年稿を軸とした環太平洋文明研究拠点シンポジウム 知事あいさつ

最終更新日 2014年12月19日ページID 029109

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 このページは、平成26年12月19日(金)に京都市で行われた、年縞を軸とした環太平洋文明研究拠点シンポジウムでの知事あいさつをまとめたものです。

 皆さんこんにちは。ご紹介をいただいた福井県知事の西川です。
 今日は、この立命館大学のシンポジウムにご案内をいただき、誠にありがとうございます。せっかくですので、一言ごあいさつを申し上げます。
シンポジウムの様子

 今回、「年縞を軸とした環太平洋文明研究拠点シンポジウム」が、盛大に開かれますことを心からお祝い申し上げます。

 立命館大学におかれましては、我が福井県の出身で文化勲章を受章された漢字学の泰斗、故・白川静先生が教鞭を執られ、白川文字学を確立された大学です。また同じく福井出身のノーベル物理学賞受賞者の南部陽一郎先生も、立命館大学で教壇に立っておられます。福井県ではこの二人を、本県を代表する知の巨人として、ふるさとの先人や達人を展示する福井県立こども歴史文化館で紹介し、皆さんの励みになっているところです。

 こうした縁によって、立命館大学にはこれまで、福井県内で白川文字学を活かした漢字教育のための指導者養成や、大学主催の講演会で「福井県の教育」について発信する機会を設けていただくなど、格別のご協力、ご支援をいただき感謝を申し上げます。

 このシンポジウムの総合司会は立命館大学環太平洋文明研究センター長、安田喜憲先生がお勤めです。先生には、昨年10月に、福井県三方五湖の中の三方湖畔に開設した県の里山里海湖研究所で、研究アドバイザーとして総合的なご助言・指導をいただいており、厚くお礼申し上げます。

 また、これまで立命館大学の古気候学研究センター長の中川毅先生には、福井県若狭町での年縞研究成果発表会の開催や、福井県内の全小中学校に配布しました年縞の研究DVD教材やハンドブックの作成などにご協力をいただき、改めてお礼申し上げます。

 さて今日は、「アジアの環境変化と人類」をテーマに、年縞という一つの大きなものさしから、人類文明を探るというシンポジウムということです。

 1991年に、この「年縞」の名付け親でもいらっしゃる安田先生が、三方五湖で大型の丸木舟や漆を塗った櫛などの木製品や土器など大量の遺物が残された「縄文タイムカプセル」と呼ばれる鳥浜貝塚の現地調査をされました。これをきっかけに、福井県の水月湖で、アジアで初めて年縞を発見してから、20年あまりが経過しております。

 この間、安田教授によって開かれた年縞研究の扉が、昨年9月に、中川教授によって地質学的年代測定の世界標準のものさし「イントカル13」として結実したものであります。

 このことは、現代の時計がグリニッジ標準時に合わせているように、地質学上の長い年代が、我が福井県の三方五湖の一つ水月湖の湖底の年縞を基準につくられたということで、科学誌「サイエンス」などで全世界にも紹介をされております。
シンポジウムの様子

 こうした安田先生、中川先生たちのご尽力により、水月湖が世界中から注目されるようになりました。今後、年縞研究は高い精度の環境復元の研究へと、更に飛躍的な発展を遂げるものと期待しておりますが、福井県ではこの年縞を福井の宝として、広く教育観光、地域づくりにも活用したいと考えております。

 このため今年の夏の7月から9月にかけて、中川先生の協力のもと、水月湖の年縞を更に新たに採取し直しました。世界の年縞研究者への研究試料の提供や、国立科学博物館など県内外の博物館で広く紹介し、さらに新たな研究施設の整備を進めていくための基本計画を今年度中につくる予定です。

 このように、水月湖の年縞研究を進めますとともに、教育や観光など年縞の活用を広く世界にアピールをしていくためには、これまで以上に立命館大学の大きなご支援とご協力が不可欠ですので、温かいご支援をいただければありがたいと思います。

 最後に、このシンポジウムの成功と、立命館大学、そして関係者の皆様のますますのご発展を祈念いたしまして、祝辞とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

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