出していくことが重要です。

 

 次に、北陸新幹線や中部縦貫道の整備とまちづくりの課題についてです。

 北陸新幹線については、敦賀開業の3年前倒しがいよいよ最終段階に来ています。衆院選のため予算編成が年越しとなっていますが、新年度の予算決定までの間に、3年前倒し案を何としても獲得したいと思っています。

 工事の面では、新北陸トンネルの掘削工事に南北両側から着手し、用地取得に必要な沿線集落との設計協議もこの夏から年度内完了を目途に進めてきています。

 中部縦貫自動車道の整備は順調に進んでいます。県内で整備が残っている高速道路はここだけです。新幹線と中部縦貫道が完成すれば、県内の高速交通網はすべて結ばれることになります。

 このため、中部縦貫道についても北陸新幹線の開業前倒しの時期に合わせて全線開通がなされるよう、今年新たに要請しおり、努力していきたいと考えます。

 新幹線開業に当たっては、県都の玄関である福井市中心部のまちづくりとして、旧福井城の「山里口御門」の復元に着手しております。

 また7月には、勝山に野外恐竜博物館を開館ました。恐竜博物館を “点”から“面”へと広げ、恐竜渓谷に新たな魅力を加えるものになったと思います。来年度は更なる利用者増加に向けて、勝山市のみならず大野・永平寺と連携してこの事業を進めなければなりません。

 一方、一乗谷朝倉氏遺跡をはじめ、県内各観光地の魅力づくりを着実に前進させるとともに、住民の皆さんとともに地域づくりを行う「ふるさと創造プロジェクト」は年度内に全て市町がこの事業に着手できる見込みになっています。

 新幹線開業まで、それほど時間はないと思います。特色ある観光地づくりやまちづくりを、市町と力をあわせて加速してまいりたいと思います。

 

 次に、福井しあわせ元気国体に向けた準備について申し上げます。

 4年後の福井しあわせ元気国体に向けては、今年、長崎国体で17位と、目標にしていた10位台を達成しました。一つ、次のステージを上がったことになります。

 有力選手と県内企業の就職をマッチングする「スポジョブふくい」も今年から導入しています。今後4年間で約200人の選手の皆さんに福井県に来ていただきたいと考えています。各分野の意見交換も積極的にしていきながら福井の企業に就職していただき、福井国体での優勝を目指したいと思っています。

 会場の整備も順調に進んでおり、丹南総合公園の体育館、芝生広場等が完成しました。福井運動公園の、旧体育館を解体しての新体育館の改築にも着手している状況です。

 キャラクターチーム「ダイノはぴねす」も披露が終わっています。県民歌、ダンスも皆さんにお披露目しております。これらを活かしながら、さらに国体の機運を盛り上げてまいります。

 そして大事なことは、県内の企業の皆さんが国体や東京オリンピックに向けた商品開発、販路拡大を進めるための官民を挙げた共動体制も整えているところです。

 福井国体、2年後の東京オリンピックは、福井県にとって絶好のタイミングとなると思っています。

 農業の分野では、ポストこしひかりの完成が国体の1年前になるよう目標としています。今後は多くの政策・事業について、国体やオリンピックを一つの節目として、この機会を最大限に生かす工夫をしていただくつもりです。

 

 人口減少問題への対応が大きな課題となっています。

 今年はいわゆる人口減少問題が国・地方挙げてクローズアップされた1年だったと思います。

 福井県では8月に「人口減少対策推進本部」を設け、首都圏に住む本県出身の女性の皆さんへのアンケートのみならずインタビューを行って、市町・団体との意見交換を進め、現在、総合的な対策を検討中です。

 特に人材の確保が重要ですので、福井県では全国に先駆けて、農業に関しては今年から「園芸カレッジ」、伝統産業に関しては「伝統工芸職人塾」を設けています。県内で活躍する女性社員25名の方を公募して、「就活女子応援員」になっていただきました。大都市圏の女子学生に福井の企業の良さや皆さんの生活の良さをお知らせしてUターン呼びかけるなど、わかりやすい形で地方移住に効果があるよう努めていきたいと考えています。

 また、この問題の根本問題である東京一極集中を是正するためには、人や企業を地方分散させる必要があります。「ふるさと企業減税」や、参議院議員選挙において本籍地での投票ができるようにする「ふるさと投票制度」等の導入を国に提言する活動も行ったところです。

 人づくり、特に学校教育の面では、奥越、若狭地区に続いて県内3地区目の総合産業高校となる坂井高校が4月に開校し、また、県内初の併設型中高一貫校となる高志中学・高校の開校の準備も進んでおります。

 高志中学には90名の定員に対してすでに約6倍の出願があり、県民の高い期待をうかがえます。この期待に応える教育を行うとともに、高志中学・高校のみならず、全体として良い教育が福井県で行えるように努めてまいりたいと考えています。

 そして、教育の原点である子どもたちの学力・体力は日本一の座を堅持しています。全国からたくさんの見学者が、教育関係のシンポジウムやフォーラムに集まっています。福井の教育の良さを紹介する出版物も刊行されています。こうした書籍なども使って、当事者となる中高生たちにも福井の良さを学んでほしいと思っています。

 県外に出て世界的に活躍している県内出身の企業家にも、「ふるさと教員」として、特別にふるさとの学校で授業をしていただいています。子どもたちの大きな刺激になっており、子どもたちが福井をより深く学ぶ機会ができていると思っています。

 

 これまでこの一年の成果や課題を述べましたが、そのほかにも、タイのバンコクにビジネスサポートセンターを開きました。従来の中国や台湾方面に加えて、東南アジアを中心に販路拡大を行う企業の支援体制を整えています。

 また、県全体の産業政策についても「福井経済新戦略」を1年早く着手しております。3月ごろまでに改定案をとりまとめてまいります。

 その他、新しい林業計画、水産計画を策定し、「観光新戦略」についても年度内に策定する予定です。

 産業や県民生活に欠かせない道路整備も着実に進んでいます。常神半島の「神子(みこ)トンネル」がこの夏に、鯖江と福井を結ぶ県道の「戸口(とのくち)トンネル」もこの8月に、12月には大野の「砂山(すなやま)トンネル」が相次いで開通しました。

 医療の分野では、陽子線がん治療センターで世界初となる新たな治療システムが運用を開始しており、利用している患者数も増えています。乳がん治療の臨床試験にも着手し、成功すればこちらも世界で初めてとなると思います。

 最後に嬉しい話題として、県内で50年ぶりとなるコウノトリの孵化が成功しました。げんきくん、ゆうきくん、ゆめちゃんの3羽が元気に育っています。県民皆で成長を見守り、大空を羽ばたいてほしいと思います。

 

 以上、今年の主な成果を挙げました。これら以外にも、皆さんにはそれぞれの分野で着実に仕事を進められたと思います。

 明日からは年末年始の休みに入りますが、今年は9日間の長期の休みになるようです。年末には新しい内閣も発足し、国も新年には予算や税制改正、法案の議論なども行われると思います。皆さんにはこの休みの間に英気を養っていただくと同時に情報を収集していただき、新年に備えていただきたいと思います。

 そして、健康に留意され、良い新年を迎えられますことを祈念して、仕事納めに当たってのあいさつといたします。

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