このページは、平成28年4月1日（金）に県庁で行われた、職員への知事あいさつをまとめたものです。

　本日、組織改正を行い、また人事異動をされた、幹部職員には辞令を交付しました。

　異動により所属する職員が代わることによって、組織は新しくよみがえるわけでありまして、我々個人とは多少事情が異なります。４月１日を機に、絶えず組織をよみがえらせるという気持ちで、新年度の仕事に臨んでください。

　本日はエイプリル・フールでありますが、楽しい嘘も午前中に限ると言い伝えられています。午後からは一人ひとりが賢くあらねばなりません。

　午前中、新規採用職員の皆さんにも挨拶したところですが、幹部職員にも共通する課題がありますので、まず、そういった点から申し上げます。

　福井県には様々な課題があることはよくご存じだと思います。

　大きな課題もあれば、まだ十分に解決されていない課題もありますが、ここ数年、６～７年という節目の中で、全体の歯車が大きく動き始めており、また動かしていかなければならない大事な時期であります。

　私が副知事として、また知事に就任して１０年余、これほど課題がはっきりとしており、そしてこれをぜひとも大きな力で動かさなければならないと明瞭に感じられるのは、今回が初めてであります。皆さんも同じような印象をもっておられるかもしれません。このような動きを十分に受け止めながら仕事をしていただきたいと思います。

　特に今、人口減少問題が大きく前に立ちはだかっており、この問題は福井県の他の課題と深く関係しており解決をしなければなりません。

　午前中、新規採用職員に話したことでもありますが、その場合に大事なことは、まず福井県を「夢」のある場所にすることが不可欠です。夢があまり感じられない場所には外から人が来たり、あるいは楽しめる場所にはなりません。

　夢とは何かと言えば、皆さんには所管の事柄やまた個人的なこと、それぞれが夢を持つと同時に、福井県全体として夢を大きく広げて、その夢の実現に努力してください。

　幹部職員から今年入庁した新採の職員まで、すべてが夢を持ち、その実現に向けて同じ気持ちで仕事を進めてほしいと思います。

　その際、長期的な視点を持ちながらも、時間が限られていますので目標を明確にして、一歩一歩着実にまた毎年スピード感を持って仕事を進めることが、今は一番大事であります。

　これが疎かになると、国体開催や新幹線開通がうまくいかないということになります。決してそうしたことがないように、目標あるいはそれ以上の成果が現れるように努力してほしいと思います。

　本日は様々な部局の方がおられますが、県庁はやや縦割りといいますか、そういうところがあります。本当は２つあるいは３つの組織が相談すればよりよい仕事ができ、またよい仕上がりになると感じられます。

　このように縦割りの弊害のようなことを言いますが、あえて逆説的に申し上げると、むしろ縦割りをより強くして欲しいということです。

　縦割りを強くして突破力を持って仕事を進めていかなければ、横の連携も見えてきません。互いに引っ込んでいると、すき間だらけで協力するところも分からなくなります。

　その結果、空白の分野がたくさん生じる可能性があります。自分の所管の仕事あるいは持ち味を強力に打ち出すことによって、初めて横の連携が必要でもあり可能になり、どうすれば上手くいくかが理解できると思いますので、そうした気持ちを抱きながら仕事を進めてください。

　このことは、ラグビーなどのスポーツを見ても感じることですが、強く突破力をもって前進しないと横の陣形も見えません。全力で自分の所管の仕事を進めれば、協力すべきところ相談すべきところが必ず見えてきますので、がんばってほしいと思います。

　なお、皆さん方は幹部職員として様々な経験をお持ちですが、同時にご家庭やご自身の健康などを考えていただく時期かと思います。

　どうか健康に十分留意されるとともに、ご家族のことを大事にしながら、公の仕事に全力で取り組んでいただくことを心からお願い申し上げまして、新年度のごあいさつとします。