平成28年末に当たっての知事あいさつ

最終更新日 2016年12月28日ページID 034613

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 このページは、平成28年12月28日(水)に県庁で放送された、職員に対する平成28年末に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 平成28年の仕事納めに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。

 今年1年を振り返ってみると、海外では、イギリスのEU離脱問題や、アメリカ、韓国等でのリーダー交代の動きなど、政治情勢に大きな変化がありました。

 国内においても、政治の面では合区による初めての選挙があったほか、熊本や鳥取で大きな地震も相次ぐなど、政治的にも安全安心の面からも様々な課題が発生し“わがふるさとを守る”という強い思いについて考えることの多い1年ではなかったかと思います。

 そのような中、本県の1年を振り返ると、永年の悲願であった北陸新幹線小浜京都ルートの決定をみました。また、幸福度日本一の3度目の獲得もありました。福井県の将来を展望する上で極めて大きな前進があった一年であったと思います。

 これは、県民の皆さんの不断の努力の表れであると同時に、職員一人ひとりの仕事の成果であります。改めて深く感謝申し上げます。
 一方で、地方創生と国の政策などについては、やや国の力が弱くなっている感じも抱いています。この中で、福井の素晴らしい素材について、職員が先頭に立って発掘をし磨き上げを行い、県民に示しながら、プライドを持って、リードする、こういう職員の活動をさらに発展して欲しい。

 さて、具体的に1年を振り返ってみますと、今月20日、北陸新幹線小浜ルートが決定しましたが、これは40年以上の長きにわたる歴史の重み、県民の思いが詰まった長年の悲願であり、先輩方の努力を継承しながら県民一丸となった運動が実を結んだものです。

 敦賀開業についても、用地取得率は確実なものを含めてこの年末で7割となり、年度内の取得完了と県内全区間工事契約に全力を挙げています。

 中部縦貫自動車道については、来年春には永平寺大野道路が大野まで全線開通する予定です。奥越から嶺南地域まで、県内の主要都市が総延長約160kmの高速交通で結ばれ、県の一体化がさらに進みます。

 こうした高速交通ネットワークの整備効果を県内にくまなく浸透させるため、観光まちづくりや産業基盤形成のためのアクション・プログラムを今年3月にとりまとめています。例えば、県内の主な地域の例を挙げると、勝山市の花月楼、越前市の紙の博物館、永平寺町の旧織物会館、高浜町の青葉山ハーバルビレッジなど、各地の新たな観光拠点の整備・リニューアルを加速させています。そのほかについも、たくさんありました。

 次に人口減少対策についてです。
 昨年6月のUターンセンターのオープン以降、社会人U・Iターンが年間100人程度伸びています。今年度も目標の500人を超える見込みです。学生についても、今年4月のUターン率は過去10年で最高の3割程度となり、結果も出ています。

 また、福井県出身者や福井県での勤務経験者など本県にゆかりのある皆さん、現在は県外のお住まいの方を「ふるさと県民」と考え、11月には、初めての「ふるさと県民大会」を東京で開きました。予想外の約850名の参加を得ています。

 一方で、若者の流出抑制戦略については、大学の役割が極めて重要であるため、4月にはアオッサに大学連携センター「Fスクエア」を開きました。県内5つの大学が連携し、恐竜学や日本海地域の自然や歴史など特色のある講義を開いています。約1,200人が大学の垣根を越えて、勉強をしています。

 人口減少対策・地方創生の分野は、他県との競争がますます激しくなっています。引き続き、政策の強度を上げつつ、フロンティアを探し、実行していくことが必要であります。

 また、本県の魅力発信については、今月初め、5年をかけて選抜を重ねてきた「ポストこしひかり」の品種が遂に決定しました。水産業では、越前がに「極」が大きく注目されているが、「極」とともに、福井の食を全国に強く発信し、ブランドとしていきます。

 福井の「食」に関連して、先月、香港とシンガポールで食文化提案会と商談会を開きました。現地のレストランやメディアに本県の食材や伝統工芸品、観光などの魅力を直接宣伝し、今後数か月で約70件の成約を見込んでいます。

 また、福井県が呼びかけた「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」の設立総会が今年開かれ、44都道府県と229市区町村が参加してくれています。10年前から継続的に続けてきた、美味しいものを適量に、残さずいただくという本県の運動が全国に広がった例です。

 文化面では、「エンゼルランドふくい」を体験型の施設へと大幅にリニューアルし、県立図書館の「白川文字学の部屋」に白川先生が過ごした書斎を復元するなど、展示をより充実させ、魅力を高めています。

 恐竜については、勝山の恐竜化石群・発掘現場が、恐竜化石として全国で初めて天然記念物の指定を受けることとなりました。恐竜博物館についても、特別展の入館者数が過去最高の24万人近くを記録するなど好調が続いています。

 また、本年は多くの産業基盤が完成しています。
 サンドーム福井では、伝統的工芸品の全国大会にあわせ、管理棟を「福井ものづくりキャンパス」としてリニューアルし、地場産業・伝統産業の製品開発や情報発信の拠点として整備を行いました。

 農林水産業では、九頭竜川流域のパイプラインが4月に全面通水となり、夏でも冷たいきれいな水が24時間安定して供給される体制となっています。

 同じく4月には木質バイオマス発電事業が大野市でスタートしています。これまで山に残され使用できなった木材が活用されるなど、順調に運営がなされています。

 また、水産業の面では、敦賀水産加工基地が5月に本格稼働し、新鮮な魚や加工品が出荷されるようになりました。加工・製氷・冷蔵が一体となった施設として1日あたり4トンの魚を加工し、学校給食や県内外の飲食店に提供され、漁業者の皆さんの所得がこれまでに約1割程度の増加を見ています。

 そしていよいよ福井国体・大会まで2年を切り、4月にはメイン会場となる県営陸上競技場が完成しています。これから、建設や改修が必要な県内43施設のうち、来年3月までに約7割、29施設が完成する見込みです。

 10月の岩手国体では、特に自転車やボート競技において選手の皆さんが活躍してくれました。天皇杯18位となり、昨年の順位を上回る成績をあげています。

 最後に、原子力・エネルギー問題について申し上げます。
 再稼働、仮処分による運転停止、40年を超える運転の問題、そして年末にかけて「もんじゅ」の問題など、様々な課題が同時並行的に進み、対応に追われたところです。

 40年を超える運転の問題について、県として、運転期間延長の必要性や安全性について、国に対し丁寧な説明を求めていかなければなりません。

 「もんじゅ」については、地元が納得できる説明のないまま、拙速に廃炉の方向いう決定がなされ、まことに遺憾な状況になっています。政府の現在の方針では、国として十分な反省がなされているとは言えず、地元として到底受け入れられるものではありません。過去の総括や反省、今後の責任ある運営主体をどう決めていくかなどについて、国の真剣かつ的確な対応を引き続き強く求めていきます。

 以上、今年は極めてたくさん成果と課題を解決できた年だったと思います。
 あくる年は、本年を更に上回る成果を得、県民の暮らしを良くする「より進展ができる年」にしたいと考えています。

 明日からは年末年始の休みに入ります。ご家族と日頃なかなか行けない場所に足をのばしたり、勉強したりなど、有意義なリラックスした6日間として欲しいと思います。

 そして、健康に留意し、新しい年を迎えられることを祈念して、仕事納めに当たってのあいさつとお礼といたします。

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