このページは、平成２8年3月5日（土）に福井市で行われた、福井県教職員組合定期大会での知事あいさつをまとめたものです。

　皆さんおはようございます。
　今日の福井県教職員組合の定期大会はちょうど１５０回の節目であり、長年にわたる皆さんのご尽力によって、この大会が盛大に開催されることを心からお祝い申し上げます。
　また、先生方には、日頃から学校で福井県の子どもたちのために日夜がんばっていただいていることに対し、あらためて厚くお礼申し上げます。ありがとうございます。
　今ほど委員長からもごあいさつを賜りましたが、先生方が教えやすい環境づくりにご協力をお願いしたいと思います。

　さて、昨年の春に長年の念願であった新幹線が金沢駅まで開業し、７年後までの敦賀延伸が決まっております。そして本年中には、敦賀から先の小浜を通って、おそらく京都、大阪へつながるルートを決める予定になっております。そして敦賀まで決まってから工事をするのではなく、連続して早く京都、大阪へつながることになります。福井から京都、大阪まで１時間以内くらいになりますので、これから１０年前後で大幅に状況が変わります。
　また、中部縦貫道も来年の春には大野まで直結し、県全体が高速道路でつながります。そして新幹線が敦賀まで来る頃には、大野市内から岐阜県の油坂峠、そして中京、信州、東京へもつながりますので、これもやはり１０年前後で大幅に状況が変わります。福井県が日常圏になると考えていただきたいと思います。

　なお、２年後の秋には福井国体があります。各学校にはスポーツ、行事関係等で時間をとられるかもしれませんが、大切なことですのでよろしくお願いします。

　今ほど委員長から子ども達の貧困の話がございましたが、幸い福井県は山形県や富山県と並んで、貧困率が日本で一番低い県です。慶応大学の調査でも、子どもの幸福度も大人と同じように日本一高いという統計を出していただいているところです。
　今、地方創生や人口減少などの問題がありますが、国の政策にも課題が多くあります。福井県としては地に足をつけて、皆様と十分議論しながら、将来の福井県の人たちが本当に福井で幸せに暮らせるような政策をしっかり進めてまいりたいと思っております。

　具体的な教育問題としては、今後５年間の本県教育の目標となる「教育に関する大綱」に基づき、１２月に策定した「福井県教育振興基本計画」を実行していきたいと思います。
　これには教育長の制度が変わるなどの経緯が背景にありましたが、福井県においては、自主的な考えの中でこれをいかに活用するかということが大事です。そういう精神でこの計画を進め、使っていくことが大事だと思います。
　特に重点を置いている点は、先人の生き方を学び、ふるさとを考え、古典学習の教育を考えながら、郷土への誇りや愛着を育ていきたいと思っております。

　毎年秋は、小学生が県庁見学に来られることが多いのです。学校ごとにやや差があるようですが、最近の学習の状況をお聞きすると百人一首の暗唱で、皆さんそれぞれ違う得意な歌を言ってくれまして、大変うれしく思っているところです。それから応接室に碁盤や将棋盤を置いてあるのですが、「ちょっと打っていくか」と私が言うと、「知らない」と言う子もおります。勉強ばっかりやっていても良くなりませんので、スポーツや文化、料理など、学校で幅広く教えていただければ幸いです。

　それから１年後の来年４月には、これまで運動公園の近くにあった教育研究所を移転します。今日は春江工業高校の閉校式がありますが、その跡を修繕・改修して、拠点を設けます。全国トップクラスの福井の教育をさらに次のステージに引き上げるために、先生の研修や勉強、自主的な研究や集まり、情報機器や教具を揃え、いろいろな研究などを大いにやっていただきたいと思います。

　そして、学力・体力日本一を支えてきた皆さんが、戦前から長年がんばってこられた福井県の教育の歴史を映像などで発信する「教育博物館」を全国で初めて整備したいと思っています。皆さんお持ちの珍しい物があれば拠出してください。何かありましたらご活用いただきたいと思います。

　最後に、教職員組合の皆様におかれましても、明日の福井を担う子どもたちの教育の推進に、今後ともなお一層のお力添えをいただくようお願い申し上げ、お祝いのごあいさつといたします。