このページは、平成２６年１０月４日（土）に越前市で行われた武生特殊鋼材創立60周年記念式典での知事あいさつをまとめたものです。

　一言ごあいさつを申し上げます。武生特殊鋼材株式会社の創立６０周年を心よりお慶び申し上げます。昭和２９年の創業以来、半世紀を超えて、本県の伝統的工芸品である越前打刃物の振興と地域経済の発展に貢献していただいており、心より敬意を表します。

　さて、越前打刃物の材料となるクラッドメタルは、この越前市をはじめ、全国の刃物産地で使われるなど品質の高さは折り紙つきの製品であり、業界ナンバーワンの高いシェアを誇るトップメーカーとして活躍されています。

　また、御社が中心となって、産地の事業者の皆さんと結成された「越前ブランドプロダクツ・コンソーシアム」では、世界最大級の見本市「ドイツ・アンビエンテ」への出展により、海外でのブランド力向上にご尽力いただいています。

　こうした活動に対し、改めて感謝申し上げますとともに、越前打刃物の知名度が国内はもとより世界に広まっているということは、私自身としても実感しており、深く感謝を申し上げる次第です。

　京都の刀鍛冶 千代鶴国安が、武生に留まって刀剣をつくる傍ら、農民に生活用の鎌などの刃物を作られたのが始まりといわれます。長い歴史と、確かな技術に裏打ちされた逸品は、外国の方にもその良さが伝わるものと思います。

　福井県では、今年度、越前打刃物をはじめ５つの伝統工芸が丹南に集積している特性を活かし、「越前ものづくりの里プロジェクト」として産地の職人の育成や魅力向上を、ご地元の越前市をはじめ皆様方とともに結集して、振興を図ってまいりたいと考えておりますので、ぜひとも皆様のお力添えをお願いいたします。

　刃物は人類の文明の産物であり、生活の豊かさや機能の高さを表す大事な文明的指標です。これからも機能性が高く、芸術性の高い刃物の製品等をますます世界に広めていただき、この６０周年をきっかけに御社がますます発展されますことを心からご祈念申し上げまして、ごあいさつとしたいと思います。おめでとうございます。