ふくい園芸カレッジの開校式にあたり、一言ごあいさつを申し上げます。
本日、新規就農コースに県外からの11名を含む23名、プラス園芸コースに37名の研修生を迎え、ふくい園芸カレッジの開校式を迎えたことを嬉しく思います。また、ご参集いただいたご来賓の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、ご出席を賜りまして厚くお礼申し上げます。
さて、農業を取り巻く情勢については、現在、TPP交渉や米政策の見直しが行われているところですが、農業がふるさと福井の豊かさを足元で支える重要な産業であることから、生産者が不安なく取り組み、持続的に農業経営が発展していけるよう、新たな政策が必要となっています。このため、県では平成30年の本県農業の目指すべき姿と、この実現に向けた戦略を示す「ふくいの農業基本計画」を策定したところです。
この計画では、特に園芸産出額を新たに40億円増加させ、現在の1.3倍となる180億円まで拡大するなど、現在稲作中心の本県農業の多様化を図っていくこととしています。このため、新規就農者をはじめ、園芸に取り組む人材を確保・育成していくことが重要であり、その拠点としてふくい園芸カレッジを設立したわけであります。
当カレッジの大きな特徴は、本日記念講演をお願いしている東京大学大学院の鈴木宣弘教授をはじめ、日本の農業のトップリーダーの方々に特別講師をお願いするなど、生産技術だけでなく、販売や経営力を高めるカリキュラムを数多く設けていることです。さらに、研修後も研修で使用した畑でそのまま就農できるなど、全国で最も充実した養成機関となっております。
ところで、福井県は人口に対するお寺と神社の数が最も多い県です。信仰が深く、人々のつながりも深い県です。浄土真宗の蓮如上人が吉崎に近いところを拠点にして教えを伝えていました。この蓮如上人の言葉に、物を言えという教えがあります。おそらく我々の先祖に対して教えを布教した際に、黙って聞いているのは良くないということでしょう。黙って聞いていると分かったのかどうか分からない、その結果、何を思っているのかも分からないし、隣の人たちの気持ちもわからない。物を言わない人は良くない、物を言えと何十回も唱えておられます。ですから遠慮なく物を言って、お互いに話し合って切磋琢磨して向上するという気持ちで学ぶと良いと思いましたので、少し脱線しましたが皆さんにお伝えします。
さて、来月7月20日には舞鶴若狭自動車道が全線開通します。関西からの方もいらっしゃると思いますが、小浜から敦賀までやってきて、京都、兵庫、三田から一直線になりますのでたいへん便利になります。
また、来年の4月には北陸新幹線が金沢まで開業します。その後10年はかかりますが福井・敦賀まで結ばれますので、交通条件は格段に良くなります。早く整備を進めて、様々な交流をしていきたいと考えています。
そして、2巡目となる「ふくいしあわせ元気国体」が4年後に開催されます。これによって県内外の交流が深まるので、観光農園など、観光業者とのタイアップによる新しい園芸展開にも期待したいと思います。
研修生の皆さんには、それぞれの目標をもって意欲的に研修に励んでもらい、自らの経営設計を立てて、将来の園芸のリーダーとなるようにご期待申し上げます。
先ほど農業生産額の数字を申し上げましたが、数字が何パーセントになったということだけではなく、お一人おひとりの名前とか農園の名前、あるいは地域の名前が知れ渡るような農業をしなければならない時代です。高い意欲と心がけを今から持ってほしいと思います。
最後に、研修生の皆さんがトレーニングや研修を受けるためには、来賓の皆様や、地元の農業者の皆様のご支援が不可欠ですので、今後とも園芸人材の育成にご支援、ご協力いただけるようお願い申し上げまして、ごあいさつとしたいと思います。
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